ITパスポートの試験概要・受験資格

ITパスポート試験を受験したいけど、あまりよく知らないという方も多いのではないでしょうか。そこで、試験概要と受験資格についてお伝えします。
試験概要
ITパスポート試験は、全国の試験会場にてCBT方式により随時実施されている国家試験です。解答方法は、四肢択一式ですので、全部の選択肢がわからなくとも解答できるものですので、落ち着いて解答しましょう。
CBT方式とは?
CBT方式とは、コンピュータを利用して実施する試験方式のことです。受験者はコンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いて解答します。 基本的には、マウスのみで受験できますので、操作方法が簡単な試験です。
また、筆記方式とは違い、試験終了後にその場で結果を確認することができます。このことからもわかるように、ITを取り入れた新しい国家試験のスタイルと言えますね。
出題範囲について
出題範囲はストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と大きく3つに分類されます。
分野 | 大分類 | 中分類 |
---|---|---|
ストラテジ系 | 1.企業と法務 | 1.企業活動 2.法務 |
2.経営戦略 | 3.経営戦略マネジメント 4.技術戦略マネジメント 5.ビジネスインダストリ |
|
3.システム戦略 | 6.システム戦略 7.システム企画 |
|
マネジメント系 | 4.開発技術 | 8.システム開発技術 9.ソフトウェア開発管理技術 |
5.プロジェクトマネジメント | 10.プロジェクトマネジメント | |
6.サービスマネジメント | 11.サービスマネジメント 12.システム監査 |
|
テクノロジ系 | 7.基礎理論 | 13.基礎理論 14.アルゴリズムとプログラミング |
8.コンピュータシステム | 15.コンピュータ構成要素 16.システム構成要素 17.ソフトウェア 18.ハードウェア |
|
9.技術要素 | 19.ヒューマンインタフェース 20.マルチメディア 21.データベース 22.ネットワーク 23.セキュリティ |
ストラテジ系
企業活動や経営管理に関して問われます。頻出内容としては、個人情報保護法や知的財産権などです。
マネジメント系
システムやソフトウェアだけでなく、サービスの向上について問われます。頻出内容としては、要件定義やテストなどの運用のプロセスです。
テクノロジ系
コンピュータやシステムの構成要素など、これぞITという内容に関して問われます。頻出内容としては、ネットワークや情報のセキュリティなどです。
受験資格について
受験資格は特段なく、社会人が身に付けておくべき情報技術の基礎知識を受験者に習得してもらうことが狙いとなっています。 そのため、技術系の社会人や理系の学生だけでなく、事務系の社会人や文系の学生など様々な方が受験すべき試験と言えます。
試験日について
決まった日時があるわけではなく、全国で様々な日程で試験が開催されています。その試験の多くは、土日に開催されていますが、平日に開催されている会場もあります。 その点を踏まえても、通常の国家試験より受験しやすいものと言えます。
試験会場について
全国47都道府県で実施されています。試験会場は、受験申込手続の中で選択でき、一部の試験会場では、車椅子での受験も可能となっています。
会場のセキュリティが厳しい
受験会場内へは腕時計の持ち込みも禁止されるなど、セキュリティ面はかなり厳しく行われています。待合スペースには、ロッカーがあるので荷物はそちらに入れることになります。そこから受験会場へは、顔写真付き身分証明書が必要となっており、試験中も身分証明書を見えるところに提示して、受験することとなります。
机の上に置けるものとしては、ハンカチ、ポケットティッシュ、目薬、確認票、受験者注意説明書(会場で配布)、会場で用意する備品(メモ用紙、シャープペンシル)のみとなっています。
ひとりに1台のPCがある
試験はPCを使って受験することになりますので、ひとりに1台のPCが必要となり、会場によって台数も違うため、希望の受験会場や時間がある場合は早めの申し込みが必要です。尚、月末の受験日は人気のため、より早い申し込が必要となっています。
PCに映る試験画面の配色を変えることも可能ですが、試験開始後にしか設定を変えることができません。よって、変更をしない方が、よろしいかと思いますが、ITパスポート試験のホームページより疑似体験ソフトウェアをダウンロードできますので、事前に画面に慣れておくのが良いと思います。
試験時間について
会場により異なりますが、3つの時間帯(午前・午後・夕方)で実施されています。試験時間は120分です。
遅刻による入室制限はありませんが、遅刻時間に応じた試験終了時刻の繰下げはありません。また、各PCにて試験が終了できるため、試験終了時刻前の退出が可能となっています。
受験料について
受験料は税込みで、5,700円となっています。
申し込み
受験申込は、ITパスポート試験のホームページにて、行う必要があります。時代の流れや試験内容を踏まえてでもありますが、郵便、電話、FAX等による申込受付は行っていないのでご注意ください。
合格点
問題は100問出題されますが、出題分野分野ごとに出題数が違い、評価数も異なります。
分野 | 出題数 | 評価数 |
---|---|---|
ストラテジ系 | 35 | 32 |
マネジメント系 | 20 | 18 |
テクノロジ系 | 45 | 42 |
今後の出題するための評価分 | 8 | |
合計 | 100 | 100 |
各分野、1000点満点のうち、300点以上ずつ得点する必要があります。さらに、総合評価点が1000点満点のうち600点以上でなければなりませんので、全く学習をしない分野が無いようにしなければなりません。
出題数
表のように、分野ごとに出題数が異なります。そのため、出題数の多い分野の学習を疎かにすると総合点数に影響を与えてしまいますが、出題数が少ないからとマネジメント系の得点が低いと1問あたりのウェイトが高いため、一つのミスが大きくなってしまいます。だからこそ出題箇所をしっかりとらえた勉強が必要となってきます。
評価数
問題を解いていると今まで見たことが無いような問題が出題されて焦るかもしれません。100問のうち8問は今後の出題するための評価分となるため、評価する数字には含まれません。だからこそ、焦らず自信のあるものをしっかり得点できるようにする必要があります。試験での見直しは、自身のある箇所をしっかり解答できているか確認しましょう。
合格発表
自身の点数と合格点は試験終了時にその場で確認することができますが、正式な合格発表は翌月中旬にITパスポート試験のホームページにて公開となります。
また、ITパスポート試験の合格発表は、国家試験のため官報への掲載も行われます。名前が出ないにせよ、自身の合格を政府が公開してくれるのは、とても嬉しいですね。尚、官報への掲載は翌月中の予定となります。
以上が試験概要と受験資格についてです。 ITパスポート試験の試験範囲は広いですが、6割の得点で合格となります。苦手な分野を捨てるだけではなく、自身が得意とする分野をしっかり把握し、得点できるようにしましょう。