危険物取扱者は就職に有利?業務内容や就ける仕事を徹底検証!

目次

危険物取扱者の基本的な仕事内容とは?

危険物取扱者は、さまざまな職種で必要とされる場面があります。危険物取扱者がどのような業務を行い、どのように資格を活かすることができるのかをご紹介します。

保守点検や管理が中心

甲種危険物取扱者は、第1類から第6類までの全種類の危険物、乙種危険物取扱者は第1類から第6類のうち免状に指定された類の危険物について、取り扱いと定期点検、保安の監督をすることができます。

また、甲種若しくは乙種危険物取扱者が立ち会うことにより、危険物取扱者の免状を有していない者であっても危険物を取り扱うことができるようになります。

なお、丙種危険物取扱者は、ガソリン、灯油、軽油、重油などの第4類の危険物に限り、取り扱い及び定期点検ができますが、甲種若しくは乙種危険物取扱者と異なり立会いの権限はありません。

危険物を取扱う施設で働く

一定数量以上の危険物を貯蔵し、取り扱うガソリンスタンド(給油取扱所)の他、化学工場、石油貯蔵タンク、タンクローリー(移動タンク貯蔵所)等の施設には、危険物を取り扱うために危険物取扱者が必要とされています。

取扱える危険物は資格の種類によって異なる

危険物取扱者はその種別によって甲種、乙種及び丙種の3種類に分かれ、それぞれ取り扱うことができる危険物の範囲が以下のように異なります。

取扱い可能な危険物の種類
甲種危険物取扱者 第1類から第6類の全部
乙種危険物取扱者 免状指定の類に限定
丙種危険物取扱者 第4類のうち一部※

※丙種危険物取扱者が取扱えるのは、ガソリン、灯油、軽油、第三石油類のうち重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のもの、第四石油類及び動植物油類に限られます。

ドライバーや保守員など!
危険物取扱者でよくある求人

危険物を取り扱う施設は、ガソリンスタンドをはじめ多く存在します。そのため、危険物取扱者はさまざまな職種で活躍することができます。

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ドライバー

危険物をタンクローリー(移動タンク貯蔵所)で移送する場合は、危険物の取扱いに該当するため、危険物取扱者が乗車する必要があります。

危険物取扱者がドライバーを勤める必要はありませんが、企業としては、当然、タンクローリーを運転できる危険物取扱者を欲しています。もし、ドライバーとして働くのであれば、大型免許も必須になります。

ビルの設備管理スタッフ

ビル設備管理(ビルメンテナンス)は、商業ビルやオフィスビルなど不特定多数の人が利用する施設を、安全で衛生的に利用できるようにするために、各種設備の整備や点検を行います。

ビル設備管理を行うためには、特別な資格が必要というわけではありません。
しかし、危険物取扱者の資格を有することにより、仕事の幅が広がり、就職・転職時には有利になります。

発電所の保守員

発電所では、我々の生活にとって欠かすことのできないエネルギーをつくり出しています。
発電所の保安員は、発電所の設備を点検し、異常が見つかれば修理・補修工事を計画し、現場での工事や工程といった管理も行います。

危険物を取り扱う作業もあるため、実務経験を積みつつ、電気主任技術者などのその他の専門知識・技能を習得していくことができれば、より活躍の場が広がります。

ガソリンスタンドのスタッフ

危険物取扱者と聞いてみなさんが最もイメージする仕事がガソリンスタンドのスタッフではないでしょうか。
ガソリンスダンドは、法令上は、給油取扱所と呼ばれ、ガソリンや灯油などの典型的な危険物を取り扱う施設です。そのため、危険物取扱者を置かなければなりません。

正社員の募集だけではなく、アルバイトの求人も多く見られことから、乙種4類の資格を有していれば、歓迎され、時給などの面でも優遇されることがあります。

消防士

危険物の取り扱いを誤ってしまうと、火災の危険性が高まります。万が一火災が起こってしまった場合は、一刻も早い消火活動が求められます。火災の消火に当たっては、危険物の性質や燃焼・消火の理論など、危険物取扱者の受験科目と密接にかかわってきます。

また、消防士には、以上のような災害対応業務の他、ガソリンスタンドなどの危険物を保管する施設を新たに設ける場合や改修をする場合には、書類審査や検査といった、火災が発生しない仕組みづくりである予防業務も重要な業務の一つです。

仕事の選択肢が増える!危険物取扱者のメリット

すでに見てきた通り、危険物取扱者の資格は、さまざまな活用の場面があり、資格を取得することで、職業選択の幅が広がります。

危険物取扱の知識がつく

危険物取扱者の試験は、いずれも危険物の取り扱いに関して直結する内容がほとんどです。もちろん実務について初めて分かることもありますが、危険物取扱者の試験に向けて学習することで、危険物の取扱に必要とされる知識が自然に身に付いていきます。

また、製造所等で危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は免状の種類を問わず、定期的に保安講習(危険物の取扱作業の保安に関する講習)を受講しなければなりません。
そのため試験合格後は、保安講習を通じて身に付けた知識をブラッシュアップさせることができます。

給料が上がる

危険物取扱者の資格を有していれば、それが昇進要件になっている企業もあり、また、基本給与に追加して資格手当が支給されることがあります。

就職先の幅が広がる

すでに見たように危険物取扱者が活躍できる場面は、さまざまです。そのため他の専門的な有資格者よりも危険物取扱者を募集する求人は、多く見られます。
みなさんの就職・転職の幅を広げるうえで、危険物取扱者資格は非常に有効ということができます。また、消防設備士など他の技術者系の資格とも相性が良いため、関連する資格を取得することにより、さらにキャリアアップをすることもできます。

責任のある仕事!
危険物取扱者に求められるスキルとは?

危険物は、我々の日常生活においては、非常に重要なもので、その用途は、ガソリンや灯油などの燃料になるものや、化学製品の合成に使われるものなど多岐にわたります。
危険物は、このように取り扱いを適正に行えば、有用なものである反面、危険物に関する知識を持たない者がこれらを扱うことは、火災の危険性を高めます。

また火災が発生した場合に、誤った消火方法により火災が拡大してしまうおそれもあります。
このような火災が起こらないようにするためには、危険物の取り扱いについて正確な知識を有し、それを実践できるスキルが求められます。

危険物に関しての高い知識

3科目ある受験科目はいずれも危険物に関する知識に関連する内容が出題されます。

危険物に関する法令

火災予防などのための、人、物、場所等に関する各種規制について学習します。
危険物取扱者の種別に関わらず、難易度は大きく変わりません。

「~してはならない」「~しなければならい」といった、禁止又は義務などルールを正確に押さえていく必要があります。

基礎的な物理学及び基礎的な化学(乙種)

燃焼や消火の理論の他、危険物を取り扱う上で必要は物理・化学の基本的な知識を学習します。
物理学・化学といっても大学の理系専門者でなければ対応ができないような問題は出題されないため、燃焼・消火に関する基礎的な理論を集中的に学習し、得点源にすることができれば、多少のミスはあっても60%以上の基準点に達することは可能です。

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法(乙種)

ガソリンや灯油といった各種危険物の性質等といった危険物を実際に取り扱う上で不可欠な知識を学習します。
当該危険物が水に溶けるのかといった性質や適応する消火方法など、3科目の中でもとりわけ暗記要素が強い科目です。

細かい数字を覚えていくのではなく、おおまかに常温(20℃)で引火するのかといったように物品ごとに整理していくことが重要です。


このように危険物を取り扱う上で必要となる内容が出題されるため、試験に合格しているということは、総合的に危険物に関して高い知識をもっていることの証明になります。

高い集中力

危険物の取り扱いには、細心の注意が必要です。注意を怠ることにより、火災発生の危険性が飛躍的に高くなります。
そのため、危険物の取扱作業に従事する場合には、火災を防止するために高い集中力がスキルとして求められます。

責任感

危険物は、その貯蔵・取扱いを間違えなければ、我々の生活において非常に有意なものです。
しかし、危険物に関して知識がない者が、危険物を取り扱うことにより、火災発生の原因になります。また、火災が発生した場合に、不適切な消火方法により、かえって延焼を拡大するおそれがあります。

火災が発生しないように、また、火災が発生してしまった場合に、その被害を最小限にとどめるため、危険物に関する専門的な知識を持った危険物取扱者の存在は欠かせません。
火災は、財産だけでなく、人の生命・身体にも大きな影響を与えるものであるため、火災予防の専門家である危険物取扱者には、責任感が求められます。

まとめ

これまで見てきた通り、危険物取扱者の資格を保有しているとさまざまな職場で働くときに有利になります。

また日常生活において灯油や動植物油を取り扱うときにも危険物に関する知識があれば、火災を未然に防止し、万が一家庭内でこれらの火災が発生した場合でも、自らの財産・身体などへの被害を最小限にすることができます。

こういった危険物に関する知識の習得は、もちろん独学によっても得ることはできますが、通信講座で効率よく勉強するのがおすすめです。

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