危険物取扱者を取得すると何ができる?その仕事内容は?

更新日:2023年7月13日

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危険物取扱者という資格に関しては聞いたことがあるという方も多いかと思います。

ではどんな危険物を取り扱うことができるのか?資格を取得すると何ができるのか?実際にどのような業務内容なのか?など、詳しいことに関してはよくわからないという方も多いかと思います。

そこでこの記事では危険物取扱者という資格を取得することでできること、危険物取扱者とはどんな資格なのかという点にフォーカスを当てて紹介していきたいと思います。

目次

危険物取扱者とは?

危険物取扱者資格とは、危険物を取り扱うことができる国家資格です。ここでいう危険物とは、消防法という法律で定められている物質であり、火災を引き起こす可能性が高い物質のことを指します。

身近なもので言えば、自動車やバイクの燃料となるガソリンや軽油、また暖房器具の燃料となる灯油なども火災を引き起こす可能性が高い危険物ということになります。

こういった危険物を取り扱えるのは危険物取扱者の資格を持った者か、危険物取扱者の資格を持った者が立ち会った状態でなければいけません。

日本の製造業の現場では必要不可欠ともいえる資格が危険物取扱者資格ということになります。

資格の種類

危険物取扱者の資格には甲種・乙種・丙種という3つのランクがあります。

もっともランクが高い甲種資格は、すべての危険物を取り扱うことができ、さらに危険物を扱う際の立ち会いをする資格を持ちます。

乙種は6種類の「類」に分けられており、類によって取り扱える危険物が決まります。上で紹介したガソリンや軽油、灯油といった危険物は、乙種4類に分類されます。自分が持つ類以外の危険物を取り扱うことはできず、活躍する場面がある程度限定される資格となります。

ただし、自身が持つ類に含まれる危険物に関しては、取り扱いだけではなく立ち合いをする資格も持ちます。

丙種はもっともランクが低い資格となり、立ち合いをする資格を持ちません。取り扱える危険物も乙種4類の中でも一部限定的なものとなります。

実際に仕事の現場で活用できる資格となると、取り扱いだけではなく立ち会いの資格を持つ甲種と乙種。乙種の場合は、自身が働く現場で取り扱う危険物に対応した類を取得する必要があります。

危険物取扱者の難易度は?

危険物取扱者の資格を取得するには、国家試験を受験し合格する必要があります。もちろん受験するランクや乙種の場合受験する類によって、試験の難易度には差があります。

各試験の難易度や合格率、さらに合格基準点に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてみてください。

危険物取扱者試験の難易度は?賢く甲種を取得する順番も紹介
危険物取扱者の合格率や合格基準は?受かるための勉強方法!

危険物取扱者を取得するメリットは?

危険物取扱者の資格を取得するには、国家試験に合格する必要があります。試験に合格するということは、しっかりと勉強をしないといけないということ。

特に社会人の方にとっては、毎日仕事をしながらさらに帰宅後に勉強をするのはなかなか大変なこと。そんな大変な思いをしてまで資格を取得するメリットはあるのでしょうか。

もちろん資格を取得するということは、就職や転職といった場面で有利に働くことはあります。また、危険物取扱者の資格に関しては、業務上取得が必須となるケースもあるでしょう。こうした当たり前の部分ではなく、それ以上に感じられるメリットに関して紹介していきたいと思います。

収入アップを目指せる

まずは単純に収入面でメリットがあるケースもあります。収入アップとなると、転職などを想像しがちかと思います。もちろん資格を取得してより高収入の仕事に転職するというのも収入アップをする一つの方法です。

もうひとつの方法としては、資格手当を受け取るという方法があります。企業によっては、福利厚生の一環として取得した資格に対して手当を支給している企業もあります。この資格手当の対象に、危険物取扱者が含まれているかもしれません。

自身が勤務している企業の福利厚生の内容をチェックし、危険物取扱者の資格が資格手当の対象になっているかどうかチェックしてみましょう。

より責任ある仕事を任される

危険物取扱者の資格を取得することで、これまでよりもより責任のある仕事を任されるケースもあるでしょう。責任のある仕事を任されるということは、それだけ職場での評価も高まるということ。

仕事内容にやりがいを感じることができますし、責任がある仕事となれば、収入面でもアップが期待できるでしょう。

特に仕事内容に対するやりがいに関しては重要な部分。危険物取扱者のように、その作業が事故防止に直結しているような資格を持つことで、これまで以上にやりがいを感じることができるでしょう。

危険物取扱者が活躍できる分野は?

危険物取扱者の資格が活躍する分野を紹介しておきましょう。

危険物取扱者の資格の性質を考えれば、当然ですが危険物を扱う業種においては、活躍が期待できるということになります。特に多いのは製造業。物を作る課程においては危険物が必須となるケースは多く、製造現場には必須の資格といえます。

危険物を取り扱う職種は製造業に限りません。例えば化学薬品を使用する現場、薬品工場などでも危険物取扱者資格は重要になります。

具体的にイメージしやすいところでは、ガソリンスタンドなどは分かりやすいかもしれません。特に近年増えているセルフタイプのガソリンスタンドでは、乙種4類もしくは甲種危険物取扱者資格を持っている方の設置が必須となります。

一般的な自動車のドライバーは、危険物取扱者資格を持っていません。それでもセルフのガソリンスタンドでは、ガソリンや軽油を自分で給油しています。これは、そのガソリンスタンドに、甲種もしくは乙種4類の資格を持つ従業員が必ずいるのでセルフが実現しているわけです。

ほかにもタンクローリーの運転手(もしくはその助手)などでも活躍できます。

危険物取扱者に向いている方の特徴

危険物取扱者の業務の性質を考慮したうえで、危険物取扱者に向いている方とはどのような方かを考えていきましょう。

もちろん、向いている方しか取得してはいけないという事ではありませんが、向いている方の方がこの資格をより活用できるのは間違いないでしょう。

しっかりとルールを守れる方

危険物取扱者の仕事内容は、ひとつミスをすれば大惨事を招きかねない非常に重要な業務となります。そのため重要なのが、しっかりとルールを守れるかどうかという点です。

危険物を取り扱うには、絶対に間違ってはいけないルールや手順が存在します。こういったルールを常に守り続けることが苦にならない方は、危険物取扱者に向いているといえるでしょう。

どんな業務であろうと、毎日同じような業務を続けていれば、どうしても慣れが出てきますし、慣れすぎてしまうとどうしてもルールを守るという点がルーズになりがちです。危険物を取り扱う以上、こうしたルーズさは命取り。

常に新鮮な気持ちで、しっかりとルール・手順を守れる方におすすめの資格となります。

責任感の強い方

取り扱いに間違いがあれば人命にかかわる大惨事も起こしかねない危険物。その取扱いに関して責任を持って業務に当たれる方でないと、雇う企業としても安心して任せることはできません。

危険物の危険性を誰よりも理解し、万が一にも事故を起こさないよう責任感を持って業務当たれる方におすすめの資格となります。

危険物取扱者になるには?

危険物取扱者として業務当たるためには、危険物取扱者試験に合格するだけでは足りません。試験に合格し、危険物取扱者免状の交付申請を行うと免状が交付されます。この免状を持っていないと、危険物を取り扱うことはできません。

仮に免状を持っていても、危険物を取り扱う現場でその免状を持っていなければ危険物取扱者としての業務は行えません。

自動車運転免許証と同じようなイメージで考えていただければ問題ないでしょう。

では、危険物取扱者として働くために必須となる免状の交付方法などに関して手順を追って解説していきましょう。

危険物取扱者試験に合格する

危険物取扱者になるには、まずはなんといっても試験に合格する必要があります。危険物取扱者試験は都道府県ごとに実施されており、都道府県によって試験日程も違います。

まずはお住まいの都道府県に設置されている「一般財団法人消防試験研究センター」の情報をチェックし、自身が受験する危険物取扱者試験の日程をチェックしましょう。

危険物取扱者の資格は、都道府県知事により任命を受けます。とはいえ、自身が住んでいる都道府県以外の試験を受けても、免状は受け取ることはできます。

もちろんその免状は日本全国どこでも使用可能な免状ですので、自宅の立地上隣の都道府県の試験会場の方が近い、受験を希望する日時の都合がいいなどの場合は、居住地以外の都道府県で受験しても問題ありません。

もちろんどの都道府県で受験しても、試験内容に関しては差はありません。まずはしっかりと勉強し、試験に合格することを目指しましょう。

免状の交付申請を行う

危険物取扱者試験に挑戦し、見事合格できれば自宅に合格通知が届きます。この合格通知とともに届くのが免状の交付申請書です。

試験に合格した方は、この交付申請書に必要事項を記入し、必要書類とともに免状交付を申請しましょう。

〇免状交付に必要なもの 免状交付申請書
免状用の顔写真
手数料(収入証紙 2,900円分)
免状の返送用封筒
返送用切手(404円分・返送用封筒に添付)
上記書類を郵送する封筒

危険物取扱者資格の免状は、顔写真付きの免状となります。そのため免状の申請には顔写真が必須となります。

顔写真のサイズはタテ45×ヨコ35mm。正面、無帽で無背景で撮影する必要があります。街中にある証明写真の撮影機などを利用して撮影しておきましょう。

さらに同封する顔写真の裏面には、撮影年月日、氏名、年齢を記入してください。万が一にも間違いがないようにするためです。

免状交付の手数料は2,900円。納付方法は「収入印紙」ではなく「収入証紙」になりますのでご注意ください。ちなみに収入印紙は国が発行するもの、収入証紙は都道府県が発行するものとなります。

危険物取扱者の免状は、国ではなく都道府県が交付しますので、手数料は収入証紙で納付ということになります。

東京都、大阪府、京都府、鳥取県、広島県、福岡県では収入証紙を発行していません。福岡県では「領収証紙」で、そのほかの都府県では納付書での納付となりますので、免状交付手続きの案内などをよく確認して納付しましょう。

必要書類と免状を返送するための返送用封筒を同封し、指定の住所に申請を出すと、後日危険物取扱者免状が届きます。

どの種類を取得するのがいい?

危険物取扱者の資格には、甲種、丙種に加え、6種類の乙種と8つの種類があり、どの資格を取得するか考える必要があります。

まず大前提として、取得した危険物取扱者資格を仕事でも活かそうと考えた場合は、立ち合いの資格を持つ甲種もしくは乙種のいずれかの種類の資格取得を目指すのがいいでしょう。

それ以外に、どの種類の資格を取得すべきかについて解説していきます。

自身の仕事で活かせる種を狙おう

危険物取扱者試験には、甲種試験のみ受験資格が存在します。受験資格は大学卒業や、乙種の6種類の内、4つの類の合格などいろいろな条件がありますので、受験資格を満たしているかどうかを事前に確認しておきましょう。

甲種試験の受験資格を持つ方は、いきなり甲種試験に挑戦するのもひとつの方法です。危険物取扱者資格は、いきなり甲種を取得することも可能ですので、一気に最上級の資格を目指しても問題ありません。

乙種試験と丙種試験に受験資格はありません。乙種試験に挑戦するという方は、どの類で受験するかということになりますが、まずは自身の仕事で取り扱う危険物が含まれている類を目指しましょう。

汎用性の高さで考えれば乙種4類からの受験がおすすめ

現在の仕事では危険物取扱者の資格は活かせないものの、将来的に活かせる仕事への転職を考えている方などもいらっしゃるかと思います。こういった方は、汎用性が高い乙種4類から受験するのがおすすめです。

乙種4類で取り扱える危険物は「引火性液体」。具体的にはガソリンや軽油、灯油といった危険物になります。

仕事以外の場面でも利用することが多い危険物であり、この資格を取得しておくことで、いろいろな場面で役立つ可能性があります。また、普段利用することが多い危険物の危険性を改めて認識できるという点でも乙種4類の受験がおすすめとなります。

危険物取扱者Q&A

これから危険物取扱者試験に挑戦しようと考えている方が、疑問に思うであろうポイントをまとめました。

これらの疑問に対して、Q&A方式で回答していきましょう。

Q.危険物取扱者の将来性は?

A.将来的にも危険物の取扱は最終的には人間が行う可能性が高い

資格取得の際に気になるのが、その資格の将来性です。せっかく勉強して資格を取得しても、近い将来活躍の場がなくなるような資格では、勉強を始める気が起きません。

その点危険物取扱者資格の将来性は明るい、というより不変であると考えていいでしょう。

危険物取扱者は、実際に危険物を人間が取り扱う際に必要な知識を持っていることを証明する資格です。いくらAI化が進んだところで、最終的に危険物を取り扱うのは人間である可能性が高いといえます。

仮にAIなどに危険物の取扱を任せても、システム障害やエラーが発生した場合、取り返しがつかないことになりかねません。こういった観点からも、危険物を正確に取り扱える資格は必要不可欠でしょう。

Q.乙種4類合格後はどのようにステップアップすればいい?

A.甲種を目指すのであれば、4類→6類→3類→5類の順に取得するのがおすすめ。

乙種4類を取得してからさらにステップアップを考えた場合、最終的には甲種資格の取得が目標になるかと思います。

甲種試験の受験資格には、指定された4種の乙種資格取得という項目があり、この項目をクリアすることがステップアップにつながります。

この指定された4種の取得順としては上記の順番がおすすめ。その理由や、甲種受験資格の詳細に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、そちらを参考にしてください。

危険物取扱者試験の難易度は?賢く甲種を取得する順番も紹介

Q.乙種4類に効率的に合格するには?

A.効率的に合格を目指すのであれば通信講座の利用が推奨

乙種4類の試験に合格するために必要な勉強時間は、独学で40~60時間と言われています。1日1時間勉強時間を確保できれば、2ヶ月以内の勉強時間でも合格を目指せる試験です。

乙種4類のみを目標としている場合は独学でも良いかもしれません。しかし、乙種4類合格をスタートに最終的に甲種を目指す方や、業務上早急に資格取得が必要な方にとっては、2ヶ月間の勉強時間というのは決して短いものではありません。

そこで効率的に、かつ短期間で乙種4類試験に合格することを目指す場合は、通信講座の受講がおすすめ。

将来的にほかの乙種資格、また甲種資格を目指す方も、最初に挑戦する乙種4類の勉強で通信講座を利用することで、効率のいい勉強方法が身につきます。

通信講座にはいろいろな講座がありますが、おすすめはフォーサイトの危険物取扱者(乙種4類)の対策講座です。

フォーサイトで乙種4類に短期間で合格しよう

乙種4類の試験に短期間で合格するためには、通信講座のフォーサイトがおすすめと書きましたが、なぜフォーサイトがおすすめなのか。その理由に関して解説していきましょう。

フォーサイトの乙種4類講座

フォーサイトの危険物取扱者(乙種4類)講座には、テキスト3冊、問題集3冊に模試の受験料まで含まれたバリューセットがあります。

危険物に関する基礎的な知識がないという方でも、1からしっかり学べますので、安心して勉強を進めることができます。

さらにバリューセットには、eラーニング教材「ManaBun」の提供も含まれています。

高品質の講義動画で最短合格が目指せる

フォーサイトの大きな特徴として、高品質な講義動画が挙げられます。フォーサイトでは、自宅で一人で勉強することを前提に、テレビ番組の収録ができるレベルの機材を使って撮影・編集がされています。

また、フォーサイトの大きな特徴が「合格点主義」。資格試験は100点を目指す必要はありません。合格点を確実に取れるように、頻出分野を徹底的に学ぶことで、より短期間でより確実に合格を目指すことができます。

この合格点主義を実現しているのが、フォーサイトの高品質講義動画となります。

eラーニングも活用しスキマ時間を有効活用/h3>

eラーニングとは、スマホやタブレットを活用し、時間と場所を選ばずに行う勉強方法。そんなeラーニングで活用できる教材がManaBunです。

スマホの小さな画面で見ても見やすい講義動画や、講義の音声のみのデータ、さらに演習問題などもあり、いつでもどこでも勉強ができる教材となります。

このManaBunがあれば、毎日のスキマ時間を勉強時間に替えることができ、より短期間で合格を目指せるでしょう。

まとめ

危険物取扱者とは、火災の危険性がある危険物を取り扱えるようになる資格です。ガソリンスタンドや化学薬品工場、製造業の現場などでは取得必須となる資格です。

危険物取扱者には甲種・乙種・丙種のランクがあり、乙種には6つの種類があります。仕事で活用できるのは、危険物の取扱だけではなく、立ち合いの資格も持つ乙種以上。

どの資格から取得するか迷う場合は、汎用性の高い乙種4類からの取得がおすすめです。

危険物取扱者乙種試験は、そこまで難易度の高い試験ではありませんので、できるだけ短期間で合格を目指すのがおすすめ。そのためにはより効率的に学べるフォーサイトの通信講座がおすすめとなります。

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