インテリアコーディネーター試験の難易度とその理由を把握し合格率を上げる

試験を受けてる人の手元

インテリアに関する仕事をしたい、すでにインテリアの仕事をしていてさらにステップアップしたい、そんな人にとって、インテリア業界の中でももっとも有名な資格のひとつであるインテリアコーディネーターはぜひ持っておきたい資格です。

初めてインテリアコーディネーター試験を受ける場合、気になるのが試験の難易度ではないでしょうか。この記事では、インテリアコーディネーター試験の難易度や他のインテリア関連資格の難易度について解説します。

目次

インテリアコーディネーター試験の難易度ってどれくらい?

インテリアコーディネーター試験の受験者は、毎年8000~9000人です。販売やデザインなどインテリア関連の仕事をしている人だけでなく、学生や専業主婦などさまざまな人が受験するこの試験の難易度はどれくらいなのかを見ていきましょう。

インテリアコーディネーター試験の難易度

インテリアコーディネーター試験の難易度は、主催者である公益財団法人インテリア産業協会から発表されているデータから推測できます。

2015年度から2019年度までの直近5年間において、一次試験・二次試験を通じた合格率は22.5%~25.1%です。つまり、一次試験では70~75%の正答率であり、二次試験でも与えられた課題を7割近くクリアすることが合格の条件だと言えます。

インテリアコーディネーター試験に合格するための勉強方法

インテリアコーディネーター試験の勉強は、主催者の公益財団法人インテリア産業協会から出版されている『インテリアコーディネーター試験ハンドブック統合版』(上・下)をテキストとして進めるのが一般的です。勉強方法は通学、通信教育、独学の3つがあります。

通学とは、インテリア産業協会会員の専門学校で開講されている専門コースに通う方法です。インテリア関連の学科がある工業高校や大学で該当コースを選択する方法も含みます。直接講師に指導してもらいたい人や、同じ目標を持った人と一緒に勉強したい人向けです。

通信教育とは、インテリアコーディネーター試験対策用の講座を受講する方法です。地方在住で近くに通学できる学校がない人や、仕事や家事育児など他の予定と調整しながら勉強したい人向けです。

独学とは、テキストや市販の過去問題集を用いて自分一人で勉強する方法です。仕事や家庭の事情で定期的な課題提出が難しい人や、自分のペースで勉強を進めたい人向けです。

インテリアコーディネーター試験の難易度を決めるのは何?

インテリアコーディネーター試験の難易度は、主催者から公式に発表されているわけではありませんから、合格するかどうかは受験者本人のレベルによると言っていいでしょう。インテリアコーディネーター試験の難易度を決める要素を3つ紹介します。

インテリアに関する仕事経験があるかどうか

インテリアコーディネーター試験の合格者の業種別割合を見ると、施工やデザイン・設計といったインテリアに関する仕事をしている人が多いです。対して高校生や大学生、専門学校生、主婦といったインテリアに関する仕事に就いていない人は少ないのが現状です。

つまり、インテリアの仕事経験がある人はない人に比べると設問の理解度が高く、正答率が高いために合格しやすいことが分かります。日頃から現場に接しているため、仕事を通じてインテリアの知識やコーディネート経験が身についているためでしょう。

専門用語をどれだけ理解できるか

インテリアコーディネーター試験では、建築やインテリアの専門用語が多く出てきます。特に建物の構造や家具、住宅設備、インテリアエレメントといった分野は、専門性が高いだけに専門用語の使用率が高いです。

専門用語が何を意味するのか、どういった状態を指すのかを汲み取って理解できるかどうかで、正答率は上下します。分からない専門用語が出てきたら、文字だけでなくイラストや写真なども参考にしてよく理解することで正解を出しやすくなります。

建築に関する基礎知識が身についているか

インテリアは家具のように単独で設置するものもありますが、多くは建物と密接なかかわりを持っています。内装材と壁や天井・床と、キッチンや浴室などの水まわり設備と給排水設備、照明器具と電気配線設備といった具合です。

建築とインテリアは、空間という場において一体化しているため、試験でも商品と施工の両方にかかわる設問が多く見られます。建築に関する知識があると、問題の意味がより分かりやすくなって正しい答えを出しやすくなるでしょう。

コーディネートの表現力があるか

インテリアの知識があるだけではインテリアコーディネーター試験は突破できません。二次試験で課題に即した提案を考え、的確に表現する力も求められます。

パースでの表現や論文での説得力のある説明ができるかどうかは、二次試験の難易度を大きく左右します。また、いくらパースや論文の技術があっても課題で求められていることを正確に汲み取れていなければずれた提案になってしまいますから、読解力があってこその表現力であることが大切です。

インテリアコーディネーターと他の資格との難易度の違いは?

インテリア関連の仕事に就くため、もっとステップアップしたいために資格取得を考えている人にとって、インテリアコーディネーターと他のインテリア関連資格との難易度の違いは気になるところですね。インテリアコーディネーター以外でよく知られている関連資格について、難易度の違いを解説します。

インテリアプランナー

主に室内空間のインテリア計画を行うインテリアコーディネーターに対して、建築物全体のインテリア計画や設計、工事監理までを担当するのがインテリアプランナーです。学科試験は70%台という高い合格率を誇る一方で、より高いレベルの現場経験が求められることもあって設計製図試験はインテリアコーディネーターよりもやや難易度が高いです。

キッチンスペシャリスト

キッチンスペシャリストはキッチンに特化した資格であるため、出題範囲もキッチンに関連した内容に絞り込まれています。キッチンの分野においてはインテリアコーディネーター試験よりも難しい内容になっていますが、出題範囲が限定されているので難易度は低めです。合格率も35~40%とインテリアコーディネーター試験より高めです。

インテリア設計士

インテリア設計士は、室内空間のインテリアの計画や提案を行うという点ではインテリアコーディネーターと同じです。住宅中心の仕事が多いインテリアコーディネーターに対し、インテリア設計士は商業施設が主な対象なので、試験も商業施設がらみの設問が多く難易度の比較は難しいでしょう。2級が約80%、1級が約50%と合格率は比較的高めです。

マンションリフォームマネージャー

マンションリフォームマネージャーは、大規模修繕など集合住宅ならではの問題に対する計画立案や提案を行う資格です。どちらかというとインテリアよりも建築関連の資格ですからインテリアコーディーネーター試験との難易度の違いを比較するのは難しいですが、学科試験と設計製図試験を合わせた最終合格率は約25%となっています。

照明コンサルタント

照明分野に特化した資格である照明コンサルタントの試験問題は、受験申込み後に送付されるテキストの中から出題されます。テキストをしっかりやり込めば高得点を取れることもあって合格率は約80%と高めです。照明に関して深堀りした問題が多い一方、試験が学科のみで出題範囲も狭いため、インテリアコーディネーター試験よりは難易度が下がります。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障碍者が住みやすい住環境を提案する資格です。福祉・医療分野の知識が求められる一方で、インテリア分野の知識はインテリアコーディネーターよりも少なく、インテリア分野だけを比較するとインテリアコーディネーターより難易度は低いです。1級から3級まであり、3級は60%前後の合格率ですが1級は約10%と狭き門です。

インテリアコーディネーター試験は、上位得点者20~25%が合格する相対評価のため、「〇点取れば合格できる」という指標がありません。インテリアの知識や仕事経験の有無に合わせて効率よく学習し、得点を重ねていくことが難易度を下げるコツと考えましょう。

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