内部者登録カードの整備と取引の適正な管理
協会員が守るべき規則の後半です。この講義では、有価証券オプション取引の勧誘の自粛等から、一律集中的推奨の禁止、仮名取引の受託及び名義貸しの禁止、保証等の便宜の供与、内部者登録カードの整備、取引の安全性の確保、顧客の注文に係る取引の適正な管理、法人関係情報の管理態勢の整備までを確認し、最後に〇✕問題で理解を確かめます。

引き続き協会員が守るべき規則です。有価証券オプション取引の勧誘の自粛等では、金融商品取引所が有価証券オプション取引の制限又は禁止措置を行っている銘柄について、勧誘を自粛するものとされています。また、それらの銘柄や、建玉に関して注意喚起が行われている銘柄、委託証拠金の差入日時の繰上げ・率の引上げ・買付代金の決済日前における預託の受入れ措置が行われている銘柄については、顧客から取引を受託する場合に、これらの措置が行われている旨及びその内容を説明するものとされています。

一律集中的推奨の禁止は、顧客に対し、主観的又は恣意的な情報提供となる特定銘柄の有価証券又はオプションの一律集中推奨をしてはならないというものです。仮名取引の受託及び名義貸しの禁止では、仮名取引であることを知りながら注文を受けてはならず、顧客が株券の名義書換を請求するに際し自社の名義を貸与してはならないとされています。保証等の便宜の供与は、供与そのものが禁止されているのではなく、顧客の取引金額その他に照らして過度にならないよう適正な管理を行う必要がある、という内容です。

内部者登録カードの整備は、上場会社等の役員等である顧客について備え付けるものです。上場会社等の特定有価証券等の売買を初めて行う顧客から、上場会社等の役員等にあたるかどうかについて届出を求め、その届出に基づいて備え付けます。記載事項は、氏名又は名称、住所又は所在地及び連絡先、生年月日、会社名、役職名及び所属部署、上場会社等の役員等に該当することとなる上場会社等の名称及び銘柄コードの5項目です。顧客カードの記載事項と混同しやすいので、セットで整理しておきましょう。

取引の安全性の確保では、新規顧客・大口顧客等からの注文の受託に際して、あらかじめ買付代金又は売付有価証券の全部又は一部の預託を受ける等、取引の安全性の確保に努めなければならないとされています。顧客の注文に係る取引の適正な管理では、顧客の注文に係る取引と自己の計算による取引とを峻別し、伝票を速やかに作成のうえ整理・保存するとともに、区分するための番号等を端末機に入力するなどの管理が求められます。法人関係情報の管理態勢の整備に関する規則では、不公正取引が行われないよう、社内規則を定めなければならないとされています。

語句説明では、レバレッジ投資信託はレバレッジを利用して少ない金額で大きなリターンを狙う投資信託で、日経平均の値動きの2倍や3倍を狙うといった投資信託が該当すること、カバード・ワラントは対象資産について「買う権利(コール)」や「売る権利(プット)」を証券化した有価証券であることが示されています。

最後に〇✕問題で確認します。顧客カードを備え付けるという(1)は〇、顧客カードに本籍地を記載しなければならないという(2)は本籍地が不要なので✕、有価証券関連デリバティブ取引の開始にあたって「例外なく」確認書を徴求するという(3)は顧客が特定投資家である場合に徴求が不要なので✕、信用取引の注文で「特に指示がなければ一般信用取引として取り扱う」という(4)は都度意向を確認しなければならないので✕、新規顧客・大口顧客等からの預託の受入れが「禁止されている」という(5)は逆に努めなければならないので✕となります。

内部者登録カードは、顧客がインサイダー取引に該当しないかを確認するための措置です。制度の目的から逆算すると、記載する項目に勤務先や銘柄コードが並ぶ理由も自然に理解できます。してはならない行為と、程度をわきまえるよう求めているだけの行為とが混在していますので、そこを取り違えないよう読み分けてください。