証券外務員の講座を調べ始めて最初に戸惑うのは、価格の幅の大きさです。同じ資格の講座なのに、金額だけを並べても、その差が何の差なのかは見えてきません。
しかも、実際にかかるお金は講座の受講料だけではありません。試験を受けるには受験手数料が13,860円(税込)かかり、不合格ならもう一度同じ金額が必要になります。次に受けられるのは、30日の待機期間をおいた後です。
つまり費用対効果を考えるときに見るべきなのは、講座単体の価格ではなく、合格までにかかる総額です。そしてその総額のうち、自分でコントロールできるのは受験回数です。言い換えれば、一度で合格できる準備ができているかどうかです。
この記事では、証券外務員の取得にかかる費用を「受講料・受験手数料・学習時間」に分解したうえで、フォーサイトの受講料に何が含まれているのか、そしてなぜその価格で提供できるのかを解説します。
証券外務員の取得にかかるお金は、受講料だけではない
証券外務員の取得にかかる費用を考えるときは、講座の受講料だけを見るのではなく、受講料・受験手数料・学習時間の3つに分けて捉えると判断しやすくなります。受講料は講座によって変わりますが、受験手数料は誰が受けても同じ金額がかかり、学習時間は「そのぶんほかのことに使えなくなる時間」という意味で、やはり支払っているものだからです。

学習時間は、フォーサイトが示す標準学習期間で二種が1〜2ヵ月・50〜80時間、一種が1〜3ヵ月・80〜100時間です。二種の50時間を2ヵ月に配れば1日あたり約50分、1ヵ月に詰めれば約1時間40分になります。学習時間の配り方については証券外務員のタイパ学習設計で詳しく解説しています。
3つのうち、金額がはっきり決まっているのが受験手数料です。証券外務員試験はCBT方式で通年実施されており、受験の申込・受験料金の支払い・当日の手続きはプロメトリック株式会社が窓口となります。受験資格に制限はなく、誰でも受けられる代わりに、受験のたびに手数料が必要です。1回で合格すれば1回分で済みますが、2回受ければ27,720円(税込)になります。この金額は、どの講座を選んでも変わりません。
総額を下げる余地があるのは、受講料の選び方と、受験回数のほうです。申込みの手順や会場については証券外務員試験の日程・申込方法をご覧ください。
いちばん大きな節約は、受験回数を増やさないこと
総額を押し上げるいちばん大きな要因は、受験回数が増えることです。不合格の場合、受験手数料がもう1回分必要になるうえ、当該受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受けることはできません(欠席の場合は含みません)。受験回数そのものに制限はありませんが、すぐに受け直すことはできません。

二種を1回で合格すれば受験費用は1回分ですが、2回受ければその倍。そこに30日以上の待機期間と、学習をもう一度立て直す時間が加わります。手ごたえは早く分かります。試験終了時の画面に正解率が表示されるためです。一般の方が受験する場合は、予約時に登録したEメールアドレス宛に、正解率を記載した「受験結果通知」が送付されます。勤務先(協会員)を通じて受験する場合は、所属する会社の担当部署に通知されます。そのため、次の予定を組み直す判断は早くできますが、受けられる日そのものは先送りになります。
二種スピード合格講座の受講料は9,800円(税込)に対し、受験手数料は13,860円(税込)。受験手数料のほうが高い金額です。受験を1回増やすことは、講座をもう1つ受講するより大きな出費になります。数千円の受講料の差を見比べるより、1回で受け切る準備を整えるほうが総額には効きます。
では「一度で合格する準備」はどこまで見通せるのか。証券外務員試験は、その見通しが立てやすい試験です。合格基準が固定された絶対評価だからです。二種は300点満点のうち210点以上、一種は440点満点のうち308点以上——いずれも70%以上の得点で合格となり、受験者どうしを比べる相対評価ではありません。
目標が「上位◯%に入ること」ではなく「210点を取ること」と決まっていれば、そこに必要な学習量も逆算できます。フォーサイトが教材で満点ではなく合格点を狙うのは、この理由からです。考え方は証券外務員の合格点主義、合格点の詳細は証券外務員試験の合格点で解説しています。
受講料に何が含まれているのかを見る
フォーサイトの証券外務員講座は、「証券外務員 二種スピード合格講座」と「証券外務員 一種+二種スピード合格講座」の2コースです。受験する試験に合わせて選びます。コースの数を増やして比較を複雑にしていません。
二種スピード合格講座は、テキスト2冊・問題集1冊・模擬試験1回に、副教材として受講ガイド・戦略立案編・合格必勝編・演習ノート1冊が付きます。一種+二種スピード合格講座は、テキスト3冊・問題集2冊・模擬試験2回・演習ノート2冊という構成です。受講料は、二種スピード合格講座が9,800円、一種+二種スピード合格講座が14,800円(いずれも税込・2027年試験対策)です。

紙の教材とあわせて、eラーニングの「ManaBun」も受講料に含まれています。ManaBunでは、講義動画から学ぶ・教材テキストから学ぶ・確認テスト・合格カード・用語集といった学習機能に加えて、学習スケジュール・各種お問い合わせ・質問フォームといったサポート機能が使えます。学習スケジュールは、生活パターンなどの必要事項を入力すると学習計画が自動で組み立てられ、進捗状況を入力することで進捗管理もできます。「教材が届いて終わり」ではなく、学習を進める道具と、計画を立てる手間の肩代わりまでが同じ金額に入っています。
サポートの中身では、質問できる回数と、その質問に誰が答えるのかも確認しておきたい項目です。ManaBunの専用フォームから質問でき、無料で質問できる回数には上限があります(超過分は1回500円・税込)。回答するのは専任講師です。
2027年試験対策からは、2コースそれぞれに「デジタルプラン」が加わり、受講料の選択肢が4つになりました。違いは教材の受け取り方です。デジタルプランは教材をすべてeラーニング「ManaBun」で提供します。紙の教材は受講ガイドのみの発送です。受講料は、デジタルプラン(二種)が7,980円、デジタルプラン(一種+二種)が9,800円(いずれも税込)です。デジタルプランでも、テキスト・問題集・模擬試験の内容やManaBunの機能、質問できる回数は変わりません。書き込み用の演習ノートは紙の教材のため、デジタルプランには付きません。通勤中や外出先で学習時間を作る方はデジタルプラン、紙に書き込みながら覚えたい方は通常のプランと、学習スタイルで選べます。
教材そのものの中身は証券外務員講座の教材、ManaBunの機能はeラーニングManaBun、価格の一覧とお申し込みは受講料・お申し込みをご覧ください。
企画から販売までを自社で行うから、この価格で提供できる
フォーサイトが受講料を抑えられている理由は、教材の企画・制作から販売、受講後のサポートまでを自社で完結させている点にあります。制作や流通の工程を外部に委ねると、そのぶんの費用が価格に積み上がります。工程を自社に持つことで、その積み上がりを受講料に載せずに済みます(これをSPA=製造小売業のモデルと呼びます)。

テキストの企画・執筆、講義の収録、eラーニングManaBunの開発と運用、受講後の質問対応まで、同じ組織の中でつながっています。安く見せるために中身を削っているのではなく、価格の内訳から中間の工程を減らしている、という構造です。
この構造でよく誤解されるのが、「価格が抑えられている=教材が簡素」という受け取り方です。実際に絞り込んでいるのは、教材の量と範囲です。合格に必要な範囲に絞る設計であって、印刷や作り込みの質ではありません。テキストはフルカラーで、図表を使って理解しやすい形にしています。一方で、収録する範囲は合格基準(二種なら300点満点中210点)に届くことを基準に絞られています。
「安いから薄い」のではなく、「合格に必要な範囲に絞っているから、そのぶんの時間と費用がかからない」という順序です。何を残して何を落とすのかという考え方は証券外務員講座の教材設計で解説しています。
価格表だけでは見えない項目をチェックする
講座を検討するときは、価格の隣に「価格表に出ない3点」を並べて見ると、金額の差が何の差なのかが見えてきます。見るのは「教材がどんな形で届くか」「質問が何回できるか」「学習計画を誰が立てるか」の3点です。いずれも、受講を始めたあとに自分の時間や追加の費用として跳ね返ってくる項目です。価格表には現れませんが、総額には影響します。
3点に共通するのは、示されていれば自分で見積もれ、示されていなければ見積もれないまま残る、という性質です。質問できる回数と超過分の料金が明示されていれば追加費用は計算できますし、学習計画が自動で組み立てられるなら計画づくりの時間はかかりません。金額だけを比べる作業から、「その金額で何が肩代わりされるか」を比べる作業に切り替えると、判断の材料が増えます。
価格表に出ない3点を確認したら、最初の分解(受講料・受験手数料・学習時間)に戻って総額で見直します。このうち講座選びで変えられるのは受講料と学習時間、そして間接的に受験回数だからです。二種スピード合格講座なら、受講料9,800円(税込)、受験手数料13,860円(税込)、学習時間50〜80時間。この内訳を書き出したうえで、「1回で受け切れる準備ができるか」を最後の判断軸にします。
費用対効果とは、支払う金額の小ささではなく、支払った合計に対して合格が返ってくるかどうかで測るものです。
独学・通信講座・通学のどれを選ぶかという段階で迷っている場合は、証券外務員は独学か通信か通学かもあわせてご覧ください。
二種だけか、一種+二種か。受験費用から考える
二種だけを受けるか、一種+二種を目指すかは、学習量だけでなく受験費用にも関わります。受験手数料は13,860円(税込)です。時期を分けて2つの試験を受ける場合は、合計で27,720円(税込)を見込んでおく必要があります。
学習量の面では、一種は二種とまったく別の勉強を一から始めるわけではありません。日本証券業協会が公表している出題科目表では、一種と二種の科目はほとんどが共通で、一種にだけ加わるのは商品業務の「デリバティブ取引」です。同じ科目でも、一種では実務的・専門的な知識が、二種では基礎的な知識が問われます。二種でも、信用取引やデリバティブ取引の基礎的な知識は、株式業務・債券業務といった関連科目の中で出題されます。標準学習期間も二種が1〜2ヵ月・50〜80時間、一種が1〜3ヵ月・80〜100時間で、単純に倍にはなりません。
費用の面でも同じことが言えます。フォーサイトの講座は2コースで一種単体の講座がないため、二種スピード合格講座(9,800円・税込)を受講したあとに一種を目指す場合は、一種+二種スピード合格講座(14,800円・税込)を改めて受講することになり、受講料は合計24,600円(税込)になります。最初から一種+二種スピード合格講座を選べば14,800円です。一種まで視野に入っているなら、まとめて選ぶほうが総額を抑えられます。
一種と二種の出題範囲の違いは証券外務員試験の出題範囲、資格としての違いは一種と二種の違いで解説しています。
まとめ・よくある質問
証券外務員の取得にかかる費用は、講座の受講料だけでは測れません。受験手数料は、受けるたびに必要になります。不合格なら受験手数料がもう一度かかるうえ、次に受けられるのは30日の待機期間をおいた後です。つまり総額を左右する最大の要素は、受験する回数です。受講料の数千円の差より、受験がもう1回増えるかどうかのほうが金額として大きくなります。証券外務員試験は合格基準が70%以上の絶対評価で固定されているため、必要な準備は事前に見積もれます。
フォーサイトの受講料は二種スピード合格講座が9,800円、一種+二種スピード合格講座が14,800円(いずれも税込・2027年試験対策)。この金額にはテキスト・問題集・模擬試験といった教材に加えて、eラーニング「ManaBun」と質問サポートが含まれ、価格は企画から販売・サポートまでを自社で行う仕組みによって抑えています。金額の大小だけで迷っているなら、まず「その金額に何が含まれているか」を書き出して比べてみてください。
あわせて読みたい:受講料・お申し込み/証券外務員講座の教材/eラーニングManaBun/合格点主義/タイパ学習設計/試験の日程・申込方法
2027年試験対策の受講料は、二種スピード合格講座が9,800円、一種+二種スピード合格講座が14,800円(いずれも税込)です。教材をすべてeラーニングで受け取るデジタルプランは、二種が7,980円、一種+二種が9,800円(同)となります。最新の金額とお申し込みは受講料ページでご確認ください。
試験を受けるための受験手数料が13,860円(税込)かかります。これは講座の受講料とは別に、日本証券業協会の試験を受ける際に必要な費用です。
無料で質問できる回数には上限があります。これを超えた分は1回500円(税込)でご利用いただけます。
eラーニング「ManaBun」は受講料に含まれています。講義動画・教材テキスト・確認テスト・合格カード・用語集のほか、学習スケジュールや質問フォームもご利用いただけます。
教材をすべてeラーニング「ManaBun」で提供するプランです。テキスト・問題集・模擬試験の内容やManaBunの機能、質問できる回数は通常のプランと同じで、書き込み用の演習ノートは付きません。
※デジタルプランをご受講の方には、受講ガイドのみ紙媒体の教材を発送します。
受験回数そのものに制限はありませんが、不合格の場合は次の受験まで30日の待機期間があります。再受験の際は受験手数料が改めて必要になります。
受験する試験に合わせて選びます。日本証券業協会が公表している出題科目表では、一種と二種の科目はほとんどが共通で、一種にだけ加わるのは商品業務の「デリバティブ取引」です(同じ科目でも、一種では実務的・専門的な知識、二種では基礎的な知識が問われます)。フォーサイトの講座は2コースで一種単体の講座がないため、二種を受講したあとに一種を目指す場合は一種+二種スピード合格講座を改めて受講することになります。一種まで視野に入っているなら、最初から一種+二種スピード合格講座を選ぶほうが受講料の合計を抑えられます。
