旅行業務取扱管理者とは

1. 旅行業務取扱管理者の資格とは?

国家資格「旅行業務取扱管理者」を取得して、憧れの旅行業界に急接近

“好きを仕事に”の代表格としておなじみの旅行業界。就職・転職の人気企業ランキングでは旅行会社が常に上位に君臨し、いつの時代にも根強い人気を誇ります。

旅行会社への就職は、非常に狭き門です。特に大手であれば激戦必至であり、就活生のバイブルとして知られる『就活四季報』によれば、サービス業関連にランクインした旅行会社各社の内定競争倍率は概ね50倍前後。この戦いを勝ち抜くには、ライバルに差をつける「何か」が必要です。

「憧れの旅行業界で活躍したい!」と願うアナタが目指した方がいいのは、旅行業務取扱管理者資格の取得です。旅行業務取扱管理者とは、旅行会社において「旅行取引の総合責任者」として活躍する人です。

旅行業法では、旅行業を、営業所ごとにこの旅行業務取扱管理者を1名以上配置することが義務付けられています。就・転職に先立って資格取得しておけば、選考上有利になること間違いありません。

旅行業界では唯一の国家資格である旅行業務取扱管理者は、就職を控えた学生から旅行業界への転職を目指す社会人まで、老若男女を問わず幅広い人気です。

合格率は総合旅行業務取扱管理者で10~20%程度、国内旅行業務取扱管理者で30~40%程度と比較的高めです。また、過去の出題傾向から対策がしやすいことから、初学者でも合格を狙いやすい資格として注目されています。

2. 旅行業務取扱管理者の仕事とは?

旅行業務取扱管理者が、お客様の旅を総合的にコーディネート!

「旅のトータルコーディネーター」としての旅行業務取扱管理者の仕事は様々です。国内旅行業務取扱管理者試験を実施する一般社団法人全国旅行業協会は、旅行業務取扱管理者の仕事を下記の通り列挙しています。

  1. 企画旅行の旅行計画の適正な作成
  2. 料金表の掲示
  3. 旅行業約款の掲示
  4. 取引条件の説明
  5. 契約書面の交付
  6. 適正な広告の実施
  7. 旅程管理のための必要な措置:旅程管理業務を行う主任の者を通じた管理・監督
  8. 旅行に関する的確な苦情処理
  9. 契約内容に係る重要な事項についての明確な記録または関係書類の保管
  10. 上記に掲げるもののほか、取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な事項として観光庁長官が定める事項

皆さんが旅行の計画を立てるときのことをシミュレーションしてみましょう。
ツアーを比較検討し、気に入ったものに申し込みをし、説明を受けて契約書類を受け取り、ツアー当日には楽しい時間を過ごす・・・。こうした旅の企画から契約、実施までの一連の流れの全てに関わるのが、旅行業務取扱管理者の仕事です。

具体的には、お客様のニーズに合う旅行商品の企画、宣伝広告、契約時の説明や必要書類の交付、ツアーの実施、実施後のフォローまで、管理・監督者としての役割を担う重要な職務が任されることになります。

旅行業務取扱管理者資格は大きく分けて2種類あります。
「国内旅行業務取扱管理者」とは、国内旅行に関わる業務のみ扱うことができる資格です。
「総合旅行業務取扱管理者」とは国内・海外を問わず旅行業務全般に携わることができる資格です。

知識や経験に応じたスキルアップが可能とあって、業界未経験でもまずは国内から、気軽にチャレンジできそうですね。

3. 旅行業務取扱管理者として働く魅力とは?

お客様に「宝」を与える旅のお手伝い、やりがいはひとしおです

「旅行に関わる仕事がしたい」という方にとって、旅行業務取扱管理者の仕事は大きなやりがいを得られること間違いありません。

国内旅行業務取扱管理者としての仕事であれ、総合旅行業務取扱管理者としての仕事であれ、取扱業務の差こそありますが、両者に共通して言えるのは「お客様に喜びや感動を与えられる仕事である」ことです。

人生において、「旅」とはほんのワンシーンに過ぎませんが、その思い出が一生涯心に残る「宝」となることは多々あるのではないでしょうか。お客様にとってのかけがえのない思い出作りに携われることは、旅行業界で働く者だからこその特権であると言えましょう。

その時々の経済状況によって大きく影響を受ける旅行業界ではありますが、旅のお手伝いという仕事が廃れてしまうことはありません。不況であれば近隣を巡る旅を、高齢化が進めばシニア向けのゆったりとした旅を企画するといった様に、旅には状況に応じた提案の仕方があります。

旅行業務取扱管理者の仕事は、いつの時代にも将来性に満ち溢れているのです。