OS・ソフトウェア・ミドルウェアの違いとは?基本情報技術者試験のポイント!

更新日:2021年4月30日

3Dパソコン

基本情報処理技術者試験の対策を行う中で、OS、ソフトウェア、ミドルウェアという単語を耳にする機会は多いのではないでしょうか。これらは、すべて広義的な意味でのソフトウェアに属するものです。

それでは、OS、ソフトウェア、ミドルウェアにはどのような違いがあり、どのように使い分けされているのでしょうか。この記事では、それぞれの違いについて解説します。

目次

ソフトウェアの定義

上述の通り、OS、ソフトウェア、ミドルウェアはすべて広い意味でのソフトウェアに属します。ソフトウェアとは、コンピュータの要素のうちハードウェア上で動作するプログラムのことを指します。

物理的な実体があるハードウェアとは異なり、ソフトウェアはプログラムですので実体はソースコードであり、物理的なものではありません。

ソフトウェアは、その種類に応じてOS、応用ソフトウェア、ミドルウェアに分類されます。以下ではそれぞれの違いについて解説します。

OS・応用ソフトウェア・ミドルウェアの違いとは

OSは基本ソフトウェアともいい、すべての応用ソフトウェアやミドルウェアの実行基盤となります。OSは、異なるメーカーのハードウェアであっても共通の利用方法(API)を応用ソフトウェアやミドルウェアに提供します。

また、ファイル管理やタスク管理といったコンピュータの基本的な機能を提供します。

応用ソフトウェアは特定の目的のために作られ、OSやミドルウェアの機能を利用して動作するものです。ドキュメント作成などで利用するOfficeソフトや、Webサイトを閲覧するインターネットブラウザ、メールクライアントソフトなどはすべて応用ソフトウェアです。

ミドルウェアはOSが持っていない機能のうち、多くの応用ソフトウェアが共通的に利用する機能を提供します。代表的なミドルウェアとしては、データベース管理システムやアプリケーションサーバ、Webサーバなどが挙げられます。

~OS・応用ソフトウェア・ミドルウェアの関係性~
OS 共通的な機能を提供
ミドルウェア 多くの応用ソフトウェアが共通的に利用する機能を提供
応用ソフトウェア ユーザが実際に操作し、ユーザのやりたいことを実現する

OS(基本ソフトウェア)

ここでは、OSについてより詳しく解説します。

OSとは、オペレーティングシステムの略語であり、ハードウェアの制御やすべてのソフトウェアの管理を行う基本ソフトウェアのことです。OSはハードウェアと密接に関係しており、CPUへの命令や主記憶装置の管理などを実施しています。

また、OS上で動作するソフトウェアは、すべてOSの仕様に沿って作られ、OSの機能を使って処理を行っています。

OSの種類

OSには、一般に用いられるWindowsOSに加え、LINUX、UNIXなど様々な製品が存在します。以下では、それぞれのOSの概要について紹介します。

OS名 概要
Windows OS 主に家庭用PCや業務用PCを対象として作られているオペレーティングシステム。OSのシェアとしてはNo1となっている。
macOS 同様に、家庭用PCや業務用PCを対象としたオペレーティングシステムで、Windowsに次ぐシェアを持っているOS。
Linux 主にサーバ用途で用いられるOSで、オープンソースでありフリーでの利用が可能という特徴がある。
UNIX 古くから存在するOSで、上述したmacOSやLinuxOSの基礎となっている。主にサーバなどで現在でも利用例がある。

OSの役割

OSの主な役割は以下の通りです。

項目 概要
ファイル・ディレクトリの管理 OSはデータの単位としてファイルを作成し、ディレクトリ(フォルダ)によって保持・管理する。ディレクトリは階層構造とすることができ、OSはパスによりディレクトリ内のファイルを指定する。
タスク管理 タスクとは、アプリケーションの処理を細分化したもの。OSはタスク単位でCPUに処理を命令する。OSは優先度などに応じて効率的にタスクを割り当て、リソースを最大限活用できるようにする。
記憶管理 OSは主記憶装置を効率的に利用できるように記憶管理を行う。主に、主記憶装置そのものを対象とした実記憶管理と、補助記憶装置も活用した仮想記憶管理の2つをOSは実施する。

応用ソフトウェア

応用ソフトウェアは特定の目的のために作られたプログラムのことです。以下では、応用ソフトウェアの種類と役割について解説します。

応用ソフトウェアの種類

応用ソフトウェアは、多数の製品が作られています。代表的な応用ソフトウェアとしては、Officeソフトやメールクライアントなどが挙げられます。

また、Windowsに付属しているメモ帳や各種ゲーム類などもすべて応用ソフトウェアとなります。

応用ソフトウェアの役割

主な応用ソフトウェアの活用方法は以下の通りです。

製品名 概要
Officeソフト 文章を作成するワードソフトや表計算を行うスプレッドシート、プレゼンテーションツールなどから構成されるソフト群。
メールクライアント メールサーバと連携してメールの送受信を行うクライアントソフトウェア。
インターネットブラウザ WebサーバとHTTP通信を行い、ダウンロードしたHTML等のデータを描画し表示するソフトウェア。
動画編集ソフト 動画を加工したり複数の動画をまとめたりするためのソフトウェア。
セキュリティソフト マルウェア対策やファイヤーウォール機能の提供など、セキュリティ対策を行うためのソフトウェア。

ミドルウェア

ミドルウェアは多くの応用ソフトウェアが共通的に利用する機能を提供するために作られます。以下では主なミドルウェアの種類と役割について紹介します。

ミドルウェアの種類

一般にPCやスマートフォンなどを利用する中でミドルウェアを意識することはあまりないでしょう。ミドルウェアは、縁の下の力持ちとしてソフトウェアの動作を支えています。

主なミドルウェアには、データベースやWebサーバ、アプリケーションサーバ、データ連携ツールなどが存在します。本格的なシステム構築においてはミドルウェアの活用が欠かせません。

ミドルウェアの役割

主要なミドルウェアの役割は以下の通りです。

製品名 概要
データベース管理システム データベースとしてデータを保持し、要求に対してデータの出力や追加、削除を行う。
Webサーバ クライアントから送信されたHTTPリクエストに応答し、HTMLやCSSなど適切なレスポンスを返す。
アプリケーションサーバ クライアントからのリクエストを受け付けて、データベース等と連携し処理を実行する。
データ連携ツール システム間やサーバ間などで効率的なデータ連携を実現する。

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、ソフトウェアの定義とOS、応用ソフトウェア、ミドルウェアの違いについての解説を行いました。

これらは混同されやすいですが、一度違いについて理解するとIT業界で利用される言葉の理解につながるはずです。

基本情報処理技術者試験を受けるにあたって、OS、応用ソフトウェア、ミドルウェアという言葉は頻出となるため、ぜひこれらの違いについて押さえておいてください。

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