保育士試験の受験資格

保育士試験の受験資格

国家試験である保育士試験には受験資格があります。学習を始める前によく確認しておきましょう。最終学歴が中卒・高卒の方は特に注意が必要です。受験資格を得るために、保育補助などをして職務経験を積む必要があるかもしれません。

目次

受験資格

国家資格である保育士の資格を取るためには、指定保育士養成施設を卒業する、もしくは、国家試験である保育士試験に合格する必要があります。
後者の保育士試験を受験するためには学歴・職務経験による受験資格があります。受験資格があるかどうか、さらに受験申請時に用意しなければならない証明書について併せてチェックしていきます。

◇学歴確認について

  • 前提として日本の学校教育法に基づく学校でなければなりません。

学校教育法に基づかない学校とはいったい何なのでしょう?
学校教育法 第135条によれば法令に基づいた学校以外は「学校」の名称を使えないようです。つまり、学院、スクール、アカデミー、カレッジの名称を用いているもの・外国人向けのインターナショナルスクールは学校教育法に基づく学校では“ない”可能性が高いです。

最終的な判断は、在籍していた学校に直接「学校教育法に基づく学校であるかどうか」聞いて確認しましょう。

  • 卒業したもしくは在学中の、大学・短期大学・専修(専門)学校・各種学校は学科不問です。保育士と関係のない学部・学科でもOKです。

◇受験資格の証明書について基本情報

  • 受験申請のときに受験資格が本当にあるのか、必要書類として証明書を提出しなければなりません。証明書は原本でなければなりません。

証明書には2パターンあります。

  1. 学校所定の卒業・在学(修了)・卒業見込証明書を発行してもらう
  2. 保育士試験所定の証明書の様式を、学校や職場に記載してもらい、公印をもらう

学校における証明書発行申請については、個人情報漏洩を避けるため電話・FAX、メールなどでの申請を受け付けていないことが多く、学校の担当窓口もしくは郵送で依頼することになるかと思います。

卒業生の方は在籍していた学校のホームページをチェックして、卒業生向け証明書発行についてのページより申請方法や申請に必要なものを確認のうえ、依頼をしましょう。
発行に時間を要する可能性もありますので、早めに準備しましょう。

  • 証明書に記載されている名前が旧姓であるという方

役所などで旧姓と今の姓が併記されている公印のある戸籍抄本等の「原本」を併せて用意する必要があります。

以上の点を踏まえまして、それぞれみていきます。

大学・短期大学卒業者

受験資格があります。

学校所定の卒業証明書「原本」が必要です。卒業証書や賞状などはNGですので、ご注意ください。

大学中途退学者

在学期間と修得単位数を確認しましょう。
「2年以上在学」し、「62単位以上修得済み」であれば、受験可能です。

受験申請の手引きに同封されている「在学期間・単位修得証明書」を中退した学校に書いてもらい公印をもらう必要があります。
決まった様式の証明書を提出できない場合は、学校所定の証明印のある「在学期間の分かる証明書」と「62単位以上の修得済みを証明する書類(成績証明書)」を提出します。いずれも原本です。

大学在学中

大学中退者と同様に、「2年以上在学」し、「62単位以上修得済み」であれば、受験可能です。見込みでも構いません。しかし、年度中に62単位以上修得できなかった場合、合格(一部科目合格)にはなりません。

学校所定の在学証明書を用意します。

短期大学在学中

年度中に短大を卒業することを前提に見込み受験が可能です。万一、卒業できなかった場合は合格(一部科目合格)にはなりません。

学校所定の卒業見込証明書または在学証明書を準備します。

専門学校卒業者・在学中

ポイントは以下2点両方を満たすことです。

  1. 学校教育法に基づく専修学校であり、「かつ」
  2. 修業年限2年以上の専門課程 であれば受験可能です。

ただし在学中で見込み受験の方は、年度中に卒業する必要があります。

「保育士試験所定の様式」の証明書を学校に書いてもらわなければなりません。専門学校の場合、学校所定の卒業(在学)証明書は使用できません。

高等学校卒業者は卒業年を要確認です。

平成3年以前の高校卒業者(主に昭和47年生まれ世代以前)
平成8年以前に保育科を卒業した方 は受験資格ありです。

2020年現在、主に48歳以上の高校卒業者、主に43歳以上の高等学校「保育科」卒業者が該当すると思われます。該当する可能性のある方は必ず自分の経歴に照らし合わせて確認してください。

高等学校所定の卒業証明書を用意します。
もし、卒業した学校が廃校になってしまった場合は、学校が所在した都道府県庁に問い合わせをし、事務手続きを引き継いでいる窓口を確認します。

勤務経験者

学歴による受験資格を持たない方は、短期大学や専門学校に進学して卒業する、もしくは児童福祉法に定められた児童福祉施設で一定年数・一定時間勤務することにより勤務経験の受験資格を満たす必要があります。

5年以上かつ7200時間以上児童などの保護・援護に従事した経験があり、
その勤務した施設が受験資格に該当する児童福祉施設であれば、受験することが可能です。

中卒ではない高等学校は卒業しているという方は2年以上、総勤務時間数2880時間以上の勤務により受験資格を得ることができます。

受験資格に該当する施設は、

  • 保育所(利用定員20名以上)
  • 保育所型認定こども園
  • 幼保連携型認定こども園
  • 児童館
  • 児童養護施設 などが挙げられます。

施設長もしくは施設が所在する都道府県の保育主管課に尋ねましょう。

勤務先が認可外保育施設、小規模保育園、幼稚園などの受験資格に該当しない施設であった場合、受験資格認定(知事認定)を受けることにより受験できる可能性があります。

勤務経験の受験資格をもって試験に臨む方は、保育士試験所定の様式の「児童福祉施設勤務証明書」を勤務先に書いてもらいます。勿論、施設の公印欄もあり、受験者本人による記入は不可です。

受験資格認定(知事認定)の申請方法

受験資格認定(知事認定)とは、勤務先の受験資格認定基準に該当する施設・事業が、受験資格として認められる施設かどうか、都道府県に確認、認定してもらうことです。認定が下りれば保育士試験を受験できます。

確認が必要な「受験資格認定基準に該当する施設・事業」は以下の通りです。

  • 認可外保育施設
    (認証保育園、認定保育園 等を含む)
  • 小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
  • 幼稚園型認定こども園
  • 地域裁量型認定こども園
  • 幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
  • 家庭的保育事業(保育ママ 等)
  • 居宅訪問型保育事業
  • 事業所内保育事業
  • 放課後児童健全育成事業
    (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
  • 一時預かり事業
  • へき地保育(特例保育)
  • 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
  • 障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
  • 一時保護施設
  • 放課後等デイサービス(児童デイサービス)
  • 院内保育
  • 企業主導型保育事業 等

学校教育法に基づく学校「以外」の卒業者もまた受験資格認定対象の施設かどうか認定を受ける必要があります。保育士試験事務センターに電話で問い合わせの上、申請を行います。

◇受験資格認定(知事認定)申請方法

  1. 「施設・学校が所在する都道府県」に対し、本当に認定が必要な施設・学校なのか?確認する
  2. 「受験を希望する都道府県」に対し、認定手続き希望の旨を申出、手順などを確認する
  3. 施設・学校に対し、必要書類(勤務証明書・卒業証明書など)作成の依頼をして受け取る
  4. 認定申請書と必要書類などを「受験を希望する都道府県」に提出する
  5. 都道府県は認定のための審査を行い、認定する場合「受験資格認定証」を受験者に交付する
  6. 保育士試験の受験申請の際に、受験資格認定証のコピーを添付して保育士試験事務センターに提出する

注意点は、必ず受験資格が認められるわけではないこと、受験地が認定を受けた都道府県に限られることです。

さいごに

2020年前期試験時点での情報を記させていただきました。
受験資格の最終判断は保育士試験事務センターにて行ってください。全国保育士養成協議会のホームページでより受験資格の詳細を確認することができます。海外の学校を卒業された方などより細かい確認が必要な方は保育士試験事務センターに電話で問い合わせすることになるでしょう。

なお保育士試験は科目別合格が認められているので、なかには分散受験をされる方、再受験をされる方がいらっしゃると思います。2回目以降の受験者は再度受験資格の証明書を用意する必要はありません。前回試験の筆記試験結果通知書のコピーを提出すれば事足ります。

また受験申請のための必要書類については受験申請の手引きをよく確認したうえでご用意ください。

さいごに、令和2年度保育士試験の受験の手引きは40ページにも及ぶ冊子でした。
受験資格やその証明書についてまとめたこちらの内容を参考にしていただき、受験資格や必要書類について調べる時間を少しでも試験の方に充てていただくことができますと幸いです。