委託保証金の計算を3つの設例で身につける
信用取引では、買い付けた金額に応じた委託保証金を差し入れる必要があります。この講義では、委託保証金率30%・上場株式の現金換算率(代用掛目)80%という条件のもとで、必要委託保証金を求める設例、代用有価証券の現金換算額を求める設例、現金と株式を組み合わせて差し入れる設例の3つを、実際に計算しながら解説します。

委託保証金の計算では、まず「いくら買ったのか」を示す約定価額を求めるところから始めます。設例1は、信用取引によりA株式を700円で20,000株買い付ける注文が成立した場合の必要委託保証金を求める問題です(委託保証金率は30%、上場株式の現金換算率(代用掛目)は80%とします)。約定価額は700円×20,000株=1,400万円、必要委託保証金はその30%で420万円となります。

講義では、テキストの余白に計算式を書き込みながら手順を追っていきます。700円×20,000株で約定価額1,400万円を出し、続けて1,400万円×30%=420万円と計算します。設例1で問われているのは最低ラインである必要委託保証金なので、この420万円がそのまま答えになります。

設例2は、委託保証金を現金ではなく株式で差し入れる場合の問題です。代用有価証券としてB株式を400円で50,000株差し入れると、時価の合計は400円×50,000株=2,000万円になります。ただし上場株式は現金換算率(代用掛目)80%で評価するため、現金換算額は2,000万円×80%=1,600万円となります。時価がそのまま保証金として扱われるわけではない点がポイントです。

設例3は、現金と株式を組み合わせて委託保証金を用意する場合の問題です。C社株式を1,000円で10,000株買い付け、委託保証金のうち200万円を現金で差し入れ、残りを上場株式で代用する場合に、最低いくらの株式が必要になるかを求めます。

設例3も手順は同じです。約定価額は1,000円×10,000株=1,000万円、必要委託保証金はその30%で300万円です。このうち200万円は現金で差し入れているので、現金以外で用意する委託保証金は300万円-200万円=100万円になります。株式は80%で評価されるため、100万円分の保証金にするには100万円÷0.8=125万円の株式が必要です。「株式で差し入れるときは0.8を掛ける、逆算するときは0.8で割る」という関係をつかんでおきましょう。

委託保証金の計算は、五肢選択方式の10点問題として出題される可能性があるところです。設例そのものを覚えるのではなく、条件が変わっても同じ順番で手が動くかどうかを確かめながら、繰り返し解いてみてください。