旅行業務取扱管理者の試験とは

1. 旅行業務取扱管理者の受験資格は?

受験資格がなく誰でも気軽に受験できます

旅行業務取扱管理者試験は、総合・国内を問わず、誰でも受験できる資格です。一般的に「国家資格」といえば受験資格が多いですが、少々珍しくそして貴重な国家資格であると言えます。

試験の日程は、国内旅行業務取扱管理者試験が9月上旬、総合旅行業務取扱管理者試験が例年10月中旬となっており、同じ年にダブル受験をすることも可能です。受験料はそれぞれ、国内旅行業務取扱管理者が5,800円、総合旅行業務取扱管理者が6,500円となっています。

2. 旅行業務取扱管理者の試験科目は?

国内から総合へのステップアップが目指しやすい

旅行業務取扱管理者の試験科目については、下記の通りです。

国内旅行業務取扱管理者 3科目
「旅行業法及びこれに基づく命令」
「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」
「国内旅行実務」
総合旅行業務取扱管理者 4科目
国内旅行業務取扱管理者試験の3科目に加え、
「海外旅行実務」

このように、国内旅行業務管理者の試験はそのまま総合旅行業務取扱管理者の試験範囲と重複している特徴があります。

しかしながら、総合の試験での配点を見ると「海外旅行実務」が200点、他の3科目が各100点となっており、国内と総合では出題内容にしっかりと差がつけられています。

ちなみに、総合旅行業務取扱管理者試験には細かく科目免除の対象が設定されています。

科目免除となる資格 免除される科目
国内旅行業務取扱管理者有資格者 「旅行業法及びこれに基づく命令」
「国内旅行実務」
前年度総合旅行業務取扱管理者試験での
「海外旅行実務」「国内旅行実務」科目合格者
※いずれか一方でも、両方でも免除対象
「海外旅行実務」
「国内旅行実務」
※翌年試験のみ免除対象
前年度・今年度の
総合旅行業務取扱管理者研修修了者
(実務経験者のみ)
修了済の研修内容に関わる科目
(「海外旅行実務」「国内旅行実務」)

各免除対象については、重複しての適用もあります。
例えば、国内旅行業務取扱管理者有資格者のうち、前年度または今年度総合旅行業務取扱管理者研修の「海外旅行実務」修了している者は、「旅行業法及びこれに基づく命令」「国内旅行実務「海外旅行実務」の3科が免除となり、受験科目は「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」のみになります。

総合旅行業務取扱管理者試験は合格率が低く、国内旅行業務取扱管理者試験より難易度の高い試験と言われていますが、科目免除を上手く活用して受験することで、ぐんと合格を目指しやすくなるのではないでしょうか?

3. 旅行業務取扱管理者の受験者は?

例年一定数の受験者数がある「安定した人気」が特徴に

国内・総合の各旅行業務取扱管理者試験の受験者数について、過去5年間の推移をまとめます。

実施年度 国内旅行業務取扱管理者試験 総合旅行業務取扱管理者試験
2014 14,498 10,376
2015 15,033 10,063
2016 15,352 10,517
2017 14,938 9,950
2018 14,327 9,396

いずれの試験においても受験者数に例年大きな増減はなく、旅行業務取扱管理者が安定した人気を誇る資格であることが分かります。国内旅行業務取扱管理者試験の方が難易度として狙いやすいことが影響しているのか、常に総合の受験者数の1.5倍となっている点に特徴があります。

4. 旅行業務取扱管理者試験の合格率は?

合格率は国内・総合ともに各年度で大きな変動はなし

受験生であれば必ず知りたい、旅行業務取扱管理者試験の合格率について、過去5年間のデータをまとめました。

実施年度 国内旅行業務取扱管理者試験 総合旅行業務取扱管理者試験
2014 29.3% 16.4%(26.4%)
2015 29.3% 12.2%(22.5%)
2016 33.1% 12.8%(22.1%)
2017 38.6% 8.8%(22.4%)
2018 39.6% 11.0%(36.2%)

国内旅行業務取扱管理者の合格率は30~40%、総合旅行業務取扱管理者の合格率は10~20%のラインで推移しています。

ちなみに、総合の数字は、科目免除対象となる受験者を除いた4科目受験者の合格率です。

右に記した( )内の数字は、国内旅行業務取扱管理者有資格者で「旅行業法及びこれに基づく命令」及び「国内旅行実務」を免除された受験者の合格率を表すものですが、こちらは4科目受験者よりも例年10~20%ほど高くなっていますね。

こうしたデータからも、総合旅行業務取扱管理者の難易度をクリアするためには、「国内旅行業務取扱管理者試験からのステップアップ」がカギとなると言えそうです。