インプットとアウトプットの繰り返しが記憶を定着させる

人間の脳は、常にモノを忘れる仕組み

試験勉強とは、簡単に言えば、「理解」と「記憶」です。
こう書けば簡単そうに見えるのですが、実際はご存じのとおりで、どんなに読んで覚えたつもりでも、3日たてば半分は忘れてしまいます。

それは、あなたのせいではありません。そもそも人間の脳は、常にモノを忘れるように作られているのです。

もし私たちの脳に忘却のシステムが備わっていなかったとしたら、悲しいことや辛いこともありありと覚えていることになります。モノを忘れていくことは、健康で幸せな生活をおくるためには欠かせない能力なのです。

とはいえ、試験勉強に取り組む際には、忘却は天敵になります。どのようにすれば、私たちは学習した事柄を、しっかりと覚えておくことができるのでしょうか。
その答えの一つが、アウトプットです。

インプットからのアウトプットで記憶を強固に

テキストを読んで重要事項を覚えるのはインプット(入力)に当たりますが、インプットだけではなかなか記憶を定着させることができません。しかし、インプットした情報をアウトプット(出力)することで、記憶はより強固なものになります。

実際に試してみましょう。以下の数列を暗記してみてください。

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素直な方は、何度か暗唱を繰り返して覚えてくれたことと思います。
この暗唱が、すでにアウトプットと言えます。
情報を口に出して唱えることは、口からの発信と耳からの受信によって、記憶力を高める行為になります。実際に、暗唱を繰り返せば、一時的に見なくても言えるようになることでしょう。

回数を重ねて記憶を鍛える

では、この数列を明日まで覚えておくことができるでしょうか。
おそらく、今の状態では覚えておけないでしょう。しかし、紙と鉛筆を取り出して、4~5回筆者したり、時間をおいて他人に話してみたり、夜寝る前にもう一度暗記したりすると、明日になっても覚えていることができるはずです。

アウトプットを行うとき、私たちは記憶を参照して情報を取り出そうとします。何度も情報を出し入れすることで、記憶が鍛えられてより強固になるのです。

実はインプットよりもアウトプットのほうが重要です。
ただテキストを読むだけのインプットよりも、過去問などを解くアウトプットの方が、頭を重層的に使うからです。
インプットとアウトプットの繰り返し学習とは、暗記と問題演習の繰り返し学習とも言えます。