令和8年度 通関士試験の解答速報・試験講評

2025/10/10

解答速報

2026年10月4日(日)に実施されました、令和8年度 通関士の解答速報と試験講評を公開いたします。



通関業法

第1問 イ 13
ロ 8
ハ 11
ニ 12
ホ 10
第2問 イ 10
ロ 2
ハ 4
ニ 7
ホ 14
第3問 イ 3
ロ 10
ハ 12
ニ 15
ホ 9
第4問 イ 12
ロ 9
ハ 2
ニ 6
ホ 4
第5問 イ 12
ロ 2
ハ 13
ニ 11
ホ 10
第6問 1,2,5
第7問 2,4
第8問 2,5
第9問 1,4,5
第10問 1,4
第11問 3,4
第12問 2,4
第13問 1,2,4
第14問 1
第15問 1
第16問 3
第17問 3

関税法等

第1問 イ 4
ロ 14
ハ 1
ニ 10
ホ 9
第2問 イ 7
ロ 4
ハ 2
ニ 10
ホ 15
第3問 イ 8
ロ 14
ハ 3
ニ 11
ホ 9
第4問 イ 10
ロ 5
ハ 14
ニ 9
ホ 13
第5問 イ 13
ロ 4
ハ 8
ニ 7
ホ 11
第6問 3,4,5
第7問 1,3,4
第8問 1,3
第9問 3,5
第10問 3,4,5
第11問 2,3,5
第12問 2,3
第13問 2,4
第14問 2,5
第15問 1,2,3
第16問 1,3,4
第17問 2,4
第18問 5
第19問 5
第20問 4
第21問 5
第22問 3
第23問 5
第24問 5
第25問 4
第26問 4
第27問 2
第28問 4

通関実務

第1問 a 3
b 5
c 6
d 14
e 13
第2問 a 9
b 3
c 11
d 6
e 15
f 0672000
g 0328000
h 0288000
i 0269600
j 0240000
第3問 3,4
第4問 3,5
第5問 1,2,3
第6問 1,5
第7問 1,4,5
第8問 0013000
第9問 1628400
第10問 2527000
第11問 5138000
第12問 3900000
第13問 3200000
第14問 5
第15問 5
第16問 4

試験講評

10月4日(日)に、「令和8年(第60回)通関士試験」が実施されました。受験された皆さま、お疲れ様でした。

1. 総評

2026年(第60回)通関士試験は、単なる条文知識の暗記に依存してきた受験者を淘汰し、関税関係法令の制度趣旨や例外規定の適用要件を多角的に見極める「実戦的法適用力」を求める構造でした。本試験の合否を分ける最大の要因は「基本論点における失点をしないこと」と「正答を導くまでのタイムマネジメント力」の成否といえます。

2. 科目別概要・傾向分析

2.1 通関業法

通関業法は3科目の中で最も高得点が狙える得点源科目である一方、条文解釈のすり替えトラップが多くみられました。単純記憶ではなく、問われ方の精密度とすり替えのパターンを構造的に見抜く力が問われました。

「基本問」の識別ポイント

  • 通関業の許可手続、通関士の確認義務、名義貸しの禁止など、条文本文通りのストレートな規定。
  • 営業所の新設、休止、廃止等に係る手続期間や申請先(税関長)に関する明確な数字・手続規定。

「ひっかけ問」の構造

  • 欠格事由における対象者限定(主語のすり替え)
    「通関業者自身」「法人の役員」「通関士」「代理人・従業者」の誰に適用される処分や罰金刑であるかという主語のすり替え。
  • 行政処分の種別判断(必至処分と任意処分/停止処分)
    許可の取消しにおいて「必ず取り消さなければならない」のか「取り消すことができる・停止することができる」のかという語尾・処分種別の対比のすり替え。
  • 法的禁止規定と努力義務規定の混同
    通関士の信用失墜行為の禁止や秘密保持義務といった刑事罰・懲戒処分に直結する法的禁止規定と、訓示的な努力義務規定を混同させるトラップ。

2.2 関税法、関税定率法等

関税法等では、手続の適用要件や起算点ルールの正確な理解、さらには特例制度間の比較構造が問われました。特に特徴的な設問における具体的な出題テーマと要点は以下の通りです。

第4問(関税定率法:「関税の軽減又は免除」)
加工修繕減税(本邦から加工・修繕のため輸出された貨物の減税要件および期間)、特定用途免税(慈善・救助・教育等の特定用途に寄贈・使用される物品の免税手続)、および再輸出免税(試験用品等の再輸出免税要件)における手続期間や税関長承認の精度が問われました。

第7問(関税定率法:「課税価格の決定の原則」)
課税価格の決定原則における加算要素・非加算要素の境界線が問われました。買手が負担する通常要する費用、買手の代理人に支払う手数料の取扱い、物品・技術等を提供した場合の運賃・保険料等の評価能力が試されました。

第11問(「輸入通関」に関する手続)
輸入通関手続全般をはじめ、課税価格20万円以下の少額郵便物に対する簡易税率適用と輸入申告との関係選択、各種EPAの特例適用要件、ならびに特例輸入者等によるNACCS(電子情報処理組織)を用いた輸入申告手続ルールが出題されました。

2.3 通関実務

申告書問題

  • 輸出申告(衣類等・CIF条件)
    諸費用を按分算入した申告価格の算定処理。さらに20万円以下の少額貨物のとりまとめルール(同一統計品目番号の最優先とりまとめ、申告価格最大品目の番号採用、10桁目符号「X」の付与、単一品目20万円以下の「E」付与)を迅速かつノーミスで処理する算術精度が求められました。
  • 輸入申告(飲料等・CIF条件)
    関税率表の注規定や解説に基づく所属決定に加え、加算要素の吟味が勝負の分かれ目となりました。諸費用を的確に整理し、有税・無税ごとの少額まとめを正確に処理する必要がありました。

選択式・計算式

  • 過少申告加算税の計算(第8問)
    端数処理規定に従った過少申告加算税の計算。
  • 課税価格決定の原則(第10問・第11問)
    • 第10問では、当該機械部分品の代金に係る支払期日を経過した場合、延払金利が設定されている場合、どのような扱いになるかがポイントとなりました。
    • 第11問では、継続して工芸品を取引している契約関係を前提とし、諸々の費用等の評価について検証することが求められました。
  • 同種・類似の貨物による決定(第13問)
    関税定率法4条の3第1項の規定に基づく「当該輸入貨物と同種又は類似の貨物に係る国内販売価格」の加算調整計算が出題されました。

3. 2026年通関士試験の特徴と示唆

複合的法適用力
今回の本試験内容を踏まえると、今後は単なる条文の文言暗記からの完全な脱却が必要と言えます。制度の趣旨や例外規定が設けられた背景を理解し、提示された具体的な事実関係に対して解釈を適合させる複合的な法適用力がなければ、合格は困難です。

タイムマネジメント力
通関実務における膨大な計算量と多角的な調整作業に対応するためには、開始直後に全体を見渡し、「解くべき基本問」と「後回し・捨てるべき高負荷問」を即座に選別する判断力が合否の決定打となりました。限られた時間を戦略的にコントロールする能力こそが実戦での最大の武器となります。

価格調整・原産地規則の統合的理解
仕入書の各種費用の加算・非加算の厳格な整理など、実務現場に直結する統合的知識の正確性と速度が合否を明確に分けました。

以上

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