【保育士試験】五大栄養素のポイントと過去問題からの傾向とは?
更新日:2020年3月27日
五大栄養素と聞いただけで最初から、何だかとても、わかりにくい科目だと敬遠してしまうことが多いと聞きますが皆さんはいかがでしょうか?
しかし、五大栄養素を理解することは保育士試験において必須となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
ここでは、五大栄養素を図解でわかりやすく解説していくとともに直近の保育士試験で取り上げられた試験問題の傾向から対策のポイントを解説していきます。
保育士試験における五大栄養素おさえるべきポイント
「子どもの食と栄養」という科目において、おさえておきたいポイントの1つが五大栄養素です。
五大栄養素を分りやすく示した表が下図になります。
糖質 | 三大栄養素の一つ。主食と言われる米・パンなどの小麦製品・イモ類などに多く含まれる。 | |
---|---|---|
脂質 | 三大栄養素の一つ。サラダ油などの液体とバターなどの固形の脂がある。 | |
たんぱく質 | 三大栄養素の一つ。肉・魚・卵の動物性食品と豆腐やナッツなどの豆類の即物性たんぱく質がある。 | |
ビタミン | 三大栄養素をサポートする大切な栄養素。脂溶性と水溶性の2種類のビタミンに分かれる。 | |
ミネラル | 三大栄養素をサポートするのに必要な栄養素。代表的なものにカルシウム・リン・カリウムなどがあげられる。 |
糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、この2つの栄養素が加わったものが五大栄養素となります。
子ども達の健康をささえ、健やかに過ごしていくため、成長を促していくために、知っておかなければいけない基本的な栄養素です。
おさえるべきポイントは、各栄養素が子ども達の成長において、どのような働きを担うのかを理解しておくことです。
各栄養素のポイントをまとめましたので見ていきましょう。
五大栄養素|糖質とは
体を動かす上で大切な働きをするのが糖質です。車でいうガソリンと言い換えればイメージしやすいでしょうか。
米やパン、うどん、芋類などに含まれており、主食となり得る食物に多く含まれていることがわかります。子どもにとっては、集中力の持続などにも欠かせない栄養素になります。
五大栄養素|脂質とは
脂質には2種類あり、「液状」の脂質と「固形」の脂質がある事をおさえましょう。
1つがサラダ油のような液状になっている物、そしてもう1つは固形状になっている、マーガリンやバターのようなものです。
そしてもう1つ重要なポイントは、体内では生産出来ない「必須脂肪酸」という大切な栄養素があるということです。
この必須脂肪酸が不足すると免疫不全や子どもの成長障害、脳の発達障害などを引き起こす可能性もあることがNST(Nutrition Support Team/栄養サポートチーム)の報告書でも明らかにされています。
この必須脂肪酸は、クルミなどのナッツ類や、イワシやサバなどの青魚に多く含まれていることがわかっています。
そのほか体温を正常に保つ働きや、脂溶性のビタミンの吸収を手助けする働きがあります。
五大栄養素|たんぱく質とは
たんぱく質も体を作る大切な栄養素で、「糖質」「脂質」とともに三大栄養素と呼ばれる栄養素の一つです。
体を構成する筋肉や髪、ツメなど様々なパーツをつくるのに必要になってくる栄養素です。押さえるべきポイントは、「動物性」と「植物性」の2種類のたんぱく質がある事です。
動物性たんぱく質は、魚や肉類、卵などで摂取します。この動物性たんぱく質は、体内で生成出来ない「必須アミノ酸」を含んでいる点も見逃してはいけません。
植物性たんぱく質は、豆腐や納豆などの豆製品に多く含まれています。動物性たんぱく質との違いは低カロリーという点です。
この2つのたんぱく質を成長の過程に合わせてバランスを考えながら摂取する事が子どもの「食」を考える上で大切になってきます。
五大栄養素|ビタミンとは
ビタミンは、食物からとることで補わなければいけない、体内では生成出来ない栄養素の一つです。体全体の機能のバランスをとり体調を保ちます。
押さえておきたいポイントは、ビタミンには2種類、水溶性と脂溶性があるということです。
血液に溶け込み体の中を巡り、不要ならば尿で排出される、ビタミンB群やビタミンCなどの皆さんお馴染みのものが水溶性のビタミン。
一方、肝臓などの体内にとどまり体調を整える働きをするのが、ビタミンAやビタミンEなどの脂溶性と呼ばれるビタミンになります。体内にとどまりますので水溶性ビタミンよりも過剰摂取に注意が必要になります。
五大栄養素|ミネラルとは
ミネラルは「無機質」とも呼ばれます。他の栄養素のように大量に摂取する必要はありませんが、三大栄養素やビタミンと協力し合いながら少量で体のバランスを整えてくれる大切な栄養素です。
代表的なものには骨や歯に大きく関わってくるカルシウムやリン、血液やリンパなどの細胞に深く関わるカリウムなどがあげられます。
微量の摂取で良いため不足すると体に不調を起こしますが、多く摂取し過ぎると弊害も出てきます。
特にリンなどが多く含まれるインスタント食品や加工食品などを利用する家庭の増加により、過剰摂取はデリケートな問題になりつつあります。
保育士試験|過去問題から見る傾向と対策
上図は、過去3年間の保育士試験の「子どもの食と栄養」に関しての出題傾向をグラフに簡単に表したものになります。(一般社団法人 全国保育士養成協議会:保育士試験問題より算出)
試験では全20問が出され、正しいものを選ぶという選択方式での出題になります。
出題範囲は、グラフでもわかる通り、栄養素以外にも妊娠期に関すること、授乳・離乳に関すること、食事のとり方やその指導に関することなど多岐にわたります。
選択式ではありますが、1つ1つしっかりと理解していなければ回答するのは難しいでしょう。
出題傾向をカバーしたトレーニングテキスト等で自分の弱点を把握し、基礎知識を深めながら、反復トレーニングしていくのが望ましいでしょう。
まとめ
ここまで、保育士試験の五大栄養素に関するお話をしてまいりました。
五大栄養素は、糖質、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラル(無機質)の5つの栄養素のことを意味し、子供の成長と発育に欠かせない栄養素だということがお分かりいただけたと思います。
また、保育士試験においては、基本となる五大栄養素の理解はもとより、「子どもの食と栄養」に関する多岐にわたる知識の理解も必要であるということも併せて理解いただけたのではないでしょうか。
保育士を目指す皆様のお役に立てたのなら幸いです。
川元陽太(かわもと ようた)
私は皆さんのサポーターです
【出身】福岡県
【経歴】北九州市立大学外国語学部卒。保育士資格保有。保育施設勤務を経て、保育士資格講師へ。
【趣味】海外旅行
【座右の銘】継続は力なり
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