
社労士の資格を取ったあと、どんな仕事をして、どう働き、どれくらいの収入になるのか。調べ始めると、独立開業の話、企業の人事で活かす話、年収の話が別々に出てきて、全体像がつかみにくくなります。社労士(社会保険労務士)の仕事は、労働・社会保険の手続きと、労務管理の相談・指導が中心です。同じ資格でも、事務所を開くか企業に勤めるか、どの分野を得意にするかで、働き方も収入の決まり方も変わります。
このページでは、社労士資格のキャリアについて押さえることを6つのテーマに分けて要約し、テーマごとのくわしい記事へ案内します。ご自身にいま必要なテーマから読み進めてみてください。なお、フォーサイトの社労士講座の合格率は63%(2025年度・全国平均5.47%)です。
※全額返金保証制度の確認テスト・学力テストの条件を満たした受講生のうち、受験番号を提出いただいた合格者数で算出しています。
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社労士の仕事内容・収入・将来性
社労士の仕事は、労働・社会保険の申請書類の作成と提出の代行、帳簿書類の作成、労務管理や社会保険についての相談・指導に分かれます。このうち書類の作成と提出の代行、帳簿書類の作成は、社労士でない人が報酬を得て仕事として行うことはできません。一方、相談・指導は社労士だけに認められた業務ではないため、ほかの専門家との違いは、相談から手続きまでを一続きで引き受けられる点にあります。このほか、行政機関への申請や審査請求などについて、本人に代わって主張や陳述をする事務代理も社労士の業務に含まれます。
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)では、社会保険労務士の年収は1,134.6万円、平均年齢は39.4歳です(令和7年賃金構造基本統計調査)。ただし、この調査は事業所に雇用される労働者が対象のため、事務所を開いて顧問先を持つ開業社労士の収入は含まれません。収入は、企業に勤めるか開業するかで決まり方が変わります。将来性も、手続きを中心にするか、相談・指導を中心にするかで見方が分かれます。まずは仕事の範囲を知り、そのうえで年収のデータと将来性を確かめてみましょう。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「社会保険労務士」
講師の経歴と学習へのメッセージは社労士講座の講師紹介(二神大貴講師)でご覧いただけます。
仕事内容・年収・将来性は、次の記事でくわしく解説しています。
社労士資格を活かしたキャリアの広げ方
社労士の働き方は、大きく「開業」と「勤務」に分かれます。事務所を定めて登録し、顧問先から仕事を受けるのが開業社労士、企業や社労士事務所に勤めながら社労士の業務に携わるのが勤務社労士です。第58回試験の合格者は会社員が61.9%を占め、女性も41.3%でした。勤め先で資格を活かす人も多く、ライフステージに合わせて働き方を選び直すこともできます。
どちらを選ぶかは、収入の安定と仕事の裁量のどちらを重く見るか、いまの仕事とのつながりで考えるのがおすすめです。中小企業診断士など別の資格と組み合わせて、相談の幅を広げる道もあります。また、紛争解決手続代理業務試験に合格して付記を受けると「特定社会保険労務士」となり、個別の労働トラブルのあっせんや調停の手続きで当事者の代理もできるようになります。
合格者の声声
(女性・総務人事を兼任・2回目の受験で合格)
総務・人事の仕事を急遽兼任することになり、労務管理や社会保険の知識を独学で身につけていくうちに社労士資格に興味を持ちました。
システムエンジニアから総務担当者へ転身して合格した方の体験記
(20代・男性・会社員・2回目の受験で合格)
会社の異動で総務人事部門に配属された私。業務に必要な専門知識を身につけるため社労士資格取得を決意しました。
働き方の選び方とキャリアの広げ方は、次の記事でくわしく解説しています。
専門分野で選ぶ社労士の仕事
社労士の仕事は範囲が広いため、得意分野を持つと仕事の受け方が変わります。障害年金の請求の支援、上場準備企業の労務の整備、就業規則の作成・見直しなどは、専門性を打ち出しやすい分野です。
社労士の相談・指導には、法令や労働協約、就業規則、労働契約が守られているかを確かめる監査も含まれます。手続きを正確にこなす力に加えて、会社の仕組みを見直す提案ができると、相談の範囲が広がります。自分の経験や関心に近い分野から調べてみましょう。
専門分野ごとの仕事は、次の記事でくわしく解説しています。
社労士事務所以外の業界で資格を活かす
社労士の資格は、社労士事務所の外でも活かせます。企業に勤めて社労士の業務に携わる人は「勤務社会保険労務士」として、勤め先の事業所を登録します。人事・組織の課題を扱うコンサルティング会社、人事の仕組みを一から作る成長企業、労働や年金の行政に携わる公的機関など、労働・社会保険の知識が求められる場は幅広くあります。
業界によって求められるのは、法令の知識そのものより、それを使って組織や制度を動かす力です。資格をどの立場で使いたいかを考えてから、業界ごとの働き方を比べてみてください。
業界ごとのキャリアは、次の記事でくわしく解説しています。
合格者・現役社労士のキャリア事例
合格後の進み方は人によって違います。営業職から未経験で独立した人、大手企業の人事部から独立した人、紹介を重ねて顧問先を増やした人など、出発点も進め方もさまざまです。
キャリアを考えるときは、成功した結果だけでなく、合格から登録、独立や転職までに何をしたかの順番を見ると参考になります。ご自身と出発点が近い人の事例から読んでみましょう。
合格者・現役社労士の事例は、次の記事でくわしく紹介しています。
開業・登録後の実務Q&A
社労士になるには、試験に合格したうえで、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事するか、厚生労働大臣が指定した講習を修了し、全国社会保険労務士会連合会の社会保険労務士名簿に登録します。令和8年8月31日現在の登録者数は47,407人です。
開業する場合は、事務所を定めて登録し、業務に使う道具や都道府県の社労士会との関わり方も決めていきます。専門家として相談を受ける以上、判断に迷う依頼への向き合い方も身につけておくと安心です。
開業・登録後の実務は、次の記事でくわしく解説しています。
社労士のキャリアについてよくある質問
労働・社会保険の申請書類の作成と提出の代行、帳簿書類の作成を、報酬を得て仕事として行うことです。労務管理や社会保険の相談・指導も社労士の業務ですが、社労士だけに認められた業務ではありません。
開業社労士は事務所を定めて登録し、顧問先などから仕事を受けます。勤務社労士は企業や社労士事務所に勤めながら社労士の業務に携わり、勤め先の事業所を登録します。
社会保険労務士名簿への登録が必要です。労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事するか、厚生労働大臣が指定した講習を修了すると、登録に進めます。
活かせます。企業に勤めて社労士の業務に携わる場合は、勤務社会保険労務士として勤め先の事業所を登録します。第58回試験の合格者も、会社員が61.9%を占めています。
紛争解決手続代理業務試験に合格し、その旨の付記を受けた社労士です。個別の労働トラブルについて、あっせんや調停などの手続きで当事者の代理ができます。
この記事のまとめ
- 社労士の仕事は、手続きの代行・帳簿書類の作成と、労務管理・社会保険の相談・指導が中心
- 働き方は開業と勤務に分かれ、収入の決まり方も異なる
- 得意分野や活かす業界によって、仕事の受け方とキャリアの広がり方が変わる
- 社労士になるには、合格後に実務経験か指定講習を経て、社会保険労務士名簿に登録する
気になるテーマが見つかったら、各章の末尾にある記事から読み進めてください。
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試験で学ぶ労働・社会保険の法令は、手続きの書類を作るときだけでなく、働く人や会社から相談を受けるときの土台にもなります。資格をどう活かすかは、開業するか勤め続けるかを先に決めるよりも、いまのお仕事やご関心と社労士の業務がどこで重なるかを考えるところから始めるのがよいと考えております。一人でも多くの方に、ご自身に合った形で資格を活かしていただきたいと思います。