学歴よりも結果が重視される不動産業界は中卒者の就職に最適!

21世紀を迎えても、日本の学歴社会の大きな変化はありません。ベンチャー企業などが増えたといっても、やはり最終学歴で就職の大部分は決まってしまいます。そんな日本にも、学齢の低い方でも高学歴の方よりも好待遇をつかめる職業があります。そのひとつが不動産業界です。不動産業界の特に営業職に求められるのは学歴よりも結果です。そんな不動産業界事情を解説していきましょう。

不動産業界の営業職

不動産業界にはさまざまな職種があります。地域や観光地などを開発する開発業、不動産の維持管理を行う管理業、不動産の賃貸や売買を仲介する仲介業など、業種によって業務も多種多様となります。

そんな不動産業界ですが、すべての業種に共通するのが営業職があり、その営業職は学歴不問で求人を出しているケースが多いということです。ではなぜ不動産の営業職は求人が多いのか?なぜ学歴不問なのか?など、不動産業界の営業職の特徴について解説していきましょう。

取扱商品の単価が高額

不動産業界の営業職最大の特徴は、営業している商品の単価が高額であることです。マイホームなど、個人顧客に住宅を販売する営業でも商品単価は数千万単位、開発業や売買業ともなれば数億円単位の取引も珍しくありません。

単価が安そうに見えるのが不動産賃貸仲介業の営業職ですが、仮に家賃5万円の物件の契約者を見つけたとしましょう。単価は5万円に見えますが、その入居者が最初の更新までの2年間住んだとしたら、その商品価値は120万円です。決して安いものではありません。

不動産業界の営業職に関しては、取扱商品の単価が高額であるということをまず念頭においておきましょう。

1人の顧客と接する時間が長い

取扱商品の単価が高いということは、それだけ契約をとるまでに時間がかかるとも考えられます。長い時間をかけて同じ顧客に対して営業をするとなった場合、営業をする人に求められるのは学歴ではなく人柄です。

どれだけ高学歴であろうと、その営業の人の対応が悪ければ、顧客の財布のひもは緩みません。何しろ購入する商品は、一生に一度の買い物である数千万円単位のマイホームであったり、その会社の拠点となるオフィスであったりするわけですから、顧客は慎重に、納得の上でなければ契約には至りません。

高額の契約を結ぶ場合には、どのような人が担当であるかは重要なポイントです。対応の良い、人柄の好まれる人が営業するからこそ、高額の契約が結べるわけです。

学歴があって邪魔になるということはありませんが、学歴以上に大事なものが求められるのが不動産業界の営業職という仕事の特徴でしょう。

メンタルが強くないと続かない

ひとつの契約に長い時間が必要であるということは、簡単にあきらめてしまうような性格の方ではまず務まらないということがいえます。粘り強さがあり、同時にメンタル面でも強さが求められます。

学歴とメンタルの強さ、粘り強さという特性に因果関係はなく、学歴がなくても高学歴の方と同じ条件で働くことができるのが不動産営業の特徴となります。

中卒者でも高収入を得られる理由

不動産業界の営業職に関しては、学歴よりも求められる資質があり、学歴を問わずに働くことができるということはお判りいただけたと思います。しかし不動産業界の営業職に関しては、それだけがおすすめの理由ではありません。仮に中卒者であっても、高収入が目指せるのが不動産業界の営業職の大きな特徴だからです。

不動産業界の多くの企業が、営業職に関して歩合制を採用しています。基本給に加えて、営業で結果を出すことで歩合給がもらえるため、学歴がなくても結果を残せば高収入が可能になります。

不動産業界の人事担当者としても、営業職に求めるのは学歴や経歴ではなく、どれだけ結果を出してくれるかという点です。そのため学歴不問の求人が多くなります。

収入アップにおすすめの手段

不動産業界の営業職は、学歴や職歴、経歴を問わず、結果を出したものだけが高収入と好待遇を得られる業界です。では、営業職として結果を残すためにできることを考えてみましょう。

自分に合った業種を見定める

最初にご紹介した通り、不動産業界にはさまざまな業種があります。業種によって営業で扱う商品や、営業相手も変わってきます。営業として結果を残し、高収入を目指すのであれば、自身の特性も考え、もっとも力を出せる業種を見つけ出しましょう。

街の不動産屋のような不動産賃貸仲介業では、個人顧客の要望を聞き、その要望に近い物件を提案。その物件への内覧などに同行しながら物件への入居を進めます。同じ賃貸仲介でも、都心部であれば法人相手にオフィス物件を紹介することが中心になります。

都心部へのアクセスが良く、周辺に大きな大学のキャンパスがあるような地域の仲介業者であれば、学生相手にワンルームを紹介することが多くなります。

このように同じ業種でも取扱商品によって営業相手も変わってくることになります。どのような顧客相手の愛業が自分に向いているかなども考慮に入れて、就職する業界を選ぶといいでしょう。

必要な資格を取得する

不動産業界への就職・転職を考える場合、資格を取得するという方法も有効です。学歴は学生時代に勉強をした証ですが、不動産業界に直結する知識があるという証にはなりません。その点不動産業界で有効に使える資格は、不動産業界の業務に直結するため、学歴に関係なくその資格を持っているかどうかで待遇が大きく変わります。不動産業界への就職や転職に有利になる、かつ取得に条件のない資格をいくつかご紹介しましょう。

宅地建物取引士は、一般的に「宅建士」と呼ばれる資格で、不動産業界ではもっともポピュラーな資格といえます。不動産売買契約、賃貸契約などの場で、重要事項説明を行える唯一の資格だけに、売買業、仲介業などでは特に重宝される資格になります。

宅地建物取引士の資格に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【宅地建物取引士】

不動産取引において、不動産の登記情報を変更する際、この登記の代理が行えるのは司法書士のみとなります。司法書士の資格試験は、受験資格に大きな条件が付かないため、中卒の方でももちろん取得可能です。

司法書士の資格に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【司法書士】

特に不動産管理業で活躍できる資格としては、管理業務主任者やマンション管理士の資格が挙げられます。管理業務主任者は、不動産管理委託契約における重要事項説明を行える唯一の資格ですので、特に都市部の不動産管理業者の求人が多いのが特徴です。

マンション管理士はマンションなど集合住宅の、管理組合のコンサルタントをできる資格であり、こちらも都市部の不動産管理業者の求人が多い資格です。

管理業務主任者の資格に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【管理業務主任者】
マンション管理士の資格に関しては以下の記事で詳しく解説しています。
【マンション管理士】

このほかにも行政書士やファイナンシャルプランナーなども不動産業界で重宝される資格です。自身が目指す業界で求められる資格を狙って取得することで、好待遇での採用を目指せます。一番のおすすめは、宅建士+αで複数の資格を取得すること。複数の資格を持つことで、就職先の選択肢が一気に広がったり、よりよい待遇をもらえたりしますので、興味のある方は資格取得を目指してみましょう。

中卒者でもやる気があれば問題なし

多くの業界では、就職するにも転職するにも学歴を問われることになります。中卒者にとって学歴によって待遇や条件が悪くなってしまう業界が多い中、不動産業界、特に営業職においては、学歴不問の求人が数多くあります。

しかも、学歴がなくても結果さえ出せれば高収入を目指せるケースも多く、中卒者にこそ不動産業界がおすすめといえるでしょう。

ただし、いくらおすすめとはいえ、何の努力もなく結果が出せるわけではありません。その仕事で結果を残すだけの準備と覚悟が必要になります。不動産業界の営業職は、メンタルが強く、根気が求められる職種になります。この点において学歴は関係ありませんので、まずは気持ちをしっかりと持ち、必ず成功するんだという思いで仕事に向き合うことが重要になります。

また、有効に使える資格を取得するような努力も必要でしょう。取得した資格によっては、のちの独立開業や、さらなるキャリアアップも叶いますので、自身が就いた仕事に必要な資格を、将来性も加味しながら厳選して取得していく向上心は持ち続けましょう。