危険物取扱者資格の難易度は?資格の特徴や合格率・出題難易度から徹底検証

消防法という法律では、引火性の高い物質を危険物として指定し、これを取り扱うためには国家資格が必要であると定めています。それが危険物取扱者の資格になります。

危険物取扱者の資格は、その資格がないと業務が行えないという現場が多いため、求人でも資格取得が条件になっているケースも珍しくありません。さらに取得していることで資格手当の対象になることも多い資格です。

そこでこの記事では、この危険物取扱者資格の試験難易度を紹介。合格率や出題内容、さらにその資格でできることなどからその難易度を詳しく解説していきます。

目次

危険物取扱者試験の合格率

危険物取扱者試験の難易度をまずは合格率という観点から検証していきましょう。後に詳しく説明しますが、危険物取扱者資格には甲種・乙種・丙種の3種類の段階が存在し、甲種がもっとも難しく、丙種がもっとも簡単な試験となっています。

また、直接難易度とは関係ありませんが、危険物取扱者試験の大きなポイントは、試験の実施が都道府県ごとに決められているという点。危険物取扱者資格は国家資格ですが、試験の実施、免状の交付を行うのは各都道府県となっています。

都道府県単位で何が問題になるかというと、試験日、回数などが都道府県によって全く違うという点です。例えば甲種試験。2022年4月~2023年3月までの試験予定を確認すると、宮城県では合計8回試験が実施されますが、東京都では5回しか実施されません。

試験日も都道府県によってバラバラですので、この点は覚えておきましょう。

また、危険物取扱者の資格は、受験する都道府県に決まりはありません。自分が住んでいる、仕事をしている都道府県以外での受験も可能です。つまり、東京都民の方が、宮城県で受験しても問題ないということになります。

自分が受験したタイミングで、自分が住む都道府県で試験が行われていない場合は、近隣の都道府県の試験日程もチェックするといいでしょう。

話は少々逸れましたが、試験難易度の話に戻します。それぞれの段階で出題される問題も出題範囲も違いますので、ここでは各段階の近5年間の合格率を掲載し、その難易度を推測していきたいと思います。

甲種資格の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
2021年度 16,995名 6,815名 40.1%
2020年度 12,863名 5,635名 43.8%
2019年度 19,540名 7,721名 39.5%
2018年度 20,977名 8,358名 39.8%
2017年度 22,504名 8,388名 37.3%

※2021年度のデータは2021年4月~2022年1月実施の試験までの集計

参照: 一般財団法人 消防試験研究センターHP



甲種試験の合格率は例年40%前後。資格試験の合格率で40%はそれなりに高い合格率と言えます。参考までに宅建士試験の合格率が約15%、行政書士試験の合格率が約10%です。

しかし危険物取扱者の甲種に関しては受験資格が存在し、誰でも挑戦できるというわけではありません。しかもこの受験資格がほかの資格試験と比較しても少々クリアが難しい資格となっています。

そんな受験資格を持つ方の中での40%ですから、見た目の数字以上に難易度の高い試験であるといえるでしょう。

乙種資格の合格率

乙種資格はさらに1~6類まで6つのカテゴリーに分かれているため、年度ごとの合格率を紹介していきます。

2021年度(2021年4月~2022年1月の間に行われた試験のデータ)

受験者数 合格者数 合格率
1類 8,730名 6,125名 70.2%
2類 8,163名 5,864名 71.8%
3類 10,293名 7,251名 70.4%
4類 182,815名 65,732名 36.0%
5類 10,087名 7,179名 71.2%
6類 10,327名 7,249名 70.2%

2020年度

受験者数 合格者数 合格率
1類 7,023名 4,921名 70.1%
2類 6,672名 4,647名 69.6%
3類 8,025名 5,597名 69.7%
4類 147,043名 57,918名 39.4%
5類 7,811名 5,462名 69.9%
6類 8,318名 5,576名 67.0%

2019年度

受験者数 合格者数 合格率
1類 11,465名 7,786名 67.9%
2類 11,114名 7,618名 68.5%
3類 12,535名 8,545名 68.2%
4類 221,867名 85,669名 38.6%
5類 12,862名 8,836名 68.7%
6類 12,573名 8,421名 67.0%

2018年度

受験者数 合格者数 合格率
1類 12,333名 8,256名 66.9%
2類 11,620名 7,936名 68.3%
3類 13,045名 8,834名 67.7%
4類 240,102名 93,667名 39.0%
5類 13,362名 8,829名 66.1%
6類 13,894名 8,949名 64.4%

2017年度

受験者数 合格者数 合格率
1類 13,047名 8,923名 68.4%
2類 12,074名 8,561名 70.9%
3類 13,992名 9,677名 69.2%
4類 256,587名 88,323名 34.4%
5類 14,186名 9,850名 69.4%
6類 15,525名 9,871名 63.6%

参照: 一般財団法人 消防試験研究センターHP



近5年の合格率の一覧が上記の表です。4類を除く5つのカテゴリーではおおよそ合格率70%前後、4類のみは40%弱と低い数値になっています。

乙種のカテゴリー分けは、取り扱える危険物の種類で分かれており、4類はガソリンや灯油といった「引火性液体」のカテゴリーとなります。ガソリンスタンドや灯油の販売などに必要となるのがこの乙種4類であるため、毎年受験者数も多くなっています。

乙種4類に関しては、会社や学校から取得を推奨されるケースも少なくなく、しっかりと対策をしている方に加え、あまりしっかりと準備ができていない方の受験も含まれると予想されます。

乙種試験に関しては4類のみ難易度が高いというわけではなく、どのカテゴリーもほぼ同等の難易度ながら、4類のみ受験者のレベルがやや落ちると考えられます。

丙種資格の合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
2021年度※ 19,747名 10,053名 50.9%
2020年度 18,725名 10,164名 54.3%
2019年度 27,523名 13,879名 50.4%
2018年度 30,028名 15,366名 51.2%
2017年度 33,128名 16,780名 50.7%

※2021年度のデータは2021年4月~2022年1月実施の試験までの集計

参照: 日本証券業協会「外務員資格、外務員登録(1)外務員資格」



合格率は例年50%程度。丙種の試験には受験資格もないため、単純にこの合格率から難易度を推測すると、そこまで難易度の高い試験ではないといえるでしょう。

とはいえ、危険物に関する専門知識は求められますので、ある程度の準備・対策は必要です。何の準備もせずに受験してもまず受からない試験とも言えます。

危険物取扱者試験の難易度

続いては出題される科目や問題のレベルから試験の難易度を推測していきたいと思います。こちらも甲種・乙種・丙種に分けて紹介していきましょう。

甲種資格の出題科目・内容

出題科目 出題数
危険物に関する法令 15問
物理学及び化学 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 20問

参照: 一般財団法人 消防試験研究センターHP



出題科目と出題数だけを見ると比較的対策しやすい試験に見えますが、出題される問題の難易度はかなり高めです。物理及び化学の問題に関しては、大学の授業で習うレベルになりますし、危険物の性質の問題に関しては、全ての危険物に関する深い知識が求められます。

法令問題に関しては基本的に暗記問題ですので、ある程度対応可能という方も多いかと思いますが、それ以外の専門知識を問われる問題に関しては、きっちり基礎から学んでいく必要があり、対策にはそれ相応の時間を必要とします。

乙種資格の出題科目・内容

出題科目 出題数
危険物に関する法令 15問
基礎的な物理及び基礎的な化学 10問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問

参照: 一般財団法人 消防試験研究センターHP



乙種の試験の出題科目は、甲種試験と基本的には同じ科目となります。ただし出題される問題の難易度に大きな違いがあり、物理及び化学に関しては基本的な知識が問われる問題となります。

物理・化学の出題難易度のイメージは、甲種試験が大学レベルであるのに対して、乙種試験は高校で習うレベルの問題となります。

危険物の性質の問題に関しては、難易度自体は甲種試験に近いレベルですが、乙種試験は6つの類に分かれて行われます。出題されるのは受験者が選んだ類に関わる危険物のみ。出題範囲が単純計算で甲種試験の1/6となるため、対策はしやすいでしょう。

とはいえ、高校レベルの物理や化学の知識、さらに法令知識や専門分野の知識も問われますので、特に学生時代理系ではなく文系の出身の方などはしっかりと基礎から対策をする必要があるでしょう。

丙種資格の出題科目・内容

出題科目 出題数
危険物に関する法令 10問
燃焼及び消火に関する基礎知識 5問
危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法 10問

参照: 一般財団法人 消防試験研究センターHP



丙種試験になると、出題難易度はかなり下がります。乙種以上の試験では物理や化学の問題が出題されましたが、丙種試験ではそこまでは至らない、物質の年商や消化の基礎的な知識が問われます。

問題自体はそこまで難しくないので、できれば短期間で、しかも1度で合格を目指したい試験。油断せずしっかりと対策を行いましょう。

危険物取扱者の資格の種類に関して

危険物取扱者の試験難易度に関して紹介してきました。大雑把な表現をすれば、甲種試験は大卒レベルの学力、乙種試験は高卒レベルの学力、丙種試験は高校生レベルの学力が必要という感じでしょうか。

もちろん資格試験ですので、学校で習うような知識ではなく、それぞれの試験に合わせた専門的な知識の集積が必要となります。

それぞれの試験難易度が違う3つの段階がある危険物取扱者資格。ではそれぞれの資格の特徴やできることなどもまとめておきましょう。まずは一覧の比較表を掲載しておきます。さらにこの後その内容に関して解説していきたいと思います。

甲種資格 乙種資格 丙種資格
受験資格 アリ ナシ
取り扱える危険物 全ての危険物 類ごとに決められた危険物 ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油及び引火点130度以上のものに限る)、第4石油類及び動植物油類のみ
試験科目の一部免除 ナシ アリ
立ち合い資格 アリ 自分の持っている資格のみアリ ナシ

甲種資格

甲種危険物取扱者の資格は、全ての危険物の取り扱いができる資格です。そのため試験の出題範囲もすべての危険物に関する専門知識を求められます。

全ての危険物の取り扱いができる資格のため、多くの職種で活躍できる資格であり、特に危険物を多く取り扱う化学工場などで活躍することができます。また、危険物保安監督者などの道も開けているため、収入という面でも大きく期待できる資格となります。

危険物取扱者の資格を持たない方は、基本的には危険物を取り扱えません。しかし甲種資格者の立ち合いがあれば危険物の取り扱いが可能に。この立ち合い資格も持っています。

また、一定の条件を満たせば、「甲種防火管理者」や「防災管理者」、自衛官である場合は「技術陸曹・空曹」になる資格を有するのも甲種資格を所有する方に与えられる特典といえるでしょう。

乙種資格

乙種資格には6つの類があります。まずはその類ごとに取り扱える危険物を紹介しておきましょう。

取り扱える危険物 代表的な危険物
1類 酸化性固体 塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムなど
2類 可燃性固体 硫黄、赤リン、マグネシウムなど
3類 自然発火性物質及び禁水性物質 ナトリウム、リチウム、黄リンなど
4類 引火性液体 ガソリン、灯油、軽油、エタノールなど
5類 自己反応性物質 ニトログリセリン、トリニトロトルエン、アジ化ナトリウムなど
6類 酸化性液体 過酸化水素、硝酸など

乙種資格を目指す方は、上の表を見て自分の業務に必要な資格を選択肢受験することになります。出題される問題も、取り扱える危険物に限定された問題となります。この点で甲種試験と比較しても出題範囲が狭く、対策はしやすいといえます。

また甲種資格と同様に、危険物取扱資格を持たない方が危険物を取り扱う際の立ち合いの資格も持ちますが、当然ながら立ち会えるのは自分が取得している類に属する危険物のみとなります。

合格率の項目でも触れましたが、乙種の4類にはガソリンや灯油、経由などが含まれており、ガソリンスタンドや灯油販売店の方の多くがこの乙種4類の資格を持っているということになります。

学生の方でガソリンスタンドでアルバイトをしたいという方も、この乙種4類の資格を取得するのがおすすめ。ガソリンスタンドに乙種4類の資格を持つ方が1人いれば、他の従業員は資格を持っていなくてもいいということになり、採用率が高くなります。

近年増えているセルフタイプのガソリンスタンドも、営業時間内は乙種4類(もしくは甲種)の資格を持つ従業員が必ず待機しています。この有資格者がいるからこそ、顧客が自分で給油する(危険物であるガソリンを取り扱う)ことが許されているということになります。

乙種資格は複数の類を取得することも可能であり、またその複数の類の試験を同時に受験することも可能です。同時に受験できる類の数に関しては都道府県ごとに違いがあり、2~5種類の同時受験が可能となっています。

乙種の資格を6種類すべて取得すると、甲種資格者と同様となりますが、上で紹介した甲種資格者にのみ与えられている特典は受けられないのでご注意ください。

丙種資格

丙種危険物取扱者が取り扱える危険物は、乙種4類の中から「ガソリン・灯油・重油・軽油・潤滑油・引火点130℃以上の第3石油類・第4石油類、動植物油類のみ」と限定されています。

ほかの危険物を取り扱うことができませんが、ガソリンや灯油、経由といった、取り扱う機会が多い危険物を取り扱えるのがポイントでしょう。

また、丙種資格に関しては、甲種や乙種に与えられる立ち合いの資格がなく、危険物を使えるのはあくまでも資格所有者のみとなっています。

危険物取扱者試験の受験資格

危険物取扱者の資格試験で受験資格があるのは甲種試験のみとなります。そんな甲種試験の受験資格と、乙種・丙種試験の受験資格に関して簡単にまとめていきましょう。

甲種資格

甲種試験を受験するには受験資格があります。まずは受験資格をまとめて紹介しておきましょう。

  • 大学等卒
  • 15単位取得
  • 実務経験2年
  • 乙種4種類取得
  • 学位
  • 消防庁長官が定めた者

一つずつ解説していきましょう。最初の「大学等卒」ですが、これは4年制大学に限らず、短大、高等専門学校、高等学校の専攻科などの卒業資格でも問題ありません。ただし卒業した学科が化学に関する学科であることが条件となっているため、一般的な文系の学部卒では資格を満たさないということになります。

「15単位取得」は、上で紹介した「大学等」に含まれる学校で、化学に関する科目の単位を15単位取得していることが条件となっています。つまり大学中退者でも、中退するまでに化学に関する単位を15単位以上取得していれば資格を満たすことになりますし、化学に関する単位を15単位取得している現役大学生の受験も可能ということになります。

「実務経験」2年は、単に危険物を取り扱う仕事に2年間従事しているだけでは満たせません。乙種資格を取得した状態で2年間の実務経験が必要になりますのでご注意ください。

乙種の資格6種類のうち、4つの種類の資格を取得すると受験資格が発生します。この4種類には決まりがあり、まず3類と5類の2つは取得が必須となります。残り2つは、1類か6類のどちらかひとつと、2類か4類のどちらか一つを取得していることが条件となっています。

つまり1,2,3,5類の4つを持っていれば受験資格アリ、2,3,4,5類を持っているという方は、1または6類という条件を満たしていないので受験資格がないということになります。

「学位」は化学分野を専攻し、修士号、博士号を持つ方が対象。他の分野の博士号、修士号では条件を満たしません。

最後に「消防庁長官が定めた者」ですが、一般的には「専門学校卒業程度検定試験に合格した者であって、化学に関する学科又は化学に関する授業科目を15単位以上含む学科について合格した者」となります。

学歴に関してはすべて化学に関する単位、もしくは大学卒業が受験資格の要となっており、この要件を満たさない方は、基本的には乙種資格を取って2年間実務経験を積むか、指定された乙種4種類を取得するしか受験資格を得る方法はないということになります。

乙種資格・丙種資格

乙種資格と丙種資格に受験資格はありません。学歴、職歴はもちろん年齢制限もないので、誰でも挑戦することが可能です。

実際に2012年には、小学校2年生の子が乙種1~6類まですべてに合格するという最年少記録を打ち立てています。さらに2020年には小学校1年生の子が史上最年少で乙種4類の試験に合格した記録もあり、まさに誰でも挑戦が可能であることを証明しています。

そのため乙種、丙種の受験希望者は多く、特に人気の高い乙種4類に関しては毎年20万人前後の受験者数が集まります。危険物取扱者の試験は都道府県ごとに日程を決めて実施していますが、東京都では週に1度乙種4類の試験を実施しているほどです。

危険物取扱者試験の科目免除に関して

危険物取扱者の試験に関しては、一定の条件を満たすと試験科目の一部免除が認められます。科目免除となる条件は3つありますが、甲種試験に関しては科目免除がありませんので、全科目を受験する必要があります。

では、乙種・丙種試験に関する科目免除の条件に関して説明しておきましょう。

【乙種試験】乙種のほかの類の資所有者

乙種の資格は6種類ありますが、この中で1つの類にすでに合格しており、続いて別の類の試験を受ける場合には科目免除が受けられます。免除されるのは以下の科目です。

  • 危険物に関する法令
  • 基礎的な物理及び基礎的な化学

つまりすでにほかの乙種資格を持つ方は「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の10問のみの受験でOKということに。ちなみに通常の乙種試験の試験時間は120分ですが、この科目免除を受けた方は試験時間が35分となります。

【乙種1類・5類試験】火薬類免状所有者

すでに火薬類製造保安責任者、火薬類取扱責任者の免状を持つ方にも科目免除が発生します。発生するのは乙種1類と5類の試験。免除される科目と問題数は以下の通りです。

  • 基礎的な物理学及び基礎的な化学のうち6問(受験するのは4問)
  • 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法のうち5問(受験するのは5問)

こちらの場合も試験時間は若干短くなり90分となります。

さらにこの火薬類の免状を持ち、ほかの乙種資格を持つという場合は、両方の科目免除を同時に受けることができます。この場合受験するのは「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法のうち5問」のみ(試験時間35分)となります。

【丙種試験】消防団員としての活動経験

丙種試験で試験科目の免除となる条件は、消防団員としての活動経験です。5年以上消防団員として活動し、さらに消防学校の教育訓練の内、「基礎教育」、「普通教育」または「専科教育」の「警防課」を卒業した方というのが科目免除の条件となります。

免除される科目は「燃焼及び消火に関する基礎知識」の全問。試験時間も90分間に短縮されます。

危険物取扱者資格はどの種を目指すべきか?

危険物取扱者資格には3つの段階があります。さらに乙種6つのカテゴリーがあり、危険物を取り扱う仕事に従事していないという方は、どの資格を持つと就職や転職に有利になるのか判断しにくいかと思います。

まず3つの段階に関してですが、受験する方の置かれている状況や、現状持っている基礎知識、さらに将来進みたい業界などを考慮し、今自分が挑戦できる資格を目指すのが得策ということになります。

乙種の6つのカテゴリーに関しては、なにより自身の職種、これから目指したい職種に注目し、その職種で有効に活用できる類を選ぶ必要があります。

そこで、各種の受験に関して、どのような方におすすめかを紹介しておきましょう。

受験資格を持っているのであれば甲種がおすすめ

甲種に関しては何より受験資格の問題があります。大卒という学歴を持つ方は多いかと思いますが、化学に関する学科の大卒資格となるとかなり限られた条件になります。その条件を満たしている場合は甲種試験に挑戦してみましょう。

甲種資格は危険物取扱者資格でもっとも上位ランクの資格です。すべての危険物を取り扱えるようになりますので、今後転職を考えている方などは、乙種のいずれかの資格を持っているケースと比較しても、より職探しの選択肢が増えることになります。

ただし、受験資格は満たしていても、現状そこまで勉強時間の確保ができない、仕事の状況的に時間がないなど事情がある場合は、まずは必要な乙種資格を取得するのも一つの方法といえるでしょう。

乙種の場合は業務上必要な類を目指そう

乙種資格を目指す場合は、なんといっても業務上必要な資格を取得することが重要です。自分の業務で扱わない危険物の資格や、これから目指そうと考えている業界と無関係の資格を取得しても意味がありません。

自分に必要な資格は何類なのかをきちんと把握してから受験しましょう。

また、将来的に甲種を目指しているという方の場合はいろいろなスタンスが考えられます。甲種試験の受験資格を得るために乙種を取得する場合、4種類取得するか、取得後実務経験を2年間積むかという2つの道が考えられます。

実務経験で受験資格を満たす場合、その実務で活用できる類を受験する必要があります。4種類の資格取得で甲種受験資格を目指す場合は、汎用性の高い類を先に取得するのがおすすめ。

万が一4種類の資格取得に挑戦している最中に、転職をしなければいけないなどという状況になった場合、汎用性の高い資格を持っている方が職探しに有利になります。そう考えると最初に取得するのは4類がおすすめということに。

まずは4類を取得し、その後3、5、そして1or6の中から自分に合っている類からどんどん取得していきましょう。

甲種の受験資格はないが甲種と同様の資格を持ちたいという方にも2つの道があります。乙種を4種類取得し、甲種を受験するか、乙種を6種類取得するかです。取得後の特典や世間からの見られ方を意識すれば甲種取得がおすすめですが、乙種試験には「科目免除」の精度があるため、乙種6種類の方が取得自体は簡単になります。

このあたりは自分の置かれている状況や、なんのために甲種を目指すのかなどを考慮して、どちらの道を選ぶのかを決めるといいでしょう。

乙種の出題内容が難しいと感じた方は丙種から

現状の仕事を考えると、丙種資格があれば十分という方もいらっしゃるかと思います。乙種、甲種資格を受験するにはそれなりに対策も必要となり、より多くの勉強時間が必要となります。その時間を準備するよりも、必要最低限の丙種資格を取得するというのもひとつの考え方でしょう。

また、乙種を目指すつもりで、乙種試験の過去問に挑戦したところ、レベルが高くてなかなか難しいと感じた場合、まずは丙種を取得しておくというのもいい選択です。

ただし、丙種資格には「立ち合い」の資格がないため、将来的な部分を考えるとどうしても不安がある資格となります。まずは丙種と考えた方も、丙種資格取得後も少しずつ勉強を重ね、できれば乙種の資格レベルアップしておくのがおすすめです。

また丙種にするか乙種4類にするか悩んでいる方には、乙種受験を強くおすすめします。丙種を取得してから乙種4類を目指すというのもいいのですが、その分時間もかかりますし、さらに受験料、勉強にかかる費用も必要となります。

乙種試験の難易度はそこまで高いものではありませんので、時間と費用のロスを考えると、乙種か丙種かで悩んでいるのであれば乙種4類の受験の方がおすすめということになります。

まとめ

危険物取扱者試験の難易度は、ほかの資格試験と比較すればそこまで高いものではありません。甲種試験に関しては、受験資格を満たすのが難しく、受験資格取得の難易度も含めて考えるとやや難関資格と言えますが、乙種・丙種に関しては難易度は高くない試験となります。

難易度はそこまでではないものの、危険物取扱者の資格がないとできない仕事、業務は多く、難易度と有用性のバランスを考えると非常にコストパフォーマンスのよい資格といえるでしょう。

現状特に危険物を取り扱う仕事をしていないものの、将来的には危険物も取り扱う必要がある職種を目指している、もしくは魅力を感じているという方は、ぜひ取得しておきたい資格です。丙種資格に関しては取り扱える危険物も限定的で、しかも立ち合いの資格がないため、できれば乙種資格の取得を目指しましょう。

危険物取扱者試験の難易度を、ここで紹介した数字以上に高くしているのは、受験科目が理系の知識が必要な科目であることもひとつの原因かもしれません。大学などで文系を専攻していた方にとっては、物理や化学といった学問は、なかなかハードルの高いもの。

しかし、危険物取扱者、特に乙種試験で出題される問題は、そこまで難易度の高いものではありません。問題文に出てくる物理や化学の用語が理解できれば、ある程度の対策で十分対応可能です。

自分一人で勉強するのは難しいと考えている方は、通信講座なども上手く利用して、できれば短期間での合格を目指しましょう。

特に職種を限定せずに危険物取扱者乙種の資格を目指す場合、まずは汎用性の高い4類から攻めるのがおすすめです。