宅建士試験科目の「宅建業法」を抑えるべきポイントや勉強方法!

宅建士試験科目の「宅建業法」を抑えるべきポイントや勉強方法!

宅建業法

宅建業法とは、正しくは、宅地建物取引業法と言います。これは、宅建業を営むものの免許制度や土地、建物の取引ルールを定めた法律です。

業として土地や建物の売買、賃貸やそれらの仲介等を行なう事業者のことを、宅建業者(ただしくは宅地建物取引業者)と言います。なお、取引についてのルールは商法や民法にも定められています。

また、土地や建物の取引には大きなお金が動きます。宅建業者に比べて一消費者は持っている知識や情報量も少ないので、消費者を保護するためにも宅建業法のようなルールが必要になります。

このように、法の趣旨をまず理解しておくことは、迷った際やわからなくなった場合の指針となるので重要なことになります。

目次

宅建業法の出題数と頻出分野

宅建業法は、宅建士試験で最も重要な科目となり、例年20題前後出題されます。権利関係と宅建業法で全出題数の7割近くを占めているため、宅建業法で点が取れないと、合格できる可能性は低くなります。

宅建業法は全86条の法文ですが、その全ての事項から満遍なく出題されるわけではありません。主に出題されるのは、ルールの根幹になる部分と、消費者保護に関する部分となります。

なお、ルールとなる部分が、「免許」「宅地建物取引士」「営業保証金」などにあたり、消費者保護の部分が「35条書面」「37条書面」「クーリングオフ」などです。過去問を解くときも、その問題が何をテーマにしているのかを意識するだけでも、理解力が変わってきます。

たとえば、「クーリングオフ」であれば消費者保護のための規定となるため、「より消費者にとって有利であるべきだ」という判断基準を持つことができます。答えに迷ったときは、このような判断基準が助けてくれることも少なくはありません。

宅建業法の頻出分野①35条書面

35条書面は、宅建士試験の頻出問題です。頻出というより、毎年必ず出題されると考えておいたほうが良いでしょう。宅建業法の35条が、重要事項説明について定めた規定となるため、このように35条書面と言われます。

なお、35条書面には、出題ポイントがいくつもあります。

  • 書面交付の時期
  • 書面の記載内容
  • 説明義務者
  • 説明方法
  • 記名押印義務者

などがあります。

これら一つひとつが頻出問題のため、確実に覚えておく必要があります。また、宅建業法は、ひねった問題よりも素直な暗記問題が多いのでコツコツした暗記が有効です。そのため、宅建業法は真面目に勉強すればするだけ点が取れるので頑張りましょう。

宅建業法の頻出分野②37条書面

35条書面と似ていますが、37条書面は契約書です。37条では契約について規定されているので、37条書面と言われています。

なお、37条書面も、毎年必ず出題されると考えておくべきテーマです。

  • 交付時期
  • 記載内容
  • 交付相手
  • 説明場所
  • 説明義務者
  • 記名押印義務者

など、覚えることがたくさんあります。

また、35条書面とよく似ているので、似ているところを突いてくる問題も出題されます。内容を何となくで覚えてしまっていると、そこで間違えてしまう恐れがあります。そのため、37条書面の勉強をするときは、35条書面との違いを意識しながら勉強すると良いでしょう。

なお、表にして見比べてみると違いがわかり、覚えやすくなります。

35条書面同様、37条書面も実際の不動産取引での契約事項を定めているので、細かく具体的な規定になっています。なぜそのような規定が必要なのか、実際の取引を想像しながら勉強を進めていくと良いでしょう。

宅建業法の頻出分野③8種制限

8種制限とは、宅建業者が自ら売り主となる場合の8つの制限のことです。宅建業者を制限するルールであるとともに、消費者保護のための規定でもあります。そのため、取引の相手方が宅建業者であれば、制限にはかかりません。この8種制限も、毎年出題されると考えておいたほうが良いポイントです。

なお、具体的な制限は以下の通りです。

  1. 自己所有でない物件の売買契約締結禁止
  2. クーリングオフ制度
  3. 損害賠償予定額と違約金の上限(合計が売買代金の2割まで)
  4. 契約手付と手付金額の上限(売買金額の2割まで)
  5. 買主に不利な瑕疵担保責任の特約無効
  6. 手付金の保全
  7. 割賦販売契約の解除制限
  8. 所有権を留保した売買契約禁止、引き渡し後の譲渡担保禁止

これら8種の制限については、どれも重要な論点となるため、一つひとつ丁寧に覚えましょう。また、宅建業者が自ら売り主となる場合の制限なので、一般消費者が売り主となるときにはこの制限は適用されません。

売主、買主が誰かによって制限のあり・なしが異なるので、問題文をよく読みましょう。

宅建業法の頻出分野④クーリングオフ

8種制限の中でも特に頻出となるのが、クーリングオフです。クーリングオフについては、過去問を解きながら正確に覚えることが必要です。クーリングオフの問題には、細かな点を聞いてくる問題が多く、例えば、申込の場所などです。

宅建業者の事務所等以外で申し込みをすると、クーリングオフが可能です。では、「事務所等以外」とは、どの場所を指すのでしょうか。買主の自宅は事務所等以外に該当しますが、買主が希望して自宅で申し込みした際には、クーリングオフの適用外になります。

この場合、「自宅等に居座られて断り切れずに申し込みしてしまう」ということが考えにくいからです。

このように、クーリングオフの問題は、場合分けをして正確に覚える必要があります。また、単に丸暗記するよりも、その理由を考えながら納得して覚えたほうが記憶の定着は良いでしょう。

そのため、常に「なぜ?」と考える癖を付けておきましょう。

宅建業法は満点を目指そう!

宅建業法は、宅建士試験で最も重要な科目です。出題数も例年20問前後あり、この科目で点が取れなければ合格は難しくなってきます。また、宅建士試験はだいたい7割以上の得点で合格することができます。

だからと言って、宅建業法も7割取れれば良いと考えるのは危険です。権利関係の民法や不動産登記法の難易度が高いので、宅建業法は満点を狙うくらいの気持ちで勉強する必要があります。

また、宅建業法は出題数が多く、過去問の蓄積が豊富です。出題される範囲も決まっているので、過去問で十分な対策が可能です。問題は当てはめ問題ではなく、暗記で対応できるものが多いので、コツコツ勉強した人ほど点が取れる科目と言えます。

そして、暗記を嫌がらずに勉強すれば、宅建業法は満点を狙えます。モチベーションとしては、満点を狙って最終的に9割程度取れると望ましいでしょう。

最初から、「7割、8割取れれば良い」という考え方だと、そのレベルを超えることはできません。他の科目よりも、宅建業法には特に力を入れて万全の状態でのぞむようにしましょう。

宅建業法の過去問を見てみよう

宅建業法では、過去問を解くことで覚えるべきことが見えてくることがあります。

[問27] 平成29年度
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法及び民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 売買契約において、瑕疵担保責任を負う期間を引渡しの日から2年間とする特約を定めた場合、その特約は無効となる。
イ 売買契約において、売主の責めに帰すべき事由による瑕疵についてのみ引渡しの日から1年間担保責任を負うという特約を定めた場合、その特約は無効となる。
ウ Aが瑕疵担保責任を負う期間内においては、損害賠償の請求をすることはできるが、契約を解除することはできないとする特約を定めた場合、その特約は有効である。
(1)一つ
(2)二つ
(3)三つ
(4)なし

これは、8種制限の典型的な問題です。問題文に「自ら売主として」「宅地建物取引業者でない買主」とあるので、8種制限がかかる場面だということが分かります。このように、問題文できちんと前提を確認することが大切です。

また、選択肢はどれも基本的な内容となります。ただし、この問題は「いくつあるか問題」といって、全ての選択肢を判断しなければならないので、消去法では選べません。

そのため、過去問を解くときは何について聞かれているのかを意識しつつ、条文やテキストを思い出して解いていくと良いでしょう。

宅建業法の勉強法

宅建試験だけに限らず、資格試験は過去問中心の繰り返し学習が合格への近道です。なぜなら、重要論点は何度も繰り返し出題されるので、過去問は本試験の問題に直結しています。

それに加えて、宅建士の勉強は科目ごとにどこに意識を置くかも重要です。たとえば、民法は当てはめ問題が多いので、問題文に即して考えることが必要です。なんとなく過去問をしているだけでは、少し問題文が変わっただけで対応できなくなってしまうことがあります。

そのため、民法は「どの条文を、どの部分に当てはめて考えるべきか」ということを意識しながら勉強する必要があります。

一方、宅建業法は暗記が点数を大きく左右します。これは、宅建業法が民法と比べて、より具体的なルールを定めた法律だからです。期間や金額、割合など細かい数字も多いので、それらをしっかり暗記しましょう。

そして、過去問を解いてみることで、暗記→問題演習→知識の定着というサイクルを回していきます。暗記したことは、すぐに忘れてしまいやすいものの、忘れるスピードに抵抗して問題演習で知識を定着させることが大切です。

まとめ

宅建業法は暗記しなければならない部分が多いので、面倒やつまらないと感じる人も多いかと思います。しかし、実務に直結する法律なので、避けては通れません。

また、暗記すればするほど問題が解けるようになるので、そこをモチベーションにコツコツ暗記しましょう。