実務家密着取材


行政書士 平賀猛 さん
1972年新潟県生まれ。東京都葛飾区出身。大学在学中の1996年、行政書士試験に合格。1997年より、都内の行政書士事務所に入所し、補助者として勤務。2001年11月に正規登録をし、2005年に独立開業。現在、建設業専門の行政書士事務所「中央行政事務所」の代表として、建設業の営業許可、経営事項審査、建設関連業務の許認可申請、会社設立サポート業務を展開している。
平賀猛さんが代表を務める「中央行政事務所」のホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.chuogyosei.com
一点突破!専門業務に特化し差別化を
毎年1000件以上の建設業案件を手掛ける行政書士
試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは、活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は行政書士である平賀猛さんからお話を伺いました。
どのようなお仕事をされているのでしょうか
私の事務所は、建設業専門です。主な取扱業務としましては、建設業を行うための営業許可申請、公共工事に必要な経営事項審査、省庁や都道府県、市町村等への入札参加資格審査申請、そして建設業及び建設業に関連する手続きのご相談等です。秋葉原に事務所を構えていますので、お取引先は千代田区や中央区の企業が多いですね。私は15年ちかく建設業に特化したサービスを提供し、今では毎年1000件以上の建設業案件を承っています。これまで培ってきたノウハウをいかし、行政書士としてだけでなく、建設業許可アドバイザーとしてもお客様をサポートしています。

建設業専門の行政書士・平賀さん
行政書士の資格を取得したきっかけを教えてください
大学に入学したものの、将来に対する不安のようなものがありました。基本的に、人のもとで働くというよりは、自分の力を試してみたいという気持ちが強かったので、「手に職を」と資格を取ることにしました。「行政書士か、社労士か」、受験勉強を始める前に迷いましたが、最終的には行政書士を選択しました。5月のゴールデン・ウィーク明けに申込み、その勢いで勉強をスタート。10月の試験で一発合格しました。「社労士の資格も取ろうかな」と今でも折に触れて考えますが、学生時代に行政書士の資格を取得しておいて良かったと思います。

学生時代に行政書士に一発合格した平賀さん
行政書士としてのキャリア、歩みについて教えてください
大学生の頃に資格を得てはいましたが、「すぐに開業しよう」という気にはなりませんでした。そこで、行政書士事務所に補助員として勤務することにしました。入所したのは、建設業をメインにした事務所でしたので、必然的に建設業許可関連についての知識は身につきました。8年間の事務所勤務を経て、2005年に独立開業しました。行政書士の仕事は他士業と比べるとスポット案件が多いのですが、建設業には年に一度報告義務があります。長期的なおつきあいが出来るだけでなく、内装や塗装会社をはじめ、幅広いお客様が携わるということもありますので、建設業に特化しました。現在は、行政書士や司法書士のパートナーと提携して作業を行っています。

千代田区秋葉原にある中央行政事務所
お仕事のやりがいは何でしょうか?
「お客様の会社にとって、よい道筋を見つけて差し上げることが出来た」と感じた時にやりがいを感じます。基本的に、これまでの経験と知識を基にコンサルティングを行っていますが、的確なアドバイスをすることで、お客様を「気づき」に導いて差し上げることが出来ます。例えば、コンプライアンスに対するお客様の意識が希薄な場合、それにお客様自らが「気づく」ことで状況は好転します。お客様が「気づき」、「意識」し、「改善」する行動を目にした時、この仕事をやっていて良かった、と改めて実感しますね。

15年近く、建設業案件に取り組む平賀さん
行政書士としての自覚、必要だと感じることは何でしょうか?
行政書士は基本的に、官庁とお客様の間を往復する仕事です。そこで必要とされるのは、コミュニケーション能力、行動力、勤勉さですね。行政書士は、「企画力・提案力・洞察力を兼ね備えた営業マンである」と私は思います。お客様とどんなに親しくなったとしても、「親しき仲にも礼儀あり」。相手に対する最低限のマナーは大事ですし、距離感を読み、相手によって話し方、言い方を変えることも必要だと思います。
今後の目標、将来の夢について教えてください
以前から言われていますが、士業連携の動きは加速すると思います。私の事務所には、常時パートナーがいますし、組合も併設しています。行政書士、司法書士、社労士だけでなく、さまざまな士業の方をひとつの場所に集め、お客様にとって有意義なサービスを窓口ひとつで提供できるようにしたいと思います。事務所を今後さらに拡大することが、今の私の目標です。
「行政書士になる!」と最初から身構えると、どうしても既存の枠にとらわれがちです。現在の自分が持っているスキル、特技や趣味ありきで考え、「どうしたら行政書士の仕事に結びつけられるのか」を突きつめていくと、仕事の可能性は無限に広がると思います。あなたなりの「新しい行政書士の姿」を是非見つけてください!
行政書士 平賀猛 さんの、ある1日


7:00 | 起床 | 朝食 |
9:00 | 出社 | メールチェック |
9:30 | 社内 | スタッフミーティング |
10:00 | 社内 | 顧客と電話でのミーティング |
12:00 | 休憩 | 昼食後、外出 |
13:00 | 個別相談 | 建設業許認可関連の確認・打ち合せ |
16:00 | 個別相談 | 士業仲間とのミーティング |
18:00 | 帰社 | 顧客からの相談・質問に対し、メールで回答 |
19:00 | 社内 | 書類チェック |
20:00 | 外出 | 食事 |
22:00 | 退社 | 帰宅後は、読書 |
25:30 | 就寝 |