令和8年度 総合旅行業務取扱管理者試験の解答速報・試験講評

2026/10/25

10月25日(日)に実施されました、令和8年度 総合旅行業務取扱管理者の解答速報・試験講評を公開いたします。

解答速報

旅行業法令及びこれに基づく命令
(各4点×25問)
(1) (2) (3) (4) (5)
a c d b d
(6) (7) (8) (9) (10)
b b b a c
(11) (12) (13) (14) (15)
b,c,d a,d b,c a,c a,b,c,d
(16) (17) (18) (19) (20)
b,c,d b,d a,b,d c a,b,c,d
(21) (22) (23) (24) (25)
a,b,c a,b,c c,d a,c a,b,d
旅行業約款・運送約款及び宿泊約款
(問1〜問20 各4点 問21〜問30 各2点)
(1) (2) (3) (4) (5)
a c b d b
(6) (7) (8) (9) (10)
c a a b,c,d a,b
(11) (12) (13) (14) (15)
a,c a,b b,c,d a,b,c,d a,b
(16) (17) (18) (19) (20)
a,b,c a,b a a,b a
(21) (22) (23) (24) (25)
b b b a a
(26) (27) (28) (29) (30)
b a a a b
国内旅行実務
(問1〜問20 各2点  問21〜問32 各5点)
(1) (2) (3) (4) (5)
c b a a a
(6) (7) (8) (9) (10)
c b a c d
(11) (12) (13) (14) (15)
d b b b d
(16) (17) (18) (19) (20)
d b c d c
(21) (22) (23) (24) (25)
d d c d a
(26) (27) (28) (29) (30)
d d a a c
(31) (32)
c c
海外旅行実務
(問1〜問24,問45〜問52 各5点 問25〜問44 各2点)
(1) (2) (3) (4) (5)
a c c a a
(6) (7) (8) (9) (10)
a b d c a
(11) (12) (13) (14) (15)
b,c b,c a,c a,b,c c
(16) (17) (18) (19) (20)
a a,b a,b a,b d
(21) (22) (23) (24) (25)
a,b,c b a,b b b
(26) (27) (28) (29) (30)
a c c d a
(31) (32) (33) (34) (35)
a c d a d
(36) (37) (38) (39) (40)
c a b b b
(41) (42) (43) (44) (45)
b b,c b a,b,c c
(46) (47) (48) (49) (50)
d d b a a,b
(51) (52)
a,b a,b,c

試験講評

本年度試験は、全体としては昨年度と同じレベルか、やや易しくなった印象です。ただ、法令を正確に覚えていないと混乱を招く文章や、あまり考えたことのなかった角度からの出題がいくつかあり、それらに時間を取られると、「難しかった」と感じられるかもしれません。
読んだだけで答えがわかるサービス問題のような出題をいかに的確に、素早く解いて次に進むか。時間のかかる計算に割ける時間を多く作るか、という点が、勝負の分かれ目だったように思われます。また、悩んでも答えが出ない、つまり知っているかどうかで決まってしまうような出題に時間をかけても、正解を導くことはできません。真面目に1問ずつ時間をかけて解いていくと、時間がいくらあっても足りないということになりますし、確実に点数を稼ぐための選球眼が大事だと言えるでしょう。

以下、科目ごと、本年度の特徴や特に難しいと思われる問題について述べます。試験終了直後の時点での講評ですので、今後の詳細な分析や、受験者の正解率等により評価が変動する可能性がある点をご了承ください。

1.旅行業法及びこれに基づく命令

最初の10問は一択なので比較的余裕があったかもしれませんが、その後は昨年度同様「すべて選びなさい」が15問と、なかなか焦る出題形式だったのではないかと思います。
法令は漢字の多い難しい文面で、選択肢にやや長い文章が続きますから、読み疲れする上、本当に微妙な記述の正誤判断を迫られる、気の抜けない科目であると、改めて感じました。
たとえば問1では、「旅行業者」なのか「旅行業者代理業者」なのか、あるいは「旅行業者等」なのか、問題文の主語を間違えずに捉え、かつご自身の頭の中にある営業保証金のルールをしっかり思い出さないと、「代理業者の営業保証金はいくらだっけ?」と、スタートから無駄に時間を使ってしまいます(旅行業者代理業者に営業保証金制度がないことをきちんと理解していれば、選択肢a. を読んだ瞬間にこの問題の解答を終えることができ、時間の節約になります)。
問12も改めて聞かれると、選択肢c. など一瞬戸惑います。選択肢c. で、「地域限定旅行業者は限られた近隣地域の旅行しか取り扱えないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、それだと受託契約に基づいて旅行者から旅行の申し込みを受ける際、遠方や海外の旅行商品については、何の相談もできないことになってしまいます。業務の実態に即して、具体的な仕事のイメージを持って考えれば、旅行業者の種類によって制限されているのは企画旅行の実施と手配旅行の手配実務であるということがわかります(ただし、海外旅行を取り扱うには、総合旅行業務取扱管理者試験に合格した管理者を選任しなければなりません)。

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

「すべて選びなさい」が12問、「すべて選んでいるものはどれか」が1問と、全部読まなければいけない問題の比率が高く、時間がかかってしまったという方もいるかもしれません。ただ、全体的にはそれほど難しくないかな、という印象です。
意外だったのは、問8で手配旅行の払い戻し計算問題が復活したことです。かつては定番の出題形式でしたが、出ないと思って油断していた方もいたかもしれません。
問3から6にかけて、旅程保証、特別補償、変更補償金と、なかなか頭の中で整理しにくいテーマが並びますが、択一式ですから、落ち着いて解けば問題ないでしょう。
第2問以降の各種約款では、さほど難しい問題はありません。日本航空と全日本空輸のルールが年々乖離してきており、後者の約款(今年5月に大幅な変更がありました)の記憶が強いと、ちょっと迷うところはありますが、それぞれの難易度は普通かやや易しいレベルです。

3.国内旅行実務

例年通り、地理分野が2点×20問=40点、運賃料金分野が5点×12問=60点という構成でした。

地理分野については、昨年みんなが驚いた地図問題(話題のジャングリアが登場)は姿を消し、普通の形式に戻りました。今年リニューアルオープンした江戸東京博物館や、大河ドラマに登場する長浜城、世界遺産に登録されたばかりの飛鳥など、時事問題的な要素もしっかり盛り込まれています。
組み合わせ問題は、明らかに別の県というのがひとつわかるようになっており、例年より簡単だったと思われます。特に問19の選択肢d. は、熊本県の名物からしれんこん、福岡県にある太宰府天満宮、鹿児島県の指宿温泉と、3つの項目が全て違う県なので、知らないものがひとつあっても解けます。

運賃料金分野ではJRの出題が5問まで縮小したのは昨年と変わらず。宿泊分野も含め、計算しなければならず手間のかかる問題が多いため、時間配分が正解率に影響するのではないかと思われます。
特に難しかったと思われるのは第6問の航空分野です。各運賃の細かい規定までしっかり頭に入っているという方は決して多くないでしょう。しかし、問26については「60分前という購入期限はない」という単純な話に気付けるかどうか。問27はフレックス運賃とその他の割引運賃の全般的な違いを大まかに掴めているか。細かいところばかり気にし始めると、時間がかかって答えに辿り着きにくい問題です。
JRの問題は、会社ごとのルールの違いに着目した問題がふたつ。基本的な規則の構造を理解していれば難しくありません。問30はあまり考えたことのないテーマで、凝り過ぎな感じもあります(実務上、各選択肢に出てくる変更に遭遇することが何度あるか?)。

4.海外旅行実務

分野ごとに難易度の差があるのは例年通りですが、そもそも計算が面倒で簡単にしようのない分野もあります。全体で見ると、難易度が上がったとは言えないように思われます。

国際航空運賃分野は、規則表を読み込み、適切な運賃を選べば答えられるものばかり。問7と8はセットで往復ですから、1問にまとめてしまって、更に小難しい問題を1問入れることもできたでしょうが、そこまですると点数が下がるという配慮かもしれません。問題文の指示を踏まえれば、絞り込みが容易な問題も多く、点数をしっかり稼いでおきたい内容でした。

旅券法、出入国手続等については、問14の「共同キオスク」という見慣れない言葉に戸惑います。直近で海外旅行された方は、イメージがつきやすいかもしれません。そうでなくても、旅行業界の情報をいろいろと収集していればわかるよね、という意味合いかと思われます。その他に、難しい点はありません。

語学も過去問を丁寧に解いていれば、特に変化球のような問題もなく、落ち着いて解けたのではないでしょうか。紙ベースからオンライン中心への時代の変化や、国際会議など旅行業界の引き受ける業務の多様化を受けて、試行錯誤していた時代が終わり、定番の形式に戻ったように感じられます。

過去問繋がりで言えば、海外観光地理も、どこかで見たような観光地が並んでいて、点数を稼ぎやすかったのではないかと思われます。もちろん得意な地域、不得手な国があるでしょうから、満点を取れとは言えませんが、有名観光地をしっかり押さえるという基本に立ち返ることが大事だと実感しました。

最後の旅行実務は難問、あるいは読み込みに時間のかかる長文が続き、ここまでで時間を使い過ぎた方には厳しかったかもしれません。ここに余裕を持って、落ち着いて答えられたかが、合否を分けるかもしれません。
正解できなかった問題がある方は、今後の旅行の仕事でも必要になる可能性のあるテーマばかりですから、この機会に復習してください。

5.まとめ

もちろん難しい問題というのはありますが、全体としてはそこまで難易度は高くなく、基本を押さえられていれば6割取ることは十分可能です。むしろ、難問は正解に辿り着いて点数を稼ぐのではなく、そこでうっかり時間を使い過ぎないよう取捨選択をするために存在するというつもりでいた方が、合格に近付けます。
恐らく例年通り6割(60点、海外旅行実務のみ120点)が合格基準になると思われます。全科目受験者の合格率は、1桁まで下がることはないのではないかと予想します。

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