宅建士とは?どんな資格?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

宅建士とは?どんな資格?|わかりやすく宅建・宅地建物取引士の解説

目次

宅建とはどんな資格なのか

宅建とは「宅地建物取引士」の略称で、国家資格の1つです。
かつては宅地建物取引主任者という名称でしたが、平成26年(2014)の宅地建物取引業法の改正により、取引主任者から取引士へと名称が変更されました。

宅地建物取引士は、不動産を売買したい人が安全で円滑な取引を行えるよう手助けをする、不動産取引のプロフェッショナルです。
そのため、宅地建物取引業法(宅建業法)をはじめ、都市計画法や建築基準法といった行政法規や民法など、不動産取引に関する専門的な知識が必要になります。

また、不動産会社には国土交通省令に定められた人数の宅地建物取引士を常駐する義務があり、資格取得を奨励する企業も多い人気の資格です。
したがって、不動産業界でのキャリアアップや独立開業には欠かせない資格といえるでしょう。

さらにその知識は、建築や金融など不動産取引に関連する業界でも活かせるため、就職や転職に有利であるといわれています。

宅建の資格が活かせる仕事

不動産取引に関わる数々の手続きの中に、宅建の資格を持っていないとできない3つの業務があります。
重要事項の説明、重要事項説明書への記名・押印、契約書への記名・押印です。

重要事項説明書とは、取引の対象となる物件や取引の条件などに関わる重要事項が記載された書面です。
不動産業者は取引の当事者に対して、契約が成立する前に、宅地建物取引士によって重要事項を説明する義務があります。

この説明は書面で交付され、対面で行わなくてはなりません。
さらに重要事項説明書には、宅地建物取引士の記名押印が義務付けられています。

これらは宅建業法35条に定められているものです。
物件の代金や支払い方法、引渡し時期などが記載された契約書は、宅建業法では37条書面と呼ばれています。

この37条書面への記名押印も、宅地建物取引士が行うものです。
違反した場合は罰金や業務停止、あるいは免許取消しなどの重い処分を受けることになります。

宅地建物取引士の年収や給料は?

宅建の資格を持っているとどのようなメリットがあるかは、気になるところです。
求人情報を見ると平均年収は320~540万円ほど、月収に換算すると20~33.7万円となります。

地域や会社の規模によっても異なりますが、サラリーマンの平均的給与と大きな差はないようです。
というのも、宅建の資格が効果を発揮するのは契約が決まってからになります。

つまり契約がとれないと収入につながらないのは、一般的な営業マンと同じなのです。
しかし、国家資格である宅建の肩書きは、取引相手に信頼を与えます。

無資格の営業マンと比べると、契約につながりやすいかもしれません。
インセンティブがある会社なら、高収入が狙えることもあります。
また、3~5万円ほどの資格手当を支給している会社もあるので、給与アップのためにも目指したい資格です。

宅建の資格って必要なもの?

不動産会社には「宅地建物取引士の設置義務」があります。
これは宅建業法31条に定められているもので、事務所ごとに従事者5名に対して1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置かなければならないという規則です。

この従事者というのは営業だけでなく、事務や管理部門、役員や社長も含めた人数になります。
従事者5名に対して1名以上、つまり2割以上ということは、例えば社長を含め6人の従事者がいたら、内2名は宅地建物取引士でなくてはなりません。
そのため、宅建の資格取得を奨励する企業は多く、なかには費用を負担してくれるところもあります。

宅建の資格がなくても不動産会社への就職や転職は可能です。
ただ、資格があれば、採用選考に有利に働くことはいうまでもありません。
また、有資格者でなければできない独占業務もあることから、不動産業界で稼ぐには不可欠の資格といえるでしょう。

宅建の資格試験を受けるためには?

宅建の資格を得るためには、国家試験を受ける必要があります。
ここでは、受験資格と受験日、試験の申し込み方法について説明します。

受験資格

宅建の受験には、年齢や性別、学歴などの制約はありません。
また、実務経験も問わないため、誰もがチャレンジできます。

なお、平成29年(2017)の合格者のうち、最高齢は89歳、最年少は13歳と発表されています。
過去の合格者を含めると、最高齢は平成17年(2005)の90歳、最年少は平成26年(2014)の12歳です。

受験日

宅建の試験は年に1回、原則として10月の第3日曜日に実施されます。
なお、平成30年(2018)の試験日は、10月21日(日)です。

試験実施のお知らせは、6月第1週の金曜日に官報に掲載されます。
その他、不動産適正取引推進機構や各都道府県の宅地建物取引業協会、建築住宅センターのホームページでも確認できるため、受験をする人は忘れずにチェックしましょう。

申し込み方法

受験の申し込みは、インターネットまたは郵送で行います。
原則として住民登録している都道府県で受験しますが、学生や単身赴任などの事情がある場合は、居住地で受験することも可能です。

インターネットでの申し込みは、不動産適正取引推進機構のホームページから行います。

また、平成30年(2018)の申し込み期間は、7月2日~17日の約2週間でした。
24時間利用可能ですが、基本的なところとして最終日(7月17日)は21時59分で締切のため、注意してください。

受験料

受験料(7,000円)の支払い方法の選択は、申し込みと同時に行います。
インターネット申し込みの場合は、指定されたクレジットカードあるいはコンビニエンスストアでの振込のいずれかです。

郵送申し込み

郵送申し込みの場合は、まず受験申込書を入手しなくてはなりません。
受験申込書は、最寄りの書店や宅地建物取引業協会、建築住宅センターで配布されます。
また、140円分の切手を貼った角2以上の大きさの返信用封筒を同封して、宅地建物取引業協会や建築住宅センター宛てに郵送で請求することもできます。

次に、試験案内に綴じ込みの払込取扱票(郵便局)・振込依頼書(銀行)を利用して、金融機関で受験料の払込みを行います。
金融機関の証明印が押された受付証明書を受験申込書に貼付し、試験案内に従って、受験申込書を作成・郵送しましょう。

いずれの申し込み方法でも先着順となりますので、希望する試験会場がある場合は早めに申し込みましょう。

宅建資格取得のための勉強のコツとは

資格取得のための勉強には、時間も手間もかかるため、できるだけ1回で合格することが望ましいでしょう
最短で合格するためにも、宅建資格取得までの取り組み方など押さえておきましょう。

取り組み方

宅建の試験は全50問、四者択一のマークシート式です。
合格ラインとなる点数は、問題の難易度によって毎年変動します。

合格点の目安

平成20年(2008)から平成29年(2017)の合格点は、31~36点を推移しています。
そのため、確実に合格するためには、35点以上を目標にしたいところです。

出題範囲

問題は、「宅建業法」、「民法など」、「法令上の制限」、「税金その他の関連知識」の4科目から出題されます。
まずはテキストや参考書を、じっくりと読み込むようにしましょう。

次に出題傾向や文章に慣れるために、過去問題や模擬試験を解いていきます。
このようにインプットとアウトプットを繰り返す反復勉強法で、着実に頭に入れていくことが大切です。

出題割合

50問中もっとも出題数が多いのは「宅建業法」で、およそ4割を占めています。
業務に直結する内容であり、比較的点数を取りやすい問題でもあります。

次に多いのは借地借家法や区分所有法などを含む「民法など」からの出題で、およそ3割になります。
日常生活にも関わる分野なので、そのまま暗記するのではなく、内容を理解するよう意識しましょう。

都市計画法や建築基準法などの「法令上の制限」と「税金その他の関連知識」からは、それぞれ8問ほど出題されます。
出題数は少なめですが、範囲が広く、すべてを覚えるのは大変です。
そのため、問題集や過去問題から出題傾向を絞り込んで学習するといった工夫が必要でしょう。

宅建の資格は独学でも取得できる?

過去の合格者には、独学で達成したという人も少なくありません。
しかしその中には、学生や専業主婦など、比較的時間を自由に使える人も含まれています。

会社員やパート、アルバイト勤務の人、子育てや介護で忙しい人など、勉強する時間を作るのはなかなか難しいものです。
また、学習範囲が広い宅建に合格するには、出題傾向を押さえた効率の良い勉強方法が求められます。

まとめ

宅建の資格は不動産業界で欠かせない資格となります。
資格を持っていることで、キャリアアップや独立につなげることができます。

業務の中には独占的に行うものもあるため、就職や転職にも有利といえます。
また、受験資格に制限がないので、どなたでも合格を目指すことができ、今後も需要が高い資格です。