押さえておきたいAI/IoT | 基本情報技術者試験で問われるポイントは?

更新日:2021年8月24日

押さえておきたいAIとIoT

AI・IoTというキーワードは、すでに多くの方が知っている一般的なものとなったといえるでしょう。これらの技術は、デジタル化が進む現代における中核を担うものです。基本情報技術者試験対策としてはもちろんのこと、ビジネスを行う上でも必ず知っておくべきキーワードといえます。

この記事では、AI・IoTについて、その概要や技術活用の具体例の解説を行います。

目次

AIとは

AIとは、人工知能および人工知能に関連した技術のことを指します。AIは主に機械学習の技術により実現されています。機械学習とは、元となる訓練データの特徴を学習し、対象となるデータの分類を行う技術のことです。

例えば、犬と猫の画像を事前にたくさん投入することで、ある写真に写っているのが犬か猫か判別するような分類器をつくることができます。

近年では、ディープラーニングと呼ばれるニューラルネットワークを多層化した機械学習によってAIの性能が格段に向上し、注目を集めています。

現在のAIの能力としては、画像処理技術についてはすでに人間の目による判別能力を超えています。音声認識についても、ほぼ人間並みの認識能力があります。言語理解能力についてはまだ人間には及びませんが、今後の研究により人間に近づいていくことが予想されています。言語理解のうち、翻訳についてはすでに人間並みの能力を備えているともいわれています。

AIの活用例

以下では、AI技術がどのように活用されているのか紹介します。

画像認識と音声認識

AIの得意分野として画像認識や音声認識技術があげられます。上述の通り、現在のAIは画像認識や音声認識を少なくとも人間並みの能力で実現することができます。

特に画像認識はAIの中でも最も実用化されている分野であり、利用者の顔による認証や工業製品の検品の自動化などが実現されています。また、音声認識技術により、議事録の自動性などが実現されています。

自動運転

カメラやセンサとAI技術を組み合わせることにより、車の自動運転が実現化しつつあります。すでに、画像認識により車線を確認し車線からの逸脱を防止したり、先行する車両への自動追従などを行ったりする運転アシスト技術は実用化されています。また、今後は運転アシストにとどまらず、無人でも運転できるような完全自動化が進んでいくと想定されています。

ロボット

車などの工業製品の製造において産業用ロボットが利用されており、危険な作業や力が必要な作業などが自動化されています。ロボットはカメラなどを通して撮影した画像をもとに、作業位置を判別し、必要な処理を行うことができます。

また、配膳ロボットのようにある場所からある場所へものを届けるようなロボットも登場しています。これらのロボットは、エレベータを利用して別の階に移動することなどもでき、病院での食事の配膳などに活用されています。

チャットボット

ヘルプデスクやコールセンターの代用として、利用者の問い合わせに対応するチャットボットが用いられています。最近では、多くの企業のWebサイトでチャットボットが導入されるようになりました。チャットボットは完全に人間のように答えを出すことはできませんが、ある程度定型的な内容であれば問い合わせに答えることができます。

駅や公共施設などでは、案内システムにチャットボットを導入する例も増えています。例えば乗換や各施設の場所などを案内するような仕組みが実現化しています。

IoTとは

IoTとは、Internet of Thingsの略称であり、あらゆるものがインターネットに接続する状態を示した言葉です。IoT技術を用いることで、例えば工場に多数のセンサを設置して故障を自動で検知したり、スマートフォンから得られた情報により交通状況を把握したりすることができます。

IoTは、通信機器の小型化やバッテリーの高性能化などの技術を背景として実現しました。特に製造業ではIoTによる生産性の改善効果は高く、導入が進んでいます。

IoTの活用例

以下では、IoT技術がどのように活用されているのか紹介します。

スマートメーターとHEMS

近年では、電力使用量を計測するメーターがスマートメーターに置き換わりつつあります。これまでの電磁誘導式のメーターは家庭やオフィスでの電力の使用量を計ることしかできませんでしたが、スマートメーターでは住宅内の電気機器の制御や発電した太陽光の管理など、様々なことができるようになっています。

スマートスピーカー

Google homeやAmazon Echoといったスマートスピーカーが普及しつつあります。特にアメリカでは爆発的にスマートスピーカーが普及しており、手での操作に代わり音声での操作が一般化しつつあります。

スマートスピーカーを用いることでテレビやエアコンなどといったIoT家電の操作など、家庭内のIoTを実現することができます。ショッピングの入り口として用いることもでき、スマートスピーカーから日用品の注文なども行うことができるようになりました。

IoT家電

近年では、家電のIoT化が進んでいます。家電がインターネットに接続し、ファームウェアのアップデートや外出先からの操作など、様々なことを実現しています。

これまでは一度販売した家電のソフトウェアアップデートを行うことは困難でした。家電がIoT化することで、例えば定期的に電子レンジに最新のレシピ情報をインストールしたり、販売後に見つかったソフトウェアバグの修正を行ったりすることもできるようになりました。また、スケジュールに合わせてテレビやエアコンの操作を行うことなどもできるようになり、より高度な生活環境を提供することができるようになりました。

故障検知

工場などにおいては、製造工程中にたくさんのセンサを配置することで、機器の故障を自動で検知する取り組みが行われています。これは、センサの小型化やセンサに搭載するバッテリーの高性能化、通信モジュールの低価格化などにより実現されました。

例えば、配管中にセンサを設置することで配管内部の腐食を検知したり、カメラで撮影したタンク画像により劣化状況を判断したりといったことが行えるようになりました。

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、AIおよびIoTに関する内容の解説を行いました。AI・IoTの技術は現代ビジネスにおいて必ず押さえておくべき内容といえるでしょう。

基本情報技術者試験の対策のためにはもちろんのこと、今後のデジタル社会において活躍するためにぜひAI・IoTへの理解を深めてみてください。

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