問題集の復習の仕方で学習効果は決まる

問題演習の目標は、高い点数を取ることではありません。正解だからといって喜んで、間違えたからといって落ち込んでいても、学習に対する効果はさほど望めないでしょう。
試験勉強における「問題演習」では、問題の解答を間違えたときに、その意味をどう受け止めて、どのような対策を取るかが重要になります。
問題が正しく解けなかったときに、考えられる理由は以下の3つです。

問題を解くのに必要な知識を持っていなかった。

この場合の原因は、学習不足です。
まだその範囲を学習していなかったか、学習していても理解不足で覚えられなかったか、あるいは忘れてしまったかのいずれかです。
模範解答を見て、覚え直すことでたいていは解決します。

問題を解くのに必要な知識は持っていたが、解法を知らなかった。

この場合の原因は、問題演習不足です。
試験とは、テキストを丸暗記して、頭の中に知識を詰め込めば、それで合格というものではありません。
なぜならば、実際の試験においては、知識をそのままストレートに問うような問題は少なく、いずれも多少のひねりを加えてあるからです。
そのため、資格試験の通学講座や通信講座では、実際の試験における問題の解法を教えます。この解法をテクニックとして知っているかどうかが、試験の合否を左右することになります。
解法のテクニックは、大量の過去問をこなして、模範解答と解説を読み込むことで身につけることができます。
問題演習の答え合わせを行う際には、単に正誤判定をするばかりでなく、なぜそのような解答が導かれるのかに注意しましょう。

問題を解くのに必要な知識を持ち、解法も知っていたが、うまく使えなかった。

この場合の原因は、注意力不足です。
知識や解法を知っていても、人間ですからうっかりミスをすることはどうしてもあります。しかし、あまりにもミスが多くなると、試験の合否にもかかわります。
長時間だらだらと勉強を続けていると集中力が落ちてミスが多くなります。問題演習を行う際は、頭が働いているうちに、短時間で集中して終わらせる癖をつけましょう。

試験に合格するためには、必要な知識を正しく理解していることと、問題演習を通じて解法のテクニックをマスターしていることの二つが必要になります。
しかし、解法のテクニックは、ただ問題演習を繰り返すだけでは身につきません。問題を解きながら、解法を意識する必要があります。

たとえば、択一問題などを解く際に、常に「ここが誤りではないか?」、「ここはひっかけではないか?」、「ここは間違えやすい個所だ」などと推測しながら、選択肢を読んでください。
そして、誤りがあると思われる箇所について「どのように直せばよいか?」などと考えることで、出題者の手の内を読むようにするのです。
他の形式の問題を解く際にも、出題者が何を意図して、どのような問題をつくっているのかがわかるようになれば、合格にぐっと近づくことができます。

余裕のある人は、問題演習を行うたびに、それぞれの問題について「間違えた理由」、「正答できた理由」をメモしておくことをおすすめします。
はじめのうちは「あてずっぽう」や「なんとなく」で問題を解いているかもしれませんが、回数を重ねるにつれてだんだんと論理的に考えられるようになるのが実感できるはずです。