五捨五超入とは?薬剤料の計算での特殊な端数処理の仕方について
診療報酬請求においては1点単価を10円とし、診療点数から医療費を計算しますが、その場合の端数処理は四捨五入をします。一方薬剤料の計算においては、四捨五入ではなく五捨五超入のルールが利用されています。
本コラムでは、薬剤料の計算において必須の五捨五超入のルールについて解説します。
薬剤料を計算するときのルール!五捨五超入とは?
薬剤料を計算するにあたっては、五捨五超入のルールが存在します。その五捨五超入について解説していきます。
そもそも薬剤料とは?
そもそも薬剤料とは、薬の代金のことです。保険診療で使用される薬剤は、薬価基準に収載されていて、薬剤料は薬価基準の価格(円)により算定されます。
薬価基準とは、厚生労働大臣が保険診療に使用できる医薬品の品目と価格を定めたものです。つまり日本全国どこでも、同じ価格で処方してもらえるということです。
医療事務は診療行為の点数だけでなく、薬価基準の価格(円)をもとにして薬の代金(点数)も計算し、診療報酬請求をおこなっています。(点数換算 10円=1点)
五捨五超入(ごしゃごちょうにゅう)とは?
五捨五超入とは、薬剤料の計算において使われる特殊な端数処理の方法です。薬価の円を点数に直して計算するときに使われます。
診療報酬点数は常に整数で、窓口負担金を算出するのに小数点が生じた場合には四捨五入をするルールです。しかし、薬価(円)を点数に直す際は四捨五入ではなく、五捨五超入の考え方を利用しています。
早速、五捨五超入による端数処理をみてみましょう。
まずは薬剤の価格(円)を10で割ります。
そして、小数点以下が0.5以下は切り捨て、0.5を超えていたら切り上げます。
15円以下 → 1点
15円超~25円 → 2点
(例)薬価が15.1円の場合
15.1(円)÷10=1.51
小数点以下が0.51で0.5を超えるため、切り上げ ⇒ 2点
五捨五超入は医療事務をやるなら必須!
五捨五超入は医療事務において、薬剤料を計算するために習得が必須です。
投薬の部の薬剤料だけでなく、注射や処置などの部で薬剤料を計算するときにも使うルールで、言うまでもありませんが診療報酬請求事務能力認定試験の実務問題を解く際にも必要です。
実際、実務上では基本的にレセコンや電子カルテが薬剤料を自動的に計算してくれますが、万が一間違いがあった場合に指摘・修正できるよう、五捨五超入は医療事務の基本の考え方として習得しておきたいところです。
(参考)
投薬、注射の薬剤料:1単位の薬価が15円以下の場合 ⇒ 1点
そのほかの薬剤料 :1回の総量の薬価が15円以下の場合 ⇒0点(算定しない)
まとめ
診療報酬請求の薬剤料の計算では、四捨五入ではなく五捨五超入のルールが利用されています。五捨五超入は、薬価基準に収載されている薬剤の価格(円)をもとに薬の代金(点数)を求めるときに利用する特殊な端数処理の方法です。
レセコンや電子カルテが薬剤料を自動的に計算してくれるとはいえ、診療報酬請求事務能力認定試験でのレセプト作成では習得必須な内容ですので、この機会にぜひマスターしておきましょう。
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