行政書士とはどんな仕事?その魅力とは?

行政書士とはどんな仕事?その魅力とは?

上記動画は下記コラムを要約した内容となっております。

「士業」と呼ばれる仕事の一つである行政書士。数ある国家資格の中でも、人気がある行政書士ですが、そもそも、何をする人かご存じですか?

このコラムでは、行政書士とはどんな人で、どんな仕事ができるのか?他の士業との違いは?行政書士として働くことのメリットは?などについて、説明していきたいと思います。行政書士資格に興味がある方、検討中の方はぜひご覧下さい!

目次

行政書士とは?

「士業」と呼ばれる仕事の一つである行政書士ですが、何をしている人か、意外と知らない方も多いのではないでしょうか?まずは、行政書士とは何か?についてご説明します。

行政書士とはどんな人?

行政書士は、「行政書士法」に基づく国家資格者です。行政に関する書類や、法律的な権利義務・事実の証明に関する様々な書類の作成や手続を、企業や個人に代わって行ったり、手続に関するアドバイスを行ったりするのが主な仕事です。専門的な知識を活かし、国民と行政の間に立って、双方の利益に貢献することが、行政書士の使命である、と言えます。

行政書士制度の歴史

行政書士の前身は、明治時代の「代書人制度」であると言われています。
戦後、代書人制度に代わって「行政書士法」が成立し、その後、法改正により業務の幅が広がり続けています。最初の行政書士法が公布された昭和26年2月22日にちなみ、2月22日は「行政書士記念日」として、毎年、行政書士制度の普及を図るためのPRイベントなどが各地で行われています。

行政書士と他の士業との違い

行政書士と同じく、「士業」と呼ばれる仕事はたくさんありますが、代表的なものでは、弁護士、司法書士、社労士、税理士、などが挙げられます。
これらの士業と、行政書士との違いは何でしょうか?

弁護士

弁護士は、皆さんもご存じの通り、最難関の司法試験に合格した人だけがなることのできる、士業の最高峰とも言える資格です。

弁護士は、裁判の訴状を作成したり、代理人として裁判や示談交渉を行う、企業の顧問として企業間の契約に携わったり、法務トラブルに対応する、などが、一般的な仕事のイメージだと思いますが、それ以外にも、法律に関するあらゆる業務を行うことができます。

行政書士との大きな違いは、争訟事件、簡単に言うと、争いごとを扱うことができるのが弁護士、という点です。行政書士は、当事者同士で話し合ってまとまった内容をもとに、契約書や示談書などの書類を作成することはできますが、契約の合意に向けて内容についてのアドバイスをしたり、当事者どちらかの代理人として交渉を行ったりということは、弁護士にしかできません。

司法書士

司法書士と行政書士は、同じ「書士」であることから、一般の方にはなかなか違いが分かりにくい資格です。この二つはそれぞれ、司法書士は法務省、行政書士は総務省の管轄になっており、扱う業務分野が異なります。

行政書士は主に官公署(行政)関係の書類の作成や手続の代理を行いますが、司法書士は裁判所や法務局などに提出する書類の作成や手続の代理を行います。例えば、土地や建物の登記、法人の登記は比較的よく知られている業務だと思います。また、一定の条件を満たした司法書士は、簡易裁判所での少額の裁判などについて、弁護士と同じような代理業務を行うこともできます。

このように原則としては業務分野が異なりますが、一方で、行政書士と司法書士がどちらも取り扱うことのできる業務もあります。相続関係の業務、会社設立の手続、契約書や協議書などの書類作成、などには、行政書士でも司法書士でも行うことができるものがあります。(※内容によっては、どちらかの独占業務になるものもあります。)

簡裁での少額訴訟を除いては、原則として、争いごとを取り扱うことができないのは、行政書士と同じです。

社会保険労務士(社労士)

社会保険労務士(社労士)は、年金や健康保険、雇用保険などの社会保険に関する手続や、企業の労務(人事、給与など)に関する手続、各種助成金の申請、コンサルティングなどが主な業務です。一言で言えば、労働者の権利を守る立場の専門家、といえます。

行政書士との違いとしては、業務分野が異なる以外にも、一般的に行政書士は1回で完了する単発の業務が多いことに対して、社労士は企業と顧問契約を結んで継続的に労務管理を行うケースが多いことがあげられます。

税理士

行政書士が「書類作成のプロ」だとしたら、税理士は「税金のプロ」と言えます。税務書類の作成や税務申告手続の代理、納税や節税などの相談など、税に関する業務を行うのが税理士です。

税理士も、企業と顧問契約を結び、顧問先の税務全般を請け負うケースが多いですが、相続税・贈与税の相談や申告など、個人の依頼で行う業務も多く、税理士によってそれぞれ得意分野を持って活動しています。

また、税理士資格を持っていると、行政書士登録をすれば行政書士業務も行うことができるという特徴があります。(※行政書士にもなれる資格は、その他にも弁護士などいくつかあります。)逆に、行政書士資格があっても、税理士の業務を行うためには税理士試験に合格しなければいけません。

行政書士はどんな仕事ができる?

行政書士は、「官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の作成、手続代理、相談業務を行うことができます。

官公署に提出する書類の作成、手続代理、相談業務

官公署とは、普段「役所」と呼ばれる、市町村役場や都道府県庁などのことで、これらの役所に対して行う、いわゆる「許認可申請」の業務がこれに当たります。


権利義務に関する書類の作成、手続代理、相談業務

法律的な権利や義務が発生するような契約事や協議についての、契約書や協議書と呼ばれる書類を作成したり、作成についての相談を受けたりする業務がこれに当たります。


事実証明に関する書類の作成、手続代理、相談業務

実地調査に基づく図面類や、議事録、会計帳簿・財務諸表などの、事実証明に関する書類作成業務がこれに当たります。

ここからはさらに具体的に、実際にビジネスや暮らしの中で、行政書士がどのような仕
事を行っているのかを、ごく一部ですが紹介していきます。

行政書士の仕事紹介 ビジネス編

各種許認可申請

事業を行う上で必要な、建設業許可、産廃業許可、飲食店営業許可、などの営業許可に関する許可申請手続を行います。
行政書士が取り扱うことのできる許認可申請は、1万件以上とも2万件以上とも言われるほど実に様々なものがあり、それぞれについて専門的な知識が必要とされるため、自分の得意分野・専門分野をいくつか作って業務を行っている行政書士が多いです。

法人設立

株式会社、NPO法人、社団法人・財団法人などの法人設立手続を行います。行政書士が携わる業務としては、定款の作成・認証や、各種議事録の作成などがあります。登記については司法書士の業務のため、司法書士と連携して法人設立業務を行うことになります。

外国人雇用

外国人を雇用する際に必要な、出入国在留管理庁(入管)への申請手続を行います。入管への申請手続は、行政書士の中でも、一定の研修を修了した「申請取次行政書士」が行うことができます。

会計業務

行政書士は、企業や個人事業主の会計記帳業務を代行したり、決算時の財務諸表を作成したりすることができます。税務申告については税理士の業務のため、依頼者の顧問税理士と連携して業務を行うことになります。

行政書士の仕事紹介 暮らし編

遺言・相続

遺言書の作成に関する相談や原案作成、相続の際の戸籍や財産調査、遺産分割協議書や相続人関係図、財産目録などの作成、さらには自動車名義変更などの相続手続まで、幅広い業務を行います。

相続業務では、不動産の分筆(土地家屋調査士)や名義変更(司法書士)、相続税の申告(税理士)のように、様々な専門家との連携が必要な業務も多く、日頃から協力体制を作っておくことが大切になってきます。

外国人の在留資格申請や帰化申請

日本で生活をしたい外国人は、在留資格の申請手続を行い、日本で行いたい仕事や活動に合った在留資格をもらう必要があります。
また、日本国籍を取得して日本人として生活したい外国人は、帰化申請を行う必要があります。

行政書士は、これらの外国人のための申請手続に関して、書類作成や申請のサポートを行います。
近年、日本国内に滞在する外国人が増加し、在留資格や帰化に関するサポートの需要も増えているため、行政書士にとって大切な業務の一つと言えます。

自動車関連業務

自動車の車庫証明やナンバー変更、名義変更など、自動車に関する手続の書類作成や申請代理を行います。また、ナンバープレートの変更・封印は原則として運輸支局に車を持ち込んで行いますが、一定の研修を修了した行政書士は、これを出張して行うことができます。

土地活用

農地の売買をしたり、建物の新築や駐車場としての利用など農地以外として使用したい場合や、市街化調整区域に建物を新築したい場合などには、農地法や都市計画法などに基づいた許可が必要です。このような場合の申請手続も、行政書士が行うことができます。

魅力・メリット


行政書士の仕事の魅力は、難しい手続や書類作成のサポートを通じ、「縁の下の力持ち」として、依頼者の問題解決や夢の実現のお手伝いができるということが挙げられます。

何か仕事をした時には報酬をいただき、お客様に対して「ありがとうございました」というのが普通だと思いますが、行政書士の仕事は、報酬をいただいた上に、人の役に立つことができ、お客様に「ありがとう」と言ってもらえる、という点で、とてもやりがいを感じることのできる仕事ではないかと思います。

また、仕事の幅がとても広く、様々な仕事を経験できるということも、好奇心が強い人や何でもやってみたいという積極的な人にとっては大きな魅力ではないでしょうか。

また一方で、多くの仕事の中からいくつか専門分野を絞り、その分野のスペシャリストとして活躍する人も多いです。
その他、行政書士は一生有効な国家資格であるということも、もちろん大きなメリットであるといえます。

行政書士資格の活かし方

自分のライフスタイルや目標に応じて、資格の活かし方を自由に選べるのが行政書士。
行政書士としての働き方には、どのようなものがあるのか?また、行政書士ってズバリ、どのくらい働いているのか?について、ご紹介します。

行政書士の働き方 あなたは開業派?勤務派?

個人開業

行政書士の働き方で一番多いのが、個人で独立開業するというパターンだと思います。行政書士は、試験に合格したら、事務所を構える都道府県の行政書士会に登録手続をすれば開業することができます。司法試験合格者の司法修習のような研修はなく、実務経験も必要ありません。

試験合格後すぐに開業して、未経験のまま「習うより慣れろ」で、実際に実務を行いながら経験を積んでいく人もいますし、他の行政書士事務所の補助者などで実務経験を積んだ後に、独立開業する人もいます。

行政書士法人の設立

個人での開業に比べると数は少ないですが行政書士2人以上で行政書士法人を設立して業務を行うという選択肢もあります。(2019年の法改正により、近い将来、行政書士1人でも行政書士法人を設立できるようになります)

行政書士法人にすることにより、永続的に事務所の運営を行えるようになり、お客様からの信用度もあがる、支店を設置することができる、社会保険に加入できる、などのメリットがある一方で、コストが上がったり、意思決定に時間がかかったりするというデメリットもあります。

大企業を顧客としたり、事務所を大きくしていきたいという目標がある場合などには、将来の法人化も頭に入れておくとよいと思います。

使用人行政書士

自ら開業はせずに、既存の行政書士事務所や行政書士法人に「使用人行政書士」として雇用されて勤務するという方法もあります。
行政書士は個人開業の事務所が大多数なので、業務量や費用などの兼ね合いで、使用人行政書士を雇う・雇えるような事務所は少ないのが実際のところです。したがって、使用人行政書士として働いている人はかなり少数派であると言えます。

他士業とのダブルライセンスを活用

行政書士資格以外にも、他の士業などの資格を持っていて、両方の資格を使って兼業している人も多いです。
兼業でよくあるパターンとしては、行政書士と司法書士、行政書士と社会保険労務士、行政書士と税理士、行政書士と土地家屋調査士、などがあります。どれも、互いの業務の関連性を活用して、仕事の幅を広げることのできる組み合わせです。

行政書士の勤務時間は?

行政書士は官公署での手続が主な仕事のため、平日昼間に事務所を開けていることが多いです。依頼者が日中仕事をしていて、夜や土日にしか相談に来られないというようなこともありますし、時には仕事が立て込んで夜中まで残業というような場合もあるかもしれませんが、基本的には個人で動く仕事のため、勤務時間は自分の好きなように決めることができます。

朝から晩までバリバリ働くことももちろんできますし、リタイア後の人が地域貢献や自分の生きがいのために週末だけ仕事をするとか、主婦行政書士が家事や育児と両立しながら働くという例もたくさんあります。

行政書士の将来性 グローバル・AI時代にさらに広がる可能性

近年、世の中のグローバル化、電子化・AI化が急激に進み、行政書士も今までと同じ仕事をしていては生き残っていけないと言われることも多くなっています。

しかし、グローバル化に伴って日本で暮らしたいと思う外国人が増える中、在留資格や帰化申請のプロである行政書士の活躍の場は増えますし、電子化・AI化についても、電子申請に精通し、事務的な単純作業の負担を軽減する一方で、きめ細かいアドバイスやコンサルティングなど、人にしかできないサービスのスキルを持つ行政書士には逆に差別化のチャンスであるとも言えます。

行政書士の取り扱える業務は非常に多岐にわたり、また、日々法改正などによって新しい仕事も生まれていますので、常に新しい情報に触れ、行政書士として何ができるかを考え取り入れていくことで、行政書士の可能性はさらに広がっていくと思います。

いかがでしたか?行政書士の仕事について、少しずつ分かってきたでしょうか?
やりがいがあり、やる気次第でいくらでも仕事の幅を広げることができるし、自分の生活のペースに合わせて働くこともできる行政書士。
その魅力を、少しでも知っていただければ幸いです!