実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 三橋信吾さん

ファイナンシャルプランナー   三橋信吾 さん

1952年生まれ。東京都出身。1974年に慶応義塾大学卒業後、(株)松坂屋入社。外商部門を中心に26年間勤務後、2000年に東京海上あんしん生命保険(株)に転職。2001年にAFP、その後CFP®も取得。2003年に同保険会社を退職後、総合保険代理店オリックス・ファイナンシャル・アライアンス(株)に籍を置く傍ら「三橋FPオフィス」を開設。 2004年から独立FP事務所としてスタートし、2006年FPユニオンを設立し、プレミアムFPとして活躍中。現在、株式会社ライフゲートに生損保募集人と金融仲介業IFA登録。2010年より同社常務執行役員に就任。

FPユニオンのホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.mylifenavi.net/union/company.html


ファイナンシャルプランナーは、家計のホームドクター。
ライフプランを考え、お客様のスタンスでベストなアドバイスを。

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの三橋信吾さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


ファイナンシャルプランナーはお客様の生活設計プランを立て、その実行をサポートする専門家です。いわば「幸せな人生を実現すること」をお手伝いをする「家計全般のホームドクター」です。一人一人の人生設計が異なるように、経済的な準備の時期・金額・目的なども異なります。FPはお客様のライフプラン(人生設計)に基づいた資金プラン、保障プランを提案し、目的達成のため最適な商品選択のアドバイスをお客様の立場で行います。お客様にはファイナンシャルプランの基本原則の「収入を増やす」、「支出を抑える」、「貯蓄と運用」を実行していただき、ゆとりあるライフプランの実現を目差していただきます。FPはある特定の分野に特化した専門家とは異なり、包括的なアプローチを取り入れます。保険をはじめとする金融商品、株式、不動産、税金、年金、ローンなどに関する知識はもとより、金融や経済全般をカバーする幅広い知識をもって、お客様にベストと思われるプランを提示する必要があります。


「Fpは家計全般のホームドクター」という三橋さん

「Fpは家計全般のホームドクター」という三橋さん


ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


私は2000年3月にFPになることを目差し、流通業界から生命保険会社に転職しました。当時、金融や経済についての知識が乏しく、将来を考えた時に相当な不安を感じ、FPという資格を見つけた時は「これだ!」と思いました。 その第一歩として生保の経験は必須と思ったからです。物販業の流通業から金融サービス業のFPへの転身はかなり異色な経歴かと思います。流通業界に身を置いていた26年間は常に上位の成績を維持してきました。「最初からしっかりやれば、必ず目標達成できる」という信念で、外商時代は飛び込み営業で市場開拓をしてきました。しかし会社員として働く中で会社組織の在り方にも疑問を持ち、転職を考え始めました。そして「次の動きをするためには、まず自分を変えなければならない。資格を取ろう!」と決意しました。通勤時間などを利用して勉強し、まず最初に取った資格は宅建です。その後、危険物取扱者やDCプランナー、ボイラー技士なども取りました。資格をいかすかどうかは本人次第です。資格を持っていれば、最低限他の人と差別化ができます。そして、さまざまな資格を見ているうちにたどりついたのが金融・経済についての知識が身につくFPという資格でした。まず最初にAFPを取り、それから間もなく上位資格のCFP®も取得しました。


CFP®だけではなく多彩な資格を保有

CFP®だけではなく多彩な資格を保有


独立のきっかけを教えてください


3年ほど在籍した生命保険会社で営業と営業管理を経験し、FP的手法で顧客に提案を行い、また社内研修ではFP的発想の必要性なども説いて回りました。しかし結局は自社の商品を販売するためのテクニックであると気付きました。そこで生損保数十社を取扱う総合乗合代理店に転職しました。確かに商品の数が増え、提案の幅も広がりましたが、会社の都合で販売予定が立てられるのです。そのギャップで考えさせられることがしばしばありました。企業内FPがよく「中立の立場でファイナンシャル・プランニングを行います」と言いますが、それは会社員としてはなかなか難しいことです。企業の目的は、利益の追求だからです。「お客様にとって一番最適と思われるプランニングがしたい!」と、私は独立を決意しました。これまで約400〜500人のファイナンシャルプランを考えていますので、ある程度類型化し、独自のノウハウがあります。顧客満足度を重視した"お客様中心主義"をモットーに独立したFPでありたいと考えています。


CFP®のライセンス証の他に2001年MDRTのメンバー証も

CFP®のライセンス証の他に2001年MDRTのメンバー証も


仕事のやりがい、報酬はどのようなものでしょうか


お客様がファイナンシャル・プランニングを実行され、新たな幸せの目標に向かってスタートしていただいた時ですね。私は「家を建てたい」、「マンションを買いたい」というお客様の燃えている頭に氷水をかけるようなアドバイスをします。最悪の状況を想定しなければならないシビアな時代だからです。そしてローン完済と老後の準備などの目標に向かって、「どうしたら収入を増やし、支出を抑え、貯蓄を増やせるか」というご提案をします。私のプランニング通りに実行されて、「家を建てることが出来ただけでなく、貯金も100万円出来ました。有難うございました」と感謝の言葉をいただくこともしばしばです。「お客様が早く気付き、早く実行され、早く幸せになる」お手伝いが出来たと感じた時にやりがいを実感します。FPは自身のフィーだけでなく生損保の商品販売や金融仲介、不動産仲介等幅広く取扱えることが顧客満足度と収入のアップに繋がります。ドライブが趣味の私がBMW325に乗れるのも、2007年末に自分が設計した鉄筋コンクリート造りのオフィス兼住居(勿論、ノーローン)で趣味のギターやバンド活動を行ったり、年間30日国内外に旅行できるのも、現在の仕事のスタイルの魅力だと感じています。今後もワークライフバランスを考え、お客様の目標になる存在であり続けたいと思います。


成り切りもののギター11本やアンプ5台を所有し、バンド活動も

成り切りもののギター11本やアンプ5台を所有し、バンド活動も


ファイナンシャルプランナーとしての自覚はどのようなものでしょうか


「プレミアムFPである」という自覚のもと、お客様の幅広いニーズに応え、ご満足いただくのがFPの使命と考えています。私はFPの仕事に自信と誇りを持ち、私にとっては天職であると考えています。独立系FPとしてやっていくためには、保険は必須で、証券業務、不動産も扱えなくてはなりません。お客様のプランニングを行う場合も、実体験がなければ提案に説得力がありません。40代の時から私自身は「ライフプランとファイナンシャルプラン」を実践しています。ライフプランを考える目的は「幸せな人生を送ること」で、そのために必要なものは「健康、経済(お金)、生きがい」という3つの要素です。自分自身のこれまでの生き方こそがまさに、ファイナンシャルプランナーの人生だと思っています。


ワークライフバランスの実現は、パートナーの協力があってこそ

ワークライフバランスの実現は、パートナーの協力があってこそ


「天は自らを助く者を助く」という言葉があります。その意味で「資格は身を助く」です。私自身、流通から金融サービス業に転職出来たのはライセンスがあったからこそ実現できました。FPの知識は今の時代、全ての方々に必要です。FPの知識が身に付けば、世の中の仕組みが見えて来て、不安がなくなります。FPを中心としたマルチライセンスがあれば、よりよいビジネスチャンスと人生が送れるのではないでしょうか。早く実行すれば、早くゴールは近づきます。諦めない気持ちとやり遂げる意思を持って臨めば、必ず夢は叶います。現状を変えたいと思ったら、まずは自分が動かなければなりません。資格取得はその第一歩です。それがひとつの自信になり、あなたを変えてくれることでしょう。