【配点付】証券外務員一種・二種の試験科目を完全分解!法令・商品・関連科目の重点ポイント

証券外務員二種の出題範囲は3分野14科目、一種は同じ3分野に商品業務の「デリバティブ取引」が1科目加わって15科目です。科目名の多さに圧倒される前に見てほしいのが配点で、〇✕方式は1問2点、五肢選択方式は1問10点。1問の重みが5倍違い、得点の3分の2以上が五肢選択方式に集まっています。この記事では14科目の内訳と出題形式・配点を分解し、問題数ではなく配点から学習の優先順位を決める方法を解説します。
なお、本記事は「証券外務員の試験ガイド」の一部です。試験や資格の基本情報から確認したい方は、まずこちらのページをご覧ください。
二種の出題範囲|3分野14科目
3つの分野に分かれている
証券外務員二種の出題範囲は、3分野14科目です。分野の名前は「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3つです。
この分け方には理由があります。金融商品の取引業務に必要な知識を、守るべきルール(法令・諸規則)、扱う商品そのもの(商品業務)、その背景となる基礎知識(関連科目)という性格の違いで整理しているためです。
分野ごとの科目数は、法令・諸規則が4科目、商品業務が4科目、関連科目が6科目。合わせて14科目になります。科目名の一覧だけを見ると多く感じますが、性格の違う3つの塊として捉えると、全体像はつかみやすくなります。
科目の一覧
各分野に含まれる科目は、日本証券業協会が示す出題科目のとおり、次のようになっています。
- 法令・諸規則(4科目):金融商品取引法及び関係法令/金融商品の勧誘・販売に関係する法律/協会定款・諸規則/取引所定款・諸規則
- 商品業務(4科目):株式業務/債券業務/投資信託及び投資法人に関する業務/付随業務
- 関連科目(6科目):証券市場の基礎知識/株式会社法概論/経済・金融・財政の常識/財務諸表と企業分析/証券税制/セールス業務
一覧にすると、法令の分野と商品の分野は科目数が同じで、関連科目がやや多いことが分かります。ただし、科目数の多さはそのまま学習時間の配分にはなりません。その理由は配点の側にあるので、後半で分解します。

一種の出題範囲|二種との差は「デリバティブ取引」1科目
加わるのは商品業務の1科目
一種の出題範囲は、二種と同じ3分野に、商品業務の「デリバティブ取引」が1科目加わった15科目です。出題科目の上では、一種と二種の差はこの1科目だけです。
日本証券業協会が示す出題科目は一種・二種で同一の3分野14科目で構成されていて、そこに「デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ)」が置かれています。
つまり一種は「二種とは別の試験」ではありません。二種の学習をやり直す必要もありません。科目の数で身構えるよりも、差がどこにあるのかを1点に絞って捉えたほうが、学習量の見積もりは立てやすくなります。
違いは「問われ方」にある
では、一種と二種は何が違うのか。同じ科目でも、問われ方が違います。二種は基礎的知識、一種は実務的・専門的知識が問われます。
二種の出題科目には、職務の範囲外である信用取引およびデリバティブ取引についても、その基礎的知識を「株式業務」「債券業務」など関連する科目に含めて出題するという注記が付いています。二種でもデリバティブに全く触れないわけではなく、扱う深さが違うということです。
同じ「株式業務」でも、二種では基礎的知識として、一種ではより実務的・専門的な知識として問われる。この関係を押さえておくと、一種の学習は「範囲を足す」よりも「深さを足す」作業に近いことが見えてきます。

資格そのものの位置づけから確認したい方は証券外務員とは、どちらの種別を受けるか迷っている方は一種と二種の選び方をご覧ください。
出題形式と配点|1問の重みが5倍違う
二種の配点内訳
二種は全70問・300点満点で、試験時間は2時間です。配点の内訳は、〇✕方式が50問×各2点=100点、五肢選択方式が20問×各10点=200点です。
ここで気づいてほしいのは、問題形式によって1問の重みが2点と10点に分かれている点です。差は5倍あります。
問題数で見ると、〇✕方式は70問中50問。7割以上を占めます。ところが得点で見ると、五肢選択方式が300点のうち200点、つまり3分の2を占めます。問題数の比率と配点の比率が逆転しているのです。「問題数が多い形式」と「得点を左右する形式」は別だということになります。
一種の配点内訳
一種は全100問・440点満点で、試験時間は2時間40分です。配点の内訳は、〇✕方式が70問×各2点=140点、五肢選択方式が30問×各10点=300点です。
二種と同じ形式・同じ1問あたりの配点で、問題数が増える構成になっています。440点満点のうち300点が五肢選択方式ですから、得点の重心は二種と同じところにあります。種別が変わっても、配点構造の性質は変わりません。

なお、公表されているのは問題形式ごとの問題数と配点までで、科目ごとの配点内訳は公表されていません。
合格ラインが何点で、その内訳がどうなっているかは証券外務員試験の合格点にまとめています。
配点から見た優先順位
優先順位は配点表から決まる
どこから固めるかは、好みや得意不得意ではなく、配点から決められます。優先すべきは、1問10点の五肢選択方式で問われる論点です。
五肢選択方式は二種で200点/300点、一種で300点/440点を占めます。ここでの取りこぼしが、そのまま得点に大きく響くからです。
逆に〇✕方式は1問2点です。〇✕方式を完璧に仕上げても、二種では100点分にとどまり、それだけでは合格ラインに届きません。学習に使える時間が限られているときほど、配点の重い側から固めるほうが理にかないます。
「捨てる」の意味
配点で優先順位をつけることは、特定の科目を白紙にすることではありません。
配点の大きい論点により多くの時間を配り、出題頻度の低い論点を深追いしすぎない。指しているのは、時間配分の判断です。
全範囲を同じ深さで学ぼうとすると、どの分野も中途半端になり、取れるはずだった部分まで不安定になります。優先順位をつけることは、手抜きではなく設計です。
この考え方そのものは証券外務員の合格点主義、科目別の具体的な進め方は科目別の勉強法で扱っています。
分野ごとの性格と学習の当て方
法令・諸規則——ルールを正確に押さえる分野
法令・諸規則は、金融商品取引法及び関係法令/金融商品の勧誘・販売に関係する法律/協会定款・諸規則/取引所定款・諸規則の4科目です。
業務で守るべきルールを扱う分野で、条文や規則の内容を正確に押さえることが求められます。用語の定義や、してはいけない行為の線引きが問われる性格です。曖昧な理解のままにしないことが、この分野の要点になります。
商品業務——商品ごとの仕組みと計算
商品業務は、株式業務/債券業務/投資信託及び投資法人に関する業務/付随業務の4科目です。
扱う商品ごとの仕組みと、その取引に伴う計算が問われます。計算を伴う出題があるため、読むだけでは仕上がりません。手を動かして解く練習が必要な分野と捉えておくのが安全です。計算問題がどう出るかは科目別の勉強法、演習をどう進めるかは過去問の使い方で詳しく解説しています。
関連科目——背景知識を広く押さえる分野
関連科目は、証券市場の基礎知識/株式会社法概論/経済・金融・財政の常識/財務諸表と企業分析/証券税制/セールス業務の6科目です。
商品や法令の背景となる知識を扱う分野で、科目数は6つ。3分野のなかではいちばん多くなっています。財務諸表と企業分析、証券税制のように、計算や制度の理解を伴う科目も含まれます。
ただし、科目数が多いことと、学習時間を多く割くべきことは別の話です。配点の重心は科目ではなく形式(五肢選択方式か〇✕方式か)で決まるためです。

一種を目指す人にとっての二種の範囲
二種の範囲は「追加分」ではなく「土台」
一種を受ける場合も、二種の範囲は別に覚え直す追加分ではなく、得点の土台になります。
出題科目の上で一種と二種の差は商品業務の「デリバティブ取引」1科目だけで、残る14科目は同じです。違いは問われ方(二種は基礎的知識、一種は実務的・専門的知識)にあります。
そのため一種の学習でも、まず二種の範囲で安定して得点できる状態をつくることが、そのまま一種の得点の底上げになります。デリバティブ取引は、その上に積む形です。範囲が広がっても、固める順番は変わりません。
学習量の目安
学習量の目安は、二種が1〜2ヵ月・50〜80時間、一種が1〜3ヵ月・80〜100時間です(フォーサイトが示す標準学習期間)。
範囲が広がる分、一種は学習時間が増えます。ただし、いずれも単一の断定値ではなく幅で示されているので、自分が確保できる週あたりの時間から逆算して受験日を決める形になります。
配点で優先順位を決め、学習量から受験日を決める。この2つが揃うと計画が立ちます。学習時間の逆算とスケジュールの立て方は証券外務員試験の勉強時間で説明しています。独学と通信講座のどちらを選ぶかで迷う場合は、独学と通信講座の比較もあわせてご覧ください。
この記事のまとめ
試験科目と配点の要点を、学習の順番を決めるときに見返せる形で並べ直します。配点の重心がどこにあるかを中心に確認してください。
配点から優先順位を決める考え方を教材の形にしているのが、フォーサイトの教材設計です。講座の全体像はフォーサイト証券外務員講座でご確認ください。
よくある質問
3分野14科目です。法令・諸規則が4科目、商品業務が4科目、関連科目が6科目という構成になっています。
商品業務に「デリバティブ取引」が1科目加わり、15科目になります。日本証券業協会が示す出題科目では、一種と二種の差はこの1科目だけです。ただし二種の側にも、職務の範囲外である信用取引およびデリバティブ取引の基礎的知識を「株式業務」「債券業務」など関連する科目に含めて出題する注記が付いています。違いは問われ方で、二種は基礎的知識、一種は実務的・専門的知識が問われます。
〇✕方式が1問2点、五肢選択方式が1問10点です。二種は〇✕方式50問(100点)+五肢選択方式20問(200点)=300点満点、一種は〇✕方式70問(140点)+五肢選択方式30問(300点)=440点満点です。
科目ごとの配点内訳も、科目別の最低基準点も公表されていません。公表されているのは総得点の基準のみですので、得点は総得点で考えてください。合格点の詳細は証券外務員試験の合格点をご覧ください。
商品業務や関連科目には、計算を伴う出題があります。読むだけでは仕上がらないため、手を動かして解く練習が必要な分野です。具体的な傾向は科目別の勉強法で扱っています。
配点の重い五肢選択方式で問われる論点から固めるのが合理的です。〇✕方式は1問2点で、完璧に仕上げても二種では100点分にとどまります。

学習を始めた方から、「科目名が多くて全部やりきれる気がしない」というご相談をよくいただきます。分野ごとに当て方を変えてみてください。法令・諸規則は、言葉の定義と線引きを正確に。商品業務は、読むだけで終わらせず必ず手を動かして計算する。関連科目は、広く浅く回して深追いしない。同じ時間をかけるなら、この配分のほうが得点に変わります。全科目を同じ深さでそろえる必要はありません。