数字以上に難易度は高い!?通関士試験の難易度と合格率

目次

通関士試験の合格率

2020年令和元年度第54回通関士試験の合格率は16.9%でした。

難易度から見るとかなりの難関と言えます。

過去10年間の合格率

受験者数 合格者数 合格率
2011年(平成23年) 9,131人 901人 9.9%
2012年(平成24年) 8,972人 769人 8.6%
2013年(平成25年) 8,734人 1,021人 11.7%
2014年(平成26年) 7,692人 1,013人 13.2%
2015年(平成27年) 7,578人 764人 10.1%
2016年(平成28年) 6,997人 688人 9.8%
2017年(平成29年) 6,535人 1,392人 21.3%
2018年(平成30年) 6,218人 905人 14.6%
2019年(令和元年) 6,388人 878人 13.7%
2020年(令和2年) 6,745人 1,140人 16.9%

過去10年の通関士試験の受験者数と合格者数、合格率をまとめたのが上記の表です。合格率は最低8.6%から最高で21.3%と大きな幅はありますが、おおむね10~20%と考えれば間違いないでしょう。

合格率に大きな幅がある理由は、通関士の合否判定基準が絶対評価であることが理由でしょう。資格試験には絶対評価と相対評価があります。絶対評価とは、合格基準点が定められており、その基準点を超えれば合格というもの。試験問題のレベルや、受験者のレベルによって合格率がばらつく傾向にあります。

一方相対評価は受験者全体の正答率から、上位〇%を合格とする試験。相対評価の場合合格基準点は定められておらず、合格者数が概ね固定される傾向にあります。通関士試験の合格基準点は、毎年若干の変更はありますが概ね定まっていますので、絶対評価の試験となります。

科目免除者の合格率は高くなる

通関士試験は、通関業務の実務経験によって科目免除の制度があります。科目免除になる条件は、通関業者などで通関事務に5年以上従事していること、もしくは15年以上従事していることになります。5年以上の従事で1科目(通関実務)の免除、15年以上の従事で2科目(通関事務・関税法等)の試験が免除されます。

科目免除を受けた方の合格率に関して確認しておきましょう。

3科目受験者 2科目受験者 1科目受験者
2018年 12.4% 22.2% 67.7%
2019年 12.5% 12.5% 61.9%
2020年 14.4% 20.7% 75.4%

近3年の合格率推移が上記の通り。3科目受験の合格率と比較すると、2科目受験の合格率は高くなり、1科目受験に関しては60%以上の人が合格しています。科目免除を受ける方は、実際に通関業務に長く関わっている方ですので、通関実務の試験が免除されることでの恩恵はさほど目立ちませんが、2科目免除となると合格率が跳ね上がることがわかります。

通関士試験の難易度は?

通関士試験は通関業法に関する試験、関税法に関する試験、そして通関実務の3つの科目があります。通関実務を除くと法律知識を問われる出題となり、法律に関する知識がない方には非常にハードルの高い試験といえるでしょう。

ただし、ほかの国家資格、例えば八士業と呼ばれるような資格試験と比較すると、試験範囲は狭く、そこまで難易度が高いとも言えません。

すでに法律に関する知識のある方や、貿易関係の仕事をしているなど、普段から関税などに触れる機会の多い方にとっては、さほど難しい試験ではないかもしれませんが、まったくの他分野から挑戦をするとなるとなかなか難しい試験と言えるでしょう。

法律の問題には独特の言い回しがあります。こういった点からも、ある程度しっかりと準備をしないと合格できない難易度であるといっていいでしょう。

通関士試験の難易度が高い理由

通関士試験の合格率は10~20%程度です。これだけ聞くとさほど難易度が高くないと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、通関士の資格は、必要に駆られて受験する方が多い試験です。一般的に知名度がある資格ではなく、実務上必要な方が取得する資格です。

そう考えると、受験している方の多くは、ある程度通関に知識のある方が中心となります。そういった方でも10~20%程度しか合格できないと考えると、通関士試験の難易度は高いといっていいでしょう。では難易度が高いとされる理由についてまとめていきましょう。

専門用語を身に着ける必要がある

1つ目の理由は専門用語の多さです。そもそも法律知識を問うような資格試験は、法律の条文に使用されている専門用語に苦しむ方が多い傾向にあります。通関士試験の場合、この法律の専門用語に加え、輸出入や貿易関係、関税に関する専門用語も身に着ける必要があります。

専門用語の意味を知ることだけではなく、専門用語を自然に使いこなせるレベルにならないと、そもそも問題文を理解するのが難しく、これが通関士試験の難しさにつながっています。

最低限の英単語知識も必要

通関に関する業務を行う以上、最低限の英語力は必須です。しかし通関士の試験科目には英語など海外の言語能力を問う科目はありません。しかし、設問の中に自然と英単語が出てくることがありますし、何より通関実務の試験では英語で書かれた書類を元に通関書類の作成をする設問もあります。

英語の書類を見ながら通関業務を行うといっても、通関で使用される英語にはパターンがあり、さほど覚えることは多くないと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかしポイントは積み荷の部分の英単語。積み荷にはさまざまな種類があり、それが英単語で記されています。

同じ洋服でも素材によって関税は変わります。積み荷の中身がどのような品目で、その素材が何かを英単語から判別できるようにしておく必要があります。

英語を使いこなせる必要はありませんが、一見して積み荷がどのような荷物か判別できる程度の英単語力は必要となります。

選択問題にはひっかけも

上で紹介した表で、1科目免除を受けている方の合格率が思ったほど高くないと思った方もいるかもしれません。その原因として考えられるのが選択問題の回答です。

通関士試験はマークシート式ですので、回答が分からなくても勘で正解できる可能性があります。五肢択一式であれば勘で回答しても20%の確率で正答になる計算です。しかし、通関士試験の問題の中には、「回答なし」という問題が出題されるケースがあります。

通常選択式の問題を見ると、多くの方は選択肢の中に回答があると思うものです。しかしいくら探しても正答がないという問題があるのが通関士試験です。

受験科目免除を受けるような、通関事務の経験豊富な方が、法律問題の選択問題で苦しむ理由がこのひっかけ問題の存在でしょう。

法改正のたびに対応が必要

法律の知識を問う資格試験では、その試験でも同じですが、法律は常に法改正を繰り返しています。極端な話をすれば5年前に覚えた項目が、法改正により全然違う内容に変わってしまう可能性もあります。

通関士試験も大半は法律に関する問題です。常に法律に関する情報をアップデートしていかないと、試験に合格できないということになります。

ちなみに法律問題に関しては、どの時点での法令に沿って回答するかが問題となります。通関士試験の場合、試験概要の公告が発せられるのが7月上旬。この公告の時点での法律お元に出題がされます。

仮に7月に試験の公告があり、9月に法改正があったとしましょう。通関士試験は例年10月に実施されますが、試験に回答する場合は9月の法改正以前の旧法令に沿って回答するのが正解ということになります。

実務試験が最難関

通関士試験最大の難関が通関実務の試験です。この科目を受験するということは、通関実務にかかわっていない方、もしくは通関事務にかかわってはいるもののその職歴が浅いという方です。

こういう実務経験の少ない方、ない方にとって、通関に関する書類を見て実務を行うのはかなりの難関です。しかも上で触れたとおり、出題される問題には英文で書かれた書類が出題されるケースもあり、対応はより難しくなります。

通関実務科目への対策方法は主に2つ。まず通関業者や貿易会社などに勤務している方は、社内の業務上で使用されている通関書類に触れる機会を増やし、どんどん経験を積むのがおすすめです。もちろん通関書類を実際に作成するというのは難しいかと思いますが、通関が済んだ貨物の書類を見せてもらうなど、仕事の中でも対策可能です。

通関業務に携わることがない他分野の方は、とにかく過去問など多くの問題に調整んするしかありません。通信講座で使用するテキストにある例題を何度も解いたり、必要であれば通関実務専門の問題集を購入してもいいでしょう。

とにかく多くの経験を積む、問題を解くことが通関実務試験を乗り越えるポイントとなるでしょう。

ほかの資格との難易度比較

通関士試験の合格率は10~20%程度です。しかしこれだけではどの程度の難易度かイメージがしづらいかもしれません。もちろん司法試験や医師免許試験のような、誰もが難関試験と知っている資格試験と比較すれば、通関士の難易度は低いということになります。

そこでここで比較するのは、その資格があれば職務上役立つと言われている宅建士試験や、八士業の中では比較的取得難易度が低いと言われている行政書士試験、職務上通関士とイメージがあまり遠くない海事代理士試験、貿易実務検定試験と比較していきましょう。

宅建士と比較

通関士試験 宅建士試験
試験頻度 年1回 年1回
試験科目 通関業法/関税法/通関実務 民法/不動産登記法/借地借家法/
区分所有法/国土利用計画法/
都市計画法/建築基準法/宅地造成等規制法/
土地区画整理法/
農地法/
住宅金融支援機構法/
不当景品類及び不当表示防止法/
宅地建物取引業法 など
合格率 2016年 9.8% 15.4%
2017年 21.3% 15.6%
2018年 14.6% 17.0%
2019年 13.7% 17.6%
2020年 16.9% 13.1%

宅地建物取引士の資格は、不動産仲介業で働く方や、不動産関連事業に就く方に人気の資格で、毎年多くの受験者がいる人気資格です。試験範囲は不動産取引に必要とされる分野が中心で、非常に広い出題範囲となっています。

この数字だけを比較すると、より出題範囲の広い宅建士試験の方が難易度が高そうに見えますが実はそうでもありません。宅建士試験では特に多く出題される分野が決まっています。それが、民法・不動産登記法・借地借家法・区分所有法・宅地建物取引業法の分野。この分野からおよそ7割程度が出題されますので、受験生はこの分野にある程度対策を絞ることができます。比較的対策がしやすく、結果が出しやすい試験といえます。

一方通関士は2つの法律分野ですが、その双方を均等に学ぶ必要があります。さらに難関でもある実務試験があり、総合的な難易度でいえば、通関士試験のほうが高いというのが一般的な評価です。

行政書士と比較

通関士試験 行政書士試験
試験頻度 年1回 年1回
試験科目 通関業法/関税法/通関実務 憲法/民法/行政法(行政法総論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法、損失補償)/商法/会社法/基礎法学/一般知識
合格率 2016年 9.8% 13.1%.
2017年 21.3% 10.0%
2018年 14.6% 15.7%
2019年 13.7% 12.7%
2020年 16.9% 11.5%

国家資格の中でも職務上の理由で、戸籍謄本や住民票の請求ができる資格を八士業(弁護士・司法書士・行政書士・税理士・弁理士・社会保険労務士・土地家屋調査士・海事代理士)といいます。この八士業の中で、比較的取得がしやすい、難易度が低いとされているのが行政書士です。

行政書士は、官公署に提出する書類を作成できる資格であり、独立開業も可能な資格のため、多くの方が取得を検討する人気の資格です。

行政書士試験の試験範囲は非常に広く、特に民法と行政法から多く出題される傾向があります。しかしそれ以外の法律からもまんべんなく出題されますし、なにより法律の基本、憲法の基本までしっかりと理解していなければ合格できない難関試験と言われています。

試験の難易度としては当然ながら行政書士試験のほうが難易度が高く、通関士試験の方が取得はしやすいでしょう。

海事代理士と比較

通関士試験 海事代理士試験
試験頻度 年1回 年1回
試験科目 通関業法/関税法/通関実務 一般法律常識/
海事法令(筆記)/
海事法令(口述)
合格率 2016年 9.8% ---%
2017年 21.3% ---%
2018年 14.6% ---%
2019年 13.7% ---%
2020年 16.9% 43.1%

船舶の登記や登録から、船員の労務に関する申請まで、船舶に関する申請業務、書類作成業務を引き受ける海事代理士は、八士業のひとつでもあり、「海の司法書士」とも呼ばれる資格です。

資格試験で問われるのは一般的な法律常識と海事法令に関して。この海事法令が非常に細かく、また範囲も広いため、対策が非常に難しい試験と言われています。さらに海事代理士試験の難易度を上げているのが二次試験の口述試験です。海事法令に関する問題が出題され、その場で口述で回答することが求められます。

国土交通省のHPでは、直近の試験結果しか掲載されていませんが、合格率は例年40%前後。これだけを見ると比較的合格しやすいように見えますが、そもそも受験者数が非常に少ない試験です(2020年は288名)。それだけ完璧に対策を練った方のみが受けている試験でも半数以上が落ちてしまうのが海事代理士試験です。

試験範囲の広さや口述試験の存在も考えるとその難易度は非常に高く、通関士試験よりもかなり難易度の高い試験と考えていいでしょう。

貿易実務検定と比較

通関士試験 貿易実務検定
試験頻度 年1回 A級年1回
B級年3回
C級年5回
試験科目 通関業法/関税法/通関実務 貿易実務/
貿易マーケティング/
貿易実務英語
合格率 2016年 9.8% A 38.2% B 50.1% C 58.8%
2017年 21.3% A 30.7% B 47.2% C 53.6%
2018年 14.6% A 38.9% B 50.8% C 58.1%
2019年 13.7% A 41.5% B 52.0% C 61.1%
2020年 16.9% A 38.7% B 53.4% C 67.7%

通関士試験と似たイメージを持つ試験が貿易実務検定試験です。こちらも貿易に関する実務能力を問う試験であり、通関士試験とどちらを受験するか悩む方もいらっしゃるかと思います。

貿易実務検定と通関士はそもそもの本質が違います。通関士は資格試験であり、貿易実務検定は検定試験です。貿易検定試験に合格したからと言って、何かしらの業務ができるようになるわけではありません。貿易関係の実務を行う能力があることを証明するための民間資格が貿易実務検定です。

また、この2つの試験は受験する方の傾向も違います。貿易実務検定は貿易を行う商社などで働く方が、その実務能力を証明するために受けることが多く、通関士試験は通関業者などで実際に通関業務にあたる方が中心です。

難易度に関してですが、これは合格率を見ても分かる通り、通関士試験のほうが難易度は上です。貿易実務検定試験の出題範囲には、通関業務に関する部分も含まれますが、問われる知識は比較的浅い部分の知識が問われます。

全体のイメージを見ても、貿易実務検定は広く浅く、通関士試験は通関業務に関する部分を狭く深く問われる試験になります。

通関士試験の合格ラインは?

通関士試験は絶対評価で合否判定が行われます。絶対評価とは、受験生の得点レベルに限らず、一定の合格ラインが定められており、そのラインを超えれば合格となる評価方法です。

そのため合格者数や合格率は毎年一定とならず、合格者数が多い年や、合格率の低い年が存在することになります。

ただし通関士試験の合格ラインは単純な絶対評価ではありません。そのあたりを解説しておきましょう。

合格ラインの発表は合格発表時

通関士試験の合格ラインは、事前に発表が行われません。その年の合格ラインが発表されるのは合格発表時。合格者の受験番号と同時に公表されるシステムになっています。そのため受験者はかなりしっかりと準備をし試験に挑む必要があります。

通常の絶対評価の試験というのは、あらかじめ合格基準点が明確に提示されており、受験生は合格基準点をクリアするように準備対策をして挑むものです。ちかし通関士試験の場合、採点が完了した後、受験生の回答レベルを見極めてから合格基準点を決定する形になります。

そのため大幅ではないものの、年によって合格基準点には差が生じます。これが通関士試験は単純な絶対評価ではないという根拠です。受験生は合格基準点がどのラインになっても合格できるよう、より高得点を獲れるレベルまで準備をしなくてはいけない試験となります。

過去10年の合格ライン

通関業法 関税法等 通関実務
2011年 60%以上 60%以上 50%以上
2012年 60%以上 60%以上 60%以上
2013年 60%以上 60%以上 60%以上
2014年 60%以上 60%以上 60%以上
2015年 55%以上 55%以上 50%以上
2016年 60%以上 60%以上 55%以上
2017年 60%以上 60%以上 60%以上
2018年 60%以上 60%以上 50%以上
2019年 60%以上 60%以上 60%以上
2020年 60%以上 60%以上 60%以上

過去10年における合格ラインの変動です。各科目60%を超えることはなく、目安としては60%と考えて間違いないでしょう。ただし、絶対評価の基準が時折変更されているように、今後のテストで60%を超える合格ラインになる可能性は十分考えられます。

また、合格ラインの特徴としては、総得点に対するラインではないということが挙げられます。3科目それぞれに合格基準点が設けられており、1科目でも基準点を落とせば合格できない試験です。すべての科目を平均的に対策しないと合格できない試験といえるでしょう。

通関士試験の合格者傾向

通関士試験について難易度を中心にいろいろと見てきましたが、ここからは合格者の傾向を見ていきましょう。税関のHPで公表されているのは各税関別の合格者数や男女比率になります。

あまり古いデータは残されていませんが、2021年5月現在公表されている数値から検証してみます。

税関別合格率

2020年 受験者数 合格者数 合格率
函館税関 120人 14人 11.7%
東京税関 2,303人 397人 17.2%
横浜税関 753人 139人 18.5%
名古屋税関 957人 164人 17.1%
大阪税関 1,125人 201人 17.9%
神戸税関 831人 129人 15.5%
門司税関 486人 74人 15.2%
長崎税関 89人 12人 13.5%
沖縄税関 81人 10人 12.3%

2020年の各税関別の受験者数と合格者数、合格率をまとめてみました。もちろんすべての税関で同じ日に同じ試験を行っていますので、大きな差はありません。それでも東京税関、大阪税関という受験者数の多い税関はやや合格率が高い傾向にあります。

通関士の資格は税関ごとに認定する資格ではなく、国が認可する国家資格です。どの税関で受験を行っても、日本全国の税関で業務はできますので、自身の居住地から近い試験会場で受験するようにしましょう。

ちなみに受験会場は各税関のある都道府県の他には、新潟県(東京税関)、静岡県(名古屋税関)、広島県(神戸税関)、熊本県(長崎税関)があります。函館税関に関しては、税関は函館ですが、試験会場は札幌の2会場になります。また長崎税関は税関こそ長崎県にありますが、試験解除は例年熊本県に設置されます。

合格者男女比率

試験年 性別 受験者数 合格者数 合格率
2019年 男性 3,134人 365人 11.6%
女性 2,527人 343人 13.6%
2020年 男性 3,847人 648人 16.8%
女性 2,898人 492人 17.0%

税関のHPに残っている過去2年分の男女別のデータです。国家資格の試験としては珍しく女性比率が非常に高いという特徴が見られます。代表的な資格試験の、合格者数における男女比率を比較してみましょう。

男性 女性
合格者数 合格者内比率 合格者数 合格者内比率
通関士 648人 56.8% 492人 43.2%
行政書士 3,288人 73.6% 1,182人 26.4%
社会保険労務士 未公表 64.0% 未公表 36.0%
宅建士 2,881人 62.5% 1,729人 37.5%
弁理士 300人 73.0% 111人 27.0%

※宅建士試験は2020年12月実施分のデータ

社会保険労使試験の合格者データは、合格者数の内訳は発表されていませんが、男女比率のみ発表されています。比較的女性比率が高いと言われている社労士や宅建士と比較しても通関士の女性比率は高い傾向にあるのがわかります。

通関士の業務は書類作成など細かな作業が中心であり、男性と比較して細やかな気遣いができる女性に向いている資格ともいうことができます。通関士の業務もかなりオンライン化が進んでおり、近年では在宅でも業務可能なケースも目立ちます。

特に2020~2021年のように、新型コロナウイルスの感染拡大という状況にあっても、テレワークで安定して業務可能な通関士の資格は、働き方改革が進む今後も注目を集める資格といえるでしょう。

例えば出産を機に一度仕事を退職された女性が、育児な手がかからなくなってきたものの、家を開けて仕事に出るのは難しいという状況もあるかと思います。こういった時に有効活用できるのが通関士の資格です。日本全国どこの税関でも仕事ができ、しかも通関申請の中心はオンライン申請となっています。自宅からでも業務は可能ということになります。

また、通関業者ではなく貿易会社などでも通関士は求められる人材です。通関業者に通関申請を依頼した場合も、通関書類の内容が間違っていないかを確認する作業があります。通関書類に誤りがあり、余計な関税を支払うようなことになると貿易会社としては大きなマイナスです。そのような事態が起きないための書類チェックですが、これも在宅で十分対応可能な業務となります。

こういった業務の特性を考えると、通関士の資格は今後ますます女性が活躍できる資格といえるかもしれません。

フォーサイトの合格率

2020年度通関士試験におけるフォーサイト受講者の合格率は47.9%でした。全国平均16.9%のおよそ2.83倍の合格率を誇ります。フォーサイトの受講生は本気で通関士試験に挑む人たちであり、フォーサイトが全力で本気の受験生をサポートできた結果です。

講師による講義をはじめ、学習スケジュール管理機能、やる気が途切れかけたときに届けられるメールマガジン、隙間時間にスマホを利用しクイズ感覚で学習できるeラーニング、いつでもどこでも気軽に質問できるシステム。多角的に学習できる教材が受講生を試験本番までサポートします。

まとめ

通関士試験の合格率は、年によってバラつきがあるものの、おおよそ10~20%です。試験問題の難易度は、ほかの国家試験、特に八士業といわれるようなメジャーな資格と比較すれば易しいといえますが、とはいえ簡単な試験でもありません。

試験で出題されるのは通関業法、関税法といった法律問題と、実際に通関業務を行う通関実務試験になります。法律にかんする科目に関してはしっかり準備をすることである程度対応できるかと思いますが、通関実務の科目が難関です。

通関実務が難問だからと言って、ほかの科目で点を獲れば合格できるわけではありません。通関士試験の合格判定基準は各科目で設定されており、試験科目全体を平均的に高い水準で回答する必要があります。

通関士試験は通関業務の事務経験により科目の免除があり、免除されるのが通関実務の科目です。通関実務の科目は難問と言われていますので、科目免除が受けられる方はぜひ免除を受けましょう。

通関士は名称独占資格ですので、通関士を名乗るには通関士試験に合格するしかありません。そのための勉強は、各科目を平均的に、また効率的に進める必要があります。特に通関実務勉強は、不明点を解決できる手段を持っていないと効率的に学ぶことが難しく、独学はあまりおすすめできません。

通関士試験対策の実績がある通信講座などを利用し、効率的に学んでいくことをおすすめします。