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ラオス・ビエンチャン教育施設視察1 ラオス日本センター

ビエンチャン教育施設視察

ラオス地方部、サラワン県ドンニャイ村のドンニャイ校において、私たちは2棟の校舎建設を支援している。2016年3月に第1回現地視察に伺った際は1棟目の校舎が出来たばかりで、机などの設置もまだという状況だった。今回は2棟目の完成に合わせて開校式を開催していただけるということで、フォーサイト代表山田を始め総勢5名のスタッフがお伺いすることとなった。

ドンニャイ村とは大きく環境が異なる首都ビエンチャン。朝8時のビエンチャンは通勤カーがちょっとした渋滞を作っていた。遠くには建設中と思しき高層ビルが見える。ビエンチャンの街を歩くと、そこかしこで工事現場に遭遇し、「経済成長率7~8%」というラオスの勢いを実感させられる。

ラオス国立大学

「ラオス日本センター」があるラオス国立大学は、設立20周年を迎えていた。20周年記念フェスティバルには多くの学生たちが来ていて盛況だった。ラオス日本センターのブースでは、興味深そうに日本語のパンフレットを手に取る学生の姿が見えた。ただ、隣の中国ブースは〝大盛況〟といった様相で、ブースに入りきらない程の人だかりが出来ていた。ラオス北部は中国と接しており、より身近な存在なのだろう。

「e-learnig」についてのブースがあり、モニターと撮影機器が準備されていた。DVDやCDを使った動画・音声講義も存在する。ラオス地方の一部の村ではパソコンが学校に1台しかない状況だったので、隔世の感を抱く。

ラオス日本センター

「ラオス日本センター」は日本のODAを活用してJICAがラオス国立大学と共同運営する、ラオスのビジネス人材育成と現地経営人材・日本企業間のネットワーク構築支援を目的とした教育施設だ。日本語を教えているモンペット先生にお話しを伺うことができた。

ラオス日本センターについて

  • 日本語を学ぶのは大学生が多い。昼は大学の授業に出て、夜に言葉を学ぶ。ラオス人は夜に外国語を勉強する人が多い。
  • ラオス日本センターで働く先生や職員の中にも、昼は仕事、夜は学生として日本語を学ぶ人も多い。
  • 自分が勉強したいから、自分のために学ぶという面が大きい。
  • アニメ・漫画から日本に興味を持つ若者も多い。(NARUTOなどが有名)
  • 日系企業がラオスに進出するケースが増えていて、そこで働く人材を育てることも目的の一つ。

高いレベルでの教育

「ラオス日本センター」では日本語や、日本の文化を教えている。校内に貼りだされていた仕事紹介のチラシには、「事業統括責任者」「不発弾処理専門家」など難しい漢字が踊り、日本語教育の到達点の高さが伺えた。

先生にお話しを伺って感じたことは「学ぶ意欲と欲求段階の高さ」だ。ラオス(ビエンチャン)では自分が興味がある外国語を学ぶことに意欲的だという。新しいことを学びたいという意欲の高さは都会であるビエンチャンも、サラワン県の田舎であるドンニャイ村も同じだと感じる。

欲求段階の高さは対照的で、村では「共用語を学ぶため」「生活を豊かにするため」学ぶ意味合いが大きい。対してビエンチャンでは「ジャパニーズアニメに興味があり日本語をもっと知りたいから」「日本に行ってみたいから」学ぶという、「自己実現」のレベルでの学びの域に達している。教育の目的が、まずは自分の足元を固めることから、より自己を高めるためのものになっている。

首都ビエンチャンでは基礎教育が整っているからこそ、このように高い欲求段階に至っているのだろう。私たちが教育支援を行っているラオス地方部の村々においても、ゆくゆくは教育が自己実現に繋がっていけばと思う。

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