証券外務員試験の合格点は7割!ただし1点に泣く「足切り」はないって本当?

「証券外務員試験の合格点は7割」。調べればすぐに出てくる数字ですが、7割が何点なのか、その点をどう積み上げるのかまで書かれていることはあまりありません。さらに気になるのが「足切り」です。1科目でも極端に悪いと落ちるのなら、範囲全体を均等に仕上げなければならないことになります。この記事では、公表されている合格点を問題数に翻訳します。〇✕方式は1問2点、五肢選択方式は1問10点。この配点だけで、どの形式を何問取れば合格点に届くのかが決まります。
なお、本記事は「証券外務員の試験ガイド」の一部です。試験や資格の基本情報から確認したい方は、まずこちらのページをご覧ください。
証券外務員試験の合格点|二種は210点、一種は308点
満点と必要点数
証券外務員試験の合格点は、二種が300点満点のうち210点以上、一種が440点満点のうち308点以上です。日本証券業協会は合格判定基準として、二種は「300点満点の7割(210点)以上得点した者を合格者とします。」、一種は「440点満点の7割(308点)以上得点した者を合格者とします。」と示しています。
割合はどちらも7割で共通していますが、満点が種別ごとに違うため、必要な点数は変わります。二種で210点、一種で308点。まずこの2つの数字を押さえてください。
裏返すと、二種は90点分、一種は132点分を取りこぼしても、残りで基準を満たせば合格です。1問も落とせない試験ではありません。目標は満点ではなく、この基準点を上回ることです。

基準は動かない
この基準点は、その日の受験者の出来によって上下しません。上位何%を合格にする相対評価ではなく、決められた点数に届いたかどうかだけで判定する絶対評価です。
同じ日に受けた人の出来がよくても悪くても、210点・308点というラインは変わりません。他人の結果を気にする必要がない代わりに、自分が基準に届いているかどうかがそのまま結果になります。目標が固定されている試験は、計画が立てやすい試験でもあります。
合格率の数字がどう読めるかについては、証券外務員試験の合格率と難易度で解説しています。
「7割」の中身|配点は均等ではない
合格点が分かったら、次はその点をどう積み上げるかです。ここで効いてくるのが配点の偏りです。
二種の内訳
二種の300点満点は、〇✕方式50問(各2点=100点)と五肢選択方式20問(各10点=200点)でできています。問題形式によって1問の配点が2点と10点に分かれており、重みに5倍の差があります。
問題数で見ると、〇✕方式が全70問のうち50問を占めます。ところが得点で見ると、五肢選択方式が300点のうち200点を占めます。数の多さと得点の重さが逆になっているわけです。合格点の210点に届くかどうかは、五肢選択方式の出来で大きく動きます。
一種の内訳
一種の440点満点は、〇✕方式70問(各2点=140点)と五肢選択方式30問(各10点=300点)です。形式も1問あたりの配点も二種と同じで、問題数だけが増える構成になっています。
440点のうち300点、およそ7割が五肢選択方式に集まります。二種より偏りが大きくなる分、五肢選択方式の比重も増します。
| 区分 | 〇✕方式 | 五肢選択方式 | 満点/合格点 | 試験時間 |
|---|---|---|---|---|
| 二種 | 50問×2点=100点 | 20問×10点=200点 | 300点/210点 | 2時間 |
| 一種 | 70問×2点=140点 | 30問×10点=300点 | 440点/308点 | 2時間40分 |

試験時間は二種が2時間、一種が2時間40分です。得点計画は時間配分と切り離せません。配点の重い五肢選択方式にどれだけ時間を残せるかが、実際の得点を左右します。
どの科目がどの形式で出るのか、分野ごとの重さは証券外務員試験の出題科目と配点で扱っています。
どちらか一方だけでは届かない|配点が決める2つの下限
配点が偏っているということは、極端な取り方をしたときに何が起きるかを計算できるということでもあります。公表されている満点と合格点だけで、次のことが分かります。
〇✕方式を全問正解しても合格点には届かない
〇✕方式は、満点でも二種で100点、一種で140点。どれだけ正解しても、これだけでは合格点に届きません。
二種は50問すべて正解しても、210点までの差が110点残ります。一種は70問すべて正解しても、308点までの差は168点です。つまり五肢選択方式で得点することが、合格の前提条件になります。
逆に、五肢選択方式を全問正解しても足りない
では五肢選択方式だけならどうか。満点は二種で200点、一種で300点。こちらもわずかに足りません。
二種は20問すべて正解して200点、合格点まであと10点。〇✕方式で5問正解すれば届きます。一種は30問すべて正解して300点、あと8点。〇✕方式で4問です。数としてはわずかですが、ここにどちらの形式も捨てられない構造が表れています。
五肢選択方式の下限は二種11問・一種17問
ここから、五肢選択方式で最低何問取る必要があるかが決まります。二種は20問中11問、一種は30問中17問です。
二種で見てみます。〇✕方式が満点でも100点。合格点210点まで110点あり、五肢選択方式は1問10点ですから11問が必要です。一種は〇✕方式が満点で140点。308点まで168点で、五肢選択方式は17問(170点)。16問(160点)では合計300点にしかならず、8点足りません。
五肢選択方式の正解が二種で10問以下、一種で16問以下だと、〇✕方式を全問正解しても合格点に届きません。割合にすると二種で55%、一種でおよそ57%。ここが配点から決まる下限です。
ただしこれは、〇✕方式を1問も落とさないという前提を置いた計算上の下限です。実際には〇✕方式でも取りこぼしが出ますから、五肢選択方式にはこれより多くの正解が必要になります。下限そのものを目標にしないでください。
合格点に届く組み合わせ|五肢選択方式と〇✕方式の対応表
下限が分かったところで、その間を埋めていきます。五肢選択方式を何問取れるかで、〇✕方式に求められる正解数が決まります。
二種の場合
合格点210点は固定で、五肢選択方式は1問10点、〇✕方式は1問2点。この3つが決まっていれば、組み合わせは機械的に出ます。
| 五肢選択方式の正解数(20問中) | その得点 | 必要な〇✕方式の正解数(50問中) |
|---|---|---|
| 20問 | 200点 | 5問 |
| 18問 | 180点 | 15問 |
| 16問 | 160点 | 25問 |
| 14問 | 140点 | 35問 |
| 12問 | 120点 | 45問 |
| 11問 | 110点 | 50問(全問) |
| 10問以下 | 100点以下 | 全問正解でも届かない |
五肢選択方式の1問(10点)は、〇✕方式の5問(10点)に相当します。表でも、五肢選択方式が2問減るごとに、必要な〇✕方式が10問ずつ増えていきます。裏返せば、五肢選択方式を1問落とすと〇✕方式5問で取り返す必要があるということです。これが1問10点の重さです。
一種の場合
一種も同じ構造です。440点のうち300点が五肢選択方式で、その比重はさらに大きくなります。
| 五肢選択方式の正解数(30問中) | その得点 | 必要な〇✕方式の正解数(70問中) |
|---|---|---|
| 30問 | 300点 | 4問 |
| 28問 | 280点 | 14問 |
| 26問 | 260点 | 24問 |
| 24問 | 240点 | 34問 |
| 22問 | 220点 | 44問 |
| 20問 | 200点 | 54問 |
| 18問 | 180点 | 64問 |
| 17問 | 170点 | 69問 |
| 16問以下 | 160点以下 | 全問正解でも届かない |

この表の使い方
この表は、公表されている満点・配点・合格点から計算した組み合わせです。「この正解数なら合格できる」という保証ではありません。公表されているのは配点と合格判定基準までで、出題内容や難しさの年ごとの差までは公表されていないためです。
使い方としては、演習の結果を「合格ラインまであと何点か」「その差を五肢選択方式で埋めるなら何問分か」に翻訳する道具として使ってください。点数を問題数に置き換えられるようになると、次に何をすべきかが具体的になります。
「足切り」はあるのか|公表されている合格判定基準は総得点の一本だけ
判定に使われるのは総得点
公表されている合格判定基準は、総得点の7割以上という一本だけです。科目ごとの最低点は示されていません。
日本証券業協会の「外務員等資格試験に関する規則」は、試験の科目、出題の範囲、問題の形式および数、時間、合格判定基準等を委員会が定めると規定しています。そして委員会が示している合格判定基準が、二種は「300点満点の7割(210点)以上」、一種は「440点満点の7割(308点)以上」です。ここに科目別の条件は付いていません。
つまり、ある科目の出来が悪かったという理由だけで機械的に不合格になる、という基準は公表されていません。判定は総得点で行われます。「1問のミスで科目ごとに足切りされる」という心配の根拠は、公表されている基準の中には見当たりません。
ただし、配点の側には下限がある
一方で、ここまで見てきたとおり、配点構造の側には下限があります。総得点で判定される以上、配点の重い形式を落とすと、他でどれだけ取っても届かなくなるからです。
五肢選択方式が二種で10問以下、一種で16問以下だと、〇✕方式を全問正解しても総得点は合格点を下回ります。科目の足切りはなくても、形式の下限は存在するということです。気にすべきは「科目ごとの最低点」ではなく、「配点の重いところをどれだけ取れているか」になります。
学習の進め方は変わらない
結論として、学習の方針は足切りを気にする場合と変わりません。特定の分野にまったく手をつけない進め方は、総得点で判定される場合でも不利になります。
配点の重い形式を得点源にしつつ、特定の分野を白紙のまま残さない。この組み合わせができていれば、判定が総得点であっても合格点には届きます。足切りの有無を調べることに時間を使うより、配点の重いところを厚くするほうが確実です。
どこを厚くするかの考え方は証券外務員は満点を目指さなくていいという記事で、科目ごとの重さは証券外務員試験の出題科目と配点で解説しています。
演習の点数を合格ラインに換算する
不足分を「五肢選択方式で何問分」に直す
演習で出た点数は、合格点との差を問題数に直すと扱いやすくなります。「あと30点」では何をすればよいか決まりませんが、「五肢選択方式で3問分」なら次にやることが見えてきます。
二種で180点だったとします。210点まで30点、五肢選択方式なら3問分、〇✕方式なら15問分です。どちらで埋めるほうが現実的かは、間違えた問題の内訳を見れば判断できます。五肢選択方式で落とした3問が同じ科目に固まっているなら、その科目を1つ仕上げるだけで差が埋まる計算になります。
ちょうど合格点を目標にしない
目標は、210点・308点そのものより少し上に置いてください。本番では、演習で解けた問題がそのまま出るとは限りません。
五肢選択方式は1問10点です。二種で210点ちょうどを狙う計画は、五肢選択方式を1問落とした時点で崩れます。1問分、できれば2問分の余裕を先に見込んでおくと、当日の取りこぼしを吸収できます。
演習そのものの進め方は証券外務員の過去問の使い方、科目ごとの学習法は証券外務員の科目別勉強法、学習量の目安は証券外務員の勉強時間と学習スケジュールでそれぞれ扱っています。
合格点に届いたかは、その場で分かる
試験終了時の画面に正解率が出る
合格発表の日を待つ必要はありません。CBT方式(コンピュータを使った試験)なので採点がその場で完了し、試験終了時の画面に試験結果(正解率)が表示されます。ここでいう正解率は、総得点に対する得点率(協会の表記)です。二種なら300点満点、一種なら440点満点に対して70%以上が合格の基準で、正解した問題数の割合ではありません。
画面で見た結果は、あとからメールでも受け取れます。一般の方が受験した場合は、予約時に登録したEメールアドレス宛に、試験結果(正解率)を記載した「受験結果通知」が送付されます。勤務先(協会員)を通して申し込んだ場合は、合否結果を所属先の人事部等に確認する扱いになります。会社経由で受験するときは、結果の受け取り方が一般受験とは異なる点を見込んでおいてください。
不合格だった場合
受験回数そのものに制限はありませんが、不合格だった場合、当該受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受けることはできません。一般受験の申込窓口であるプロメトリック株式会社の案内で、この取り扱いが示されています。
入社日などの期限がある場合、次に受けられるのが30日の待機期間をおいた後になることを前提に、最初の受験日を置く必要があります。期限まで余裕がないほど、1回目で合格点を超える準備の価値が高くなります。
申し込みから当日までの流れは証券外務員試験の日程・申込方法・会場にまとめています。
この記事のまとめ
合格点をめぐる数字を、ここまでの内容で整理し直します。
証券外務員試験の出題科目と配点
証券外務員試験の合格率と難易度
合格点主義|合格に必要な範囲へ絞る学習の考え方
証券外務員の試験ガイド(全体像)
フォーサイト証券外務員講座の全体像
よくある質問
二種は300点満点のうち210点以上、一種は440点満点のうち308点以上です。日本証券業協会は合格判定基準として、二種「300点満点の7割(210点)以上得点した者を合格者とします。」、一種「440点満点の7割(308点)以上得点した者を合格者とします。」と示しています。
二種は〇✕方式50問(各2点=100点)と五肢選択方式20問(各10点=200点)で300点満点。一種は〇✕方式70問(各2点=140点)と五肢選択方式30問(各10点=300点)で440点満点です。試験時間は二種が2時間、一種が2時間40分です。
できません。二種の〇✕方式は満点でも100点で、合格点210点まで110点足りません。一種も満点で140点、308点まで168点足りません。五肢選択方式での得点が前提になります。
〇✕方式を全問正解した場合でも、二種は20問中11問、一種は30問中17問が必要です。ただしこれは〇✕方式を1問も落とさないという前提での計算上の下限なので、実際にはこれより多くの正解が必要になります。
公表されている合格判定基準は、総得点の7割以上という一本だけです。科目ごとの最低点は示されておらず、判定は総得点で行われます。ただし配点の側には下限があり、配点の重い五肢選択方式を落としすぎると、総得点で届かなくなります。
二種は90点分、一種は132点分までです。ただし五肢選択方式は1問10点、〇✕方式は1問2点なので、同じ「1問」でも落とす場所によって影響が大きく変わります。
変わりません。上位何%を合格にする相対評価ではなく絶対評価で、二種210点・一種308点という基準は固定されています。
試験終了時の画面に試験結果(正解率)が表示されます。ここでいう正解率は総得点に対する得点率で、二種は300点満点、一種は440点満点に対して70%以上が合格の基準です。一般の方が受験した場合は、予約時に登録したEメールアドレス宛に「受験結果通知」が送付されます。勤務先(協会員)を通して申し込んだ場合は、合否結果を所属先の人事部等に確認する扱いになります。
受験回数そのものに制限はありませんが、次の受験まで30日の待機期間があります。
