保育士試験の難易度

保育士試験の難易度

9科目にも渡る広範囲の筆記試験と実技試験からなる保育士試験。ここ数年合格率は20%あたりで推移しています。決して高いとは言えない合格率に学習を始める前から「どうせ私には…」と諦めるのはもったいないことです。国家試験である保育士試験の難易度とそのひみつ、他の資格に比べどのくらい受験しやすいかを分析していきます。

目次

保育士試験の難易度

筆記試験の合格率は例年2割程度と決して高くはありません。
ですが、低い合格率を前にひるむ必要はありません。そのように断言するのにはいくつか理由があります。

難易度の理由

ポイントは3点です。

まず、保育士試験の筆記試験で一番のネックなのは、学習すべき内容が9科目と非常に幅広い点です。ですが、安心してください。保育士試験は科目別合格が認められています。合格した年を含め3年間有効です。ただし、「教育原理」及び「社会的養護」に関しては2科目同時に合格ラインに達せなければ合格にはなりません。
一度で全科目合格できなければ2回目3回目で不合格科目に再挑戦することが可能なので、実際のところコツコツ科目別合格を重ね、何回目かの受験で筆記試験全科目制覇する方も多くいます。
ですので、表面上の合格率に振り回される必要はありません。

もう一点は、保育士試験は年に2回も受験のチャンスがあることです。一発合格を目指して受験したもののいくつかは不合格になってしまったという状況でも次のチャンスはおよそ半年後にやってきます。

私は以前通関士という3科目から構成される試験を受験したことがあるのですが、年に1度しか実施されない試験なうえに科目別合格がなく、相当なプレッシャーでした。年に2回の受験機会があり、科目別合格が有効な保育士試験は恵まれています。自らがスキルアップできるせっかくの機会なので、あまり深刻になり過ぎず純粋に学ぶことをたのしんでいただきたいです。

最後は実技試験についてです。音楽・造形・言語の3分野から2つを選択し受験します。筆記試験の全科目合格者だけがこの実技試験に進めます。実技と聞くと、小手先の技ではどうにもならないものだと不安になるかもしれません。
ですが、保育士試験の実技試験は造形(絵画)を除いて、音楽(ピアノなどで弾き歌い)と言語(こどもたち相手に3分間のお話)は受験申請の手引きに課題の曲と物語の候補が示されます。絵画の課題もだいたい出題形式が決まっているので、ポイントさえ押さえれば必要以上に心配しなくてもよいと思います。
ですので、筆記試験を終え手ごたえを感じた方は集中して実技の課題攻略のために取り掛かれば大丈夫です。実技試験の合格率は9割ほどといわれています。準備を完璧に本番で練習の成果をしっかり発揮できれば合格できるはずです。

他の資格と難易度を比較

保育士と関連のあるもの、主婦に人気の資格について、資格取得に必要な時間や試験の形態などの観点から難易度を比較してみます。

幼稚園教諭と比較

0歳~就学前までの乳幼児について“幅広い”知識と技術を擁する「保育士」に対し、3歳~就学前の幼児の教育分野に“深く”精通している「幼稚園教諭」の資格取得の難しさはどれほどでしょうか。
幼稚園教諭は教諭養成課程のある大学や短期大学、専門学校へ進み、必要科目を履修することで、卒業時に幼稚園教諭免許状、学校によっては国家試験を受けずに保育士資格も同時に取得することができます。ただ短大は2年、通信教育課程のある学校は卒業まで3年と、時間を要しますので時間に余裕のない方にはハードルが高いです。

公務員試験(公立保育園の保育士)と比較

公立保育園の保育士を目指す場合、一般教養試験に加え2次試験では面接、ピアノなど実技試験があるのが一般的です。保育士試験は各科目6割以上得点できれば合格できる自分との戦いなのに対し、公務員試験は定員の枠内に入らなければなりませんので、他の受験者との競争がある点で難しいといえます。

社会福祉士と比較

福祉や医療の相談援助を行う「社会福祉士」と比較してみます。
社会福祉士の受験資格にはさまざまなルートがあります、例えば福祉系ではない4年制一般大学の卒業者の場合、専門学校など一般養成施設等で1年以上の教育課程を受ける必要があります。そのうえで19科目(2019年現在)から構成される試験に合格しなければなりません。学歴によっては1年の相談補助実務経験も条件のひとつになりますので、資格取得まで大変時間を要します。保育士試験に比べると受験しにくい試験です。
ちなみに、社会福祉士の資格保持者は、保育士試験において福祉系の科目が共通していますので、それらは一部科目免除になります。

看護師と比較

受験資格さえあれば国家試験を受験できる保育士とは異なり、看護師になるには大学または3年以上の教育を受けて、さらに看護師国家試験に合格する必要があります。本腰を入れて専門的教育を受けなければなりませんので、ハードルが高いといえます。なお現在看護師の保育現場におけるニーズが高まっています。

医療事務と比較

病院や診療所の受付・会計・レセプト(診療報酬明細書)の作成などを行う医療事務は受験制限がなく、試験は毎月実施されるうえ、在宅受験ができる主婦に人気の資格です。国家試験である保育士試験よりもお手頃です。

登録販売者と比較

登録販売者はドラッグストアや薬局で活躍する薬のスペシャリストです。学歴や実務経験による受験制限はありません。試験形式は択一式120問240分です。合格率は4割程度で推移しています。保育士試験に比べると受験しやすそうですが、薬剤師不足を補う人材である登録販売者が学習する内容は医薬品についての専門的な内容ですので決して簡単ではないでしょう。

まとめ

保育士試験は学習範囲が広い反面、受験しやすい国家試験です。あきらめなければきっと保育士になれます。

また社会福祉士や看護師のような他業種からの受験者も歓迎な資格だと思います。たとえば産休・育児休業中に保育士資格を取得してみるのも手だと思います。可能性がグッと広がるはずです。

主婦(夫)の方も子育ての経験が生かせる数少ない国家資格ですし、全国どこでも子どもがいれば保育需要はあります。昨今保育士が不足していることもあり、1日数時間勤務する時短保育士、フルタイム保育士、空いている時間のみ出動するベビーシッターなど働き方は多様です。とにかく働き口に困ることはあまりないでしょう。

保育士試験、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。