保育士試験は独学で合格できる?

保育士試験は独学で合格できる?

全9科目におよぶ筆記試験と音楽・絵画・お話のうち2分野を選ぶ実技試験、これらで構成される保育士試験は幅広い知識と技術力を問われます。できれば独学で合格したいと思われる方もいるでしょう。果たして独学でも合格できるのか?考えていきます。

目次

独学は可能か?

保育士になるための学習方法として、

  • 市販のテキスト・問題集や試験対策アプリを購入して保育士試験対策に取り組む「独学」
  • 指定保育士養成施設に入り、卒業する
  • 保育士試験対策を行う「通信講座」を利用する が考えられます。

結論から言うと、独学で学習し保育士試験に合格することは可能だと思います。

そもそも保育士の資格を取るためには、国家試験である保育士試験に合格する、もしくは指定保育士養成施設を卒業する、これら2つのルートがあります。

独学では少し不安という方は保育士試験対策を行う通信講座を、しっかり体系的に学びたい、技術面を本格的に磨きたいという方は保育士養成学校に入るとよいと思います。通信や夜間コースのある学校もありますので、通学の困難な方や日中は仕事や子育てで忙しいという方は選択肢に入れてみてください。ただし、卒業まで2年以上の時間を要してしまいます。

独学のメリット・デメリット

テキストを購入し独学で学習することのメリットは、

  • 費用を抑えられる
  • 自分のペースで学習に取り組める ことが挙げられます。

一方で、デメリットは、次のものが挙げられます。

  • モチベーションの維持とスケジュール管理を自分で行わなければならない
  • 新しい制度や法改正、近年ニュースになったトピックについて、最新情報を自ら確認しておく必要がある
  • 講師などに疑問点を質問したり相談したりすることができない
  • 実技試験についてアドバイスをくれる専門家がいない

独学での学習時間

保育士試験に必要な学習時間は最短3ヶ月、6か月ほどが目安です。短期集中一発合格を目指すのが好ましいですが、科目別合格も可能ですので、最長で3か年計画という方もいるでしょう。ライフスタイルに合わせ戦略を立てながら、学習を進めるのがいいと思います。

では、独学で学習する場合の取り組み方についてご紹介します。

最初の関門である筆記9科目の効果的な取り組み方について、自分の得意不得意・好みから学習計画を立てましょう。その際の注意点を記します。

まず教育原理及び社会的養護の2科目は、同時に両方の科目で合格ラインである6割以上の正解をださなければなりません。たとえば、いずれかが6割を切ってしまった場合、仮にもう一方が満点だったとしても両方とも不合格になってしまいます。
したがいまして、「教育原理」と「社会的養護」はセットです。必ず同時合格を果たしましょう。

独学の手順については、例をご紹介します。

まずテキストを読み始める前に、一度過去問題に触れることをおすすめします。全国保育士養成協議会のホームページより過去問題がご覧になれます。もちろん分からなくて当然です。5秒くらいで答えの予想をして解答の根拠をテキストや保育所保育指針から探しペンや付箋などで印をつける作業をしていきます。テキストに該当の情報がなければインターネットで調べます。検索してもすぐに探し求める情報が出てこない場合はあまり重要な問題ではないと思って一旦手を引きましょう。この作業をしていくと保育士試験の出題スタイル、傾向、各科目の内容がなんとなくつかめてくると思います。

次にテキストを読むインプットです。試験頻出の内容でない限りはあまり深入りせずに読み進めるといいと思います。学習の進みが遅くなるとモチベーションが落ちてしまいます。科目選びについては、その日のコンディションに合わせて、法律や制度など堅い内容or実生活や子育て経験と結び付けやすい内容の科目を選んで読み進めるといいと思います。

一番重要なのは問題演習によるアウトプットです。1日のうち保育士試験のクイズタイムを設けて1問1答に取り組む、時間のあるときは実際の問題形式の問題を解く、暗記しようと意気込むよりも問題演習などの作業を通じて周辺知識を固めていきます。

試験直前は本番の問題形式で、2日間9科目に渡るハードスケジュールに対応できるよう実践練習していくとよいと思います。

自分のライフスタイルや性格に合った学習方法をみつけましょう。

実技試験対策を行うときは、インターネット上の体験談や動画投稿サイトの保育士実技対策を紹介しているものをチェックし、情報収集をしてから対策計画を立てましょう。弾き歌い・お話では家族や友達、ピアノ教室の先生など客観的な目でチェックしてもらうこと、絵画は合格点をもらえるコツを押さえて対策に取り組むことが大切です。

確実に合格するために

保育士試験で確実に合格するためには、あきらめないことが大事です。
筆記試験は科目別合格が3年間有効ですので、完全合格までモチベーションを切らさずに学習に取り組む必要があります。また実技試験はコツを押さえ客観的に出来をチェックしてもらいながら対策を行うと効果的です。

ただ勉強慣れしていない、忙しくて学習時間を十分に確保できないかもしれないと不安の方は、独りで学習を進めるよりもテキスト・eラーニング・講義視聴など多角的に学習できる教材を用いて効率的に合格を目指すのが、保育士への近道だと思います。学習でどうしてもわからないこと、悩みごとがあるときに保育士試験のスペシャリストに質問や相談をできるルートがあるということは、学習が進まない、結果が出ない、心が折れそうなとき思った以上に心強いです。

保育士資格を確実に取得するために、自分に合った教材、学習方法をみつけられますことをお祈りします。

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