行政書士の難しい問題も、落ち着いて取り組めば受験突破できます
【行政書士】
2017年(平成29年度)合格
- 勉強期間
- 11ヶ月間
- 受験回数
- 初学者(1回目)
- 職業
- 無職
- 年代
- 40代
- 性別
- 男性
1.フォーサイトの魅力
フォーサイトを選んで本当に良かったです。
私はバリューセット2を申し込みましたが、「合格するのに必要十分な品質が備わっているうえに、お財布に優しい」というのが大きな魅力です。
2.私の心構えは2つ
(1)フォーサイトのテキストを信じる
何度繰り返しても、本試験までに全てのテスト(テキスト、道場破り含む)・過去問を1問も間違えることなく、通しで正解できるようになるのは極々限られた人でしょう。
つまり、同じテキストでも何度も何度も鍛錬する余地があるということだと思います。繰り返し復習することで見えてくることがたくさんあります。他の問題集などに手を出している暇などありません。
(2)しっかりスケジュールを立て毎日コツコツこなす
試験本番までにこれだけやり切るというイメージを持って計画を立て、学習・生活環境などと折合いをつけながら、できる限り“一定のペース”で最後まで淡々と進めました。
3.私の取り組み方
(1)勉強を始める前にまず相手を分析する
入門講座という冊子の「Ⅱ-3試験科目・出題形式・出題数と配点・合格基準」について、福澤先生による解説に加え、自分なりにもしっかり相手を分析しました。
a)学習時間を割くべき優先順位を明確にする
言うまでもなく最優先は、法令等のうち“行政法”。
五肢択一式、多肢選択式、記述式の3つの出題形式があり、問題数も最多。次は民法ですが(行政法も同様)、記述式の演習によって知識の定着を図ることが大変効率的だと思います。
商法も一定程度重要ですが、会社法は本当に広範に渡るので、テキストの基本事項を徹底的に叩き込むのがベストなコスパだと思います。
一般知識は特に情報通信・個人情報保護に時間を割き、全問正解を目指しました。文章理解は国語の問題と割切って過去問で形式に慣れることで攻略しました。
政治・経済・社会は、過去問を初めて解いたときは全くできませんでした。過去5年程度のものや、繰り返し出題されているもの、時事ネタなどに気を配る程度と割り切りました。
b)本試験で解く順序と時間配分の目安を決める
配点の占有率に注目し、本試験で解く順序(①~④)と時間配分の目安を決めました。
①記述式(問44~46)
②多肢選択式(問41~43)
たったの6問(全問の10%)で84点(全配点の28%)も占めるわけですから、まずは①②を焦らずにじっくり攻略するのが肝要と判断し、ここまでで50分費やしてもOKとしました。
③一般知識(問47~60)
④法令等のうち五肢択一式(問1~40)
残りの③④合計54問を2分/問のペースで解けば108分。ひととおり解いた時点で158分。
試験時間は180分ですから、残りの22分は見直しや不測の事態に対処するための予備時間としました。
バリューセット2の模擬試験も、別途単科購入した模擬試験も、この目安を基に演習しました。模擬試験では30分ほど時間が余る状況で合格点をクリアできていましたが、本試験当日は予想外の展開になりました。
(2)道場破りが大活躍
a)スケジュールの自動作成
講座自体は本試験の11か月ほど前に申し込みましたが、家族の事情により、段ボールを開封できたのは5か月前でした。
短期間で集中的に取り組むため、まずは自動作成でスケジュールを立てましたが、あくまでも大枠としてのペースメーカー的な物差しとして捉えました。
具体的な部分は“合格手帳”をフル活用して、月別・週別・日別の計画を立て、週ごとに計画の微調整を臨機応変に行いました。
途中で息切れしないためにも、無理なく少し余裕を持ったスケジュールを立てることが肝要だと思います。私の場合、突発的事情の発生を想定し、本試験の2~3週間前にはひと通り終了する計画でしたが、運悪く家族に思わぬ事態が生じ、試験前の1ヵ月ほどは睡眠時間も勉強時間も大きく削られることになりました。
そのため当初計画はあえなく崩れ、残り20日の時点で“何を諦めるか”を考え、残された時間で優先的にやるべきことの箇条書きリストを作成して対処しました。
b)確認テスト
テキストのチェックテストにはない問題もたくさん盛り込まれており、基礎固めと瞬発力の養成には絶好のツールだと思います。自分の弱点を洗い出すことができ、テキストで復習したのち、忘れた頃に再びトライ。
憲法以外の科目は最低2回演習しました。
c)単語カード
細切れ時間や息抜きの代わりに利用しました。
d)質問箱
実は是非質問したい事項がいくつかありましたが、質問文作成の時間もそれなりに必要になるわけで、それよりもとにかく先に進むことを優先しました。
終盤に時間が許せばと考え付箋はしておきましたが、結局突発的な事情のため、質問箱を利用する時間もないまま本試験に挑みました。
(3)視聴・復習・演習と直前対策
戦略立案編という冊子にある「基礎講座の受講の仕方や復習の重要性とタイミング」などのアドバイスを踏まえつつ、私の場合は次のように取り組みました。
a)DVD視聴
基本講座に関しては必要な場合を除き、基本的に1回しか視聴していません。スケジュール的に余裕がなかったため、過去問演習の復習は解説文を読んで理解することに徹し、解説DVDはほとんど視聴しませんでした。
b)テキスト復習(精読)
2回目以降は記憶を定着させるため、机の前に立ち誰かに向けて講義をするような形で、時には部屋の中を歩きながら、身振り手振りを交え声に出して復習しました。
間違いやすいところはもちろん、過去問で繰り返し問われている問題は落とすと致命的なので、納得できるまで5回6回と繰り返しました。
c)チェックテスト
全部正解するまで徹底的に繰り返しました。最低3回、間違えた問題は5回以上。1回目は当日か翌日、2回目は1週間後、3回目は3週間後の要領で進めました。
d)過去問演習
チェックテストの3回目に取り掛かった頃、同時に過去問演習をスタートしました。
1回目は35日間で全科目終了。当初計画では全科目最低2回以上回す予定でしたが、家族の突発的事情により2回目は全科目終了できず、憲法と知識Bは1回のみで諦めました。ただし知識Aだけは、不安があったので超直前期に3回目の演習をしました。
まずは演習を始めるにあたって、試験での重要度を考慮し、科目ごとの回す(演習する)頻度を設定して、「週間演習計画(コマ割り表)」なる自前の表を作成しました。
私の場合は、できる限り毎日多くの科目に触れることを重視して、行政法(記述1問含む)・民法(記述1問含む)・一般知識(理解2問含む)は毎日実施。憲法は月水金、商法は火木土、基礎法学は土か日などのように設定し、月~金は毎日30問ほど、土日は5~10問程度のペースで演習を続けました。
e)直前対策
①択一編・記述編
9月下旬に届きます。直前までに最低2回演習を目標に、1日何問消化すべきかを逆算して、翌日からすぐに取り掛かりました。
②模擬試験
別途単科購入した模擬試験は9月上旬にすぐ実施しました。合格点をクリアできたことや、直前対策択一編・記述編の演習と復習、過去問2回目の演習が11月の上旬まで時間を要したことから、9月末に届いていたバリューセット2の模擬試験は、超直前期の11月初旬に実施しました。
③本試験直前チェック用ファイル
10月末から1週間ほどの間に全てのテキスト・模擬試験をざっと通し読みして、「本試験直前に是非チェックすべき事項」を洗い出し、縮小コピーして100円ショップで売っているA5版の極薄ファイル(20袋のもの)1冊に収まるだけの分量(当日短時間で確認できる量)に厳選して、“本試験直前チェック用ファイル”を作成。
これまで身に着けた自分の知識を改めて整理することができますし、本試験当日も実際にとても有益な武器となりました。準備して本当に良かったです。
4.本試験当日
6時過ぎに起床し朝食を摂り持ち物を再点検した後、出発前に1時間だけ別途単科購入した模擬試験の再確認をしました。
試験会場へ向かうバス・地下鉄の中と到着後の廊下で、自作の“本試験直前チェック用ファイル”と商法のテキストをざっと確認しました。
本試験は、福澤先生の『問題冊子をざっと眺めて落ち着きましょう』というアドバイスを実践したことで、大きく動揺することなく臨めました。開始の合図とともに、まずは問題冊子をざっと眺めるのに私はじっくり4分ほどかけました。
民法と商法には特に違和感はありませんでしたが、憲法は見慣れない問題もあることに気づきました。記述式の行政法は、まさに“本試験直前チェック用ファイル”に綴じ込んだ過去問のテーマそのものであることに気づいたので、「しめた」と思ったのと同時にまとめるのには少々時間がかかりそうだなとも感じました。記述式の民法は大丈夫そうでした。
一番の問題は一般知識で、サービス問題らしきものもありましたが、ちょっと見慣れないものがいくつか散見されたので、ちょっと嫌な予感がしました。
予め決めた“解く順序(①~④)と時間配分の目安”に従って解き進めたところ、
①記述式(問44~46)と②多肢選択式(問41~43)が終了した時点で予定の50分を大きくオーバーし、既に70分経過していました。記述式の仕上がりには自信がありましたが、見直し等の時間がほぼなくなってしまった計算です。
そこで、残りの問題はこれまで以上に集中し、見直しはできないものと覚悟して解くことに決めました。
が、一般知識を解いてみると、やはり分からない問題がありました。それでも、「他の受験生もきっと分からないだろう」と自分に言い聞かせ、残りの問題も何とか時間ギリギリで解き終えました。
5.最後に
試験を終えて、全般的にはまずまずの感触はありました。ただ、一般知識の部分(個人情報保護を除く)には大いに不安がありました。
また、家族に思わぬ事態が生じ心身ともにかなり疲弊しましたが、5か月間で900時間以上勉強し、無事合格することができました。
福澤先生、フォーサイトのスタッフのみなさま、本当にありがとうございました。