実務家密着取材
行政書士 十田博 さん
1966年東京生まれ、千葉県浦安市出身。1990年に明治大学商学部を卒業し、国内大手電機メーカーに就職。コンピュータの法人営業担当となる。その後、国内陶磁器・食器販売会社に転職。在籍7年間のうちに、法人営業はもとより、経理、web制作まで幅広い業務に携わる。その後、ITベンチャー企業等に勤務。2000年にフリーのwebデザイナー・システムエンジニアとして独立し、2004年に「ジュウダシステム」を開業。その後、2007年度の行政書士試験に一発合格。2008年に「ジュウダ行政書士事務所」を開設し、今に至る。
十田博さんが代表を務める「ジュウダ行政書士事務所」のホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.juda-office.jp
「夢を叶える」スタートラインへの案内役
クライアントをゴールへ導く行政書士
試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは、活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は行政書士である十田博さんからお話を伺いました。
どのようなお仕事をされているのでしょうか
現在、「ビザ在留資格取得申請」、「永住資格申請」、「帰化申請」等、外国人向けのサービスを主に展開しています。会社等の法人設立、またそれに付随する許認可申請案件をうけることもありますが、8割は外国人在留資格関連ですね。お客様は、個人というよりは法人の方が多いです。最近は、ITや映像・デザイン制作等のクリエイティブ系で、外国人を雇用する会社が増えています。「海外に暮らしている外国人を雇用したい」、「就労可能な外国人なのか、就職先に確認したい」、「在留期限の延長をしたい」等のご相談をたびたび受けます。ジュウダ行政書士事務所では、お客様に代わって、各種証明書の発行や許認可の申請、手続き等を主に行っています。
行政書士の資格を取得したきっかけを教えてください
前職は、IT関連の仕事をしていました。もともとは、「エンジニアになりたい」という思いで、大学卒業後は新卒で電機メーカーに入社しました。ところが、配属先はコンピュータの法人営業でした。3年ほど勤務し、国内陶磁器・食器販売会社に転職し、システムプランニング、web制作を手掛けるようになりました。そして、IT業界全盛の当時、ITベンチャー企業に転職しました。その後、自分がwebデザイナーとして独立して気づいたのは、「IT業界には法律について詳しい知識を持つ人が少ない」ということでした。そこで、法律に関する知識を身につけるべく勉強を始めました。最初のうちは「自分で契約書を作成することが出来る程度の知識が得られれば」と考えていましたが、だんだん欲が出てきて、資格を取るべく本格的に勉強をスタートしました。
前職とは畑違いの資格にチャレンジし、見事合格
行政書士としてのキャリア、歩みについて教えてください
はじめは、IT関連の仕事と並行しながら、行政書士としてスタートしました。一番最初の仕事は知人の会社の議事録作成です。私は開業当初から、実務をこなしながら行政書士の仕事を覚えていけばいいと考えていました。インターネットや関連書籍だけでなく、支部の講習会や異業種交流会に行ったりして、幅広くリサーチしました。開業してすぐに開設したホームページ以外、特別な営業は一切しませんでした。たまたま、私の友達である外国人の許認可申請を行ったのをきっかけに、外国人サポートに特化するようになってから、一気にお客様の数が増えましたね。オフィスは光が丘にあるのですが、私のサイトをご覧になって、ご連絡くださる方も多いです。サラリーマン時代の収入を目標に、行政書士の仕事に励んできましたが、今では同年代のサラリーマンと同じくらいの収入を得ています。
行政書士として開業し、今年3年目を迎える
お仕事のやりがいは何でしょうか?
お客様は、大なり小なりそれぞれ夢をお持ちです。例えば「外国人の方と結婚したい」、「日本の企業に就職したい」等、人によって夢はさまざまです。それを叶えるためのサポートを全力で行うのが私の仕事だと考えています。お客様がご自身の夢を実現できるよう、スタートラインに乗せるように努力する。そして、それがうまくいった時、お客様と分かち合う喜びはどんなものにも代えがたいものです。お客様の、心からの笑顔を見ることが出来た時に、「この仕事をやっていて良かった」と思いますね。
「お客様と喜びを分かち合うのが最上の瞬間」と話す十田さん
行政書士としての自覚、必要だと感じることは何でしょうか?
まず第一に、法令遵守は行政書士の基本姿勢だと思います。外国人サポート案件の仕事では、実現が困難な案件を持ち込まれる場合もあります。ですから、要件を伺っても、最初は杓子定規に法律に則った私なりの意見をお話します。その上で、お客様が一番望まれることを実現していくように心がけています。お客様の要望の中には、折れることが出来るものと折り合いがつかないものと両方混在している場合が多々あります。最終的にお客様が目指すゴールはどこなのか、本当に望んでおられることは何なのか、全体を見渡す力も行政書士に必要な能力なのではないかと思います。
十田さんは、子煩悩なイクメンでもある
私が行政書士を始めて分かったことは、仕事を楽しみながら出来るようになれば収入もついてくる、ということです。行政書士の仕事は、法律というルールさえ守れば、枠にとらわれず、幅広い分野を開拓できます。そういう意味では、「早めにやったもの勝ち」だと思います。受験生活では、ただ覚えるだけの勉強に苦痛を感じるかもしれませんが、受かってからがあなたの腕の見せどころです。新しい可能性にどんどんチャレンジしてみてください!
行政書士 十田博 さんの、ある1日
4:30 | 起床 | メールチェック、ブログ更新 |
5:30 | 朝食 | 夫婦で食事。子どもにはミルクを。 |
7:30 | 外出 | 子どもを保育園に送り届ける |
8:00 | 社内 | 事務作業 |
9:00 | 外出 | 入国管理局、都庁へ |
11:30 | 帰社 | |
12:00 | 休憩 | 昼食 |
13:00 | 個別相談 | 外国人の許認可申請手続き |
14:30 | 外出 | |
15:00 | 個別相談 | 法人のクライアントを訪問 |
17:00 | 帰社 | メールチェック |
18:00 | 退社 | 子どもを迎えに保育園へ |
19:00 | 食事 | |
20:00 | 仕事の続き | 書類作成 |
22:00 | 就寝 |