履歴書の書き方は?基本ルールや資格の示し方など

資格取得後に就職または転職活動をするため、履歴書の準備は大切です。正しいマナーに従って作れば、企業の面接で好印象を与えられるでしょう。そこで履歴書の様式や、項目別の書き方を覚えてください。

今回は資格取得後の就職や転職活動を考える方のため、履歴書の書き方をまとめました。この記事を読めば、履歴書をきれいに仕上げるヒントを得られます。就職や転職の成功に、ぜひ役立ててください。

目次

まずは履歴書の用意

まずは履歴書を準備してください。コンビニや文具専門店などで入手可能です。テンプレート提供サイトからのダウンロードもあります。また様式は企業からの指示に応じて決めましょう。ここでは履歴書準備で大切なポイントをまとめました。

履歴書を買える場所

履歴書を買える場所はさまざまです。コンビニや文具専門店、書店などで売っています。自宅から近い店舗を選べば、手軽に入手可能です。

最近はネットショップでも履歴書を注文できます。ショップによっては翌日配送を受けられるほどです。このように現代社会では、履歴書を簡単に手に入れられるようになりました。

企業からの指定がある場合は、それに従って履歴書を手に入れなければなりません。しかし指定がない場合は、自宅に近い店舗にあるタイプで、充分に対応できます。

テンプレートを提供するサイトもある

インターネットには、履歴書のテンプレートを提供するサイトもあります。就職や転職の情報サイトに加え、さまざまな書類の型式を公開するページもあります。時間帯や事情によって自宅から出られない場合は、こちらを使うとよいでしょう。

テンプレートはダウンロードによって入手できます。ここからプリンターを使い、印刷すればよいのです。以上の方法を使えば、自宅完結でスムーズに進められます。

また最近はパソコンやスマホによる完結で作れる履歴書があります。こちらは「電子履歴書」「デジタル履歴書」などです。適切なフォーマットの選択に加え、写真の挿入もできます。デジタル式の履歴書に対応している企業なら、こちらを使ってもよいでしょう。

就職や転職志望は、志望先の選考に落ちるケースも考えなければなりません。以上を考えても、テンプレートをいつでもダウンロードできる環境は助かるでしょう。

企業から履歴書の様式指定があれば従うこと

志望先の企業によっては、履歴書の様式指定があります。その場合は企業が決めたルールに従ってください。求められたものと違う履歴書を送ると、マナー違反として選考対象外になる可能性があります。

企業によっては履歴書のテンプレートを独自に作成しているため、指定があるならそちらを使わなければなりません。企業側が用意した履歴書テンプレートを手に入れる方法もさまざまです。

たとえば企業の公式サイトから、ダウンロードで手に入れられる場合があります。ほかにも企業への資料請求で郵送を受ける場合もあるのです。説明会で履歴書を配る企業も見られます。いずれにしても企業から書式指定がある場合は、関連ルールを確かめてください。以上を踏まえながら、適切な方法で手に入れることが大切です。

履歴書のサイズは2つ

履歴書のサイズは基本的に、A4とB5の2つです。A4は開いた場合にA3二つ折り、B5はB4二つ折りになります。基本的には企業から指示がない限り、どちらでも可能です。

しかしA4の方が、記入スペースが大きいといえます。企業にわかりやすく情報を伝えたり、アピールポイントが多かったりする場合はA4の方がよいでしょう。一方で情報量が少なくなりそうなら、B5でも問題ありません。

このように企業からとくに指定がなくても、必要な情報量に応じて適切なサイズを決めてください。

資格をアピールできる履歴書選び

履歴書で資格をアピールするには、規格選びも大切です。主にJIS規格や一般用、転職用などがあります。自身や志望先の状況に応じて、正しい規格を選んでください。ここでは主な履歴書の規格をまとめました。

JIS規格

JIS規格とは、履歴書におけるスタンダードの様式です。JISとは「日本工業規格(Japan Industrial Standards)」の略になります。ここで決まった形が、日本の履歴書様式の基本になっているのです。

就職先に送る場合は、JIS規格が一般的です。この形式では主な項目に現住所や連絡先、学歴・職歴、資格・免許、志望動機などがあります。履歴書内にある項目はすべて埋めてください。

JIS規格は履歴書のスタンダードです。そのため企業への応募歴が少ない場合は、こちらの使用が無難といえます。

一般用

一般用はJIS規格より項目が多くなっています。自己アピールを積極的に進めたい方に向いているでしょう。たくさんの項目をひととおり埋めることで、人物像を伝えやすくなるからです。

一般用の履歴書は、フリースペースの広さも特徴です。職歴や学歴以外の積極的なアピールにつながるでしょう。複数の資格を持っている場合も、一般用の方が書きやすいといえます。

積極的なアピールで好印象を受けたいなら、一般用の履歴書も選択肢です。

転職用

転職用の履歴書にも複数があります。代表的なのが職務経歴書用紙をともなったタイプです。退職理由の項目を含んだ転職用履歴書もあります。状況に応じて使いやすいタイプを決めてください。

転職回数が多い場合は、転職用履歴書がおすすめです。職歴が複雑だと、JIS規格では書ききれない可能性があります。以上を考えても、転職用の方が正確に情報を伝えきれるでしょう。

どのような人生においても、転職時は経歴を正確に伝える必要があります。経歴が複雑である場合は、転職用履歴書の使用が賢明です。

パート・アルバイト用

パートやアルバイトが就職先を探すための履歴書もあります。希望曜日や時間を書けるのがポイントです。このような非常勤の場合、時間によって事情があることが想定されます。以上を考えても、シフト面での希望を書けるスペースは重要です。

主婦や学生は、パートまたはアルバイトで仕事を探す場合があります。資格を活かしてアルバイトをしたい人もいるでしょう。その場合は非常勤用の履歴書の方が、過不足なく必要情報を書けます。正社員以外での仕事を探すなら、非常勤用の履歴書がおすすめです。

各項目の基本ルール

履歴書にはさまざまな項目があり、それぞれ適切な書き方があります。ここでは基本情報欄や学歴・職歴、志望動機など、項目別の正しい書き方をまとめました。以上を踏まえて、面接の相手に好印象を与えられる履歴書を作ってください。

基本情報欄

基本情報欄では、以下の項目を埋めていきます。

項目 ポイント
日付 ・提出または投函日、面接に持っていくときなどの日付を記入
・履歴書全体で、元号つきか西暦表記かを統一
氏名 ・姓と名の間にスペースを設ける
・ふりがなは「ふりがな」表記ならひらがな、「フリガナ」表記ならカタカナ
・氏名欄の右端には印鑑
年齢 ・送付時の年齢
住所 ・都道府県から記入
・連絡先の欄は現住所と違うときだけ記入
電話番号 ・携帯電話のみでも可能
メールアドレス ・会社用は書かないこと
・スムーズに連絡ができるアドレスを記入

このように基本的な個人情報を、漏れなく書いてください。

学歴・職歴

学歴や職歴は、以下のように書いてください。

項目 ポイント
学歴 ・高校や専門学校などから記入を始める。最終学歴が中学校なら中学校卒業を示す。中退なら、最後に中途退学した学校を記し「中退」で締める
・学校名は略称ではなく正式名称で示す
・学部や学科、コース名などを示す
・応募職種で活かせる研究テーマや専攻は、可能な限り詳しく書くのが望ましい
・浪人や留年は書かなくてよい
職歴 ・時系列に記入
・会社名は略さず正式名称で示す
・会社名に次いで業種や従業員数、簡単な職務内容を書く
・応募書類関連の職務内容は強調で記入
・部署が変わった時期も記入のこと
・勤務期間中に企業名が変わった場合は、「○○株式会社(現△△株式会社)」のような形で示す
・勤務中の企業で退職日確定の場合は、その時期を添えて「○○株式会社 退職予定」と書く
・最後の行には「現在に至る」、次の行では右寄せで「以上」と示す
・職歴を書ききれないときは可能な範囲まで記し、「詳細は職務経歴書記入」としてもよい

採用担当者は、転職回数や前職の退職状況などから、自社への定着の可能性を見ています。以上も踏まえて離職後にブランクがあった場合は、スキルアップにつながる行動を1~2行で示すのがおすすめです。いずれにしても学歴や職歴は、正しい情報を正確に示してください。

志望動機

志望動機欄は、志望先に対して就職や転職をしたい理由を示します。ここでのポイントは、志望先企業が求める人材のイメージに合っていることと、志望先だからこそ入社したい理由です。以上を踏まえて動機を書けば、採用担当者が興味を示す可能性があります。

志望先企業とのミスマッチを避けるには、求められている人材の理解が必要です。以上を踏まえたうえで、過去の経歴を通し、応募企業の職務で活かせるポイントを伝えてください。

採用担当者は、応募者が自企業に入りたい理由を確かめています。競合他社でも通用するような理由では、採用の可能性が低くなるでしょう。競合他社にない応募先の強みを考え、それに貢献できるアピールポイントを考えてください。

就職には、自身の思いが企業の求める人物像に合うことが必要です。企業の思いも汲みながらのアピールが大切です。

応募者は自己PRを交えながら、志望先だからこそ貢献できるポイントを伝えましょう。自分の希望を通すだけではなく、応募企業のコンセプトを理解したうえで、それにかなう貢献ができることをアピールするのです。自分の志望動機が、企業のためになるかが、採用のポイントになります。

本人希望

本人希望欄は、希望職種などのリクエストです。企業で働いていくうえで、職務上の希望を伝えることは欠かせません。営業や経理のように、入りたい部署を示すのが代表例です。

待遇面などでとくに要望がない場合も、空欄は避けてください。「貴社の規定に従います」と書く必要があります。企業によってルールは違いますが、就職する以上は規定に従う意思表示が大切です。

複数職種募集の場合は、希望職種を示しておきましょう。実際には別の職種に配属される場合もあります。それでも希望職種を書くことで、志望企業で働くビジョンがあることをアピールできるのです。

本人希望欄では「です」「ます」のような敬語を書く場合と、「だ」「である」のような常体を書く場合があります。しかしビジネスで目上の方に敬語を使う場面が想定されるので、履歴書でも敬語が望ましいでしょう。このように本人希望欄では、最低限の要望を伝えつつ、企業のルールに従う意思表示を示してください。

賞罰

賞罰とは、功績に対する賞と犯罪などによる罰を合わせた総称です。賞罰の経歴も、企業にとっては人材の判別に欠かせません。そのためネガティブな情報も、隠さずに記入してください。

賞は全国や国際規模の大会における入賞が代表例です。国や都道府県からの表彰を受けた場合も、書いておきましょう。スポーツ大会での優勝や、人命救助などによる感謝状が当てはまります。該当があれば、受賞年月と賞の正式名称を示してください。

一方で犯罪歴がある場合も、正直に記入する必要があります。書かないと経歴詐称ととらえられ、内定取り消しを受けるおそれがあるからです。

罰の例としては、道路交通法違反による罰金刑や、刑事事件による懲役、執行猶予などがあります。懲役や執行猶予については刑罰が終わっている場合「懲役○年 執行猶予○年 終了」と書きましょう。賞罰の経歴がない場合は「なし」と記してください。

履歴書によっては賞罰欄がありません。企業から申告を求められていなければ、賞罰欄なしの履歴書を出してもよいでしょう。一方で企業から賞罰を求められている場合、正確な記入が必要です。

通勤時間や健康状態など

履歴書には通勤時間や健康状態といった、生活状況に関する記入欄もあります。企業は毎日時間どおりに来てくれる社員を望むため、通勤時間の申告が大切です。仕事に迷惑がかかるリスクも考え、健康状態も正直に伝えてください。

通勤時間は自宅から最寄り駅、公共交通機関の利用時間、駅から会社までの移動時間をすべて記入します。基本的には5分単位で、1時間未満なら「0時間○分」という表現が通例です。マイカーやバイクで通勤する場合も、補足説明として記してください。

就職や転職市場において、通勤時間は90分以内が望ましいとされます。それ以上かかると、本人のスケジュールや健康に対して企業が懸念を示すでしょう。交通費の負担増を心配する企業もあります。以上を考えると、無難な時間で勤務できる会社への応募が理想です。いずれにしても志望先では、勤務時間の正確な記入が信頼につながります。

健康状態は業務に支障がなければ「良好」とだけ書きましょう。通院を要する場合は治療中であることと、頻度を記してください。病歴や病状を細かく伝える必要はありません。このように通勤時間や健康状態も仕事にかかわるため、各該当欄は空欄で出さないようにしましょう。

趣味や特技

履歴書によっては趣味や特技欄もあります。採用担当者はこの欄から応募者の人柄を見たり、社風に合う可能性を探ったりします。趣味や特技によっては、志望先の業務に役立つことから、採用の決め手になるかもしれません。

以上を考えても趣味や特技は、正直に書くのが望ましいといえます。基本的には箇条書きで記し、大会入賞などの補足情報がある場合はカッコで簡潔に説明してください。空欄で出すと、とくにアピールポイントがないため、企業に好印象を伝えにくいといえます。

趣味や特技欄が重要な理由として、面接官とコミュニケーションが取りやすくなることがあります。特技に関して面接官が少しでも詳しければ、話がはずみ、好印象になるかもしれません。

このようなチャームポイントのアピールは、企業研究の成果にもなります。趣味や特技によっては、志望先の職務との関係があるため、人材として重宝を受けるかもしれません。そのため自己分析の末に、趣味や特技を正確に示すことが大切です。

履歴書では証明写真も大切

履歴書では証明写真も欠かせません。採用担当者にとっては初めて見る顔だからです。ここで良好な第一印象を与えるかどうかで、採用の可能性が決まります。証明写真のルールやマナーを踏まえたうえで、好印象を残せる写真を履歴書に貼ってください。

採用担当者に良い第一印象を与えよう

履歴書の写真が重要なのは、採用担当者への第一印象のためです。写真は視覚情報として、見る人の目につきやすいといえます。そのため好印象が伝わるように仕上げなければなりません。

採用担当者は表情や髪型、服装などから、企業に貢献してくれる可能性を考えます。そこから付き合いやすい人間像と、そうでないものを分けるのです。企業側に好印象を与えるには、良好なイメージを写真に込めてください。

とくに接客業や営業職などはコミュニケーションの機会が多く、好印象のキープが大切です。このような職種だと、履歴書の写真の重要性が強まるでしょう。以上を踏まえても、理想の写真作りは欠かせません。

証明写真の基本ルール

履歴書の規定サイズは縦4cm×横3cmが原則です。ほとんどの履歴書では写真の枠が設けられています。そこが縦4cm×横3cmになっているのです。

証明写真を撮るときも、履歴書に合わせたサイズ設定が重要です。規定より大きい場合は、写真館の専用カッターで余分な部分を切り取ってもらえます。

また写真は、撮影から3カ月以内が基本です。古いものの使いまわしは控えてください。履歴書の規定に従いながら、常に新しい証明写真を使いましょう。

証明写真をきれいに撮るポイント

証明写真をきれいに取るには、姿勢や目線などが大切です。写真に写った人物の姿勢が悪いと、面接官にもよい印象を伝えられません。好印象を与えるには、写り方の工夫が大切です。

たとえば姿勢は、背筋を伸ばすことが理想です。アゴを引きつつ胸を張るようにイメージしてください。以上の実践だけでも、スッキリとした写りになります。証明写真を撮る前に、イメージトレーニングを進めるのもよいでしょう。

体や目線の角度にも注意です。目線は正面を向き、体の角度もカメラを真正面からとらえるイメージにしてください。姿勢や視線、体の角度に気をつけながら、理想の一枚を撮りましょう。

清楚に見える服装を心がけよう

証明写真では顔だけでなく、上半身の服装の一部が見えます。そのため清楚に見える服装を心がけてください。ジャストサイズのスーツが望ましいといえます。サイズが大きすぎるとだらしなく見えるので注意です。

理想は黒か紺のスーツです。そこに白いワイシャツやブラウスを合わせるのが理想です。男性はネクタイ着用も基本になります。その色はあまり派手すぎないようにしましょう。清潔感のあるスーツも、写真での好印象につながります。

化粧はナチュラルメイクがおすすめ

女性は証明写真を撮るとき、化粧をすることがあります。履歴書用の写真を撮るときは、ナチュラルメイクに仕上げましょう。企業を相手にするときは、清潔感が重要であるためです。

たとえばアイライナーやマスカラが濃すぎると、清潔感を損なってしまいます。面接官に良好な印象を与えるには、コーラル系やオレンジのメイクを使ってください。加えて瞳の色に合わせたアイメイクで、ナチュラルな仕上がりを望めます。目元や口元周辺は、薄くファンデーションを塗るのが理想です。

このように清楚なナチュラルメイクで、誠意の伝わる写真を撮ってください。

履歴書における資格欄の書き方

履歴書では、資格欄の記入にも決まりがあります。ここでは免許を先に記入し、その次に資格を書くのが一般的です。資格がない場合も空欄にせず「特になし」と書いてください。ここでは資格欄の正しい埋め方を紹介します。

免許を先に記入する

運転免許がある場合は、資格欄で先に書くのが一般的です。多くの人が普通自動車や、普通自動二輪者の免許を持っているでしょう。該当者は取得年月を先に示してから「普通自動車第一種免許 取得」のように、免許の種類と取得の事実を示してください。このとき免許名のあとには、一字分のスペースを空けるのがマナーです。

また免許の名前は略さず、正式名称で書きましょう。たとえば普通免許なら「普通自動車免許」が正式名称になります。略称の使用は履歴書においてマナー違反なので、採用の可能性にも悪影響です。

以上のように履歴書の資格欄を埋めるとき、免許があるならそちらを優先的に書いてください。

免許の次に資格を書く

免許を書き終わったら、次に資格を書きます。基本的には取得の時系列順で記入しましょう。資格は正式名称で記してください。

このとき応募先に興味を持ってもらえそうな資格から書く場合もあります。たとえば不動産業界への就職を考えている場合は、宅建士やマンション管理士のような業界と関わりが深い資格を先に記しましょう。保有中の資格が多数にわたる場合、仕事に関係がなさそうなものは書かなくてもかまいません。

資格によっては合格や取得、認定などの違いもあるので、履歴書に書くときは間違えないでください。たとえば英検や簿記などは「合格」、医師や税理士の場合は「取得」と使い分けます。以上にも気をつけながら、資格保有の事実を丁寧に記してください。

資格がない場合は「特になし」

志望段階で資格がない場合も、空欄にはせず「特になし」と書きましょう。履歴書は設定欄に対し、一切空欄を出さないのがマナーだからです。

一方でTOEICのように取得スコアが採用に関係する志望先もあります。この場合はスコアを正直に書きましょう。また複数資格を持っている場合は、仕事に関わりそうな資格だけに絞ってください。また志望先との関連が深い資格を勉強中の場合は、その旨を記すとアピールになります。

一方で漢検5級のような簡単すぎる資格は、書かない方が無難です。このような資格は、小学生や中高生レベルとして、ビジネスに影響しないとされます。アピールにつながる資格がない場合は、「特になし」と書くのがマナーです。

履歴書におけるペンの使い方

履歴書を書くときは、ボールペンが基本です。インクは油性かゲルインクを使いましょう。消せるボールペンやマーカーはマナー違反なので、使わないでください。ここでは履歴書におけるペン使用のポイントをまとめました。

手書きならボールペンを使う

手書きで履歴書を仕上げるなら、ボールペンを使ってください。太さは0.5mm~0.7mm、インクの色は黒が望ましいといえます。

たとえば0.5mmより細いボールペンは、読みにくい場合に注意です。一方で0.7mmより太いと、漢字の細かい部分を書きづらくなり、こちらも読みづらくなるおそれがあります。そのためボールペンの太さには気をつけましょう。

履歴書作成時はもとから家にあるペンを使いがちです。しかし太さの判別ができない場合や、インク切れの可能性があります。可能なら履歴書のために、ボールペンの新調がおすすめです。手書きの履歴書を作る場合は、理想の太さをしたボールペンを選びましょう。

きれいに書ける油性かゲルインクを

ボールペンのインクは、油性かゲルインクが推奨されます。とくにゲルインクは発色がはっきりとして、スムーズに書けるのがメリットです。履歴書のために新しく買うとよいでしょう。

インクの種類によっては、裏に文字が移って履歴書が汚く見えるかもしれません。また水性は文字がにじみやすく、水に濡れたときにぼやけます。インクの素材が履歴書に合わないと、きれいに仕上げられません。

履歴書が汚いと面接官に悪印象なので、きれいに仕上げるうえでも油性やゲルインクのボールペンを使いましょう。

消せるボールペンや蛍光マーカーは使わないこと

消せるボールペンや蛍光マーカーは、履歴書には使わないでください。消せるボールペンは書き換えの可能性があるからです。またほかの文字を消すときに余分な部分が消えるなどで、履歴書が汚れる可能性があります。

蛍光マーカーを引く行為は、履歴書ではマナー違反とされるので控えてください。経歴の一部分を強調するときに、マーカーを使う人がいます。これはビジネスシーンで非常識とされるのでやめましょう。経歴を強調したい場合は、面接官との会話のなかで、簡潔にアピールするように努めてください。

履歴書作成時はゲルインクか油性のボールペンで、きれいに仕上げることが大切です。

履歴書を書くときの心構え

ここでは履歴書を書くときの心構えを紹介します。まずは時間に余裕を持つことが大切です。文字の見え方や配列などにも気をつけながら、きれいに仕上げてください。履歴書をきれいに仕上げるための注意点をまとめました。

時間に余裕を持つこと

履歴書を書くときは、余裕のある時間にしましょう。丁寧に書くには、時間のプレッシャーがないことが大切だからです。時間があるときに書く方が、落ち着いて作業を進められます。

一方で急いで書くと、誤字脱字をしやすいので注意です。誤字脱字や、書き損じを直した跡などは、面接官にとって悪印象になるおそれがあります。以上を考えても、履歴書作成に焦りは禁物です。書き間違い対策として、履歴書は余裕のある枚数を用意してください。

志望先が決まったら、履歴書を早めに準備しましょう。そこから丁寧に仕上げることが大切です。

クセ字に注意

履歴書で気をつけるべきことに、クセ字があります。とくに以下に当てはまる場合は要注意です。

・丸くて幼い
・過剰な筆圧から堅苦しい
・止めやはね、払いがあいまい
・筆圧が弱くて読みづらい
・斜体

クセ字によっては幼く見えたり、読みづらかったりします。楷書での書き方を覚えつつ、履歴書作成に役立てましょう。きれいに文字を書けるように、練習しておくのも選択肢です。

いずれにしてもクセ字によっては面接で気に入られず、採用が決まるまで時間がかかるかもしれません。履歴書は応募者の印象を決めるので、社会人らしい文字を書く習慣が大切です。

文字の配列や形状に注意

文字の配列や形状にも気をつけてください。文字同士のバランスが取れていないと、面接官が応募者に対して、センスがないと判断するかもしれません。

たとえば同じ文字数なのに、各行の文字終わりがズレることがあります。枠内に収まりきれなくて、終わりの部分の文字が窮屈に詰まる人もいるのです。

文字の形状も、左ページの頭と右ページの終わりを同じ状態に仕上げましょう。以上から履歴書は最初から最後まで集中して書き通してください。途中で休憩が入ると気持ちが変わってしまい、場所によって文字の出来栄えが違います。採用担当者はこのような文字構成の崩れを気持ち悪がるかもしれません。

文字同士のバランスを整えるためにも、履歴書作成には集中が大切です。文字構成が悪く見えると、採用担当者が違和感を覚えるでしょう。心地よく読ませるには、文字のバランスが大切です。

応募企業に向けた履歴書に仕上げる

履歴書作成で大切なのは、応募企業のニーズに応じることです。企業が求める人材像と、自身のアピールポイントがミスマッチを起こしてはなりません。応募企業向けに具体的な志望動機を書いてください。

たとえば飲食店の接客業に応募したとします。ここではコミュニケーション能力を求められるでしょう。そのような志望先にパソコンの操作能力をアピールしても、ミスマッチになります。

採用担当者に魅力をアピールするには、企業側の求める人間像を理解しなければいけません。彼らのニーズにかなう強みを、履歴書に記してください。

見直しは欠かせない

履歴書の完成後も、見直しは欠かせません。誤字脱字があると、仕事のできる人と思われないからです。

履歴書をひととおり書き終わったら、最後に全項目を見直してください。ボールペンでの誤字脱字は直せず、訂正の跡は履歴書の見栄えに悪影響です。そうなると印象がよくありません。ミスがあった場合は、最初から履歴書を書き直す必要があります。

そこで大切なのは、下書き用に履歴書を1枚使います。下書きは提出の前提がないため、いくら直してもかまいません。内容が完璧になったら、2枚目の履歴書への清書を進め、こちらを企業に送りましょう。このやり方によって、履歴書のミスを防げます。

履歴書のNGルール

履歴書を書くうえで、NGルールも把握してください。修正液の使用や空欄残しはマナー違反とされます。また古い履歴書の使いまわしもやめましょう。ここでは履歴書作成で避けるべきポイントをまとめました。

修正液は使わない

履歴書作成では、修正液を使わないでください。採用担当者に好印象を与えるには、履歴書の清潔感が求められるため、修正液による汚れは好まれません。

修正液の跡があると、誤字脱字があったとわかります。企業側は応募者に対し、仕事ができないという印象を感じるでしょう。書き間違えないようにするには、下書きを用意してください。その内容を完璧にしてから、新たな履歴書に書き写す形が理想です。

いずれにしても修正液を使わなくてよいように、履歴書はきれいに仕上げましょう。

空欄は設けないこと

履歴書には空欄を作らないでください。すべての欄を埋めることが、採用担当者への意気込みを示すためです。空欄や記入漏れがあると、誠意や意気込みが伝わらないおそれがあります。

たとえば保有中の資格がなかったとしても、「特になし」と書くなど、すべての欄を埋めることに専念してください。すべての欄に応えることが、社会人としての誠意です。

古い履歴書を使いまわさない

古い履歴書は使いまわさないでください。履歴書が企業から返送される場合もあり、それを使いまわそうとする人もいるようです。しかしその場合は、前の企業に送るときに書いた日付が古いままになっています。その状態でほかの企業に送ると、使いまわしが伝わるのです。 日付が古いままの履歴書をほかの企業に送ると、印象がよくありません。

以上から面倒だと思っても、応募先ごとに新しい履歴書を作りましょう。新しい紙を出すことで、清潔感のアピールになるからです。

履歴書を送る方法

ここでは履歴書の送付方法をまとめました。郵送やメールによる発送と、面接企業への直接持参の2通りが挙げられます。状況によって適切な対応が違うので、ここでぜひ確かめてください。

郵送やメールで送る場合

郵送やメールでの事前送付なら、少なくとも以下をまとめてください。

・送付状(宛先を指したうえで、内容物を伝えて書類)
・履歴書
・職務経歴書(転職の場合)など

メールの場合は、以上の書類をファイルにまとめて応募先に送りましょう。郵送ならクリアファイルに詰め、封筒に入れたうえで発送してください。

持参する場合

履歴書などの直接持参を求める企業もあります。この場合も必要書類をクリアファイルに入れて、封筒にまとめてください。

採用担当者によっては、封筒なしで履歴書を渡されても気にしません。しかし実際は、封筒にまとめた必要書類をまとめて渡すことで、スムーズな行動ができるというイメージを与えられます。

とくに転職の場合は、受付に履歴書や職務経歴書を渡すことがあります。以上を考えても必要書類は封筒にまとめる方が理想です。

まとめ

以上、履歴書を書くときのマナーを紹介しました。項目ごとに適切な書式に従い、すべての欄を埋めてください。加えて履歴書の様式だけでなく、ペンや封筒へのまとめ方などにも配慮しましょう。

履歴書の内容はわかりやすく具体的に書いてください。誤字脱字や虚偽がないように、正直に仕上げることも大切です。目当ての企業で働きたいと思ったら、相手に好印象を与えなければいけません。そのためにも履歴書は、慎重かつきれいに仕上げましょう。