独立できる資格とは?行政書士や社会保険労務士などおすすめ4選

社会人として本格的に活躍するため、独立開業を考える方もいるでしょう。収入アップから社会貢献まで、その動機もさまざまのようです。そこで資格が重要になります。資格によっては独立開業のきっかけをつかめるからです。

今回は独立開業を考えている方のために、おすすめの資格を4つ紹介します。記事の前半では、独立のメリットやデメリット、必要な準備などをまとめたので、心がけも学んでおきましょう。

目次

独立におすすめの資格の特徴

まずは独立向きの資格に見られる、特徴をまとめました。独占業務の存在や、収入相場の高さなどが挙げられます。このような特徴に当てはまる資格を取ったとしましょう。相応の仕事に就くことで、理想のキャリアを実現できるかもしれません。以上を踏まえ、独立に向いている資格の特徴を、以下で確かめてください。

独占業務がある

独立可能な資格の特徴として、独占業務の存在が挙げられます。独占業務とは、特定の資格がなければできない仕事です。このような業務がある仕事は、一定の社会的需要を見込めます。

該当例は宅地建物取引士や社会保険労務士、行政書士などです。たとえば宅建士なら、不動産契約時の重要事項説明が当てはまります。また社労士や行政書士は、重要書類の手続き代行が独占業務になる場合があるのです。

このように独占業務は、特定の職業でないとできません。独占業務がある資格は、独立開業後の活躍につながるでしょう。

収入相場が高い

独立できる資格は、収入相場が高くなる可能性があります。国税庁によると2018年の平均給与は441万円です。資格と働き方次第では、これを上回る可能性があります。

独占業務の存在や、社会的需要が一定分ある資格は、勤務型でも高収入を望めます。行政書士や社労士などとして事務所で働く人は、社会全体の平均より高い収入をもらっているかもしれません。このような職業で独立をすれば、さらなる高収入も望めます。

以上から収入相場の高い職業は、独立でさらに稼げる可能性があるのです。

士業系である

士業系資格は、独立開業を視野に入れられます。法的手続きや書類作成、契約のような高度な業務があるからです。

士業資格は、世の中に多数あります。弁護士や公認会計士、行政書士、中小企業診断士などが代表例です。しかし士業資格によっても、難易度が変わります。自分のキャリアプランを考え、取れる可能性があって出世もできそうな資格を決めてください。

いずれにしても士業系資格は、うまくいけば独立後の成功が見えてきます。

独立のメリット

資格取得後における独立のメリットを、3つ紹介します。年収アップや自由な働き方、開業の可能性です。それぞれの詳細を見ていきましょう。

年収アップの可能性

独立開業の最初のメリットは、年収アップの可能性です。開業した事務所や会社が人気を取れば、そのオーナーが高年収を得られます。雇われていたころより多く稼げるかもしれません。

以上から開業者は、勤務型より年収が多くなる可能性に期待です。経営ノウハウや独自のアイデアがうまくいけば、需要が上がります。需要が増えるほど仕事は多くなり、収入アップにつながるでしょう。

このように独立開業がうまくいけば、高年収も夢ではありません。

自由な働き方を求められる

独立開業によって、柔軟な働き方も可能です。職種や環境にもよるが、労働時間を柔軟に決められるからです。週4日や週末限定のような働き方もできます。

たとえば行政書士の資格を取って、独立したとします。書類手続き代行の専門業者として、週4日稼働するとしましょう。残り3日は休んでもよいですし、空き時間を使って別の仕事も可能です。独立後にどう働くかは、本人次第になります。

このように起業者は、好きな時間に働けるのが魅力でしょう。

資格によっては開業しやすいケースも

資格次第では、開業しやすいケースもあります。独立開業には、初期費用がかかるとイメージする人がいます。しかし実際はそうとは限りません。通信環境を整えたり、小規模オフィスを借りたりするだけでも開業可能です。このような工夫次第で、開業資金を節約できます。

独立する人によっては、自宅開業もあります。自宅をオフィス代わりにすることで、好きな時間に仕事を進められるのです。自宅を拠点にすることで、オフィスを借りる費用もカットできます。自宅とオフィスの往復による通勤がないこともポイントです。

このように資格によっては、工夫次第ですぐに開業できる可能性があります。

独立のデメリット

独立開業はメリットだけではありません。デメリットにも気をつけてください。ここでは経済的な不安や、責任範囲が広くて手に負えない可能性などが挙げられます。デメリットの詳細を、以下にまとめました。

経済的な不安が懸念される

独立開業の最初のデメリットは、開業後の経済的な不安です。初期費用に加え、経営が軌道に乗るまでは運転資金も必要です。資金が底をつけば経営ができなくなり、倒産や廃業を余儀なくされるでしょう。

事業が軌道に乗らない限り、赤字がかさんでしまう点に注意です。経営失敗により、借金を残したまま会社をたたむ人もいます。経済的不安を解決するには、充分な運転資金と経営計画が欠かせません。

このように独立開業では、経済的な問題のクリアが重要です。

責任範囲が広くなる

独立開業をすると、責任範囲が広くなります。このような状況から、手に負えなくなるリスクに気をつけてください。起業者は勤務型よりも、行動に対する責任が大きくなります。ミスやトラブルのほとんどは、起業者の責任になるのです。

たとえば会社や事務所で雇われているうちは、損害賠償などの重大案件に関して、会社が責任を取ってくれるでしょう。しかし起業者になると、損害賠償も自分で払わなければなりません。以上からトラブルを避けるために、雇われる立場以上の警戒が必要です。

独立開業は自由に働けるのがメリットですが、そのぶん責任も重くなる点に気をつけてください。

開業後は仕事が少ない

どの仕事も、独立開業後は仕事が少ない可能性があります。自力での営業により、顧客を獲得しなければならないからです。これがうまくいかないと、経営が軌道に乗りません。

ここで大切なのは、集客ノウハウの確立です。顧客を取るために、専門家同士のネットワークを構築しましょう。また独自のマーケティングで、多くの方に興味を持ってもらうことも大切です。

以上から開業後は、仕事がなくてつらくなる可能性に気をつけてください。

独立開業に向いている人の特徴

独立開業に向いているタイプを見ていきましょう。行動力があったり、人脈に恵まれていたりなどが挙げられます。開業で成功する可能性のある人物像を、以下で確かめてください。

行動力がある

独立開業に向いている人は、行動力があります。成功者は考えるだけでなく、一歩を踏み出す意思が強いといえます。以上から行動力のおかげで、チャンスをものにできる人もいるのです。

上司がいる勤務型と違い、独立開業者は自分の考えで行動を決めなければなりません。そのため身の回りや社会の状況を分析し、最適な行動を取ることが大切です。適切な行動を決める能力が、独立成功のカギです。

以上から独立開業を志すなら、行動力を身につけましょう。

人脈に恵まれている

独立開業に向いている人の特徴として、人脈もポイントです。資格を持って勤務している人も、豊富な人脈があれば独立開業時もサポートを受けられる可能性があります。

たとえば社会保険労務士として独立するとしましょう。同じ職業だけでなく法人相手にビジネスをしている人、法律に詳しい人なども含めて、ネットワークを作るのがおすすめです。顧客集めや、問題解決などにつながる情報共有ができます。

このように人脈次第では、独立開業で成功の可能性があります。

経営のノウハウがある

独立開業に向いている人は、経営のノウハウも備えています。一定の社会経験だけでなく、経営に興味を持ちつつ積極的に学ぶことが大切です。

ノウハウを学ぶうえで大切なのが、信用できる人の話を聞き入れることです。先輩経営者や専門家などから、独立成功につながる情報を仕入れましょう。このようなノウハウの蓄積が、独立後の成功につながるかもしれません。

いずれにしても独立時に経営ノウハウを備えていれば、事業を軌道に乗せられるでしょう。

独立のために必要な準備

独立開業するためには、相応の準備が必要です。まずは経験やキャリアが欠かせません。さらにコネクション、コミュニケーション能力などを要します。開業後の成功で大切なことを、以下にまとめました。

経験やキャリア

独立開業で大切なのは、経験やキャリアです。 資格を取った直後に独立しても、お客さんが集まらない可能性があります。それは経験やキャリアがなく、他人から信頼を受けづらいからです。

最初は勤務型として、ある程度経験を積むことが望ましいといえます。社会経験やキャリアを積むことで、お客さんのためになる仕事を覚えられます。このようにノウハウを覚えてからの独立が望ましいでしょう。

独立できても、成果を出せなければ意味がありません。その意味でも経験やキャリアが成功のカギです。

コネクションの構築

独立開業を見据えているなら、コネクションを作りましょう。お客さんだけでなく、同業者や異業者とのつながりを大切にしてください。

たとえば司法書士の場合も、まず同業者と情報共有の習慣をつけることが大切です。同時に、仕事のなかで頼ってもらえるお客さんを増やしてください。必要に応じて、関連性のある職業の人とも人脈を作りましょう。このように着実な人脈形成で、独立成功の準備を進められます。

独立後に仕事を増やすには、コネクション構築もポイントです。

コミュニケーション能力

続いて大切なのは、コミュニケーション能力です。独立開業後の顧客獲得には営業を要します。コミュニケーションが苦手だと、営業がうまくいかないでしょう。

社会人が給料をもらえる要因は、企業に尽くすことだけではありません。顧客との良好な関係性を築き、彼らから感謝されることで、社会貢献になります。貢献の代価として、お金をもらえると認識してください。以上から健全なコミュニケーションが、社会において大切です。

開業者でも仕事を手に入れるには、一人一人との丁寧なコミュニケーションが大切です。この能力こそが、開業後の成功につながるでしょう。

情報を扱う能力

独立開業では、情報を扱う能力も大切です。自身が属する業界について、情報収集や分析を進めてください。情報分析の結果を営業に役立てることが、開業後の成功につながります。

開業後の顧客集めでは、マーケティングが大切です。これはターゲットとなる顧客層を決め、それに見合うサービス提供により、利益を上げることを意味します。マーケティングの成功では、自社だけでなく業界全体、またライバル社の分析が大切です。

以上から情報分析も、独立後の成功に向けた重要スキルになります。

独立するための分野の選び方

さまざまな分野で独立開業が見られます。そこで独立で活躍したい分野を見極めましょう。おすすめなのは法律関係や、長期的需要を見込める分野などです。活躍したい分野の決め方を、以下で見ていきましょう。

法律関係から選ぶ

独立開業を見据える人におすすめなのが、法律関係です。法律は日常生活に関わります。どのような社会情勢になっても、そこには法律があるのです。以上から社会のルールに関する資格には、一定の需要を見込めます。

法律に関係する資格として、行政書士や社労士、司法書士などがあります。このような資格は独占業務もあるため、社会的ステータスを望めます。以上を考えても、法律に関わる資格は、独立開業向きです。

長期的な需要のある分野

次のポイントは、長期的需要の可能性です。社会情勢が変わっても需要が続きそうな分野に注目してください。法律、不動産、労務などは社会の基本的要素を扱います。どのように社会が変わっても、法律や労務などの重要性は変わりません。

たとえば社会保険労務士は企業を相手にするため、ニュータイプの組織の需要を狙えます。ここでのニュータイプとは、近年ならAIや仮想通貨などが当てはまります。それらを扱う企業にも、労務管理が大切です。このような事業者が、社会保険労務士に相談することもあるでしょう。

以上から長期的需要を見込める資格は、独立開業に向いています。

日常生活に深く関わる分野

日常生活との関連性から、開業希望のジャンルを決めてもよいでしょう。毎日の生活で必要なものを扱う資格なら、長期的な需要を見込めます。なおかつ一定の人気があり、食べていけそうな資格を見分けましょう。

たとえば不動産関連の資格は住環境関連のため、種類によって高需要を見込めるでしょう。そのなかでもマンション管理士なら、そこに住む不特定多数の生活を守る使命がポイントです。受験者も一定数おり、不動産業界が求めるケースも見られます。

以上から日常生活に関わる資格によっては、独立開業で高収入を狙えます。

独立の注意点

独立開業には、失敗しないための注意点があります。何より大切なのがお金の準備です。また顧客確保の戦略も考えておきましょう。最後は長期的視野で経営計画を組むことです。独立の注意点を、以下で見ていきましょう。

参考:女性の起業は大変?|行政書士法人つむぎ

お金の準備を忘れずに

独立開業を望むなら、お金の準備を忘れないでください。起業だけでなく、経営が軌道に乗るまでにも、一定のお金がかかるためです。黒字経営の実現には、時間がかかることを想定しましょう。

また経営で利益を得ると税金がかかる点にも注意です。それに関する知識も、起業前に備えておきましょう。こうした背景からも、お金の準備は独立開業に欠かせません。

顧客確保のプランを考えておく

次に大切なのは、顧客の確保です。会社や事務所に勤務しているうちは、自分の仕事に専念するだけで、集客に努めなくてよいかもしれません。しかし経営者の立場になると、自身が顧客を集める必要があります。

そこで顧客獲得に向けたコミュニケーションや、営業方法などを決めておきましょう。起業前からそれに関する知識や、ノウハウを身に着けた方がよいのです。独立開業を志すなら、お客さんを集める計画を考えておきましょう。

経営計画は長期的視野で組む

経営計画は、長期的視野が大切です。独立開業では始めるときだけでなく、経営時にもさまざまなコストを要します。

簡単な考えで起業をすると、気づかなかった問題が次々と見つかるでしょう。会社経営だけで手一杯になり、問題を解決できないリスクもあります。このような事態を避ける意味でも、コストや顧客獲得プラン、時期ごとの目標などを決めておいてください。

独立開業が狙えるおすすめの資格「行政書士」

正式名称行政書士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体総務省
試験形式筆記試験
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日令和5年11月12日(日)
午後1時~
受験料10,400円
受験者数(令和4年度)47,850人
合格者数(令和4年度)5,802人
合格率(令和4年度)12.13%
フォーサイト合格率(令和3年度)54.1%
※バリューセット2
偏差値62
行政書士について詳しくはこちら

行政書士は、行政手続きの専門家です。主に官公署への提出書類作成や手続きの代行をします。ほかにも事実証明のサポートや、行政手続きに関するアドバイスなども仕事です。行政書士が独立開業にふさわしい理由を、以下で解説します。

行政書士がおすすめの理由

行政書士がおすすめである理由は3つです。独占業務の存在やコミュニケーション能力、合格率相場の高さです。それぞれの詳細を見ていきましょう。

行政書士がおすすめである最初の理由は、独占業務であることです。そのため社会ステータスを見込めます。

独占業務の代表例が、官公署に出す書類作成と提出です。飲食店営業許可やNPO法人設立、道路使用許可など、さまざまな書類が官公署への提出になります。

しかし企業やグループによっては、このような書類は忙しく作れない可能性があります。そこで行政書士が手続きを代わってもらうことで、彼らの負担軽減になるのです。

行政書士には独占業務があります。そのため資格取得によって、社会的なアドバンテージになるでしょう。

次のポイントは、コミュニケーション能力を活かせることです。人によっては、コミュニケーションがうまいと褒められたり、アドバイスが好きだったりする人がいるでしょう。この能力を生かすうえで、行政書士の資格取得はおすすめです。

たとえば行政書士の仕事では、事業者が法的手続きについて相談することがあります。コミュニケーション能力と法的知識を組み合わせれば、顧客の利益につながる回答が可能です。その意味でもコミュニケーションに優れた人こそ、行政書士を目指してください。

最後のおすすめポイントは、合格率です。相場が約10%と、士業試験としては高めです。このような条件なら、資格試験に取り組める人もいるでしょう。

行政書士の場合、2021年の試験では約11.18%が合格していました。一方で社会保険労務士は同じ年の試験で約6.4%、司法書士は約5.1%です。以上の2つより、行政書士は取りやすいといえます。そのため合格率の高さも、行政書士がおすすめである理由です。

行政書士が独立開業に向いている理由

行政書士が独立開業に向いているのは、コネクションを作れるからです。ほかにも営業力を味方につけられる可能性や、開業後の高収入も見込めます。独立開業に向いている理由を、以下で確かめてみましょう。

最初のポイントは、コネクション構築の可能性です。同業者だけでなく、他士業や他業種とのコネクションを作れます。このような人間関係が、独立した人を助けるかもしれません。

たとえば行政書士として開業するときは、同じ職業で事務所を開いた人同士でコネクションを作ってみましょう。顧客の集め方だけでなく、経営のノウハウまで学べる可能性があります。以上を考えても、独立開業後は独自の人間関係を作れるのがメリットです。

次の要点は、勤務方として営業力がついているときに、それを活かせる可能性になります。営業力とは顧客にサービスを売り込んで、会社の利益につなげる力です。

行政書士も独立開業をしたら、魅力的なサービスをたくさんの人に知ってもらうことが大切です。これができないと相談者が集まらず、経営は軌道に乗りません。行政書士事務所などで営業力がついていれば、顧客集めに活きます。以上を考えても営業力のおかげで、独立後の高収入を得られるかもしれません。

最後は、開業後の高年収の可能性に注目してください。独立後に活躍する行政書士によっては、年収1000万円もありえるからです。

行政書士は書類手続き代行の手数料や、相談料などが収入源になります。案件を多く扱うほど、収入は積み重なっていきます。その意味でも開業後にうまくいけば、高年収も夢ではありません。

参考:
行政書士試験の合格必須勉強時間! 試験の特徴と時間利用のコツ|スクールセレクト
行政書士の独立開業するための資金や流れは?成功のためのポイントも解説|リーガルエステート

独立開業が狙えるおすすめの資格「社会保険労務士」

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日2023年8月27日(日)
受験料15,000円※非課税
受験者数(2023年度)42,741人
合格者数(2023年度)2,720人
合格率(2023年度)6.4%
フォーサイト合格率(2023年度)26.4%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

社会保険労務士とは、法人を相手にした人材の専門家です。主に労働や社会保険に関する書類手続き代行、労務管理に関するアドバイス、年金相談対応などがあります。おすすめの理由と、独立開業にふさわしいポイントをまとめました。

社会保険労務士がおすすめの理由

社会保険労務士がおすすめである理由を、3つ紹介します。法的知識の実践ややりがい、独占業務の存在です。それぞれの詳細を確かめてみましょう。

最初のおすすめポイントは、法的知識を活かせることです。社会保険労務士の試験に合格するには、一定の法的知識を要します。合格すれば、豊富な知識を覚えたことになるので、高度な業務にも活かせるでしょう。

社労士試験で問われる法的知識に、労働社会保険制度や就労規則などがあります。このように労働に関する出題が中心なので、そこに詳しくなれるのです。相談相手の企業だけでなく、自分が働く場所の労務管理にも役立ちます。このように法律を味方につけて活躍できることが、社労士のおすすめポイントです。

次のポイントが社会貢献によるやりがいです。相談先である法人の問題を解決できるのが理由になります。

たとえば退職率が高くなっている企業が、社労士に相談したとしましょう。就業規則を健全な方向へ見直した結果、退職率抑制につながるかもしれません。これが企業の利益につながり、社労士にとっても社会貢献になります。

以上から社会に役立ちたいと思ったら、社労士が選択肢になります。

最後のポイントは独占業務の存在です。代表例が労働や社会保険に関して、行政機関に届ける重要書類の作成・提出代行です。労働社会保険諸法令に基づいて、帳簿書類を作ることも社労士の独占業務になります。

法人によっては、このような書類を作る時間を取れないかもしれません。本業で忙しいことが原因でしょう。このような事業者が書類作成を専門家に頼むとき、その種類によっては社労士にしか相談できません。

以上から独占業務の存在は、社労士の社会的ステータスにつながっているのです。

社会保険労務士が独立開業に向いている理由

社会保険労務士は、独立開業に向いた職業のひとつです。自分のペースで仕事できるのが大きいでしょう。ほかにも働き方次第での高収入や、新しいタイプの企業を相手にできる可能性にも注目です。独立開業に向いている理由を、以下で紹介します。

最初のポイントは、自分のペースで働けることです。同じ社労士でも勤労型だと、就労時間が決まっています。休日返上で仕事が必要になったり、残業をしたりする人もいるでしょう。

しかし独立型の社労士は、そのようなリスクを抑えられます。生活状況によっては、週4日労働にしたり、休日だけ社労士として働いたりできるのです。このように自分のペースで働ける可能性は、開業社労士のメリットです。

次は独立開業による高収入の可能性です。開業後の成功レベルによっては、年収1000万円も想定されます。

社労士の収入源は、書類作成や手続きの代行料、労務管理に関する相談料などです。とくに書類作成は、社労士の独占業務になることがあります。これらの代行料にもよりますが、多くの案件をこなすことで高年収につながるでしょう。

以上から独立開業で、勤務型社労士よりもまとまった収入の可能性があります。

最後のポイントは、新しいタイプの企業を相手にできることです。近年はAIや仮想通貨、リモートワークなど新しいビジネス分野が生まれています。これらを扱う企業にとっても、労務管理が大切です。

たとえば社労士自身が、リモートワークに詳しいとしましょう。実際にリモートワークを扱う企業に、法的知識だけでなく独自のポイントから、労務環境のアドバイスができます。関連システムやサービスを扱う企業に対しても、適切な対応を進められるのです。

以上から独立社労士は、社会変化にも柔軟に適応できるでしょう。

独立開業が狙えるおすすめの資格「マンション管理士」

正式名称マンション管理士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格年齢・性別・学歴など資格の制限はなし
試験日試験日:例年11月の最終日曜日
受験料9,400円(非課税)
受験者数(2023年度)11,158人
合格者数(2023年度)1,125人
合格率(2023年度)10.1%
フォーサイト合格率(2023年度)31%
偏差値62
マンション管理士について詳しくはこちら

マンション管理士は、その名のとおりマンションに人々が安心して住めるように、維持管理をサポートする仕事です。こちらも独立開業で大きく稼げる可能性があります。おすすめの理由と、独立開業に向いているポイントを見ていきましょう。

マンション管理士がおすすめの理由

マンション管理士がおすすめである理由を、3つ紹介します。不動産業界での有用性や、アドバイス業務による社会貢献、プライベートでも知識を活かせる可能性です。それぞれの詳細を見ていきましょう。

最初は不動産業界で役に立つ可能性です。マンション管理士の資格試験ではマンションの構造や設備、区分所有法などの知識を学べます。ほかにも民法のような一般的な法知識も習得可能です。

このような背景から、さまざまな不動産管理会社がマンション管理士を求めています。専門知識をもとに、マンションに関する問題解決を望んでいるからです。以上から管理士資格は、キャリアメイクにおすすめといえます。

次はアドバイス業務によるやりがいです。マンションの住人や管理者などの悩みに寄り添い、解決してあげることが重要になります。こちらの成功体験を重ねれば、それだけ社会貢献にもなるのです。

マンション管理士の場合、住民トラブルや管理規約などの相談にも応じます。たとえばトラブル解決で、住人は安心の日々を過ごせます。また管理規約を作ることでルールがわかり、住人たちは健全な暮らしができます。このようにアドバイス業務による社会貢献が、マンション管理士の使命感につながるのです。

またプライベートに知識を活かせることもポイントです。自分がマンションに暮らしている場合は、専門知識を活かし、安心の生活につなげられます。

管理士試験で学んだ知識があれば、たとえば管理規約のおかしいポイントにも気づけるでしょう。それを管理会社に問い合わせることで、住環境を改善できるかもしれません。仕事だけでなくプライベートの役に立つ可能性も、マンション管理士の魅力です。

マンション管理士が独立開業に向いている理由

マンション管理士が独立開業に向いている理由を、3つ紹介します。最初は収入アップの可能性です。ほかにも資格としての長期的需要や、コミュニケーション能力を活かすチャンスも挙げられます。それぞれの詳細を見ていきましょう。

最初のポイントは収入アップの可能性です。独立開業後に契約件数を重ねれば、それだけ収入が大きくなります。

また他資格とのダブルライセンスで、さらなる収入確保も可能です。たとえばマンション管理士と行政書士を同時に持っているとしましょう。マンション管理組合の人脈を活かして仕事ができるほか、管理会社から書類作成代行の依頼を受けるかもしれません。

このようにマンション管理士は、働き方次第で高収入を狙えます。

次はマンション管理士としての、長期的需要の可能性です。この仕事は、人間の生活で大事な衣食住のうち、「住」を扱います。なかでもマンションは不特定多数が同じ建物の中で生活しているので、維持管理は重要な課題です。

以上からマンション管理士として独立したら、さまざまな管理会社から相談を受けるかもしれません。地域によってはマンションが密集しているところもあります。このような場所をターゲットにして、仕事を増やす人もいるでしょう。その意味でもマンション管理士は、独立後の需要に期待できます。

マンション管理士の独立開業は、コミュニケーション能力のある人ならものにできるでしょう。住民のトラブルや管理規約関連のコンサルティングなど、言葉を交わしながらのやり取りが大切だからです。

コミュニケーション能力があれば、独立開業後も管理会社へ積極的に売り込み、仕事を取れる可能性があります。独自の営業戦略を交えることで、さまざまな人が興味を示すでしょう。このように会話がうまい人は、マンション管理士としての独立にも向いています。

独立開業が狙えるおすすめの資格「司法書士」

正式名称司法書士
資格種類国家資格
分野法律
団体法務省 東京法務局
試験形式筆記・口述試験
受験資格制限なし
試験日筆記試験・7月上旬
口述試験・10月下旬
受験料8,000円
受験者数(2023年度)13,372人
合格者数(2023年度)695人
合格率(2023年度)5.2%
フォーサイトの合格率(2023年度)15.4%
偏差値78
司法書士について詳しくはこちら

司法書士とは、行政機関に出す書類の作成や提出、審査請求などをします。この職業ならではの独占業務もあり、独立開業で一定の収入を見込めるでしょう。ここでは司法書士の魅力を解説します。

司法書士がおすすめの理由

司法書士がおすすめである理由は3つです。高年収の可能性や長期的需要、高度な法的知識です。それぞれの詳細を確かめてください。

まずは働き方次第で、高収入を見込めることです。司法書士は業務が幅広いため、得意分野を見つければ収入のきっかけをつかめます。

司法書士の業務には登記、供託、書類作成、相続・成年後見関連などがあります。たとえばこのなかで書類作成が得意になったとしましょう。仕事が忙しくて書類を作る時間がない人を集客すれば、代行件数を増やせます。このように働き方がうまければ、収入アップを見込めるが司法書士です。

次のポイントは、長期的な需要です。司法書士の業務は、日々の生活や企業活動に関わります。独占業務の関係もあるため、AIの代替可能性も低いとされるのです。

たとえば相続・成年後見業務のために、司法書士へ相談する人がいます。ここで司法書士は遺言書作成や、不動産移転登記などに関する対応をする形です。時代が変わっても、家族が亡くなったときの相続や、不動産関連の手続きは誰にでも起きます。こうした状況への対処には、司法書士のサポートが欠かせません。

以上を考えても司法書士の需要は、これからも続くでしょう。

最後のポイントは高度な法的知識です。司法書士には、登記のような独占業務があります。このような業務をこなすには、法律の専門知識が必要です。

司法書士合格をきっかけに、法律のエキスパートになれます。書類手続き代行や登記、相続などの問題にもスムーズに対処できるでしょう。高度な法的知識を学べる意味でも、司法書士は資格を目指す人におすすめです。

司法書士が独立開業に向いている理由

司法書士も独立開業に向いています。その理由として、司法書士事務所への長期的な需要、開業後の高収入、柔軟な働き方などが挙げられるのです。それぞれの詳細も確かめてください。

まずは長期的需要への期待です。司法書士は個人から企業まで、幅広い層を相手に業務を務めます。とくに独占業務があることがポイントです。

独占業務の例として、登記や供託関連の手続き代行、法務局への提出書類の作成などがあります。時代が変わって新しい仕事が生まれても、司法書士の独占業務が変わらない限りは、手続き代行を求める人が現れるでしょう。

独占業務を味方につければ、司法書士は独立後も高収入を望めます。

司法書士は独立開業後に、大きく稼げる可能性があります。開業した人によっては、年収1000万円以上を手にすることもあります。

たとえば司法書士は、法務局提出書類の作成代行が独占業務です。こちらを専門に営業活動をして、顧客を集めるのも選択肢です。その結果として興味を持った人が集まり、案件を重ねられるでしょう。

司法書士ならこのような形で、独立開業後も稼いでいけます。

司法書士は独立開業によって、柔軟な働き方ができます。開業した事務所では、自分が裁量を決められるからです。状況に応じて仕事内容や量の調整が可能です。

たとえば司法書士でも、育児や介護などプライベートなことを優先しなければなりません。以上を考えて、営業時間をカスタマイズできるのが独立開業のポイントです。司法書士として柔軟な働き方を求めるなら、独立開業まで視野に入れましょう。

まとめ

資格を取って独立開業したい人もいるでしょう。その場合は、主に士業資格がおすすめです。社会保険労務士やマンション管理士などなら、独立後の高収入を望めます。

ここで大切なのは経営計画です。起業前から集客方法やリスク対策などを充分に考えないと、失敗の可能性があります。このような事態を防ぐため、経営のノウハウを身につけ、独立後の戦略を作っておきましょう。

このように注意点はありますが、独立開業は社会的飛躍に向けた選択肢です。自信がある方は、ぜひ目指してみましょう。