宅建の試験日はいつ?《2023年(令和5年)》申込み~合格までのスケジュール

更新日:2023年1月5日

勉強している人たち

毎年20万人前後が受験する人気資格「宅地建物取引士(以下:宅建士)」。

例年宅建士試験は10月に実施されますので、春の時点ではまだ先の話と感じる方も多いかもしれません。そんな宅建士試験は例年6月に公告が行われ、7月には申し込みが開始となります。

まだ先と思っていたらあっという間に試験日になってしまうかもしれません。

そこで2023年の宅建士試験スケジュールを紹介。試験内容や合格基準点、さらに試験当日の注意事項や、試験合格後の宅建士登録に関しても解説していきたいと思います。

試験日はまだ先と思っている方も、早めに試験のスケジュールを把握し、しっかり受験準備を進めていきましょう。

目次

宅建試験(宅地建物取引士資格試験)とは?

「資格を取得しよう」と考えて、宅建士資格に注目する方も多いのではないでしょうか?宅建士は、これから不動産業界で活躍したい人にはもちろんのこと、法律系国家資格取得の第一歩としても注目される国家資格です。

2015年度以降、「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」に名称変更され、士業化されました。芸能人の中にも宅建有資格者は多く、2023年にはお笑い芸人や人気アイドルグループの元メンバーが取得したことで話題となっています。

宅建について詳しくはこちら

宅建試験の受験資格

宅建士試験に受験資格はありません。年齢、性別、学歴や職歴はもちろん、国籍に関しても一切不問です。

受験資格がなく挑戦できる試験でありながら、宅建士の資格には、重要事項説明を行うなどの独占業務があるというのが、宅建士試験が人気の理由でしょう。誰でも挑戦でき、取得した資格の価値や評価が高いのが宅建士の特徴です。

2023年度(令和5年度)宅建士試験のスケジュール

宅建士試験の試験日は例年10月下旬に設定されています。

2020~2021年は新型コロナウイルスの感染拡大もあり、試験会場ごとの受験人数を大幅に減らしたため、10月と12月に分けて試験が実施されましたが、通常は年に1度の実施です。

2023年度の試験日に関しては、この記事を執筆している2023年5月の時点ではまだ確定はしていません。例年宅建士試験全体のスケジュールが決まり公表されるのは、6月の試験公告となります。

とはいえ、予定として試験日等のスケジュールは発表されていますので、この予定を紹介しておきましょう。

試験公告 2023年6月2日(金)
試験案内配布期間 2023年7月3日(月)~2023年7月31日(月)
受験申込期間 郵送 2023年7月3日(月)~2023年7月31日(月)
インターネット 2023年7月3日(月)9:30~2023年7月19日(水)21:59
試験会場の通知 2023年8月25日(金)まで
受験票発送日 2023年9月27日(水)
試験日 2023年10月15日(日)
合格発表 2023年11月21日(火)
受験料 8,200円(非課税)

※2023年5月現在、試験公告以外の日程はすべて予定

2023年5月の時点で確定しているのは、2023年度宅建士試験の試験公告が行われるのが6月2日であるということのみ。その後のスケジュールに関しては予定となっています。

とはいえ申し込み開始は7月、試験日は10月というのはほぼ確定といっていいでしょう。2023年度の宅建士試験を受験する方は、このスケジュールの流れを把握しておきましょう。

1:試験公告

試験広告は6月2日に官報に掲載され、同時に「一般財団法人 不動産適正取引推進機構」のHPで公表されます。

試験公告には、宅建士試験の申し込み期間や試験日などの日程の発表はもちろん、受験会場や試験における注意事項などが記載されます。受験を考えている方は、一度確認しておくといいでしょう。

2:申込み

宅建士試験の申込方法は、インターネットと郵送の2種類です。インターネットから申し込む場合、一般財団法人不動産適正取引推進機構のHPから申込フォームにアクセスします。

申し込みはPCやスマホ、タブレットから行えますが、デバイスごとにOS・ブラウザの推奨環境に指定があります。また、郵送申込と比べて申込期間が短い点にも注意しましょう。

郵送で申し込む場合は、受験申込書用紙が付属した試験案内を全国の宅建業協会または書店等で入手します。郵送前に受験料を納付して納付証明書を貼付すること、簡易書留で送ること等、出願手順を確認しましょう。

宅建士試験の顔写真は、受験年度の1月1日以降に撮影したもので「正面向きの上半身のもの」「無背景」「鮮明で、明るさやコントラストが適切なもの」「帽子、ヘアバンド等を着用していないもの」を準備します。カラーと白黒の別は問いません。

加えて、インターネット申込の場合、保存形式は「jpeg」、画像サイズは「縦832pixel×横640pixel以上」のデータが必要です。郵送申込では、「縦45mm×横35mm(頭頂部から顎先までが32~36mm)」の顔写真を貼付します。

3:受験手数料の納付

宅建士試験の受験手数料は8,200円(非課税)。支払い方法はインターネット申し込みと郵送申し込みで違いますので注意が必要です。

★インターネット申し込み
・クレジットカードもしくはコンビニ払い

★郵送申し込み
・ゆうちょ銀行の窓口もしくはATMで入金

インターネット申し込みでクレジットカード払いを選択した場合、申し込み手続き時に必要な情報を入力してその場で決済となります。

コンビニ払いの場合、申し込み手続き完了後にコンビニで入金を行い、その入金が確認された時点で申し込み完了となります。

郵送申し込みの場合、試験案内に同封されている払込票を利用して入金します。入金はゆうちょ銀行の窓口もしくはATM。窓口支払いの場合は入金後に渡される「振替払込受付証明書」、ATM支払いの場合は「ご利用明細票」を、受験申込用紙の指定の場所に貼付して申し込みます。

4:試験会場の通知

宅建士試験の出願を済ませると、8月下旬までに、試験する会場の所在地及び会場名が記載された「受験会場の決定通知」のはがきが届きます。

ご自身がどこの試験会場で受験するのかをこの決定通知で確認し、会場までの経路や所要時間等をあらかじめ確認しておきましょう。

宅建士試験の試験会場は47都道府県すべてに設置され、原則として住民登録をしている都道府県での受験となり、試験会場については事前の指定ができません。

ただし、単身赴任や通学等のやむを得ない事情により現住所と住民票の所在が異なる場合、別の都道府県での受験が認められます。

5:受験票の交付

その後、9月下旬までの「受験票」が届きます。こちらは、試験日に持参する必要があるので、持ち物に加えておきましょう。誤って「受験会場の決定通知」を持参してしまうことのないよう、くれぐれもご注意ください。

6:試験日当日

宅建士試験は、13時から15時の2時間で行われます(ただし、登録講習修了者は13時10分から15時の1時間50分)。試験開始時刻前に、注意事項の説明があるため、当日は遅くとも12時30分までに自席に着席できるようにします。

受験票を忘れえつぃまうと会場で再発行手続きを行わなければならないため、忘れずに持参するようにしましょう。なお、トイレを除く試験時間中の途中退出は認められていませんので、解答が終わっても席を離れることができません。

7:合格発表・合格後の手続き

宅建士試験に合格した方には、合格証が郵送されます。しかしこの合格証が届いたからと言って、即宅建士として認められるというわけではありません。

宅建士として働くためには、宅建士登録が必要となり、この登録は各都道府県に行います。

宅建士試験の合格証と一緒に登録申請書類が自宅に届きますので、申請方法を確認して登録申請を行いましょう。

この宅建士登録ができるのは、宅建士試験に合格し、かつ宅建業務に2年以上従事している方のみとなります。

では、宅建業務の実務経験がない方は登録できないのかというとそうではありません。宅建業法に基づいて行われる「登録実務講習」を受講することで、2年間の実務経験と置き換えることができます。

実務経験のない方はこの講習を受講してから宅建士登録を行いましょう。

試験に関する問い合わせ先は?

宅建士試験の申し込みや試験日、試験会場などの問い合わせに関しては不動産適正取引推進機構に行うことになります。

ただし、宅建士試験の実施に関しては各都道府県に設置されている窓口が問い合わせ先となります。

自身が住む都道府県の問い合わせ先に関しては、不動産適正取引推進機構で確認できますので、なにか疑問点がある方はそちらに問い合わせましょう。

宅建試験の試験形式・科目と問題数・配点

宅建士試験では50問の出題があり、「民法等」から14問、「宅建業法」から20問、「法令上の制限」から8問、そして「税・その他関連知識」から8問で構成されています。配点は1問1点の計50点です。

民法と宅建業法が全体の7割弱を占めることから、法律問題の攻略が宅建士合格のカギとなることが分かります。また、試験科目に得意・苦手のある受験生であれば、苦手分野に時間を費やし過ぎず、得意分野で確実に得点できるよう時間配分を工夫し、試験時間120分の戦略的な活用を意識することも重要です。

複数分野に関わる専門知識が問われる宅建士試験ですが、科目合格制度はなく、すべての科目を一度に受験する形式となっています。

ただし、「宅建業務に従事している」もしくは「事前に登録講習を受講し修了している」の要件を満たす受験生は申請により科目免除対象となり、「税・その他関連知識」から5問が免除対象とされます。この場合、試験時間が10分短縮されて110分となります。

宅建試験の合格基準は?

宅建士試験では相対評価を導入しているため、合格基準点は受験年度により変動します。相対評価とは事前に合格基準点が決められておらず、受験者の上位〇%が合格するというタイプの採点制度。

そのため受験者のレベルが高い、もしくは出題される問題の難易度が低い年は合格基準点が高くなり、受験者のレベルが低い、もしくは出題の難易度が高い年は基準点が低くなります。

近年の傾向を見ると、宅建士試験の合格基準点は35~38点(50点満点)あたり。7割あたりが合格基準点になることが多いようです。

宅建士試験対策を行う場合は、少なくとも8割は正解できるように準備するのがおすすめとなります。

宅建士試験の合格率についてはこちら

試験当日の注意事項

最後に試験日当日の注意事項に関して紹介しておきましょう。

まず宅建士試験に関してですが、宅建士試験の試験時間は120分間。全科目の試験を同時に行いますので、途中で休憩時間などはありません。試験日当日も試験中の退出などは基本的に認められていません。

トイレや飲食などもできなくなりますので、事前にしっかり済ませておきましょう。

宅建士試験の試験会場は47都道府県すべてに設置されますが、その試験会場の大部分では駐車場の用意がありません。試験日当日はマイカーよりも公共交通機関の利用が推奨されています。

どうしてもマイカーでという方は、試験会場周辺の時間貸し駐車場をチェックし、早めに現地に到着し駐車場を確保できるようにしてください。駐車場が確保できずに試験に遅刻してしまっては意味がありません。

そのほかに、試験日当日に注意すべき点を解説していきます。

試験に持ち込めるものと持ち込めないもの

宅建士の試験会場に持ち込めるものと、持ち込めないものに関して紹介していきます。

持ち込めるもの 持ち込めないもの
受験票 ※必須
鉛筆orシャープペン ※必須
消しゴム ※必須
鉛筆削り
マスク ※未定
腕時計 ※条件アリ
計算機能・通信機の付きの腕時計
スマートフォン
スマートウォッチ
置時計
計算機
他不正受験が疑われるもの

上記の表で紹介しているのは、2022年度試験の情報です。

まず必ず持って行かないといけないものは受験票と筆記用具。受験票に関して上の表にはありませんが、顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカードなど)も持参した方がいいでしょう。

身分証明書は基本的には不要ですが、受験票にある顔写真と試験日当日の本人の見た目の印象が大きく違う場合、身分証明書の提示を求められるケースがあります。

髪型や髪色を大幅に変える、極端に太る、痩せるなどの見た目の変化があった場合、受験票の顔写真で本人確認ができない場合があります。万が一に備えて身分証明書は持参した方が良いでしょう。

試験会場によっては会場に時計の設置がない会場もあります。そのため腕時計の持参もほぼ必須といえるでしょう。

ただし腕時計に関しては注意が必要。通信機能や計算機能が着いている腕時計は持ち込めませんし、操作で音が出るようなデジタルタイプもあまり推奨できません。

持ち込む腕時計はできればアナログタイプの何も機能がついていない時計にしましょう。

気を付けたいのがスマートウォッチ。スマートウォッチは当然持ち込み不可となります。毎日普通に着用している方は、つい無意識に持ち込んでしまう可能性がありますので注意しましょう。

最後にマスクに関してですが、2022年度試験までは必須とされていました。2023年度試験でどのような扱いになるかは、6月の試験公告で確認するようにしてください。

宅建試験が実施されるのは年に何回?

宅建士試験は年に1回、毎年 10月の第3日曜日に実施されます。英検等のように年に何度も実施される試験ではないため、万が一不合格となってしまった場合はまた来年の挑戦となります。

受験生活の長期化はモチベーション低迷の原因となるため、一度の受験機会を大切にし、万全に準備して本試験に臨めるのが理想です。

宅建の平均受験回数

宅建士試験は合格率15~17%の難関ですが、合格までの平均的な受験回数は2回と言われています。1回目の受験で合格を逃しても、多くの受験生が次回の挑戦で結果を出していることに鑑みれば、一度不合格になったとしても諦めずに受験することの意義は明らかです。

ただし、合格に向けて、正しい試験対策を講じることが大前提です。

宅建試験を目指す方におすすめの勉強法

宅建士合格までの道のりは人それぞれですが、短期間で効率良く合格を目指すためには、「出題傾向・形式に沿った取り組み」が不可欠です。

幅広い試験範囲の中から試験で狙われるテーマを中心に理解を深めること、民法や宅建業法といった出題数の多い科目を重点的に対策すること等の工夫が功を奏します。

独学受験の場合、どうしても取り組みが独りよがりになりがちに。この点、受験対策講座の活用により、「ポイントを外さない学習」が可能になります。

宅建の勉強法についてはこちら 宅建士試験の勉強時間についてはこちら

まとめ

2023年度宅建士試験の試験日は10月15日の予定です。申し込みの開始は7月の予定ですが、試験スケジュールに関しては6月の試験公告で確認しましょう。

宅建士試験の試験科目は4科目。宅建業法と民法という法律問題が出題の中心となり、全50問中35~38問の正解で合格となる試験になっています。

宅建士試験は相対評価を採用している試験ですので、試験対策では最低でも80%は正解できるレベルまで対策をしましょう。

宅建士試験は受験資格がなく、誰でも挑戦できる資格です。6月の公告を確認し、スケジュールを理解したうえでしっかり準備して挑戦しましょう。

この記事の監修者は
窪田義幸(くぼた よしゆき)

″栄光を掴む″ための講義、″強い意欲″を持ち続けるための講義をめざします
【出身】愛知県
【経歴】立命館大学文学部卒。宅建・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士。
【趣味】神社仏閣巡り
【受験歴】1999年宅建試験受験、合格
【講師歴】2001年よりフォーサイト宅建講座講師スタート
【刊行書籍】3ヵ月で宅建 本当は教えたくない究極の宅建合格メソッド (最短合格シリーズ)
【座右の銘】雨垂れ石を穿つ
フォーサイト公式Youtubeチャンネル「くぼたっけん」
フォーサイト講師ブログ

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