教材開発の歴史

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パソコンなどのハイテク機器と異なり、教材はすごい速さで進化するものではありません。でも、23年かけて、フォーサイトの教材も少しずつですが、進化しています。ここでは、その歴史についてお話ししたいと思います。

昔はペンだことの戦いでした!

手書きの原稿
カセットテープ時代の教材
初めて完成したテキスト

私がはじめてテキストを執筆した24歳の時には、手書きで原稿を執筆するのが普通でした。右図が行政書士講座の問題集の原稿です。このように、方眼紙のような用紙に、一文字ずつ鉛筆で、原稿を埋めていきました。だから、鉛筆をはさむ指は、いつもペンだこができていました。

原稿ができると印刷屋に持ち込み、活字を組んでもらい、何度も校正するという膨大な作業が要求されました。ですから、1冊のテキストが出来上がった時のうれしさは、今よりも数倍大きかったと思います。

当時の講義メディアはカセットテープでした。先日、20年前の講義カセットテープをみんなで聴いたところ、「声が若い!!」と笑い転げていました。でも、悲しいことに、講義の内容はあまり進歩していませんでした。

今から見ると、本当に貧弱なデザインの表紙ですが、これができあがったときに、大喜びしたことを昨日のように覚えています。このときの執筆スタイルは、左側ページに受験に必要な知識をまとめ、右側ページにその補足説明をするというものでした。このスタイルは最近まで踏襲していました。

2色刷り時代へ

2色刷りのテキスト

テキストの中身の改訂を10年間にわたって繰り返してきましたが、それも限界が近づいてきましたので、思い切って、テキストを2色刷りにしました。

最初は、重要な部分を赤色にして、黒と赤の2色刷りのテキストにしました。翌年は、重要な部分を緑色、その翌年は水色と変えていきました。水色の時のテキストが右図です。この改訂により、「重要な部分が一目でわかるようになった」と受講生には好評でした。

同時に、講義メディアにCDを追加しました。カセットに比べて、音質も良く、頭だしも簡単なため、感動したことをよく覚えています。ただ、年配の方は、親しんだカセットの方がいいという声も多く、しばらくの間は、カセットとCDの2本立てでした。

フルカラー時代へ

ある日、当時、小学生だった息子がフォーサイトのテキストを見て、「学校の教科書の方がよっぽどよくできている」と言いました。正直、「何を言っているんだ!」とかちんときましたが、念のため、息子の教科書を見て唖然としました。

フルカラーで、いろいろな写真やイラストが盛り込まれていて、見ているだけで楽しいものでした。自分の子供だったころの教科書と比べ、格段に進歩していました。

記憶力は刺激の強さに比例します。だから、モノクロテキストより2色刷りテキスト、2色刷りテキストよりフルカラーテキストの方が記憶に残りやすいのです。また、より楽しいテキストの方が刺激が強いので記憶に残ります。記憶理論から見ても、息子の教科書は理にかなったものでした。

業界初だったフルカラーテキスト

そこで、まずは「教科書を超えるテキストを作る」という目標を立てました。そして、日本中のすべての教科書を購入し、研究をはじめました。

「楽しい」と感じるのには、どのような要素が必要なのか。
色は?
イラストは?
毎週、デザイナー・編集担当と議論・研究・試作をしました。
4年かかって、何とか、楽しいテキストの原型が見えてきました。ただ、まだまだだと痛感しています。

右上図はフルカラー1年目のテキストです。今から見れば、ただ色がついているだけのテキストですが、業界初のフルカラーテキストでしたので、評判にはなりました。

講義メディアも、専用スタジオをつくり、従来のCDに加えて、DVDでの提供をはじめました。

さらなる改良へ

名画が表紙のテキスト 2015年現在のフルカラーテキスト

フォーサイトでは、毎年、全受講生の方に詳細なアンケートにご協力いただいております。もちろん、テキストについてもたくさんのご要望・ご意見をいただき、それを基に会議を行い、毎年少しずつ改善・改良しています。

例えば、テキストを持ち歩いた際、それがテキストだとわからないようなデザインにして欲しいというご要望が寄せられました。そこで、テキストの表紙に世界の名画を採用し、持ち歩いても恥ずかしくないものにしています。

ひとつのご要望・ご意見を改善すると、次のご要望・ご意見をいただきます。「テキスト作りに終わりはない」と感じます。このようにして、一歩一歩、理想のテキストに近づいてゆきたいと考えています。