金融商品取引法の目的と有価証券の範囲
金融商品取引法では、さまざまな金融商品の取引を行うにあたってのルールが定められています。この講義では、法の目的を定めた第1条の条文を確認したうえで、金融商品取引法上の有価証券が第一項有価証券と第二項有価証券に区分されること、有価証券から派生する3種類のデリバティブ取引が含まれることを解説します。

金融商品取引法では、さまざまな金融商品の取引を行うにあたってのルールが定められており、その目的が第1条に置かれています。「この法律は、企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定め、金融商品取引所の適切な運営を確保すること等により、有価証券の発行及び金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目的とする」という条文です。

講義では、条文の中でも赤字・太字になっている部分に線を引きながら読み進めます。「金融商品取引所の適切な運営を確保する」「もって国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資する」といった箇所は、別の言葉に置き換えられて誤りの選択肢として出されることがあるため、言い回しごと押さえておきたいところです。

続いて、金融商品取引法上の有価証券です。有価証券は第一項有価証券と第二項有価証券に区分されます。第一項有価証券はペーパーレス化により、その権利を有する有価証券が発行されていない場合でも有価証券とみなされます。また、小切手や個人の発行する約束手形は、金融商品取引法上の有価証券には該当しません。売買されるものが法律上の有価証券であり、売買しないものは該当しないという整理です。

第一項有価証券には、国債、地方債、特別法により法人の発行する債券、社債券、株券又は新株予約権証券、投資信託又は外国投資信託の受益証券、投資法人(会社型投信)の投資証券、CP、CARDs、海外CDなどが該当します。第二項有価証券は「みなし有価証券」と呼ばれるもので、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であっても有価証券とみなされるものを指し、信託の受益権や集団投資スキーム持分などが該当します。

金融商品取引法上の有価証券には、このほか有価証券から派生する一定のデリバティブ取引が含まれます。市場デリバティブ取引は金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従って行われる取引で、取引所で取引される先物取引やオプション取引が該当します。店頭デリバティブ取引は同様の取引を金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行う取引、外国市場デリバティブ取引は外国金融商品市場において行う取引です。

語句説明では、CP(コマーシャル・ペーパー)は企業が短期で資金調達するために発行する無担保の約束手形、CARDsは海外の金融機関の貸付債権を裏付資産として発行される証券、海外CDは海外の金融機関が発行する譲渡性預金証書と整理されています。最後の〇✕問題は「小切手は、金融商品取引法上の有価証券に該当する」というもので、小切手は売買されるものではないため答えは✕です。

第1条は試験に出る可能性がありますので、条文を語句単位で覚えてしまうのが結局は近道です。一方で第二項有価証券まで深く覚える必要はありませんので、どこに力を入れるかのメリハリをつけて学習してください。