ハードウェアとは?基本情報技術者試験に合格するためのポイントを解説!

更新日:2021年4月28日

PCを触っている女性と機械を触っている男性

ハードウェアは、システムを動作させるための物理的な基盤となります。ハードウェアのスペックを適切に設定することで、システムの安定的な動作を実現できます。

また、ハードウェアはシステムの信頼性に関わります。

どんなにバグのないシステムを構築したとしても、ハードウェア故障によりシステムが停止してしまうことはよくあることです。

基本情報技術者試験では、どちらかというとシステムのソフトウェア面の設問が多いです。ですが、ハードウェアについても毎年必ず出題されます。

実務においてハードウェアを取り扱うのはインフラエンジニアなど限られた人になりがちですが、普段ソフトウェアに関する業務を担当している方も、これを機会にぜひハードウェアについて学んでみてください。

目次

ハードウェアとは

ハートウェアとは、コンピュータを動作させるために必要となる物理的な機器のことです。サーバやPCなどはもちろん、キーボードやマウス、ディスプレイ、ハードディスク、プリンタなどはすべてハードウェアに分類されます。

ここでは、ハードウェアの概要について解説します。

ハードウェアとソフトウェアの役割

コンピュータの構成要素は、大きくハードウェアとソフトウェアに分かれます。上述した通り、ハードウェアは物理的な機器であり、一方でソフトウェアは物理的な実体のないコンピュータプログラムです。

ハードウェアとソフトウェアはそれぞれ明確に役割が分かれています。ハードウェアは電気的な信号を処理し、加算や減算などの演算を行い、その結果を保持したり画面表示したりする役割があります。

一方でソフトウェアは、プログラムに応じてハードウェアに演算や画面表示等の指示を行います。

ハードウェアの5大装置

コンピュータは、入力装置、記憶装置、制御装置、演算装置、出力装置の5つの要素から構成されます。

これをハードウェアの5大装置といいます。

各装置の役割を下表に整理します。

装置名 役割 ハードウェアの例
入力装置 コンピュータに情報を入力する キーボード、マウス、タッチパネル
記憶装置 コンピュータ内にデータやプログラムを保持する フラッシュメモリ、HDD
制御装置 プログラムやデータを取り出し、内容を解釈して他のハードウェアを制御する CPU
演算装置 プログラムに従って計算を行う CPU、GPU
出力装置 計算結果を外部に出力する ディスプレイ、プリンタ

コンピュータ処理の流れ

コンピュータ処理は、大まかに入力装置から入力された情報を記憶装置に保管し、演算装置にて演算を行い、出力装置に出力するという流れで行われます。また、これらを統括するのが制御装置です。

この流れを具体的なハードウェア機器の例で確認してみましょう。

まず、コンピュータに対して何か処理を実施したいときは、マウスやキーボードなどの入力装置を操作して処理を命令します。

入力された命令は、記憶装置である主記憶装置(メモリ)に保管されます。

制御装置かつ演算装置であるCPUは、入力された命令を解釈し、必要に応じてハードディスクなどの記憶装置からデータを読み込んだうえで、計算処理を行います。

計算結果は、出力装置であるディスプレイに送られ、画面に表示されます。

このように、ハードウェアは各装置がそれぞれの役割分担に応じて処理を行います。システム処理を行う際には、一連の流れが滞りなく行われることが大切です。どんなに優秀なCPUを搭載したとしても、ハードディスクやメモリが不足していたらCPUはその性能を発揮できません。

このように処理の流れを滞らせてしまう部分を「ボトルネック」と呼びます。

ハードウェアの種類

コンピュータで利用される主なハードウェアは、入出力装置、入出力インタフェース、CPU、主記憶装置、補助記憶装置です。ここでは、それぞれのハードウェアごとに特徴を確認していきます。

入出力装置

入出力装置とは、キーボードやマウスといったコンピュータに入力を行う機器や、ディスプレイ・プリンタといった出力機器のことです。近年では、入力装置の多様化が進んでおり、キーボードやマウスに加えてタッチパネルやペンタブレット、トラックボールなどが登場しています。

特にタッチパネルはスマートフォンに搭載されたことで利用が進んでおり、新しいUIのデフォルトとなりつつあります。

出力装置として最も利用されるのはディスプレイです。コンピュータの処理結果を確認するためにはディスプレイが必須となります。近年では従来型の液晶ディスプレイから消費電力が低い有機ELディスプレイへの切り替えも少しずつ進んでいます。

また、プリンタについては主に個人用のインクジェットプリンタやオフィス用のレーザプリンタなどが利用されています。近年では、立体的な造形を実現できる3Dプリンタも登場しています。

入出力インタフェース

入出力インタフェースとは、ハードウェア同士を結ぶ装置を意味します。主な入出力インタフェースを下表に示します。

種類 概要
USB 最も普及しているインタフェース。その形状に応じてTypeA~Cまでが存在する。また、バージョンに応じて伝送速度などに違いがあり、最新のUSB3.2では最大で20Gbpsの伝送速度を実現している。
HDMI 主にディスプレイへの接続に利用されるインタフェース。当初はTV等の家庭用機器に搭載されていたが、近年ではコンピュータへの利用も一般的となっている。
SATA(シリアルATA) SATAはHDDやSSD、ディスクドライブなどとコンピュータを接続するためのケーブル。
Bluetooth Bluetoothは無線通信を実現するためのインタフェース規格。2,4Ghz帯の電波を利用してデータを転送する。PCと入力装置間やスマートフォンとイヤホン間などの通信に利用される。

それぞれの入出力インタフェースは、異なるメーカー製のものであっても通信を可能とするために、統一的な規格にそって作られています。規格を管理している主な規格団体としては、BluetoothやWifiなどを取り扱うIEEEやUSB規格を管理するUSB-IFなどが挙げられます。

CPU

CPUとは、Central Processing Unitの略称であり、情報の加算・減算・乗算などの演算処理を行う演算機器のことです。CPUはコンピュータのすべての処理をつかさどる心臓部分といえます。CPUの性能はコンピュータの処理速度に関わります。

CPUでは、高速で演算処理が行われています。CPUがどれだけ演算ができるかは、クロック周波数により示されます。この値が高いほうが高速に演算できるCPUであることを示します。

また、処理を高速化するために1台のCPUの内部に複数のコアを設けるケースもあります。このようなCPUをマルチコアプロセッサと呼びます。

主記憶装置

主記憶装置とは、CPUから直接アクセスできる記憶装置のことで、メモリとも呼ばれます。メモリはHDDやSSDなどの補助記憶装置から読み出したデータを一時保存し、CPUが利用できるようにします。

また、CPUがどのような処理を行えばよいかというプログラムの命令も保管します。

メモリの各データ領域には、アドレスと呼ばれる住所のようなものが振られています。CPUは、メモリのアドレスを指定することで目的のデータを読み込んだり、実行するべき処理を解釈したりします。

メモリは電源供給が停止するとその保持情報を消失するという特徴があります。よって、長期的に情報を保持する必要がある場合は、次で説明する補助記憶装置を利用する必要があります。

補助記憶装置

補助記憶装置とは、HDDやフラッシュメモリのことで、電気供給が停止しても恒久的に情報を保持するための機器です。代表的な補助記憶装置を下表に示します。

種類 概要
磁気ディスク 磁気を含んだ円盤状のディスクを用いて情報を記憶する HDD
光ディスク 円盤にレーザー光線を当てることで情報を読み書きする CD、DVD、BD
フラッシュメモリ 半導体メモリを用いて情報を記憶する SSD、SDカード、USBメモリ
磁気テープ 磁気を含んだテープに情報を記憶する カセットテープ、LTO

従来では、コンピュータの補助記憶装置としては記憶容量に優れ安価であるHDDを用いるケースが一般的でした。しかし近年では、読み書きの速度に優れるSSDの利用が進んでいます。

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、ハードウェアについての解説を行いました。基本情報技術者試験で問われる内容の大部分はシステムのソフトウェアに関するものです。

一方で、システムを稼働させるためにはハードウェアも重要な要素です。基本情報技術者試験の対策としてはもちろん、実務においてもハードウェアに関する理解は重要となります。

特にSEなど普段はソフトウェアに関する業務を担当している方も、これを機会にぜひハードウェアについて再学習してみてください。

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