Webとは何か?基本情報技術者試験の頻出ポイント解説

更新日:2021年7月20日

Webとは何か

私たちは普段ブラウザを通してPCやスマートフォンからWebサイトを閲覧していますが、それがどのような仕組みにより提供されているか知っているでしょうか。

基本情報技術者試験では、Webがどのような仕組みにより実現されているか問われます。Webの実現方法について理解すると普段行っているWebブラウジングも少し面白く感じられるかもしれません。

この記事では、基本情報技術者試験の対策としてWebについての解説を行います。

目次

Webとは何か

Webはインターネット技術を利用してドキュメント閲覧を行う仕組みです。インターネットに接続しているコンピュータであれば、どこからでもWebページを閲覧することができます。

インターネット技術により私たちは離れた場所でも情報をやり取りすることができますが、インターネット技術はあくまで通信における基盤部分の提供のみを行っています。その上部で動作するアプリケーション部分については、Web技術により実現されています。

例えば、ブラウザを立ち上げてWebサイトを表示し、リンクをクリックすることで別のページに遷移するような動作は、すべてWeb技術により実現されるものです。

Webを構成する基本要素

以下では、Webを構成する基本要素について解説します。

HTML

HTMLとは、Webで用いられるドキュメント表記法のことです。私たちがWebサイトを閲覧する時には様々なフォントや画像ファイルが埋め込まれたページが表示されていると思いますが、このWebサイトの表示方法はHTMLにより定義されています。

HTMLはマークアップ言語の一種類であり、文中にタグと呼ばれるマークを記入することで、拡張的な表現を行うことができます。例えば、<a>タグを用いるとリンクを指定することができます。また、<font>タグを用いると、文字のフォントを指定することができます。

HTTP

HTTPはWebで用いられる通信プロトコルです。私たちがブラウザからURLを指定してWebサイトを表示する際に、その裏側ではブラウザがWebサーバにHTTPリクエストを送信しています。リクエストを受けたWebサーバは、WebブラウザにHTMLや画像ファイルなどを返却します。

HTTPは、HTMLファイルに記載されている内容を解釈し、Webページの表示に必要となる画像やCSS、JavaScriptなどのファイルを合わせてブラウザに送信します。また、ログインが必要なページやECサイトのカートのようにページ遷移後も状態を維持する必要がある場合は、セッションと呼ばれる仕組みでURLを移動してもログイン状態やカート状態を維持することができます。

セキュリティ上暗号化した通信を行う必要がある場合は、HTTPに暗号化プロトコルであるTLSを加えたHTTPSが用いられます。近年の多くのWebサイトはHTTPSによりブラウザと通信を行っています。

Webサーバ

Webサーバは、HTTPを解釈してクライアントに必要な情報を提供するサーバのことです。上述した通り、ブラウザはHTTPリクエストを行いHTML等のファイルを要求しますが、その要求にこたえてHTTPリクエストを処理するのがWebサーバの役割です。Webサーバは、その処理内容からHTTPサーバと呼ばれることもあります。

Webサーバには、HTTPリクエストを解釈するだけではなく、上述した暗号化通信を行うための機能や、利用者の識別と認証、クライアント側から送付されたデータの保管などといった機能を備えているものが多いです。

Webブラウザ

Webブラウザは、HTTPリクエストをWebサーバに対して実施し、取得したHTMLを画面表示するためのアプリケーションのことです。ユーザはWebブラウザを通してURLを指定し、受信したHTMLを閲覧します。

近年のWebブラウザには、単純にHTTPリクエストを送信して取得したHTMLを画面表示するだけではなく、様々な機能が備わっています。

例えば、表示された文字のフォント調整や画面の拡大といったクライアント側での表示内容の調整機能や、パスワードや閲覧履歴といった情報を保持する機能、ブラウザ上で動作するPWAといったアプリケーションの提供など、利便性を向上させるための機能改良が行われています。

Webに関連する重要キーワード

以下では、Webに関して基本情報技術者試験で問われる重要キーワードについて解説します。

CSS

CSSは、HTMLを修飾するための仕組みのことです。HTMLドキュメント中の文字の色を変えたり、背景を設定したりすることができます。HTMLのタグを用いても同様の装飾は可能ですが、CSSを用いることで装飾内容を増やしたり、装飾範囲の指定を細かく行ったりすることができます。

CSSは近年のWebサイトではHTMLとセットで利用されており、一般的なものとなっています。CSSはその機能を拡張し続けており、ページのアニメーションやグラデーション表示、図形の変形などの機能を備えるようになっています。

Javascript

Javascriptは、Webブラウザが解釈できるプログラミング言語です。クライアント側で動作するというのがJavaScriptの特徴であり、Webページ上で動的な処理が必要な場合、JavaScriptを用いることで実現することができます。

例えば、ユーザがボタンを押したらページの表示内容を書き換えたり、画像を選択したらその画像を拡大表示したりといった処理はJavaScriptにより実現されています。

CGI

CGIは、サーバーサイドでプログラムを実行してWebページを作成し、クライアントに送信する仕組みのことです。

HTMLは静的なファイルであり、ユーザの操作内容やリクエストに応じて内容を修正することはできません。リクエスト内容に応じてユーザ側に返却するHTMLを修正したい場合には、CGIを用いてリクエスト内容に基づいたHTMLを作成し、ユーザに返却します。

CGIを実現するプログラミング言語としては、PHPやPerl、Ruby、Pythonなどが用いられることが多いです。いずれも、サーバーサイドで動作するプログラミング言語です。

Webアプリケーション

Webアプリケーションは、Web技術を用いて開発されるアプリケーションのことです。

上述したサーバーサイドで動作するプログラミング言語をもちいて構築されることが多く、ユーザはブラウザから操作が可能であるためソフトウェアをPCにインストールする手間がいらないことなどがメリットです。

近年ではWeb技術の発達もあり、Webアプリケーションの採用例が増えています。また、Webアプリケーションと近しい概念であるクラウドサービスなどの利用も増えています。

Ajax

Ajaxは、HTTPリクエストを非同期で実施し、Webページを遷移させずにページ内容を更新する仕組みのことです。高いユーザ体験を得られることから、近年採用が増えています。

Ajaxは、上述したJavaScriptとCSSにより実現される技術です。GoogleマップやTwitterのようにページを遷移せずとも様々な操作が行えるWebサイトは、多数のJavaScriptとCSSを用いて作られています。

Cookie

Cookieとは、Webページによってクライアント側に保存される情報のことです。主にセッション管理やユーザ特定のために用いられるもので、一度ログインすれば再びアクセスした際にはパスワードの入力が不要であるようなサイトは、このCookie情報を参照することでユーザを識別しています。

近年では、Cookieを用いたターゲティング広告やトラッキングなどが頻繁に行われるようになり、プライバシー上の問題も指摘されています。優良なサイトでは、アクセスした際にCookieの受け入れ許可に関するダイアログが表示されるケースが増えてきたことに気づかれている方も多いのではないでしょうか。

ブラウザから、自身がこれまでに閲覧したサイトのCookie情報を閲覧することなどもできます。覚えのないCookie情報が保持されている場合は、セキュリティ上のリスクから削除することをおすすめします。

検索エンジン

検索エンジンは、Webページをキーワードによって検索する仕組みのことです。

大きく、Yahooに代表されるような、収集したサイトをカテゴリごとに分けて表示するディレクトリ型検索と、Googleに代表されるような、クローラがサイトを巡回して情報収集するロボット型検索が存在しましたが、近年ではロボット型検索が主流となっています。

検索エンジンを用いることで、指定したキーワードに関連するページを探すことができます。検索エンジンはWebの利用になくてはならないものといえるでしょう。

まとめ

この記事では、基本情報技術者試験を受けようとされている方に向けて、Webに関する内容の解説を行いました。

Webは日常的に私たちが利用しているものでありながら、その仕組みについて知る機会はあまりないのではないでしょうか。Webに関する技術は日進月歩であり、これからもどんどん新しい技術が登場していくことでしょう。

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