実務家密着取材

直撃インタビュー
行政書士 岩崎弘太郎さん

行政書士   岩崎弘太郎 さん

1972年北海道生まれ、千葉県八千代市育ち。1996年に早稲田大学社会科学部を卒業後、さまざまな職歴を経て2000年にディスプレイ会社(有)ライブを設立。2008年の試験に合格後、行政書士コータロー事務所を開設。自賠責保険・後遺障害等級認定サポートなどの交通事故を専門としている。

行政書士コータロー事務所のホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.kotaro-office.com


行政書士は、資格に守られた責任ある職業
ネットワークと開拓精神で広がる職域

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、行政書士コータロー事務所の岩崎弘太郎さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


行政書士にはさまざまな業務がありますが、私は交通事故に特化した業務を行っています。具体的には、交通事故に遭った直後のアドバイスから被害者請求手続き、異議申立、病院への同行、交通事故調査、内容証明、示談書の作成等です。交通事故に遭遇し、「保険会社から治療費の打ち切りを言われて困っている」、「保険会社の見積りに疑問がある」、「後遺障害等級認定を受けたが納得がいかない」、「示談をしていいものか迷っている」という方が、私のところへご相談にいらっしゃいます。保険会社や病院とのやりとり等、一般の生活者にはよく解らないことがたくさん出てきます。私はこれまでの多くの経験に基づいた知識から、被害者のお悩みを聞いた上で医学的な立証に立ち会い、必要な書類の作成が出来るよう、最大限サポートします。訴訟に至る場合には交通事故業務専門の弁護士の紹介をして、解決までしっかりフォローしています。


行政書士コータロー事務所の拠点は千葉

行政書士コータロー事務所の拠点は千葉


行政書士の資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


私は大学卒業後、2000年にディスプレイ会社を立ち上げました。経営者としてやっていこうと考えていましたが、自身の仕事・営業スタイルに疑問が生じました。「自分の売っているモノ(商品)を知人に買ってもらうことは、信用を金に換えることではないか」と思い始めました。そんな矢先、司法書士を目指している友人を見て、士業に関心が出てきました。行政書士という資格を知り、自分に向いているのではないか、と思い試しに受けてみたところ、2008年に合格しました。行政書士はモノを売る職業ではありません。顧客は提供されたサービスに対し、報酬を支払います。そうした点においても、自分にとても向いている職業だと感じました。


2008年に千葉県行政書士会会員に

2008年に千葉県行政書士会会員に


開業されてから、どのように仕事を進められたのでしょうか?


行政書士の資格を得たものの、全くの未経験ですし、実際に何をする職業なのか分かりませんでした。そこで、たまたま知人から紹介を受けた大先輩の行政書士の方の事務所で、10カ月ほどお世話になりました。都内にある大きな事務所で交通事故に特化した分野について勉強させていただき、その流れの中で、千葉を拠点に交通事故専門の行政書士として開業する運びとなりました。もともと営業は苦手ではなかったので、最初は手当たり次第、飛び込みでも何でもやりました。チラシは1万枚配って問い合わせは5件、ホームページを開設し、ブログを始め、交流会にも参加するようにしました。また、実家のラーメン店でも宣伝したりもしましたね。私は営業で効果ゼロということはないと思います。とにかく出来ることは何でもやりました。現在は、独立して2年目ですが、ホームページからの問い合わせや既存の顧客による紹介案件が増えています。



お仕事をしている上で気をつけていることは何でしょうか?


私のところにいらっしゃるお客様は、身体だけでなく心に傷を負っている方が多いです。ですから、言葉遣いには極力気を配るようにしています。相手とコミュニケーションをとる際、出来るだけ、「共感」の意を伝えるようにして、畏まりすぎず、温かみのある表現を用いています。そして、当たり前のことですが、誠意を持ってきちんと対応するように心がけています。私の事務所では、相談料は一切いただいていないんです。相談は何時間していただいても無料です。そして、お客様がお求めであれば、全国どこにでも伺います。私は人とコミュニケーションを取ることがとても好きですし、困った人を助けたいという気持ちも人一倍強いです。交通事故のケースは被害に遭われた方の人生を左右するような重大案件が多くあります。ですから、医師、保険会社との接触の際、被害者の目線に立つだけでなく、しっかりと自分の中で論理を組み上げて臨むようにしています。


今後の夢や目標は何でしょうか?


交通事故を中心とした民事法務相談を業務の中心とし、女性行政書士の安藤と共にお客様に「安心感・信頼感・満足感」をもっていただけるような事務所を目指しています。私は人とのコミュニケーションが好きなので、行政書士はもちろん、司法書士、社労士、弁護士たちと独自に築き上げたネットワークを持っています。ゆくゆくは法人化し、うまくお互いの長所いかし合いコラボレーションを図りながら、お客様によりよいサービスを提供していきたいと考えています。


千葉県行政書士会会員賞

千葉県行政書士会会員賞


行政書士だけでなく士業というのは、ある程度、経営者の感覚が求められます。誰もがその資格で一生食べていけるわけではないですが、資格に守られた職業だと思います。一般的に起業するよりは、有利なスタートが切れると思います。そして、出会う人と縁を大事にし、しっかり仕事をしていけば、必ず食べていける職業だと思います。周りの意見に左右されず、自分を信じて頑張れば必ず道は開けると思います。行政書士の強みは、職域が広いことです。ネットワークが広がれば広がるほど仕事の幅も広がります。是非、頑張ってください。


行政書士   岩崎弘太郎 さんの、ある1日


ある日のスケジュール

8:00

起床

メールチェック

8:15

出社

本日のTO DOリスト、事務書類の作成

10:00

社内

保険会社に電話連絡

12:00

外出

都内へ

13:00

個別相談

交通事故案件の相談

15:00

休憩

食事

16:30

個別相談

交通事故案件の相談

18:30

帰社

事務作業

19:30

外出

士業交流会

24:30

帰宅

書類作成

27:00

就寝