日々の生活をより過ごしやすくするためにおすすめの資格とは?

資格の取得には当然ながらある程度の時間が必要になります。就職活動をする学生にとっても、日々の仕事に追われる社会人にとっても、資格取得のための勉強時間は非常に貴重な時間です。せっかく貴重な時間を費やすのであれば、その後の毎日の生活で役に立つような資格を取得したいところ。そこでこの記事では、毎日の生活の中で役立つシーンが多い資格をいくつかご紹介します。

専門性よりも汎用性に注目

資格には国家資格、公的資格、民間資格を合わせるとかなりの数があります。この資格の中には仕事上で非常に有利になる資格もありますし、自身の生活や趣味において活用できる資格、そしてどちらにおいても使える資格があります。

仕事上のみで使える資格の多くは専門性が高いものが多く、汎用性という点ではあまり高くありません。この傾向は趣味に使える資格でも同じことが言え、その分野に特化した知識が求められます。

これに対して仕事でも趣味でも私生活でも使いやすい資格は、いろいろなシーンで役立つ汎用性の高さを持っています。汎用性が高いということは、より幅広い知識が求められる資格であり、取得を目指すことでさまざまな分野の勉強が必要になります。

幅広い分野の知識が身に付き、さらに日々の生活でも役立つような汎用性の高い資格をいくつかご紹介しましょう。

日商簿記

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

経営管理に役立つ人気資格

日商簿記の資格は、経理や財務、人事、総務などのデスクワークで活躍する資格です。2級を取得すれば、商業簿記に加え工業簿記の知識もつき、財務諸表からその中小企業の財務状況を推測できるようになります。

業界を問わず、デスクワーク全般で活用できる資格で、総務や経理などの職種では持っているのが必須、もしくは推奨されることもあります。また、中小企業の財務状況を推測することができるので、営業職でも持っていると有利になる資格でもあります。

日商簿記2級の資格は、仕事上で使えるだけではありません。日常生活でもこの資格が役立つシーンは多くあります。そんなシーンをいくつか紹介していきましょう。

家計簿など日々の生活シーンでも活躍

まずは家計簿をつける場面でしょう。日商簿記2級の資格を取得できるほどの知識があれば、同じ家計簿をつけたとしても、より専門的な視点で分析することができるようになります。

単純に家計簿をつけるだけではなく、そこから自身の財務状況の分析が可能。キャッシュフローを確認し、無駄な支出を無理なく抑えることができるようになります。

さらに株式投資などの場面でも役立つことがあります。中小企業の株主になると、その会社の財務諸表の開示請求ができます。そこで開示された財務諸表から、その企業の財務状況を判断できるようになりますので、投資判断に役立つようになります。

ファイナンシャルプランナー

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格FP2級:以下のいずれかに該当する人
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務の2年以上の実務経験者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
・日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人
試験日FP2級〜3級
年に3回(5月・9月・1月)に実施
受験料FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円
受験者数(2023年1月)FP2級
学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
合格者数(2023年1月)FP2級
学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
合格率FP2級
学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月)FP2級
学科試験:93.8%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

コンサルティング業界を中心に人気の資格

ファイナンシャルプランナー(以下、FP)とは、顧客のライフスタイルや家族構成、資産状況から最適な資産運用についてアドバイスができる資格になります。FP資格はいくつか存在しますが、中でも社会的な信用が高いのが国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士の資格です。

仕事面で考えると、コンサルティング業界を中心に保険会社、不動産業界で求人の多い資格で、活躍の場が広い資格になります。さらに独立開業することも可能な資格であり、持っているだけで非常に使い勝手の良い資格になります。

FPの資格試験では、税制や保険制度、金融関係などの幅広い知識が問われるため、しっかりと試験勉強をしないと取得できない資格になりますが、国家資格の中では比較的取得難易度の低い資格です。

まずはしっかりとしたテキスト、講習などを見つけ、じっくり準備して試験に挑むようにしましょう。

自身の将来設計や毎日の生活に役立つ

顧客の資産運用へアドバイスができる資格ですので、当然自身の資産運用に関しても知識を転用することが可能です。自身一人の時、結婚をした時、お子さんができた時など、自身の生活状況が変わったタイミングでそのたびに資産運用に関して冷静に見直すことが可能です。

もちろん将来設計ができるということは、転じて今何をすればいいのかも理解できるということになります。将来に向けてどのようにして生活していけばいいかが判断できるため、現在から将来に向けて、しっかりとした資産運用を考えられます。

少子高齢化が進む今の日本において、だれもが将来に不安を持って生きています。そんな中で余裕を持って生活できるのは大きなメリットといえるでしょう。

もちろんこの知識が生かせるのは自分自身のみに限らず、友人や知人、親族などの資産運用の相談に乗ることもできるため、仕事に直結しなくても、生活の中で役立つことが多い資格といえます。

インテリアコーディネーター

正式名称インテリアコーディネーター
資格種類民間資格
分野生活
認定団体公益社団法人インテリア産業協会
試験形式マークシート
受験資格特になし
試験日一次試験:10月上旬
二次試験:12月上旬
受験料14,850円
受験者数(2022年度)8,943人
合格者数(2022年度)2,193人
合格率(2022年度)24.5%
フォーサイトの合格率(2022年度)-
偏差値53
インテリアコーディネーターについて詳しくはこちら

見た目だけではなく素材の知識も取得可能

インテリアコーディネーターという資格には、できあがった部屋をいかにおしゃれに、美しく飾り付けるかというイメージがあるかもしれません。しかし、インテリアデザイナーの資格を取得するには、デザイン面だけではなく建築構造や部材などの知識も必要です。より幅広い知識が求められる資格で、この知識が生活のさまざまな場で役立てることができます。

仕事面で考えると、ハウスメーカーや内装業者では必須の資格であり、多くの求人があります。さらにこの資格を持つことで、資格手当をもらえるなど、収入アップにつながることもあります。

自宅を生活しやすい空間にプロデュース

インテリアコーディネーターの資格があれば、何より自宅をコーディネートすることができます。マイホームを購入した場合、自身の好みに合わせて部屋を作り上げることができます。

その場合も単純におしゃれな部屋にするだけではなく、建物の建築構造や部材に合わせたトータルコーディネートもできるようになります。また、お部屋が狭くてもそのサイズの部屋に合わせたコーディネートをするだけの知識が身に付きますので、どんな状況でも快適な住空間を作り出すことができます。

インテリアコーディネーターの資格は、もちろん取得するのがベストですが、取得に向けた勉強をするだけでも十分日々の生活に役立つ資格になります。

年金アドバイザー

正式名称年金アドバイザー3級
資格種類民間資格
分野金融
認定団体-
試験形式2級 記述式
3級 5答択一式
4級 3答択一式
受験資格特になし
試験日2級 3月の最初の日曜日
3級 3月の最初の日曜日・10月の最終日曜日
4級 3月の最初の日曜日
受験料2級 6,600円(税込)
3級 4,400円(税込)
4級 3,300円(税込)
受験者数(2023年10月)2,495人
合格者数(2023年10月)551人
合格率(2023年10月)22.08%
フォーサイト合格率(2023年10月)79.4%
偏差値43
年金アドバイザーについて詳しくはこちら

将来の不安を取り除ける資格

年金アドバイザーは、各種年金に関する知識のスペシャリストです。年金については種類が多く、しかも仕組みが複雑なため、すべてをしっかりと理解している方はそう多くありません。そんな年金の専門家に対する需要は多く、仕事上でも活用できますが、日々の生活でも活用できる資格となります。

何より自身の年金についても判断ができるため、将来設計を考える際に非常に大きなポイントになります。さらに親族や友人、知人から相談された場合も、冷静かつ正確なアドバイスができますので、周囲の方にとってもありがたい資格といえるでしょう。

FPや社会保険労務士と併せて取得がおすすめ

年金アドバイザーは年金の専門家ですが、反対に言うと年金のみの専門家ということになります。自身の将来設計を考えるのであれば、ほかにも知識を持っておきたいところです。そこでおすすめになるのが社会保険労務士やFPといった資格です。

社会保険労務士は、労務や保険制度の専門家です。日々の生活で労務問題はあまり関係ありませんが、各種保険制度に詳しいことは、将来設計に役立てることができるでしょう。

FPは資産運用のアドバイスができる資格になりますので、当然自身の資産計画や運用に対しても転用することができます。年金アドバイザーと合わせてこれらの資格を持つことで、自身の将来的な資産運用にも活用可能です。

人生100年時代や、2,000万円不足問題など、現在現役世代として仕事に従事する方にとっては将来の問題は非常に大きな問題です。この問題に対しある程度の解答が出せる、また対策ができる資格として非常に有用な資格ということができるでしょう。

まとめ

世の中に数多い資格ですが、中には使える資格、使えない資格があります。使える資格の中には、仕事で活用できる資格、生活や趣味で使える資格、そして様々なシーンで活躍できる資格があります。

ここで紹介した資格は、汎用性が高く、仕事でも生活の中でも活用できる便利な資格です。また、こういった汎用性の高い資格は、試験の範囲は広いものの、比較的問題の難易度が低く、努力次第で十分取得可能です。

とはいえ、自身が興味を持てない分野ではなかなか勉強もはかどらないもの。まずは自分自身が興味を持てる分野や、気になる分野から汎用性の高い資格を見つけてみましょう。

資格取得と聞くと、やはり自身の仕事のために取得するもの、もしくは会社から言われて取得するものというイメージが強いかもしれません。しかし、資格をいろいろと調べると、仕事のためだけではなく、趣味や日々の生活に役立つ資格も存在します。

さらに言えば、資格取得のために勉強をすることで知識が身に付きます。こういった知識が人生に役立つことも少なくありません。資格は当然取得のために勉強をするわけですが、仮に取得に至らなくても目指すだけでも大きな意味があります。

こういった資格を取得することで、今後の人生をより充実したものにすることもできます。ぜひ自身にあった資格を見つけ出し、取得を検討してみましょう。