証券外務員試験合格のために必要な勉強時間とは?効率の良い時間配分をご提案!

更新日:2022年2月21日

証券会社で働くには、証券外務員資格が必要です。証券外務員資格は二種と一種があり、取得するには、証券外務員試験に合格しなければいけません。学生時代以来、勉強からは遠のいているという方もいらっしゃるかと思いますが、この試験は効率よく勉強することで合格できるはずです。

そこで、この記事では、証券外務員試験に合格するために必要な勉強時間をご提案します。

目次

証券会社で働くには証券外務員資格が必須

証券会社で外務員として働くには、証券外務員資格が必須です。この資格を持っていないと、有価証券などの金融商品を販売することはできません。

証券会社の外務員は、金融庁の「外務員登録原簿」に登録することが義務付けられています。証券外務員資格はそのために必要です。

また、証券会社への就職、転職を希望している場合も、取得していた方が有利です。ここでは、就職、転職で証券外務員資格が有利である理由、合格率や合格基準、出題方式についてお伝えします。

入社が決まっていなくても資格があった方が有利

証券会社への入社が決まっていなくても資格があった方が、就職、転職に有利です。

その理由は、有資格者は、会社にとっては大きな即戦力だからです。取得しなければならない資格なので、すでに取得済みであれば、採用後すぐに仕事に入れます。

仮に有資格者と無資格者のどちらかを採用するとなれば、有資格者を採用する可能性が高いでしょう。

証券外務員試験の合格率

証券外務員試験の合格率はどのくらいでしょうか。証券外務員二種と一種で見てみましょう。

証券外務員二種の合格率 平均6~7割前後
証券外務員一種の合格率 平均7割前後

日本証券業協会「令和元年度事業報告書」による

試験問題の出題難易度は二種試験の方が一種試験と比較すると易しく、そう考えると合格率も高くなると想像されますが、実際には一種試験も二種試験も合格率は変わりません。

これは一種試験にも受験資格がないというのが原因と考えられます。そもそも一種試験を目指す方は、二種試験は受験せずに一種試験に挑むことが多いかと思います。そのため二種試験に挑むのは、二種試験を目指している方のみ。そう考えるとこの結果も頷けるでしょう。

証券外務員試験の合格基準

証券外務員試験の合格基準は、一種二種ともに7割以上の正解です。この試験は絶対評価方式で、定められた合格基準点を取得できれば合格となります。点数は一種で440点満点中308点以上、二種では300点満点中210点以上です。

7割以上といいますと、それほど難しくないようにも思われがちですが、勘で取れるような点数ではありません。どんなことでも言えますが、努力なしではできないものです。

以下に表にしました。

一種 二種
合格基準 7割以上の正解 7割以上の正解
点数 440点満点中308点以上 300点満点中210点以上

日本証券業協会による

出題形式

出題形式は○×方式や五肢選択方式です。計算問題も出題されますので、勉強をおろそかにしていると点数を取れません。特に計算問題は勘に頼るわけにはいかないものです。何度も反復練習を繰り返して確実に解けるようにしておきましょう。

かつての受験勉強を思い出してみてください。

ここに一種と二種の出題科目、出題範囲を表に示します。外務員資格試験の問題は、直近の法令・諸規則に基づいています。日常生活でも、時事問題に耳を傾けたり、大切と思われることをメモしたりしておくと良いでしょう。

一種 二種
出題科目 〔法令・諸規則〕
  • 金融商品取引法及び関係法令
  • 金融商品の勧誘・販売に関係する法律
  • 協会定款・諸規則
  • 取引所定款・諸規則
〔商品業務〕
  • 株式業務
  • 債券業務
  • 付随業務
  • デリバティブ取引(一種外務員資格試験のみ)
〔関連科目〕
  • 証券市場の基礎知識
  • 株式会社法概論
  • 経済・金融・財政の常識
  • 財務諸表と企業分析
  • 証券税制
  • セールス業務
デリバティブ取引以外は一種と同じ。
出題範囲
  1. 出題科目の知識(実務的かつ専門的)
  2. コンプライアンスに関する事項(基本的な重要事項)
  1. 上記科目の基礎知識(信用取引やデリバティブ取引は二種外務員の職務ではありませんが、その基礎知識として「株式業務」「債権業務」等の出題があります。
  2. 一種同様。

参考:日本証券業協会

証券外務員資格試験合格に必要な勉強時間

ここからは、証券外務員試験合格に必要な勉強時間を二種の場合、一種の場合で考えてみます。

合格率を見ますと、ものすごく難関というわけではありませんが、一夜漬けでできるものではないので、コツコツ勉強することが大切です。

仕事や家事、子育てなどをしながら、勉強時間を確保することはなかなか大変ですが、今後の人生のために工夫してみましょう。学んだことはすべて仕事で活かせることなので、勉強することで、多くの顧客から信頼される外務員になれます。

二種の場合

二種の場合は、一般的に考えて試験までに必要な勉強時間は50~80時間です。

50~80時間といいますと、かなりの時間を要するように感じますが、休日を1日設けて毎日1時間ずつ勉強すれば、1週間で6時間も勉強できます。1ヶ月にすると、約24時間です。コツコツと続けるうちに、いつのまにか50時間に達するものです。

また、1日に1時間も勉強時間を取れないという場合でも、30分ずつの勉強を週に6日続ければ、それだけで3時間です。1ヶ月で12時間。50時間になるには、4ヶ月ほどかかりますが、それでもOKです。自分なりのやり方で勉強することが大事です。

勉強は時間よりも中身の方が大事ですが、これだけの時間勉強したということで、自信がつく場合もあります。自信がつくことで、どんどんできるようになり、安心して本番の試験に臨めるでしょう。

二種は、信用取引やデリバティブ取引以外の有価証券の募集、勧誘、売買といった証券業務のために必要な知識についても勉強します。これから先、投資家の方々にアドバイスする際の参考になる、現場で役立つ知識です。この機会にしっかり学んでおくことをおすすめします。

まったく知らない世界の勉強を始める方にとっては、難しく感じるかもしれません。しかし、二種の勉強をきちんとすることで、次に取得する一種の勉強が楽になります。最初が肝心なので、ここは頑張りたいところです。

テキストは、数多く販売されています。日本証券業協会公認「外務員必携」がありますが、専門用語が多く初心者には難しいと思われます。ご自身で納得できるものを探してみましょう。

二種のための問題集、参考書などは、書店や通販サイトで購入できます。初心者には、イラストが多くわかりやすいものがおすすめです。物足りなくなったら、予想問題集などを新たに購入するのも良いでしょう。

自分に合うテキストがあれば、勉強時価が充実するはずです。集中して勉強できるようになれば、合格できる兆しと思ってください。

一種の場合

一種の場合は、二種よりも学ぶことが増え、レベルも上がりますので、80〜100時間くらいの勉強が必要とされています。しかし、こちらもあくまでも一般的に考えた目安の時間です。

また、表でも示しましたように、一種は二種と同じ出題科目なので、二種取得後すぐに一種を受けるケースもあります。そのため、一種の勉強を含めた勉強時間と考えても良いでしょう。

一種は二種の業務に加えて、信用取引やデリバティブ取引といったリスクの高い商品取引も含め、すべての有価証券業務ができるための資格です。

信用取引は、顧客が金融機関に預ける「委託保証金」と呼ばれる担保を取り扱います。この委託保証金は株式だったり、現金だったりします。

たとえば、顧客が「委託保証金」として現金300万円を預けたとします。この場合、一種の資格を持っている証券外務員であれば、顧客の代わりに預かった金額の3倍までの取引を行えます。その取引は「信用買い」「信用売り」とも言われ、顧客に差益をもたらすことが可能です。

デリバティブ取引は、デリバティブと呼ばれる、株式や債券などの金融商品からの派生商品を扱います。たとえば、今はそうでもないけれども、将来的に儲かると予想できる取引です。先物取引、オプション取引、スワップ取引などがあります。

このように一種の資格をもっていれば、専門知識を要する大きな取引ができ、顧客からも信頼されるようになるでしょう。そのためには、勉強時間を確保して知識を広げる必要があります。

テキストも二種同様、書店や通販サイトで購入できます。一種用のわかりやすいもの、ご自身に合ったものを購入しましょう。

二種同様、やり切ってしまって物足りなくなったら、新たに購入するのも良いでしょう。

勉強時間には個人差がある

上記で示した勉強時間を勉強に費やすことが、容易ではない場合もあります。勉強時間には個人差があるのは仕方のないことです。

たとえば、学生時代に金融や経済を学んでいたか否かでも、勉強時間に差ができます。

学んでいたケースですと、知識取得にさほど時間がかからない可能性がありますが、全く初めてという方ですと、一から勉強するので、知識のある方に比べると時間を要します。同じことを学ぶのでも、わからない言葉などが多く、それを調べるだけでも時間がかかるでしょう。

また、金融の基本となるFP資格を取得している方とそうでない方でも、大きな差があります。

FP資格はファイナンシャル・プランニング技能士の資格のことで、経済的な悩みの解決策などをアドバイスする経済の専門家です。こうした資格を持っている方でしたら、すでに得ている知識が多いので、勉強にそれほど時間を費やさないでしょう。

しかし、調べることで確実に力がつくので、かなり良い勉強になります。苦労して調べたことは、身につくもので、後ほど現場で役立つこと間違いなしです。

他には、勉強に関しての苦手意識がある、勉強慣れしていないので、なかなか取り掛かれないというケースも考えられます。

この場合は、短時間から勉強を始めることをおすすめします。最初から無理して長い時間勉強しようとしても、頭に入らないものです。

たとえば、10分勉強から徐々に増やしていくという方法があります。1日目は10分、2日目は15分とだんだん時間を増やしていきます。最終的には、60分くらいできるようになれば、良いのではないでしょうか。

また、好きな色の蛍光ペンを使う、お気に入りのノートを購入して使うなど、勉強アイテムを工夫してやる気を引き起こすのもおすすめです。

その他には、〇時間勉強したら、自分にご褒美を与えるご褒美方式もあります。好きな動画を見る、おいしいものを食べるなど、ご褒美を充実させましょう。子供じみていますが、なかなか効果があります。無理せずにできることから始めましょう。

勉強を始める時期

勉強を始める時期を考えて、勉強計画を立てる必要があります。それには、上記で示した資格を取得するのに必要な勉強時間を参考にしてください。

しかし、集中がどのくらい続くか、時間がどのくらい取れるかにもよるでしょう。まずは、ご自身の置かれている状況を念頭に置いて、勉強をいつ始めるべきか想定してみてください。

二種の場合、一種の場合でおよその目安時期をシュミレーションしてみます。

二種の場合

二種の場合は、毎日1時間以上の勉強で平均して約2〜3ヶ月かかるとされています。たとえば、4月に資格を取得したいのであれば、1月か2月には勉強を始めるべきでしょう。

但し、人にもよります。仮に週6日1時間ずつ勉強したとしても、覚えられる量は人によって異なります。

すでに知識のある方でしたら、すぐに覚えられることでも、一から勉強を始める方ですと、1つの単元に時間をかけないと、なかなか理解できないこともあります。

ゆっくり勉強したい方でしたら、4ヶ月〜6ヶ月くらいかかる可能性も考えられるものです。焦らずにゆったりとした計画を立てておいた方が無難でしょう。

また、家族の状況によっても、予定通りに行かないことが考えられます。たとえば、子育て中の場合です。子供が熱を出す、子供が寝た後に勉強しようと思っていたにもかかわらず、寝てくれないなど、子供がいると想定外が起こるのは仕方のないことです。

また、親の介護でなかなか勉強が進まない方、仕事が忙しくて時間を取るのが厳しい方もいらっしゃるでしょう。この場合も状況に応じてあせらずに勉強を続けるようにしてください。

試験を受ける時期が早ければよいというわけではありません。知識を得るためには、短時間でもよいので、スキマ時間を惜しみなく使って勉強しましょう。

仮に決めた通りに勉強が進まず、試験に臨む日が遅くなったとしても仕方のないことです。自分や周囲を責めたりしないようにしてください。勉強の日数が増えたことで嬉しい、頑張っている自分はえらいと思うようにしましょう。何事も前向きにとらえることが大事です。

一種の場合

一種の場合は、二種よりも難しいので、毎日1時間の勉強を前提としますと、平均して約3〜4ヶ月かかると言われています。しかし、こちらも個人差がありますので、人によってはもっと早く合格できたり、時間がかかったりするものです。

少しでも早く合格するコツは二種に受かったら、時間を置かず1ヶ月後くらいに一種にチャレンジすることです。

幸い、この試験は受けたその日に合否がわかります。二種に受かっていたら、次の試験をどうするか早めに考えられます。

すぐの受験ですと、勉強慣れしていますし、知識をより積み重ねることになるので、二種の勉強の良い復習になります。そのままリズムに乗るように勉強を重ね、一気に資格を取得したいものです。

また、一種と二種は重なる部分も多々ありますので、二種で覚えた知識をそのまま使えます。時間をおいてまた勉強を再開すると、忘れてしまっている部分も出てきます。それを取り戻すまでにさらに時間がかかることを考えると、時間を置かずに受験した方が有利です。

しかし、一種ではデリバティブや信用取引といった新しい内容があります。こちらは侮れませんので、時間をかけて取り組む必要があります。また、計算問題も重要です。過去問などを解いて少しでも多く計算練習をしましょう。

ただし、間を開けずに受験といっても、個人差や考え方の相違があります。じっくりと取り組みたいと思う方もいらっしゃるはずです。そんな方は、ご自身が納得できる勉強時間を取れば、より大きな自信を持てます。そんな万全な状態で安心して受けるのも良いでしょう。

二種同様、ご自身にとって一番良いと思われる方法をとってください。

勉強時間の工夫

ここからは、勉強時間の工夫です。仕事をしながら勉強する方は多いと思われます。そんなケースでは、時間配分がポイントになります。

この日にこれだけ勉強しようと思ったけれども、仕事や家庭の都合でできなかった日もあるものです。どのようにして勉強時間をとったらよいか考えてみましょう。ここでは、よくありがちなケースをシュミレーションしてみます。勉強時間を考える際の参考にしてください。

自由時間やスキマ時間も確保する

資格を取るためには、とにかく必死に勉強しなくてはいけないと思いがちですが、自由時間やスキマ時間も大事です。人間の集中力はそんなに続かないものなので、時折頭や心を休ませてあげましょう。

精神科医によりますと、人間の集中力の目安は概ね15分、45分、90分くらいと言います。小学校の授業が45分、大学の講義が90分なのもそんな理由からと考えられます。

また、集中しないとできない同時通訳の場合は15分で交代です。こうした状況から考えますと、無理して長時間勉強するのは、理に合いません。

集中力を持続させるためには、こまめに休憩を取ることが大事です。たとえば、何分か勉強したら5分〜10分ほど休憩を入れるなどの工夫があると、効率よく勉強できるものです。

休憩時間は簡単なストレッチをしたり、お茶を飲んだりしてリラックスしましょう。何もせずにぼーっとしてみるのも良いリラックスになります。

以下で二種、一種の勉強時間をシュミレーションしてみます。

例1 :Aさん 転職のために二種を取得したいが、あまり勉強は得意ではないので、集中できないのが悩みの種。

Aさんの勉強時間の工夫は、朝早く起きることです。夜は疲れて眠くなるため、仕事に行く前に1時間勉強するようにしました。

6時~6時20分:勉強
5分休憩
6時25分~6時50分:勉強
5分休憩
6時55分~7時10分:勉強

集中力をキープするために20分勉強したら休憩するようにしています。休憩があると、あと〇分で休憩だから、とりあえずここまでは覚えたいという気持ちになり、集中力もついてきます。

また、こまめな休憩があるので、リフレッシュしながら、勉強できるでしょう。

例2: Bさん 勉強は嫌いではない。二種を取得したので、一気に一種も合格したい。
勉強時間は夜です。職場が家から近く18時に帰宅出来るため、帰宅後2時間勉強するようにしています。

夕食前18時30分~19時:勉強
夕食後 20時~20時30分:勉強
入浴後 22時~22時30分:勉強
5分休憩
22時35分~23時:勉強

夕食前や夕食後、入浴後と1日の生活リズムに合わせた勉強の仕方です。食事や入浴がちょうどよい休憩時間になっています。

休日を作る

勉強は大事ですが、勉強ばかりの日々を送っていると、ストレスが溜まります。時には、休日も作り、ストレス解消に努めることも大事です。休日があるから、勉強を頑張れるということもあります。

たとえば、毎週火曜日はノー勉強デーにするとします。そしたら、前日にあたる月曜日はちょっと長めに勉強するなどの工夫ができるでしょう。明日がお休みと思うだけで、いつもよりも勉強しようという意欲が出るものです。

ここで、休日を前提にした勉強計画をシュミレーションしてみます。

例1:C子さん 二種取得を目指す会社員。証券会社に転職したいと思っている。

1週間の勉強計画

月曜日:帰宅後1時間
火曜日:帰宅後1時間
水曜日:習い事があるので帰宅後30分
木曜日:帰宅後1時間30分
金曜日:帰宅後1時間30分
土曜日:ノー勉強デー
日曜日:会社が休みなので2時間勉強(午前午後で1時間ずつ)

スキマ時間を活用し、通勤電車の待ち時間や車中でも勉強するようにしています。また、覚えたいことを紙に書いて部屋に貼っていますが、ノー勉強デーの日は見ないようにして勉強から離れるようにしました。

こうした時間を作ること、習い事を続けることで、良いリフレッシュになっています。

例2:D子さん キャリアアップのために一種取得をめざしている証券会社の外務員。(すでに二種は取得している。)結婚していて夫と小さい子どもがいる。普段は子どもを保育園に預けている。

1週間の勉強計画

月曜日:出勤前と帰宅後合わせて1時間勉強
火曜日:出勤前と帰宅後合わせて1時間勉強
水曜日:夫が休日なので子どもを見てもらえるため、出勤前と帰宅後合わせて2時間勉強
木曜日:出勤前と帰宅後合わせて1時間半勉強
金曜日:出勤前と帰宅後合わせて1時間半勉強
土日:仕事も勉強もお休み

夫が水曜休日なので、その日は子供の面倒をみてもらっています。会社が休みの土日は子供に関わってあげたいので、勉強は休みです。土曜日は夫も休みなので、家族で過ごし、親子共々リフレッシュしています。

会社、子育て、勉強と大変ですが、この時間しかないと思うと、勉強に集中できるものです。家族のサポートも大きいでしょう。

こうした例を参考に、皆さまなりの勉強計画を立ててみてください。休日をいれながら、効率よくストレスなく勉強したいものです。特に家族のいる方は、家族との時間も大事にしてください。

予定通りに行かない日があっても大丈夫です。計画にこだわりすぎず、臨機応変に時間配分しましょう。やる気さえあれば、短時間でも集中できるものです。大事なのは、資格を取得したいという強い気持ちです。

食事や睡眠の時間も確保する

食事や睡眠の時間も大事です。追い込まれてしまうと、食事や睡眠をおろそかにしてしまう方もいらっしゃいますが、体調をくずしてしまうことがあるので、気を付けましょう。

疲労やちょっとした風邪などで、免疫力が落ちていると感じたら、勉強せずに休息をとることも大事です。

勉強の計画を立てる際は、睡眠時間や食事時間も配分した上で考えるようにしてください。

夜勉強する方は多いものですが、睡眠時間を確保したいものです。居眠りしながら勉強しても、何も頭に入りません。眠くてたまらない時は、思い切って勉強を切り上げる決断も大事です。

睡眠不足がもたらす弊害として考えられるのは、日中の眠気や意欲や精神機能、記憶力の低下。どれも勉強の妨げになることです。またひどくなると、体内のホルモン分泌や自律神経機能に悪影響を与える場合もあります。

4時間睡眠などの寝不足を2日続けると食欲を押さえるホルモンレプチン分泌が減少し、食欲を高めるホルモングレリン分泌が働くことも知られています。

つまり寝不足によって太ってしまうのです。寝不足はダイエットの弊害にもなります。また、食欲増進でお腹がいっぱいになれば、勉強に集中できないものです。

では、睡眠はどのくらい取ればよいかといいますと、個人差はありますが、成人だと6~7時間です。よく言われる8時間睡眠は長過ぎです。勉強しながら、適度な睡眠を心掛けてください。

食事についても考えてみます。食事抜きというのは、体によくありませんが、食事はとり方も大切です。ここで食事内容も見直してみましょう。

勉強に良い食事のポイントは、糖分の入った炭水化物や甘い飲み物を控えることです。上昇した糖分を下げるためにインスリンというホルモンが分泌され、脳のエネルギー源グルコースの量が減ります。その結果、眠気を引き起こします。

小腹が空いたときは、集中力を高めるタンパク質がおすすめです。たとえば、チーズやゆで卵など手軽に食べられるもの良いでしょう。

また、くるみなどのナッツ類なども、ポリフェノールにより集中力を高めるのでおすすめです。

勉強時間に関する注意

ここからは、勉強時間に関する注意事項です。少しずつコツコツ勉強することが大事なので、一夜漬けはNGであること、受験日を決めて目標をたてること、体調の良くない日に無理をしないことについて説明します。

少しずつコツコツと勉強する

当たり前と思われることですが、少しずつコツコツと勉強することが大事です。学生時代に経験した方もおられるかもしれませんが、一夜漬けでは試験に合格できません。

一夜漬けでは合格が難しい理由は2つです。1つめは睡眠不足による集中力の低下です。

2つめは、覚えるべきことが脳に定着しないことです。脳は反復によって物事を記憶します。しかし、一夜漬けのみでは大した反復になりません。

仕事をしながら、試験に臨む方が多いと思われます。学生時代とは異なり、勉強の時間は限られてしまいますが、日数をかけ少しずつ反復させることで、確実に脳が覚えてくれます。

受験日を決めて目標を立てる

受験日を早めに決めて目標を立てることも大事です。具体的な目標があった方が勉強を頑張れるものです。

証券外務員資格試験は、希望する日に受験できるようになっています。インターネットや電話で予約できますので、都合の良い日を予約したら、その日に向けて計画的に勉強しましょう。

二種に合格して、そのまま一種の予約をしたい場合は、合格日(二種の受験日)の翌営業日以降に、電話で試験予約ができます。但し、オンラインでの予約はできませんので、ご注意ください。

日本証券業協会のサイト、コールセンターで申し込んだ方は試験終了後に合否がわかります。「外務員試験受験結果通知書」が渡されるので、ご確認ください。

合格の場合は「70%以上の点数が取れていたことをお知らせします。」という内容の記載があります。残念ながら不合格の場合は「70%以上に至らなかったことをお知らせします。」という内容が記載されています。合格、不合格とは書かれていないので、注意して確認するようにしてください。

合否を確認したら、次の試験の受験日を決めましょう。但し、不合格の場合は、受験日の翌日から30日経過しないと、日本証券業協会主催の試験を受けられません。

体調の良くない日は無理しない

体調の良くない日は、無理して勉強しても身に入りません。無理せずに休むようにしましょう。

たとえば、少々頭が痛い、鼻水が出る、咳が出る、疲れていて集中できないなど、少しでも異変を感じた場合は、無理しない方がよいでしょう。早めに薬を飲む、医師に見てもらうなどして、体調回復に努めてください。

まとめ

証券会社で働くには、証券外務員資格が必須です。この資格は一種と二種があり、二種を取得してから一種を受験するようになっています。一種の方が二種よりも扱える商品や取引が多いので、キャリアアップを目指す方にとっては必要な資格です。

証券外務員資格を取得するためには、勉強が必要です。たいていの方は、仕事をしながら資格取得のための勉強に勤しみ、資格を取得しています。中には、子育てや介護をしながらという方もいらっしゃるでしょう。

仕事や子育て、介護をしながらでも、計画を立てて勉強すれば、合格できる可能性のある資格です。

しかし、仕事や子育てをしながらの勉強はかなり大変なものです。休憩をはさむ、休日を作るなど、自分なりの工夫でストレスを溜めないようにしましょう。コツコツ努力することで合格できる可能性が高くなっています。

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