実務家密着取材


ファイナンシャルプランナー 三村明 さん
1960年生まれ。東京都出身。1984年に筑波大学を卒業後、商社に入社し、営業職に携わる。その後、1989年に米国系金融機関へ転職。経営企画本部、個人金融部門支店長を経験し、2002年より独立系FP事務所設立。1996年にAFPを取得し、2003年にCFP®及び1級ファイナンシャル・プランニング技能士に合格。日本FP協会認定講師のほか、NPO法人相続アドバイザー協議会理事やNPO法人日本FP普及協議会理事、一般財団法人ロングステイ財団政策審議委員、NPO法人FPコンサルタント普及協会理事等も歴任し、今に至る。
三村明さんが代表を務める「ミスターエフピー立川オフィス/三村明FP事務所」のホームページは、下記のとおりです。
URL : http://www1.blu.m-net.ne.jp/mrfp/
元金融マンの知識をいかしたファイナンシャル・プランニング
お金の専門家・メンターとして生活者をサポート
試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの三村明さんからお話を伺いました。
どのようなお仕事をされているのでしょうか
私の主な業務は、個人向けのFPコンサルティング業務です。お客様の将来の生活資金設計作り、その実行支援をメインにしています。具体的には、ライフプランニング(将来の理想とする生活のための資金設計、資金運用設計)、リタイアメントプランニング(退職後の年金生活設計、海外ロングステイなどの援助)、生命保険のアドバイス及び見直し(最低必要保障額の計算及び商品の見直し)、住宅ローンの新規借入れ、借換えの相談(お客様に最適な金融機関の選択をアドバイス)、金融資産運用設計(投資商品分析レポートの作成、金融商品選択をアドバイス)、相続対策 (総合的な相続設計のためのアドバイス)等ですね。

外資系金融機関で支店長の経験もある三村さん
ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか
私が米国系の金融機関に勤務していた1995年に阪神・淡路大震災が起こりました。そして、財産や資産を失い、大変お困りになった多数の方々が相談にいらっしゃったのです。それを契機に、私の勤務していた会社も“ファイナンシャル・プランニング”について改めて見直すことになりました。そして、「個人資産を守り、さまざまな角度から資産管理を出来る」ファイナンシャル・プランナーを育成する動きになったのです。私は会社組織の方針により、AFPを取得しました。当時から自らの財産管理、資産形成もしていましたが、資格試験で学んだことがとても役立ちました。結果的に、独立開業の判断基準のひとつともなる資格でしたね。

CFP®は独立後に取得
なぜファイナンシャルプランナーという職業を選択されたのでしょうか?
会社員を辞めたのは、2001年に起きた「9・11」がきっかけです。アメリカ同時多発テロ事件が、自分にとってのひとつの区切りでした。日本企業から外資系企業に転職し、毎日の仕事はとてもやりがいがありました。ですが、あの事件の後、すぐに早期退職しようと決意し、後先のことは全く何も考えず辞めました。自分の人生を見つめ直しているうちに、「独立自営で出来る仕事をしたい」と思うようになりました。その時、「FPの資格を取ったのも、ひとつの縁ではないか」と考えたのです。金融機関に勤めていた時には、個人向け営業を経験していましたし、FPになるべくしてなったのだと思いますね。

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独立されてから、どのように仕事を進められたのでしょうか?
「FPとして独立しよう」と決意してからの行動は早かったと思います。すぐに独立系FPになるためのプログラムを受けました。2002年に立川でオフィスを構え、開業後にCFP®と1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得しました。それから「住宅購入」「変額年金保険の購入」等をタイトルにしたセミナー講師の仕事もしたりしましたが、お客様の大半は、ほぼ紹介からでしたね。最初は試行錯誤の連続でしたが、実践しながらノウハウと感覚をつかんで行きました。
お仕事のやりがいは何でしょうか?
私のオフィスを訪れるお客様の多くが、最初はかたい表情をされています。しかし、お話をしているうちに、表情がだんだんほころんでいきます。不安を抱えてやってきたお客様が相談を重ねるごとに問題点が見えてきたり、解決への糸口をつかみ、笑顔になっていくのを間近で目にすることが出来るのは、とても嬉しいことですね。FPという仕事を通じて、お客様やそのお子様たちと長きにわたってお付き合いしていける。本当にやりがいのある仕事だと思っています。

趣味の時間も大切にしている三村さん
お仕事をする際に気をつけていることは何でしょうか?
主役はお客様ということですね。私は脇役。お客様から、すべてのものを引き出すのが私の仕事だと思っています。ですから、個別面談をしていても最初の2時間のうち、FPの私がお話するのは10分程度です。とにかくお客様から話していただく。最初は聞くことが相談業務だと思っています。お客様の根幹の問題をまず引き出す。それからアドバイスです。また、アドバイスするにしても知識がなければ出来ません。時事問題、金融・経済の勉強、そして健康管理を怠ることなく、毎日スキルアップしていくことがFPにとって大事だと考えています。
ファイナンシャル・プランニングは社会人すべての方に持っていただきたい知識です。社会の仕組みやお金の流れが分かり、自分の頭で考えるベースを持つことが出来ます。私は独立するかどうかは個人の適性次第だと思います。一人で仕事をすることが苦になる人、そうでない人がいます。独立すると、自由に時間が使える一方、24時間365日休みがない状態になります。自分の進むべき道、目標を明確にして、合格の先にあるものへ向かって頑張ってください!
ファイナンシャルプランナー 三村明 さんの、ある1日


5:30 | 起床 | 新聞2紙チェック、読書 |
6:30 | 体操 | ラジオ体操(柔軟体操)など |
7:00 | 朝食 | |
8:00 | シャワー | アイデアを発想する時間 |
9:00 | 出社 | メール処理、提案資料の作成 |
10:00 | 個別相談 | 住宅ローンについての面談 |
11:30 | 昼食 | |
13:00 | 社内 | ライフプラン等の資料作成、下調べ等 |
17:00 | 社内 | 新聞切り抜き、読書 |
19:00 | 退社 | |
20:00 | 夕食 | 妻と一緒に。 |
23:00 | 就寝 |