令和7年度 総合旅行業務取扱管理者試験の解答速報・試験講評

2025/10/27

10月26日(日)に実施されました、令和7年度 総合旅行業務取扱管理者の解答速報・試験講評を公開いたします。

解答速報

旅行業法令及びこれに基づく命令
(各4点×25問)
(1) (2) (3) (4) (5)
a c d b d
(6) (7) (8) (9) (10)
b c c a a
(11) (12) (13) (14) (15)
a,b,c,d a,b,c a,d b,d a,b,c,d
(16) (17) (18) (19) (20)
b,c c,d a,b a,b,c,d a,b,d
(21) (22) (23) (24) (25)
a,b,c,d b,d a,b,c,d b,c a,b,c
旅行業約款・運送約款及び宿泊約款
(問1〜問20 各4点 問21〜問30 各2点)
(1) (2) (3) (4) (5)
d b c c d
(6) (7) (8) (9) (10)
a a c a b
(11) (12) (13) (14) (15)
d b a,b,c,d a,b,d b,c,d
(16) (17) (18) (19) (20)
a,b,c a,b,d a,c b,d a,b,c
(21) (22) (23) (24) (25)
b a a b a
(26) (27) (28) (29) (30)
a b a b a
国内旅行実務
(問1〜問20 各2点  問21〜問32 各5点)
(1) (2) (3) (4) (5)
a b a b d
(6) (7) (8) (9) (10)
a a a b b
(11) (12) (13) (14) (15)
a a b b d
(16) (17) (18) (19) (20)
b b d b b,c
(21) (22) (23) (24) (25)
a d d d a
(26) (27) (28) (29) (30)
d c c b b
(31) (32)
a d
海外旅行実務
(問1〜問24,問45〜問52 各5点 問25〜問44 各2点)
(1) (2) (3) (4) (5)
d c d b c
(6) (7) (8) (9) (10)
d c b,c d c
(11) (12) (13) (14) (15)
a,b,c a,b a,b a,c a,c
(16) (17) (18) (19) (20)
a,b c a,b a,b,c a,b
(21) (22) (23) (24) (25)
a,b b a c b
(26) (27) (28) (29) (30)
b a b a a
(31) (32) (33) (34) (35)
c b d c d
(36) (37) (38) (39) (40)
d d a a d
(41) (42) (43) (44) (45)
a b a,b,c b,c d
(46) (47) (48) (49) (50)
c b b a a,c
(51) (52)
c a,b

試験講評

本年度試験は、昨年度よりはやや難化しました。全般的な出題傾向、出題レベルは例年と大きな違いはありませんが、科目・分野の一部にレアな規定や、受験者のうっかりミスを誘う記述や事項があります。
そのような出題は例年のことですが、今年は少々目立ちました。また、出題形式が斬新で見慣れないものもあります。
これらで失点が重なるか、解答時間が圧迫された方もおられるかと思います。
法令はほぼ例年並の難易度で、約款は昨年度よりも易化していますが、どちらも「引っかけ問題」に注意が必要でした。
一方、国内旅行実務と海外旅行実務は、分野により難易度の差がありました。
新しい出題形式に、その場でいかに早く、正確に対応できたかどうかがポイントでした。

以下、科目ごとに、難しい問題を中心に印象を述べます。なお、以下は試験終了直後の時点での評価であり、今後の問題分析により評価が変動することがありますのでご了承ください。

1.旅行業法及びこれに基づく命令

テーマごとの出題バランスは例年と大きく変わりません。多肢選択問題は昨年と同様、歴代最多の15問が出題されました。
多肢選択問題は消去法が使えないので、難度が高くなります。
しかし個々の選択肢は基本レベルが多く、一つ一つ落ち着いて正誤を判断すれば難しいものではなかったでしょう。

難しいものでは、問4と問5の書面に関する問題、問25の罰則が挙げられます。罰則は出題頻度が低いがゆえに難問となりがちですが、今年は罰金の額も記述されており、迷う問題となりました。
問13のb、問14のa.問16のa.などは、つい見落とししやすい引っかけです。
特に問14のa.は.「旅行業者等」が誤りで、「旅行業者」が正しい記述です。

その他の問題は、おおむね平均レベルの難易度です。

2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款

約款も全体の出題傾向は例年と変わりません。Bレベル問題が減り、昨年よりは易化しました。
しかし例年同様、読み間違いやうっかりミスを誘うものが目立ちます。問9の「旅行者の責任」は久々に単独で1問出題されましたが、易しいレベルでした。

問10、問17、問18の特別補償規程は難しい問題が並びました。問10は総合試験での定番問題で、簡単な計算ですが適用規定が分かりにくいテーマです。
これもわかりにくい代表の旅程保証は1問のみでした。また、かつては大定番であった手配旅行契約の払い戻し計算問題は、今年も出題されませんでした。

各種約款では、とくに難問はありません。

3.国内旅行実務

例年通り、地理分野から20問(40点)、運賃料金分野から12問(60点)が出題されました。

① 国内観光地理
例年のように定番問題が多い中で、かなりな難問もありました。問5の地図問題は昨年も出題され、定番化するかも知れません。
できたばかりのテーマパーク「ジャングリア」が問われ、地理感覚が求められます。問8は、「地元有利」の問題でしょう。
また、文章埋め込み問題の問12〜14は難しいものが並びました。問4,問16,問18も少し難しかったと思いますが、その他の問題は比較的易しく、地理全体では例年よりも易化しました。

② 国内運賃料金
宿泊料金問題と貸切バス運賃料金問題がそれぞれ2問出題されました。国内航空は例年通り2問、フェリーは1問で、JR以外の問題は7問となり、史上最多です。
その分、JR問題が昨年より1問減少し、史上最少の5問となりました。概してJR運賃料金は難問が多く、その他の運賃料金は易しいものが多いため、JR以外は得点源となりました。
このバランスが合否にどのように影響するか、合格発表が待たれます。
宿泊料金の問21は易しいですが、問22c.の延長料金、d.の違約金は、総合試験初の出題です。バス、フェリーは易しい内容でした。国内航空では、昨年は全日空も出題されましたが、今年は日本航空のみが出題されました。
問27の往復セイバー運賃は、便出発後は100%の取消手数料がかかりますが、旅客施設使用料と消費税は払い戻されます。
5問となったJRですが、問32の時刻表問題を除いて難問が並びました。問28は、「武雄温泉で途中下車する」ことがミソで、ひねり過ぎの感があります。
問29〜問31もレアな問題が多く、難問です。問32の時刻表問題は分かりやすかったと思います。

国内旅行実務は、地理と運送宿泊の問題でどれだけ点を稼げたかで悲喜が分かれそうです。

4.海外旅行実務

分野ごとの出題バランスは例年と変わりませんが、今年も分野により難易度の差が大きくなりました。
しかし均してみると、昨年よりわずかに難度が下がったといえるでしょう。新しい形式も出題もあり、第2時限は「時間との戦い」が厳しかったかも知れません。

① 国際航空運賃
問3,問4は、適用運賃の候補を例示して、どれが適用可能な運賃か答える形式で、例年とは若干異なる趣向です。
各問で、途中降機、必要旅行日数、コードシェア、予約変更、取り消し・払い戻しなど幅広く規定が問われました。特に第2問では過去にない「旅客の要望事項」が適用条件に追加されています。変更の可否、払い戻しの可否はここで絞り込む必要があります。
昨年までは、前問が正解できないと後の問も正解できない「ドミノ」的出題がありましたが、本年は出題されませんでした。各問で解答に少し時間がかかったかと思いますが、レベルは難しくないものでした。

② 旅券法、出入国手続等
Aレベルの問題がほとんどで、大きな得点源となりました。問13〜問16は特に難しい選択肢はなく、易しいレベルでした。問15の課税・免税の問題も基礎レベルでした。
その中では、問11の旅券の紛失の取り扱いが難しかったと思います。

③ 語学
本文合致、語句穴埋めなどの設問が主で、内容は例年と変わりません。特段の難問はなく、全体に易しいレベルでした。本文合致を問う各設問は、段落ごとに内容が問われているので、まず選択肢を読んで、該当する段落を読み取るとよいでしょう。最初から全文和訳に挑むと時間を浪費します。 問19のc.は一応計算してみないと正誤がわかりません。ファミリー料金は$125、正規料金は大人$50、子供$25で、合計は$50×2+$25×2=$150となります。丁度、子供1人分の$25がお得になります。語句穴埋めの問17は「参照する」の意味のc.が適切で、問24は「〜かどうか(if)」の丁寧な言い方のc.が適切です。

④ 海外観光地理
本年はメジャーな地名・名称が目立ち、易しい内容でした。例年、マニアックな問題に泣かされるのですが、本年のBレベル問題は、問25、問28、問37などが挙げられます。問44の回が問題はCレベルですが、これは毎年のことです。残りはAレベルの定番問題がほとんどでした。また、このところ出題が続いた写真問題はありませんでした。 地理は難易度を問わず、とにかく解答だけは素早くできるのが特徴です。早めに切り上げて、他の問題に解答時間を使いましょう。

⑤ 旅行実務
第10問は、本年も難問が多くなりました。問51の都市・空港コードと問52のアライアンスとエアラインコードは把握が難しく、Cレベルです。
時差計算、飛行所要時間は平均レベルでした。問47は、コルナがチェコの通貨であることを覚えているかどうか。問49は世界中で進んでいる電子渡航制度に関する問題ですが、英国が問われたのは初です。

また、問50の出入国手続きは、初の表形式で出題されました。
第10問は解答に時間がかかるものがありますが、ここでの失点は大きいので、何とか乗り越えたい分野です。

おわりに

今年は、実務科目で分野により難易度の差が大きいものがありました。しかし全体を見渡せば、難問もありますが、今年も定番といわれる問題が圧倒的です。
やはり過去問題を解き、コアとなる知識をより多く理解吸収することが大切です。初めて見るような意図的難問は必ず出題されます。Cレベルはやむを得ないとしても、Bレベルでどれだけ正答率を上げられるかが、合格への大きなカギです。
後日、日本旅行業協会から正解と合格基準が公表されます。合格基準は例年どおり、各科目について満点の60%以上(海外旅行実務のみ120点以上、その他の科目は60点以上)の正答率となるでしょう。

全科目受験者の合格率は、昨年(13.2%)よりは下がりそうですが、2ケタに届くと予想します。

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