社会人の学び直しにおすすめの資格は?収入UPを目指そう

社会人は学び直しによって、キャリアが変わるかもしれません。新しい資格取得で社会的視野が広がったり、収入を上げたりできるからです。現代社会は目まぐるしく変わるため、スキルのアップデートが欠かせません。その意味でも学び直しは、人生を変える選択肢です。

今回は社会人として勉強を考える方のために、学び直しの意味や利点などをまとめました。記事の後半では、こうした方にとっておすすめの資格を紹介しています。こちらを参考にキャリアを見直してみましょう。

目次

学び直しとは

まずは学び直しの定義を見ていきましょう。これは社会人の再チャレンジとして、政府が呼びかけているものです。そのためいつから始めても学び直しと呼べます。関連語として「リカレント教育」もあるので、こちらも含めて定義を解説します。

もともとは政府が社会人の再チャレンジとして定義

学び直しは、もともと政府発信の言葉です。文部科学省でも資格取得やスキルアップなどと合わせ、学び直しに応じた施策を定めています。学び直し情報のポータルサイト「マナパス」や、公共職業訓練、求職者支援制度などが代表例です。

社会人は政府が用意したプログラムを通して、学び直しを始められます。転職志望者だけでなく、失業者が再び仕事を探す過程でも有用です。このように社会では、高校や大学を卒業したあとの学習も重要とされています。政府が推進するほどですから、社会に出てからも学習の機会を考えてみましょう。

学び直しはいつからでも遅くない

学び直しに実質的な期限はありません。つまりいつから始めても遅くはないのです。政府の学び直しプログラムには、定年を迎えた世代の社会参加促進の意味もあります。何歳からでも、きっかけひとつで新しいことを勉強できるのです。

たとえば会社を定年で退職したあとも、年金だけでは食べていけるか不安な人がいます。地域や社会に関わり、コミュニケーションの機会を得たい人もいるだろう。そうしたことの実現に向けて、学び直しが役に立ちます。新しい学習経験を活かした仕事で、社会的なコミュニケーションも続けられるのです。

以上から何歳になっても、思い立ったら学び直してみましょう。

仕事と教育を繰り返す「リカレント教育」も

学び直しと似た概念に「リカレント教育」があります。社会進出後も必要なタイミングでさらなる教育を受ける結果、仕事と勉強を繰り返すことです。働きながら勉強をする人も、社会でよく見られるようになりました。

このような背景からリカレント教育自体が、学び直しの一環とされます。大学や大学院に通いながら仕事をする人もいますし、資格勉強に励む人もいる状況です。このような状況がリカレント教育に当てはまります。

仕事に人生を捧げる選択肢もありますが、さらなる成功のために勉強の時間も作ってみましょう。

学び直しがおすすめの理由

現状への不満足や、新しいことを始めたい気持ちがあれば、学び直しがおすすめです。定年後の暮らしの充実や、社会情勢変化への適応などを望めます。学び直しを推奨する理由を、ここでは3つにまとめました。

定年後も暮らしを充実させられる

学び直しによって、定年後も生きがいを見つけられるかもしれません。これには人生100年時代の到来が関わっています。100歳まで生きるなら、定年後も数十年にわたる人生計画が重要です。60歳以後の豊かな暮らしを目指すなら、資格取得も視野に入れてみませんか。

定年後の充実の暮らしには、人間とのふれあいが大切です。資格によっては定年のない仕事もあります。該当資格取得で、年齢を問わず仕事を続けられる可能性があります。このように学び直しは、人生に刺激を与える機会です。

定年後の暮らしまで考えるなら、資格でできる仕事を考えましょう。

社会情勢の変化に適応できる

学び直しの効果として、社会情勢変化への適応も望めます。社会が変われば、資格によって新しい需要が生まれるかもしれません。未来はどのような社会になるかわかりませんが、そこで活きる人々の役に立つために、資格が活きる可能性があります。

たとえば2020年代では、IoTやビッグデータ、AIなどの普及が予想されるでしょう。これらを取り扱う中小企業が、多数生まれるかもしれません。

そこでITパスポート資格があれば、IT業界への転職に役立ちます。社会保険労務士として、AIやビッグデータ系企業の労務管理を務める可能性もあるのです。社会情勢が変われば、既存の仕事もそれに合わせて変わるでしょう。

有資格者への需要は長い間変わらない可能性

学び直しの最後のメリットは、有資格者の長期的アドバンテージです。どのように社会が変わっても、資格によっては需要自体が変わらない可能性があります。そのため、数十年にわたり食べていける仕事を考え、それに合った資格を目指しましょう。

たとえばFP(ファイナンシャルプランナー)には、お金の問題を相談したい人が集まります。社会がどう変わっても、生活にお金が必要であることは変わらないからです。

また新しい資産概念として仮想通貨もありますが、こちらも資産運用や管理などの能力が問われます。減らしすぎると生活に悪影響なので、なるべく多く持ち続けたいところです。そのため仮想通貨の管理にもFPのアドバイスが重要とされます。

このように時代は変わっても、有資格者の必要性自体は変わらないでしょう。

学び直しのメリット

学び直しには、4つのメリットがあります。キャリアアップや転職市場での即戦力、年収増加などを見込めるでしょう。ここでは主なメリットを解説します。

キャリアアップのチャンス

学び直しによってキャリアアップの可能性があります。専門的知識の獲得で、高度な業務をこなせるからです。業務範囲の拡大で、収入アップを果たす人もいるでしょう。

大学を卒業しても社会人として仕事に苦戦したり、業務可能な範囲が狭くて収入を増やせなかったりする人がいます。その原因に、必要な知識の不足が挙げられるのです。以上の解決手段として、学び直しがあります。

このように学び直しの方法によっては、難しい仕事をこなすきっかけをつかめます。これが社会的ステータスの上昇につながるでしょう。

転職市場で即戦力になれる

学び直しがうまくいけば、転職市場で即戦力になれるでしょう。専門知識のアピールがうまくいけば、新しい環境でも活躍できます。将来のキャリアに合った資格を取り、できる人への成長を目指してください。

たとえば金融業界から不動産業界への転職の場合です。転職前に宅地建物取引士の資格を取った場合、不動産業界へ知識をアピールできます。マンションや土地の売買は多額の取引になるため、専門家のサポートが必要です。金融業界から転職した宅建士なら、お金の知識も不動産取引に活かせます。

このように学び直しがうまくいけば、それまでの経験値を活かしつつ、自分だけの働き方が可能です。

年収増加のチャンス

学び直しによって、年収増加にも期待できます。資格取得により手当をもらえたり、前の職場より給料が上がったりするためです。生活水準の向上にもつながるでしょう。

資格や就職先次第では、前職より年収が上がる人もいます。これにより仕事へのやりがいがついたり、幸福感が上がったりするでしょう。現状の収入が気になるなら、ステータスアップを見据えた学び直しが重要です。

社会人学習のおかげで、新しい知識の獲得だけでなく、ステータス向上も考えられます。

新しい人脈形成が可能

学び直しの最後のメリットは、人脈形成の可能性です。とくに通学講座を受ければ、会社とは違った社会人と交流できます。転職後も新しいネットワークを作り、出世の可能性を作れるのです。

たとえば士業系資格の取得により、専門家同士のコミュニティにも参加できます。相談者の問題解決や、社会情勢に応じた働き方などで、情報共有が可能です。人脈を味方につけることで、難しい問題もこなせるでしょう。

以上から学び直しは、自分の人脈を見直すチャンスでもあります。

学び直しのデメリット

学び直しはメリットばかりではありません。費用捻出や、仕事との両立などがカギです。ここでは実践前に注意すべきデメリットを、4つにまとめました。

費用がかかる

学び直しのために、費用がかかる点には要注意です。新しい近くのために通学や通信講座を受けると、お金を払わなければなりません。

学習費用のために、貯金を切り崩す人もいます。たとえば大学や資格スクールへの通学には、学費だけでなく交通費も要します。教材の準備にも相応のコストがかかるのです。資格試験に失敗すれば、さらなる学習費用を払うことにもなります。

学び直しに限らず、新しいことを始めるには、相応のコストに注意してください。

仕事との両立が難しい

仕事との両立が難しいことも、学び直しのデメリットです。本来の仕事が忙しいあまり、勉強時間を確保できない人もいます。仕事に疲れて、学習へのモチベーションを失う可能性さえあるでしょう。

職場によっては、理解を得られないことにも注意です。残業や休日出勤のせいで、資格試験の勉強を続けられない人もいます。目の前の仕事でいっぱいいっぱいになると、どうしても生活の大部分が犠牲になるからです。このように社会人の学び直しは、仕事との両立が前提です。これがうまくいかないと、人生で大切な決断は難しいでしょう。

学習対象の選択が難しい

学び直しのデメリットは、学習対象の選択の難しさです。将来のビジョンがあいまいだと、学び直しの成果が役に立ちません。本当に社会人の段階で学習が必要なのかを、自己分析しましょう。

たとえば宅地建物取引士試験を取得しても、最終的にIT業界への就職を目指す場合です。宅建士資格は不動産や金融で効果を生むとされます。IT業界では通用しにくいでしょう。このように資格と転職先のミスマッチは避けたいところです。学び直す前に、将来の人生計画を考えましょう。

学び直しを評価しない企業もある

企業によっては学び直しを評価しません。転職者はほとんどの場合、中途採用になります。このとき採用担当者は、実務経験を重視します。転職先の業界で未経験だと、それだけで不利になる可能性があるのです。

以上から実務経験を重視する求人だと、学び直しが評価を受けにくいといえます。資格による知識のアピールよりも、実務経験に魅力を感じるからです。求人によっては中途採用でも未経験を歓迎することもあります。それでも学び直す人は、人材として未経験の領域に飛び込む可能性を意識してください。

学び直しがおすすめの人の特徴

学び直しがおすすめのタイプを紹介します。ビジネススキルの向上や、他者との差別化の希望などがあれば、新たなことを学んでみましょう。ここでは、学び直しに向いている人間像をまとめました。

ビジネススキルを磨きたい人

ビジネススキルの勉強によって、学び直しの成果を出せる可能性があります。仕事全般で必要なスキルは、さまざまな業界に通用するからです。このような能力を伸ばしたおかげで、出世街道を歩む人もいるでしょう。

たとえば簿記やFPは、ビジネススキルを磨くことに向いています。簿記は経理の仕事で重要です。企業やその顧客はお金の問題を抱えることがあるため、FPも幅広い業界に通用します。このように簿記やFPといった資格は、ビジネスマンの味方になるでしょう。

他人との差別化を望む人

他人との差別化が目的なら、学び直しが選択肢です。資格取得によって、人材的なアドバンテージを得られるからです。資格手当による収入増によって、仕事へのやりがいも見出せるでしょう。

たとえば金融業に務める人が宅建士資格を取れば、不動産に関して法的なアドバイスを送れます。銀行では不動産取引のためにローンを組む人がいますが、その相手に不動産の選定方法や手続きの注意点などを伝えられるのです。

このように資格自体が、他人にはない魅力のアピールになります。

転職を考えている人

転職志向をきっかけに、学び直しを始めてもよいでしょう。とくに現状のキャリアに納得していないときほど、新しい知識の獲得が重要視されます。将来の出世過程によっては、学び直しが功を奏すでしょう。

たとえば法律の知識を活かした仕事に移りたいとします。社会保険労務士や行政書士なら、法律の知識を仕入れられるでしょう。それぞれ独占業務もあるため、人材として重宝を受けられます。

以上から転職志向があれば、学び直しの必要性を考えてください。そこで勉強が必要なら、自分が生まれ変わるチャンスと、前向きな気持ちを持ちましょう。

年齢別学び直し

ここでは世代別における学び直しのポイントを紹介します。30代以下の社会人世代なら、将来を見据えた社会的視野の拡大がテーマです。40代以降の中高年なら、定年後のキャリアプランを見据えて、適切な資格を取りましょう。年齢別の学び直しについてまとめました。

30代以下の社会人世代

30代以下の社会人世代は、社会的視野の拡大を考えてください。年齢が若いうちは、社会においてまだ知らない部分があります。何の勉強もしないで転職を考えると、新しい職場になじめないかもしれません。逆に転職に必要な知識を得れば、即戦力の可能性があります。

将来のために学びたいものを見つけた場合、その理由をじっくりと考えましょう。このような自己分析を充分と判断したら、将来に向けて必要な資格を選び、勉学に励んでください。これを機に、一度捨てた勉強の習慣も再び身につけられます。

若い世代だからこそ、いつ新しいチャレンジが訪れるかわかりません。以上を考えても、常に新しい知識を学ぶとよいでしょう。

40代以降の中高年世代

40代以降は定年後も意識して、キャリアプランを立ててください。年金暮らしだけでは、収入に不安を感じる人がいるからです。一方で資格取得により長期的な収入を確保できれば、老後の不安解消にもつながります。

以上を考えると、定年後も働ける資格がおすすめです。60代以降の生き方も考えながら、適切な資格を選んでください。いつまでも働くためには、なるべく得意だったり、好きだったりするものが関わる資格が理想です。

学び直しは40代以降でもありえます。この場合は老後の生き方まで意識しながら、学習のターゲットを考えましょう。

学び直しとして何から始めたらよいのか

学び直しで勉強すべきことがわからない方もいるでしょう。この場合はリカレント教育関連プログラムを確かめてください。成功者の体験談なども参考になります。学び直しのヒントを、以下にまとめました。

リカレント教育関連プログラムをチェック

学び直しに迷ったら、リカレント教育関連プログラムを確かめてください。社会人の学び直しの実態を知ったり、学びの情報がわかったりするからです。こちらを参考に、理想の学習プランを組んでください。

たとえば学び直し関連のコンテンツには、社会人の学習事情がまとめられています。ほかにも資格に応じた講座情報もチェック可能です。なかには短期での資格取得を目指す集中講座も含まれます。週末や夜間に対応した大学の情報も見つかるかもしれません。

このようにリカレント教育に関わるコンテンツは、学び直しのヒントを示しています。

学び直しの成功体験を知る

学び直しの成功体験を参考にしてみましょう。成功者のインタビューから、ヒントを得られるかもしれません。成功者の実践方法によっては、自分もできると希望を見出す可能性もあります。

成功者の記事では、目当ての資格を取った人が気になるところです。しかしほかの資格の取得者でも、学習方法から生活まで、ためになるポイントがあるかもしれません。このようにさまざまな人のインタビューを見れば、資格を求めた動機や、取得後の行動などを参考にできます。

学び直しに成功した人の体験談は、あなたの人生を変えるヒントになるかもしれません。

食べていけそうな業界を考える

学び直しをするなら、食べていけそうな業界を分析してください。何でも学んでおけばいいという考え方では、学習内容を仕事に役立てられない可能性があります。取得資格と、転職先の業種とのミスマッチは、学習時間や費用の無駄になるので注意です。

ここで大切なのはキャリアプランになります。想定のキャリアが自分に合っていることが大切です。こちらの分析を終えてから、適切な資格を決めるとよいでしょう。その資格取得による安定収入の可能性も確かめてください。

このように食べていけそうな業界を考えることで、理想のキャリアプランを作れます。

参考:女性エンジニアのキャリアプラン〜理想的な働き方を実現する方法を解説!|転スト

学び直しの支援制度もある

学び直しには、公的な支援制度もあります。資格取得に役立つこともあるので、ぜひチェックしてください。ここでは厚生労働省の学び直し促進ガイドラインをはじめ、社会人学習でおすすめの制度を紹介します。

厚生労働省は学び直し促進ガイドラインを策定

厚生労働省は学び直しについて、促進ガイドラインを作っています。人材強化を目的に、職場における学び直しの機運強化を促すものです。現代社会では企業も、学び直しのガイドラインに応じた労務管理を求められます。そのため勉強したいことがあったら、企業に相談するとよいでしょう。

たとえばガイドラインでは、労働者の学習機会獲得にあたり、労使の協力が必要とされます。そのなかで経営者自身が、従業員の学び直しについて理解しなければなりません。キャリアコンサルタントとの提携も重要です。学び直す労働者に対して学習面だけでなくスケジュール、精神面などでのサポートをします。

以上から企業によっては、社会人学習に寛容なところもあるのです。企業の後押しが、社会人学習の第一歩につながるかもしれません。

労働者に対する学び直しの支援

労働者への学び直し支援プログラムもあります。社会人でも学習にはお金と時間がかかるのです。そこで学習成果を社会に結びつける取り組みも欠かせません。

たとえば教育訓練給付金なら、指定講座修了後、受講費用の一部を支給してもらえます。実質的なキャッシュバックとなり、お得な条件で勉強できるのです。

支援プログラムでは、キャリアコンサルティングへの相談も可能です。そのためサポートセンターで、コンサルタントに無料相談をする人もいます。このようなサポートシステムは、積極的に使うとよいでしょう。

社会人の学びの情報を確かめられる

社会人の学び直し事情も参考にしてください。インターネットには、社会人学習の成功体験や、関連情報をまとめたサイトがあります。ここから社会人学習のヒントを得られるでしょう。

代表例は文部科学省の「マナパス」です。こちらでは地域や学校種別、金額などに応じた学習プログラムの検索ができます。学び直しの重要情報をまとめたコラムも参考にできるでしょう。学びの情報は社会人学習の味方になるので、積極的に触れてください。

学び直しにおすすめの資格6選

学び直しに推奨できる資格として、次の6つがあります。

  • 中小企業診断士
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • 簿記
  • ITパスポート
  • 宅地建物取引士
  • 社会保険労務士

どれも資格取得で、人材としての需要を見込めます。たとえば宅地建物取引士は、主に不動産業界で活きます。FPや簿記を通して、お金やビジネスのスキルを磨いてもよいでしょう。ここからは学び直しに合った6つの資格を、それぞれ解説します。

中小企業診断士

正式名称中小企業診断士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体日本経営士協会
試験形式筆記試験
受験資格1次試験:特になし
2次試験:第1次試験合格者
試験日1次試験 8月上旬頃の2日間
2次試験 10月下旬
口述試験 12月中旬
受験料1次試験 13,000円
2次試験 17,200円
受験者数(2022年)1次試験:17,345人
2次試験:8,712人
合格者数(2022年)1次試験:5,019人
2次試験:1,625人
合格率(2022年)1次試験:28.9%
2次試験:18.7%
フォーサイト合格率(2022年)60%
偏差値67
中小企業診断士について詳しくはこちら

中小企業診断士は、その名のとおり中小企業の経営状況を確かめ、適切なアドバイスを送る企業です。学び直しにおすすめである理由を、3つ紹介します。

事業の多様化により需要安定が想定される

中小企業診断士は、社会情勢の変化があっても需要を望めます。新しい文明が取り入れられるたびに、それに応じたタイプの起業者が現れるからです。

社会では時が進むにつれ、新しいビジネスが登場します。現代でもリモートワークやAI、仮想通貨などの新文明が生まれる状況です。これらに特化した中小企業が、診断士と契約を結ぶケースもあります。

以上から中小企業診断士は、新しいビジネスをする企業の需要につながるでしょう。その意味では、転職先として選択肢になります。

コンサルタントとして独立開業も可能

中小企業診断士は、コンサルタントとして独立開業を見込めます。組織へのアドバイスが好きで、高収入を求めるなら独立開業を視野に入れられるでしょう。

学び直しの結果、コンサルタントとしての知識を手に入れられる点が大きいといえます。転職前の社会経験も活かしながら、最適なアドバイスを見出せるからです。独立開業によって、転職前より高収入も望めます。

コミュニケーション能力を活かすなら、中小企業診断士としての独立開業もよいでしょう。

社内外での信頼性アップにも期待

中小企業診断士の資格を取れば、社内外での信頼性アップも望めます。経営コンサルタント唯一の国家資格なので、人材として重要になれます。

たとえば営業やシステム開発などは、社外の人と接点を作れるのが特徴です。適切な企業とコミュニケーションを取るために、他社分析ができます。診断士資格は自分が働く企業のために、交流先を選ぶ役目にもなるのです。

健全な取引先や提携先を見極める能力は、社内外での信頼性につながるでしょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格FP2級:以下のいずれかに該当する人
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務の2年以上の実務経験者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
・日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人
試験日FP2級〜3級
年に3回(5月・9月・1月)に実施
受験料FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円
受験者数(2023年1月)FP2級
学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
合格者数(2023年1月)FP2級
学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
合格率FP2級
学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月)FP2級
学科試験:93.8%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPは、お金の問題を抱えた相談者に対し、専門知識からアドバイスを送ります。以上から問題解決へ導く職業です。学び直しに向いている理由として、以下の3つを紹介します。

金融業界で重要視されている資格

FPは金融業界で重要視を受けています。お金の問題を抱える相談者が日々想定されるためです。そこで金融機関にとっては、説得力のある顧客対応が重要になります。

たとえば銀行では、保険や資産運用などのサービスが欠かせません。顧客に応じて適切なプラン提供が必要です。ここにFPとしての知識が問われます。顧客に尽くす意味でも、金融業界でFPの知識は重要です。

コンサルティングに必要な知識を磨ける

FP資格取得により、コンサルティングに必要な知識を磨けます。FPはアドバイザーの一種なので、顧客に寄り添った対応が必要です。相手を納得させるためには、専門知識の裏づけが欠かせません。

FPへ相談に訪れる人は、金銭的な知識がないことが想定されます。知識のない人に対しては、専門的なアドバイスが重要です。金融とアドバイザーの能力を両立させるなら、FPが向いているでしょう。

日常生活のお金の悩みも解決できる

FPを学べば、日常生活におけるお金の悩みも解決できます。自分の生活を豊かにするためにも、金融の知識を問われるからです。

学び直しを考えること自体が、自分の人生をより豊かにしたいという意識の現れです。FP資格取得を機に、プライベートでのお金の流れを見直してみましょう。生活費だけでなく資産運用の必要性、家を買うタイミングなども分析できます。

FPの知識は転職だけでなく、生活を変えるきっかけにもなるのです。

簿記

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

簿記は、企業活動におけるお金の流れを把握する仕事です。これを帳簿記入と呼びます。ほかにも決算資料のまとめなど、業務は多彩です。簿記が学び直しに役立つ理由をまとめました。

基本的なビジネススキルを備えられる

簿記資格取得では、基本的なビジネススキルを手に入れられます。経理や営業などさまざまな面で、簿記知識は重要です。このようにビジネススキルは、学び直しのターゲットになります。

簿記は1級~3級、初級までありますが、最低でも2級以上が望ましいでしょう。経理関連書類の読解だけでなく、商業や工業など複数ジャンルで知識を活かせるからです。四半期報告書やキャッシュフロー計算など、専門的な業務もこなせます。

基本的なビジネススキルを備えれば、出世を果たせるかもしれません。

転職や昇給にも役立つ

簿記資格取得は、転職や昇給にも役立ちます。とくに1級や2級を持っていれば、社会的ステータスを上げられるでしょう。

たとえば簿記資格を取るだけでも、資格手当で年収が上がります。経理を中心としたビジネススキルの証明にもなるので、転職成功の可能性にもつながるでしょう。仕事探しから出世まで、簿記知識が味方になります。

他資格取得の足がかりにもなる

簿記資格は、他資格取得のきっかけにもなります。たとえば税理士や公認会計士を目指す人も、簿記1級取得で一定の予備知識につながるのです。ここから上級資格取得へのモチベーションも持てます。

加えてFPでは、幅広いジャンルの金融知識を要します。簿記の知識がFPの学習を助けるかもしれません。このように簿記は、他資格との関連性に注目です。

ITパスポート

正式名称ITパスポート
資格種類国家資格
分野IT
認定団体経済産業省
試験形式四肢択一式
受験資格特になし
試験日随時
受験料5,700円
受験者数(2022年度)231,526人
合格者数(2022年度)119,495人
合格率(2022年度)51.6%
フォーサイト合格率(2022年度)96.2%
偏差値45
ITパスポート検定について詳しくはこちら

ITパスポートは、ITの基礎知識を証明できます。社会人の段階でシステム系の仕事に興味を持ったら、ぜひ学び直しに選んでみましょう。おすすめの理由を、以下で3つ紹介します。

国家資格で企業からの信頼も期待できる

ITパスポート資格取得で、企業からの信頼を受けられます。国家資格として一定の社会的ステータスを見込めるからです。

ITパスポートは、テクノロジー業界での長期的活躍のきっかけになります。資格自体に有効期限はありません。ITが得意な方なら、持っていると得です。このようにITパスポートは、企業からの信頼につながるうえ、多種多様な活躍を見込めます。

IT業界でのキャリアメイクにつながる

IT業界でキャリアメイクを考えているなら、ITパスポートは重要です。テクノロジー業界ではシステムを使った複雑な業務があります。関連の基礎知識は最低限欠かせません。

たとえばITパスポートでは、テクノロジーの基本的なしくみを学べます。基礎知識はIT業界のさまざまな業務で応用可能です。ほかのIT系資格取得に向けた予備知識にもなるでしょう。このようにITパスポートから、多様なキャリアメイクが可能です。

専門性の高い業種にも就ける

ITパスポートのおかげで、専門性の高い業種にも就けるでしょう。企業は中途採用において、ITの実務経験を重視しがちです。しかしITパスポートがあれば、それに準じるスキルを評価する企業を見つけられます。

2020年代以降の社会では、IT技術を使い、労働者や顧客の満足度を上げるDX化が想定されます。ITパスポートの知識を活かして、DX化への貢献も可能です。未来のためにも、ITパスポートの資格がカギをにぎるかもしれません。

宅地建物取引士

正式名称宅地建物取引士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日2023年10月15日(日)
13時~15時
受験料8,200円(予定)
受験者数(2023年度)233,276人
合格者数(2023年度)40,025人
合格率(2023年度)17.2%
フォーサイト合格率(2023年度)76.1%
偏差値55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

宅地建物取引士は、不動産取引を助ける専門家です。不動産業界での活躍が期待できるため、学び直しに合う人もいるでしょう。おすすめの理由を、以下に3つまとめました。

不動産関連の専門的な仕事ができる

宅地建物取引士になれば、不動産関連の専門的な仕事が可能です。この資格には独占業務があります。その特質を活かせば、長期的な活躍を見込めるでしょう。

主な独占業務として、不動産契約を結ぶ前の重要事項説明、重要事項説明や契約内容証明への各記名などがあります。その職業にしかできないことがある仕事は、社会的なステータスが想定されるのです。以上から宅建士資格は、社会的ステータスの証明にもなります。

転職で有利になる可能性

宅地建物取引士の資格があれば、転職で有利になれるでしょう。不動産業界だけでなく金融や建設などでも、人材として重要視してもらえます。

とくに不動産売買や仲介をする企業は、宅建士の雇用義務があり、5人に1人の割合で置かなければなりません。従業員数が多いほど、それだけ宅建士が必要です。以上から不動産業界への転職を考えるなら、宅建士資格を取り、建物の売買や仲介を扱う企業を目指してみましょう。

日常生活でも知識を使える

宅地建物取引士の資格は、日常生活にも役立ちます。マイホームの購入や新しい賃貸部屋を借りる契約、親族からの相続などに役立つからです。

とくに不動産取引は高額になります。トラブルに見舞われると大きな損失になるので注意です。宅建士の知識を活かし、トラブル対策に努めましょう。このように宅建士の学び直しは仕事だけでなく、日常生活の味方にもなります。

社会保険労務士

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日2023年8月27日(日)
受験料15,000円※非課税
受験者数(2023年度)42,741人
合格者数(2023年度)2,720人
合格率(2023年度)6.4%
フォーサイト合格率(2023年度)26.4%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

社会保険労務士は人材に関する専門家です。企業を相手に労務管理や年金などのアドバイス、関連書類の手続き代行などを務めます。学び直しとしておすすめになる要素を、ここでも3つにまとめました。

社会貢献を望める

社会保険労務士の資格を取れば、社会貢献を望めます。企業発展のパートナーになれるからです。

たとえば社労士は企業に対し、人事や労務の観点から改善策を提案できます。企業は労働問題回避とともに、社会へ健全性のアピールが可能です。このように社労士は企業とWin-Winの関係になれます。

社会貢献を意識した学び直しなら、社労士がおすすめです。

独占業務でやりがいを見出せる

社会保険労務士は独占業務により、やりがいを見出せます。独占業務の代表例として、労働社会保険諸法令に基づいた書類作成があるからです。その書類の提出代行も、社労士の仕事になります。

また独占業務ではありませんが、コンサルティングも可能です。コミュニケーションの能力の高い人は、その強みを社労士として発揮できます。書類作成代行からアドバイスまで、企業の味方になれるのが社労士の魅力です。

独立開業も視野に入れられる

社会保険労務士になれば、独立開業も視野に入れられます。開業後の経営が軌道に乗れば、安定した収入を得られるでしょう。

企業で働く方には、独立志向を持つ人がいます。士業資格取得をきっかけに、開業への道が開くでしょう。最初は社労士事務所で業務経験を積みつつ、経営のノウハウを学ぶことが大切です。開業後に営業活動がうまくいけば、高収入も見込めます。

独立開業を見据えた学び直しとしても、社労士が選択肢になります。

まとめ

社会情勢が変化しやすいなか、社会人の学び直しが重要とされます。学び直しで取った資格によっては、転職後の成功につながるでしょう。そこでFPや簿記、宅地建物取引士などの資格がおすすめです。これらは社会情勢が変わっても、長期的な需要を見込めます。

人生100年時代の生活を考え、自分に合った資格を狙いましょう。定年後のキャリアまで考えつつ、必要な資格を取れば、高齢になっても稼げる可能性があります。