証券外務員の過去問は入手できる?公開されていない理由と、代わりに解くべき問題集の選び方

「証券外務員 過去問 印刷」「過去問 サイト」——そう検索してこのページに来た方は、まだ探し方が悪いだけだと思っているかもしれません。結論から言うと、証券外務員試験の過去問題は公開されていません。年度別の問題冊子も、印刷できるPDFも配布されていないため、探し続けても見つかりません。では何を解くのか。手に入るのは、出題範囲と出題形式に沿って作られた問題集と模擬試験です。この記事では、公開されていない理由を整理したうえで、「解く」という作業を3つの目的に分け、配点から演習の重心を決める順に説明します。
なお、本記事は「証券外務員の試験ガイド」の一部です。試験や資格の基本情報から確認したい方は、まずこちらのページをご覧ください。
証券外務員の過去問題は公開されていない|印刷できるPDFも年度別の問題集もない
探しても見つからないのは、公開されていないから
証券外務員試験の過去問題は、公開されていません。年度別の問題冊子が配布されたり、印刷できるPDFが掲載されたりということはなく、探しても見つかりません。
検索で「過去問 印刷」「過去問 サイト」が並ぶのは、ほかの資格試験と同じつもりで探す人が多いためです。実施後に問題と正答を公表する試験は少なくありませんが、この試験はその形をとっていません。
「過去問」と名前の付いた市販の教材はありますが、本試験問題が公表されていないため、そこに本試験問題そのものが再録されているわけではありません。中身は、出題範囲と出題形式に沿って作られた問題集です。
まず「探す」から「何を解くか決める」へ切り替えてください。ここから先はその話です。
「何年分やればいいか」が成立しない
年度単位で数える発想も、この試験には当てはまりません。
証券外務員試験はCBT方式(Computer Based Testing=コンピュータを利用して実施する試験方式)で、土日・祝日・年末年始を除き、通年で実施されています。受験日は受験者が選ぶため、同じ日に全員が同じ問題を解く一斉試験ではありません。「◯年度の本試験問題」という単位そのものが存在しないことになります。
年に1回の一斉試験なら「令和◯年度の問題」と数えられますが、この試験では数える対象がありません。

計画の単位は「何年分」ではなく、このあと扱う目的と配点になります。
では何を解くのか
手に入るのは、市販の問題集と、通信講座の問題集・確認テスト・模擬試験です。本試験問題が公表されていないので、いずれも出題範囲と出題形式に沿って作られた教材ということになりますが、演習の役割は果たせます。
逆にいえば、教材ごとに出題形式の再現度や解説の粒度に差が出ます。だから「どれを選ぶか」が、ほかの試験より効いてきます。選び方はこの記事の後半で扱います。
過去問が無いことは不利ではありません。誰も本試験問題を持っていないという条件は全員に同じで、差がつくのは選んだ教材と解き方のほうです。
申込や当日の流れは証券外務員試験の日程と申込方法で扱っています。
「解くだけ」では届かない理由|配点は〇✕方式と五肢選択方式で偏っている
〇✕方式が満点でも合格ラインには届かない
演習量を増やしても点が伸びないとき、原因は配点の見方にあることが少なくありません。
二種は全70問で、〇✕方式が50問×各2点=100点、五肢選択方式が20問×各10点=200点の合計300点満点です。合格基準は7割以上、つまり210点以上。〇✕方式を全問正解しても100点で、110点足りません。
一種も同じ構造です。全100問のうち〇✕方式が70問×各2点=140点、五肢選択方式が30問×各10点=300点で440点満点、合格は308点以上。〇✕方式が満点でも140点で、五肢選択方式から168点を積む必要があります。

問題数では〇✕方式のほうが多いのに、得点の約3分の2(一種は約7割)は五肢選択方式にあります。この非対称が「解いているのに点が伸びない」の正体です。
1問あたりの重さが5倍違う
1問の重さで見ると、五肢選択方式は〇✕方式の5倍です。〇✕方式は1問2点、五肢選択方式は1問10点。五肢選択方式を1問落とすことは、〇✕方式を5問落とすことと同じ失点になります。

二種で五肢選択方式を4問落とすと40点の失点で、〇✕方式20問分に相当します。逆に〇✕方式を数問落としても、五肢選択方式が安定していれば合格ラインは維持できます。
演習時間の配分も、この重さに合わせるのが理にかなっています。
出題科目と配点の内訳は証券外務員試験の出題科目と配点、必要な得点の組み立て方は証券外務員試験の合格点と合格基準で扱っています。
「解く」を3つの目的に分解する
目的①|知識が入っているかの確認
1つ目は、テキストで読んだ内容が思い出せる状態になっているかの確認です。読んで理解できることと、問われて答えられることは別で、問題を解くとその差がそのまま正誤に出ます。
この目的で解くときは、時間を計る必要はありません。分からなければテキストに戻って構いません。確認したいのは速さではなく、知識が残っているかどうかだからです。学習の初期はこの目的が中心になります。
目的②|出題のされ方に慣れる
2つ目は、同じ知識がどういう形で問われるかに慣れることです。
〇✕方式では「この記述は正しいか」と一点を問われ、五肢選択方式では複数の記述から適切なもの(あるいは誤っているもの)を選ばせる形になります。同じ論点でも、必要な知識の持ち方が変わります。
〇✕方式は用語の説明として正しいかを単体で判断できれば足りますが、五肢選択方式は似た記述を並べて比べる作業になります。単語単位ではなく、比較できる形に整えておく必要があります。
同じ問題を繰り返すだけでは、この慣れは育ちにくくなります。問い方の違う問題に当たること自体が、この目的での狙いです。
目的③|時間内に解き切る練習
3つ目は、試験時間の中で解き切る練習です。二種は全70問を2時間、一種は全100問を2時間40分で解きます。単純に割ると1問あたり1分半強で、迷った問題に時間を吸われると後半が雑になります。
この目的で解くときだけは、時間を計り、テキストを開かず、通しで解きます。模擬試験はこの用途のための教材です。

3つの目的を混ぜたまま「とりあえず解く」から、目的を決めて解くへ切り替えると、同じ問題数でも得られるものが変わります。
テキストを読む段階から演習までを1周としてどう回すかは証券外務員の独学と勉強方法、学習全体の時間配分は証券外務員の勉強時間と学習スケジュールで扱っています。
五肢選択方式に演習時間を残す|配点の重い側から詰める
演習時間の配分を配点に合わせる
演習に使える時間が限られているなら、五肢選択方式の対策を先に置きます。
二種で五肢選択方式は200点、〇✕方式は100点。得点の約3分の2が五肢選択方式側にあります(一種は440点中300点で約7割)。同じ1時間を使うなら、重い側に使うほうが得点への効きが大きくなります。
〇✕方式の演習は、テキストの読み直しや細切れの時間の確認テストでも回せます。まとまった時間が取れるときに五肢選択方式を解く、という置き方にすると、時間の質と配点が揃います。
「全部を均等に」ではなく「重い側に厚く」が、この試験の演習配分です。
選択肢を切る手順を演習で作る
五肢選択方式は1問10点なので、本番で「捨てる」判断はできるだけ避けたいところです。1問落とすと〇✕方式5問分の失点になり、取り返すのに手間がかかります。
演習の段階で、選択肢を1つずつ正誤判定する解き方を習慣にしておくと、全部が分からなくても消去法で残せます。5つのうち3つをはっきり切れれば、残り2つからの判断になります。
演習で身につけたいのは正解の記憶ではなく、選択肢を切る手順です。
配点から優先順位を決める考え方は合格点主義という考え方、科目ごとの攻め方は証券外務員の科目別勉強法で扱っています。
間違いの扱い方|解き直しではなく分野に戻す
「同じ問題が解けた」は確認になっていない
間違えた問題をもう一度解いて正解しても、それだけでは知識が入った確認になりません。2回目は選択肢の並びや答えを覚えている可能性があり、初見の問題に対応できるかは分からないためです。
確認になるのは、その問題が属する分野の別の問題を解いたときです。商品業務の計算問題を間違えたなら、同じ計算を使う別の設問に当たります。
間違いは「その問題」ではなく「その分野の理解」の信号として扱います。
戻る先を分野単位で決めておく
間違えたときに戻る先を、あらかじめ分野単位で決めておくと復習が止まりません。
出題科目は3分野14科目(一種は商品業務に「デリバティブ取引」が加わって15科目)に分かれており、分野をまたぐと必要な知識の性質も変わります。法令・諸規則はルールと例外の記憶、商品業務は仕組みの理解と計算、関連科目は用語と基礎知識が中心です。

法令・諸規則の誤りなら該当するルールの条件と例外をテキストで読み直す、商品業務の計算問題なら計算の手順を一度自分で書き出す、というように戻り方を分野で変えます。
「間違えた問題に印をつけて後で解き直す」で止めず、どこに戻るかまでを演習の一部にします。
問題集の選び方|他人のおすすめではなく4つの判断軸で
軸①解説の粒度/軸②出題形式の再現
問題集を選ぶとき、最初に見るのは問題数ではなく解説です。演習の価値は、間違えたあとに何が分かるかで決まります。正解の記号だけが載っている解説では、前章の「分野に戻る」ができません。
具体的には、誤りの選択肢がなぜ誤りなのかまで書かれているか、計算問題で途中の手順が追えるかを、書店やサンプルで数ページ確認します。あわせて、〇✕方式と五肢選択方式の両方が本試験と同じ形式で収録されているかも見ます。前述のとおり得点の大半は五肢選択方式側にあります。
解説の粒度と形式の再現、この2つが演習の質をほぼ決めます。
軸③画面で解けるか/軸④改訂の新しさ
残る2つは、CBT方式であることと、内容の新しさです。
本番はコンピュータの画面上で解答します。紙の問題集だけで演習していると、画面で読む・選ぶという操作が本番で初めての経験になります。また、法令・諸規則を含む試験なので、扱う内容は改訂の影響を受けます。
画面での演習は、eラーニングの確認テストや模擬試験機能で補えます。改訂については、出版年や対応年度の表記を確認します。

解説・形式・画面・新しさ。この4点で見れば、他人の順位付けに頼らずに選べます。
フォーサイトの教材ではどう組まれているか
3つの目的に、そのまま割り当てられる
フォーサイトの証券外務員講座では、紙の教材とeラーニング「ManaBun」での演習を組み合わせる形になっています。前章の4つの軸のうち、③画面で解く演習は紙の教材では代えられないためです。
教材は、テキスト・問題集・模擬試験に、副教材の受講ガイド、戦略立案編、合格必勝編、演習ノートが付く構成です。一種+二種スピード合格講座は一種と二種の両方の教材が、二種スピード合格講座は二種の教材が届きます。テキストはフルカラー、問題集はモノクロです。通常プランは紙の教材が届き、デジタルプランは教材をすべてManaBunで提供します(紙で届くのは受講ガイドのみで、書き込み用の演習ノートは付きません)。ManaBunには講義動画+音声、デジタルテキスト、確認テスト、合格カード、用語集があります。

「知識の確認は問題集、形式への慣れは確認テスト、時間配分は模擬試験」と、3つの目的にそのまま割り当てられます。
なお、このページで扱っているのは「何をどう解くか」という進め方の話です。問題集そのものの中身や体裁は、証券外務員講座の教材のページで紹介しています。教材の設計思想はフォーサイトの教材づくり、ManaBunでできることはeラーニング ManaBunにまとめています。
詰まったときに聞ける先があるか
間違いを分野に戻す作業は、独学だと戻り先が分からずに止まることがあります。どこまで戻れば足りるのかは、出題範囲の全体像が見えていないと判断しにくいためです。
フォーサイトの講座では、わからないところは質問フォームから質問でき、専任講師が回答します。無料で質問できる回数には上限があり、超過分は1回500円(税込)です。
演習で詰まったときに聞ける先があるかどうかも、教材を選ぶ判断材料になります。
受講料とプランの違いは証券外務員講座の受講料、講座全体の内容は証券外務員通信講座のページで確認できます。
この記事のまとめ
ここまでの内容を、演習を始めるときに見返せる形で並べ直します。
よくある質問
過去問題は公開されていません。年度別の問題冊子も、印刷できるPDFも配布されていないため、探しても見つかりません。本試験問題が公表されていないので、演習に使うのは出題範囲と出題形式に沿って作られた市販の問題集や、通信講座の問題集・確認テスト・模擬試験になります。
「何年分」という数え方が成立しません。この試験はCBT方式で通年実施されており、受験日が人によって違うため、「◯年度の本試験問題」という単位そのものが存在しないためです。年数ではなく、①知識の確認 ②出題形式への慣れ ③時間配分の練習、という目的ごとに手当てができているかで判断してください。
冊数よりも、解説が「なぜその選択肢が誤りなのか」まで書かれているかを優先してください。1冊を目的ごとに使い分けるほうが、解説の薄い問題集を複数冊回すより演習になります。
五肢選択方式です。二種は300点満点のうち200点、一種は440点満点のうち300点が五肢選択方式で、1問あたりの配点も〇✕方式の5倍(10点対2点)です。〇✕方式が満点でも二種は100点にしかならず、合格ライン210点には届きません。
同じ問題を繰り返すと、答えを覚えているために正解できているのか、知識で解けているのかが区別できなくなります。間違えた問題は解き直すだけでなく、その問題が属する分野の別の問題で確認してください。
本番はコンピュータの画面上で解答するCBT方式です。画面で読んで選ぶ操作を本番で初めて経験しないよう、eラーニングの確認テストや模擬試験で画面での演習も入れておくと安心です。
時間配分の練習という目的の教材なので、知識がある程度入ってから、時間を計って通しで解きます。二種は全70問を2時間、一種は全100問を2時間40分です。
受験回数そのものに制限はありません。ただし、不合格だった場合、当該受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受けることはできません。この期間は、間違えた分野に戻る時間として使えます。
