司法書士試験とは?試験の流れから難易度、勉強法まで解説
更新日:2024年11月15日
司法書士の仕事は非常に重要な役割を担います。不動産屋会社の登記、相続、成年後見など私たちの日常生活に密接に関わる法律の専門家です。法律の専門知識と手続きの複雑さを理解し、依頼者の権利を守るために尽力します。
これらの司法書士になるための試験が国家資格の中でも最難関であることをご存じでしょうか。 今回は、司法書士になるために必要な試験について、詳しくまとめています。
本記事で学べる内容
- 司法書士試験の概要や日程、受験資格
- 司法書士試験の合格点、合格率と難易度
- 司法書士の資格を得るメリット
- 効果的な学習方法
- 年齢や学歴、国籍、職歴に関わらず、誰もが挑戦でき、何度でも試験を受けることができます
- 未成年は司法書士の試験に合格することはできても、20才を過ぎるまで司法書士登録ができません
- 近年の合格率は5%と他の国家資格と比べると低い水準
- 全体的な範囲は11科目と大変幅広く、それぞれの法律分野に関する基本的な知識や手続きについて問われます
- 司法書士は法律に関する知識を活かして、個人の権利を守り、社会の秩序を維持するなど、社会貢献活動にも携わることができます
司法書士試験の流れ
司法書士試験は、例年、以下の流れで行われます。
- 5月上旬から中旬にかけて法務局で願書受付の開始
- 7月上旬に全国各地で筆記試験が行われる
- 9月下旬頃に筆記試験の合格者の発表
- 10月中旬に筆記試験合格者に対しての口述試験が行われる
- 11月上旬に最終合格発表
司法書士試験は筆記試験と口述試験の2段階で実施されます。午前は択一式問題、午後は記述式問題と、1日の流れも2段階構成となっています。
参考:法務省:司法書士試験司法書士試験の受験資格
司法書士試験の受験資格は特に制限がなく、誰でも受験可能です。 年齢や学歴、国籍、職歴に関わらず、誰もが挑戦でき、何度でも試験を受けることができます。
これは司法書士が法律の専門家として、社会に貢献する機会を広く提供する名目から定められていることで、誰でも努力次第で司法書士になるチャンスがあります。
ただし、試験合格後には司法書士としての業務を行うために、司法書士登録が必要です。
また、未成年は司法書士の試験に合格することはできても、20才を過ぎるまで司法書士登録ができません。その点は注意が必要です。
司法書士試験の受験料と必要書類
司法書士試験を受験するのに必要な書類は以下の2点です。
- 受験票
- 受験申請書
どちらも法務局、もしくは地方法務局の総務課窓口で入手できます。
また、受験料は8,000円です。
受験料の納付方法は、収入印紙を購入して受験申請書に貼り付けます。郵便局やコンビニエンスストアで8,000円分の収入印紙を購入し、貼付して納付しましょう。
司法書士試験の申し込み方法
司法書士試験の申し込み方法は以下の手順で行います。
- 願書を法務省のホームページや各法務局で入手する
- 願書に必要事項を記入する
- 受験料を銀行振込、または郵便局で支払う
- 願書を5月中に法務局に郵送、または窓口で提出する
※提出期間は2週間程度なので余裕を持った準備が必要
具体的な申し込み方法は、法務省のホームページや各法務局のホームページで確認しましょう。
司法書士試験の受験会場
司法書士試験は指定された会場で受験します。47都道府県すべてに会場があるわけではないため、隣県での受験になることもあります。また、朝早くから試験が実施される関係上、前泊する方もいらっしゃるでしょう。
いずれにせよ当日は余裕を持って移動し、受験票に記載のある会場へ向かいましょう。
司法書士試験の試験時間割
司法書士試験の時間割は下記の通りです。
着席時刻 | 指定時刻 | 試験時間 | |
---|---|---|---|
午前の部 | 午前9時00分 | 午後9時15分 | 午前9時30分~午前11時30分 (2時間) |
午後の部 | 午後0時30分 | 午後0時45分 | 午後1時00分~午後4時00分 (2時間) |
司法書士試験の試験科目
司法書士試験は法律に関する幅広い知識が必要とされる試験です。
試験科目の構成は以下の通りです。
午前の部で問われる内容
・憲法や民法、商法及び刑法に関する知識
午後の部で問われる内容
・不動産登記及び商業(法人)登記に関する知識
・供託並びに民事訴訟、民事執行及び民事保全に関する知識
・その他、司法書士法第3条から第1条第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な同胞に関する知識
全体的な範囲は11科目と大変幅広く、それぞれの法律分野に関する基本的な知識や手続きについて問われます。
参考:令和5年度司法書士試験受験案内書”.法務省.2024-10-01司法書士試験の合格率・難易度は?
司法書士試験の過去3年分の合格率と、受験者数、そして合格点数は以下の通りです。
年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
---|---|---|---|---|
受験者数 | 11,925名 | 15,693名 | 16,133名 | 16,837名(昨年度比4.4%増) |
合格者数 | 613名 | 660名 | 695名 | - |
合格率 | 5.1% | 5.2% | 5.2% | - |
合格点数 (280点満点) | 208.5点以上 | 216.5点以上 | 211.0点以上 | - |
司法書士試験における、令和5年度(最新)の合格点は5.2%となり、合格基準点は280点満点中211.0点以上でした。
あくまで目安ですが、過去数年の合格者の平均点を参考に見ると、合格ラインはおおむね50%以上であることがわかります。しかし、試験の難易度や受験者によって合格ラインは大きく変動するため注意が必要です。
また、近年の合格率は5%と他の国家資格と比べると低い水準です。司法書士の試験はどの国家試験に比べても難易度が高いとして知られています。
司法書士試験の難易度が高い理由は以下の通りです。
- 民法、商法、不動産登記法、商業登記方など、幅広い法律を網羅する必要性がある
- 単純に覚えるだけでなく、法律の知識と理解度が必要
- 記述式問題が多く、法理知識を文章で表現する能力が求められる
- 試験範囲が広く、知識の定着が必要なため合格のための学習時間が長い
司法書士試験は、早いうちから準備することが合格への鍵となります。
参考:法務省:司法書士試験司法書士試験に合格するメリット
司法書士試験に合格することで得られるメリットを以下で詳しく解説します。
就職や転職の幅が広がる
司法書士は法律に関する専門知識と実務経験を有する資格者として、幅広い分野で活躍できる職業です。
法律事務所、企業、不動産会社、金融機関、行政機関など、司法書士の資格はこれらの分野において高い専門性を証明するものであり、就職・転職活動において有利に働きます。
独立開業の可能性ができる
司法書士は独立開業することも可能であり、自分のペースで仕事を進めたい、専門分野を活かして社会貢献したいという方には魅力的な選択肢です。
司法書士の開業は、弁護士と比べるとハードルが低く、比較的容易に開業できます。
社会的な信頼とステータスを得られる
司法書士は法律に関する専門知識を持つ資格者として、社会から信頼を得ており、専門家としての認知があります。
また、司法書士は法律に関する知識を活かして、個人の権利を守り、社会の秩序を維持するなど、社会貢献活動にも携わることができるのです。
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司法書士試験に合格するための効率的な勉強方法は?
司法書士試験に合格するための効率的な勉強方法は以下の3つのステップに分けられます。
効率的な勉強方法1.理解を深め、知識の土台を築く
司法書士試験の試験勉強で最も大切なことは基礎力を固めて、知識を定着させることです。
- 参考書を徹底的に読み込む
- 問題集で理解度を確認する
- 過去問で試験対策
過去問を解く際は、時間配分を意識し、試験時間内に解けるように練習しましょう。
効率的な勉強方法2.知識をつなぎ、実践的な思考力を養う
基礎知識を身につけたら、次は応用力を強化する段階に入ります。実践的な問題に対応できるようにするために、以下のポイントに注意しましょう。
- 条文の解釈練習
- 論述問題の練習
- 弱点の克服
これらのポイントを意識しながら学習を進めることで、司法書士試験にしっかりと対応できる力を身につけることができます。
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通信講座のメリット:他の学習方法との併用で高い効果を発揮
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- 独学:自分のペースで学習、理解を深める、弱点の克服
- 通学型予備校:講師の授業、他の受験生との交流、モチベーション維持
- オンライン学習サービス:さまざまな分野の教材、学習ツール、効率的な学習
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