
「不合格の恐怖を乗り越えて!定年前の行政書士試験合格体験記」
定年を2年後に控えた50代会社員が、役職定年後の緊張感のなさに不満を感じていた時に行政書士試験に挑戦。「駄目元」の気持ちで臨んだ試験で最低基準点での合格を勝ち取った、紆余曲折の学習体験をお伝えします。
定年前に感じた将来への不安と資格取得の決意
役職定年を過ぎ、毎日が定時退社という理想的な環境を1年以上満喫していましたが、次第に緊張感や充実感のなさにかえって不満を感じるようになりました。また、2年後に迫った退職に関して、嘱託での雇用延長を望むか否かも決めておらず、将来への漠然とした不安を抱えていました。
そんな時、遠い親戚に退職後に行政書士の資格を取得し、第二の人生を歩んでいる方がいることを知りました。インターネットで試験の内容や難易度を調べると「比較的容易に取得できる」という情報に惹かれ、深く考えることなく直感的に通信教育での勉強を決意しました。
資格取得への挑戦は、定年後の人生設計を考える良いきっかけになると思ったのです。
フォーサイトでの学習と苦労した日々
各社の講座内容を比較した結果、「広告費に多くを掛けない、その分が割安」という宣伝文句に惹かれてフォーサイトを選びました。最初は添削がないことに不安を感じましたが、実際に勉強を進めると「解答作業」や「自己満足」に陥りやすい添削は不要だと納得できました。
学習方法としては、フォーサイトの教材のみを使用し、テキストを繰り返し読みました。サブノート的なものは作成せず、重要事項の抜書きやメモのみを行う方法を選びました。
最初の1〜2回は初めての内容で新鮮さもあり集中できましたが、3回目の繰り返しに入る頃から「勉強しなければ」という義務感だけが先行し、苦痛な日々が続きました。丸々1週間ほど勉強をしないこともあり、週末に時間があるにも関わらず理由をつけて一切テキストを開かない日も度々ありました。
そんな時、CDのコーヒーブレークで聞いた「テキストのPDF化」というアイデアを思い出しました。自宅のスキャナーでデータを作成し、会社のパソコンに取り込んで、就業時間前や昼休みなどの空き時間を利用してPC画面上での勉強を試みたのです。
これが功を奏し、特に細切れ時間でも取り組みやすい「過去問の練習・確認」に適していました。自宅でテキストを読み、対応する過去問を翌日に会社で解くというリズムが確立され、勉強の苦痛が少なくなり、日々の習慣として取り組めるようになりました。
試験直前の挫折と「駄目元」の受験決意
8月の受験申込時期になると、過去問の正解率も向上し、自信を持って受験できると過信していました。しかし9月に入り、実戦形式にまとめられた昨年度の問題集や予想問題集に取り組んだところ、約3分の1以下の正解率で一気に自信を喪失してしまいました。
解説を読んで理解し再挑戦すると約6割を超す正解率となりましたが、自己分析の結果「基礎的な理解はできるが、過去問は繰り返しで暗記して正解を出していただけで実力ではない」「実戦形式の勉強が不足している」ことを痛感しました。
この時点になって初めて、「模擬テスト」のような実戦形式問題の重要性や、「記述式問題」「3時間に渡る集中力の鍛錬」を考えてこなかったことに気づきました。
しかし、9月から勉強した内容とその時間を一覧表にメモしており、これを見て「折角これだけ労力を費やしたから駄目元でも受験しよう」「反省点は来年に活かそう」と自分に言い聞かせて試験に臨むことにしました。
本音を言えば、高い受講料と費やした労力が無駄になることや、「年寄りの冷や水」と家族から指摘されることを恐れていたのかもしれません。
講座の最初に聞いたCDの「満点は不要、合格最低点を満たせば良い、試験当日にモチベーションを最高にもって行く」という言葉を実践しようと決意しました。「ここで逃げ出すと来年再挑戦することもできない。マラソンで例えるなら、入賞は無理でも先ず完走を」と自分を奮い立たせたのです。
試験当日のハプニングと開き直りの効果
試験会場は自宅から電車とバスを乗り継いで2時間ほどかかる国立大学でした。万全の態勢で臨めるよう時刻表を入念に調べ、カロリーメイトと飲み物も準備しました。
予定通りのバスに乗車できましたが、会場に近づいた時、バスの車内アナウンスが小さく、誰かが降車ボタンを押してくれると思っていたところ、バスは会場のバス停を通り過ぎてしまいました。慌てて降車ボタンを押しましたが、バスは停車せず、運転席からは冷たい返答が返ってきました。
出鼻をくじかれたような嫌な気分で、次のバス停から全員が無言で会場まで歩いて引き返しました。会場前の石垣に腰掛け、幸先の悪さにやる気が失せそうになりました。
しかしその時、「完璧でなく、足りない部分が多少あってほどほど」という言葉を思い出し、ここまで来たら運を天に任せての開き直り、「万全より少しの不手際はかえって好都合」と自己暗示をかけました。
この開き直りのおかげで、試験自体は思ったより冷静に対処できました。自信を持って回答できた問題は少なかったものの、消去法で確率の高い選択肢にマークしていきました。全問を終えて残り時間が20分ほどありましたが、疲れ果てて見直す気力がなく、そのまま終了しました。
合格発表と安堵の瞬間
試験を終えた達成感はあるものの、合格への手応えは全くなく、発表までは勉強の必要がなく自由に過ごせる喜びに浸っていました。実際には、発表の日が来なければ良いと思いながら過ごしていたほどです。
妻から合格発表の結果を聞かれてもインターネットを確認する勇気がなく、翌日のハガキ連絡に結果確認を先延ばししました。幸いにも、最低基準点数での合格でしたが、これで受験から解放されたと思うと喜びというより安堵感が湧いてきました。
振り返ってみると、私はフォーサイトの教材の独習のみで、インターネットによる質問も一度も行わず、manabun(eラーニング)も利用しませんでした。一度アクセスしましたが、ゲーム感覚のようで私の年代では入力が面映く、活用できなかったのです。
このため、制度が変わって過去問が少ない「記述式問題」や「実戦形式の問題集」への対応が全くできませんでした。運だけで今回は合格しましたが、再挑戦する場合にはこれらの対策が必要だと痛感しました。
フォーサイトの教材や支援サービスの半分しか活用していなかったかもしれません。これから学習を始める皆さんはぜひ積極的に利用してください。
将来、この資格を活かせるかどうかは分かりませんが、約1年間、目標を持って過ごせたこと、充実した日々を送れたことは確かです。もし不合格だったら深く傷つき落胆していたでしょうが、きっと再挑戦を決意するか、諦めて別の熱中できるものを探していたと思います。
私の勉強方法は最後の詰めが欠けていました。闇雲、無手勝流では勝算が低く、基本どおり正攻法で進み、最後に運を賭けるべきだと実感しています。
講座はこちら!
通信講座


講師コメント
合格おめでとうございます!定年前の貴重な時間を使って行政書士試験に挑戦し、見事に合格されたことに心より敬意を表します。
豊富な人生経験で培われた自己管理能力と深い理解力が、難関資格の取得に繋がったことと思います。特に、テキストのPDF化による「スキマ時間」の有効活用は、多忙な社会人の方々にとって大変参考になる工夫です。
また、試験直前の挫折感を乗り越え、「駄目元でも受験しよう」という決断力も素晴らしいです。この経験は、定年後の新たなキャリアにおいても大きな自信となるでしょう。
今後も知的好奇心を大切に、この資格を活かした充実した第二の人生を歩まれることを願っています。